13 / 107
冬のあほうつかい
冬のあほうつかい 2
しおりを挟む
2
氷の城から麓の町ノースフロストまでの間には平野が広がっている。秋が来る頃には雪が降り始めるが土地自体は非常肥沃である。しかし、町の実情から見れば誰も耕作などはしない。そのため平野は春から夏にかけて草原となりトナカイやヘラジカなどの大型の草食動物、リスやウサギなど小動物などが活動をし、キツネやテン、クズリ、グリズリーやオオカミなどの肉食動物が草食動物を狩る豊かな自然環境が存在している。一般的にはこういった豊かな草原は猟師たちにとっては夢のような猟場になるのだが氷の城の庭とも言える場所であり、ほとんどやってくることはない。冬になれば動物たちも冬眠や西に移動していき草原は深い雪に埋もれる。
平野の南側はノースフロストに至るのだが冬場はひと気がない。この町は冬に生活をするには危険で過酷な環境のために住人も冬の間はもっと南の町へ移動してしまう。ただこの町は氷の城の前哨基地となるため、シミュラも過去には冬場のうちに町を破壊するなどの手段を用いたこともあった。しかし、何度か襲撃をすると町側にも対策をされてしまった。春に攻勢をかけても敵勢力も数が多くシミュラの戦力が削られてしまうことになり、冬にわざわざ仕掛けても町自体が季節労働者向けのようなものなので人と物資は一緒に南へ移動してしまう。そのためわざわざ攻め込んでも奪い取るものもない。町を囲う塀も板塀程度の物なので人がやってくる春が来るたびに新しく直されてしまうのでわざわざ破壊しても意味がなかった。使役している生き物を動かせば食料が必要だし、迷宮より魔物を出動させ動かすにはかなりの量の魔素と呼ばれる燃料がいる。さらに魔素を魔物に供給するには迷宮の中でなければならない。シミュラは迷宮の主であっても外で魔素を補給させるすべを知らなかった。氷の城の防衛も大事であるが、その地下にある迷宮の奥にある物を守り抜かなければならない。魔物を外に送りすぎてしまうと腕利きの冒険者達に迷宮を攻略されシミュラは永遠とも呼べる命と強力な魔力を失うのである。冬は数少ない冒険者の相手をしていればいいが、春になると周辺国家や傭兵団の軍隊をいくつか相手にしなければならない。その間をすり抜けて入り込む冒険者も厄介なものだった。
そんなにぎやかな春が北の大地にやってくる。草原の肉食動物が目覚める頃、ノースフロストにも人間の姿をした猛獣たちが大挙してやってくるわけだ。
「氷の城には財宝が溜め込まれている」
「城の奥には世の支配者になれる力が眠っている」
彼らはそんな噂話を信じてやってくるわけである。そうなると軍隊や冒険者に物資を供給する商人たちも繁忙期を迎えることになる。港には軍船や商船がひっきりなしに横付けされ人や荷物を降ろし、寒々としていた町は一気に膨張していく。ただ立ち並ぶ店は家屋と言うよりはいつでも即撤収できるようテントのような屋台系のものであった。
とにかく戦いやすい季節ということもあってノースフロストは一気に賑わいを見せるわけである。
やってくる者たちにとってはいい季節だが、攻め込まれるシミュラにとっては迷惑なものだった。周辺に生息している動物を魔力で操ることも可能だがずっと兵力として使い続けるわけにも行かない。無理な使い方をすれば彼らの生息数にも影響を与えるし、そうなると動物の数を増やすことができずやがては兵力を整えることもできずに詰むことにもなり得る。
他にも魔力で氷の巨人を動かすこともできるが細かい命令はできない上に数体作るのがやっとである。氷の巨人自体は凄まじい攻撃力ではあるが、寒さで土地を荒らす。使いすぎれば動物たちの食料がなくなってしまう。その代わりの火力となるのは氷の砲台や投石機ではあるが、敵味方が入り乱れた場面では使うことができない。
この地を守ることは想像以上に繊細で難しいのである。
シミュラの家系は代々この地を治めてきたが、何度か迷宮の主の地位を奪われてしまったことがある。それでもこの地を取り返すことができたのは、シミュラが有能であると言うよりはこの地の防衛が想像以上に困難であるということを現しているのだろう。
シミュラにはもう血の繋がった家族はいない。父は迷宮の維持に失敗し、母もその時に殺された。兄は争奪戦で破れ、貧しさの中で妹を病気で喪った。ようやく氷の城を取り戻したのは百三十年以上前のことだった。冒険者の中に紛れ、魔物と戦い罠に阻まれ仲間をすべて失いながらもようやく手に入れたものだった。
迷宮の主になってからしばらくは順調だったが冒険者達の間に「攻略本」なるものが共有され始めたあたりから難しくなった。一定の冒険者達は迷宮探索を途中で切り上げてそこまでの記録を集めて本としてまとめているのである。仲間を失っても、迷宮攻略を続けるような冒険者ではなく冒険で得た情報を売るという稼ぎ方が登場したために罠や謎掛けがほぼ無力化され深部にたどり着く冒険者が爆発的に増えた。その対応のために蓄えた資材や資金などが使用されて財政の赤字が長らく続いてしまった。
そんな中、シミュラを救ったのが亜法使いの子供たちであった。その行いは失った妹の代わりを求めただけだったのかもしれないが、シミュラは周辺の村々で身寄りのない子供を見つけると氷の城へ連れてきて育てていた。そんな中の一人がある日、魔法を使ったのだ。シミュラが教えたわけではない。普通、魔法を使うには触媒のようなものが必要となる。シミュラは周辺の水気を使うことで氷を作ったり、物を温めたり、溶かしたりできる。
「シムラ様! 空からアメが降ってきたよ! 僕ね、アメアメアメなめるアメ~ってお空にお願いしたんだよ」
後になってわかったことだが亜法使いになる子供はシミュラの名前を正確に言えない。
その時、呼び名を注意することなく降ってきた雨を見に行ったのは、その時期に雨が降ることが珍しかったのとその量によっては雪が融かされて雪崩が起きることがあるからだった。そうして見に行った先で驚きの声を上げた。天候はよく晴れ雨など降っておらず、冬の日の中でもだいぶ穏やかな天気だった。大騒ぎをする子供たちの目の前の雪の上にカラフルな点が落ちていることに気がついた。雪の上に飛び出してはしゃぐ子供たちを見てシミュラは「お待ちなさい! キッチンで洗ってもらってから口の中に入れるのですよ!」などと言うしかできなかった。
原理は分からなかったが、亜法使いはその身の内にある無限の想像力で不可能を可能にしてしまうようだった。
それからというもの歴代の亜法使いの子供たちは迷宮の新しい階層を作り、豊かな発想により様々な罠や謎を作り出し冒険者の侵入をほぼ完全に防ぐようになった。やがて大人になった元亜法使いたちは他の子供達と同じようにその後も城で生活するか外の世界に旅立つかを自ら決めることができた。氷の城で育った者は城で寿命を迎えた者や戦死した者、時々戻ってきてまた旅立つ者と様々だったが、亜法使いだった者は好奇心が旺盛で氷の城に残り続ける者は少なかった。
氷の城から麓の町ノースフロストまでの間には平野が広がっている。秋が来る頃には雪が降り始めるが土地自体は非常肥沃である。しかし、町の実情から見れば誰も耕作などはしない。そのため平野は春から夏にかけて草原となりトナカイやヘラジカなどの大型の草食動物、リスやウサギなど小動物などが活動をし、キツネやテン、クズリ、グリズリーやオオカミなどの肉食動物が草食動物を狩る豊かな自然環境が存在している。一般的にはこういった豊かな草原は猟師たちにとっては夢のような猟場になるのだが氷の城の庭とも言える場所であり、ほとんどやってくることはない。冬になれば動物たちも冬眠や西に移動していき草原は深い雪に埋もれる。
平野の南側はノースフロストに至るのだが冬場はひと気がない。この町は冬に生活をするには危険で過酷な環境のために住人も冬の間はもっと南の町へ移動してしまう。ただこの町は氷の城の前哨基地となるため、シミュラも過去には冬場のうちに町を破壊するなどの手段を用いたこともあった。しかし、何度か襲撃をすると町側にも対策をされてしまった。春に攻勢をかけても敵勢力も数が多くシミュラの戦力が削られてしまうことになり、冬にわざわざ仕掛けても町自体が季節労働者向けのようなものなので人と物資は一緒に南へ移動してしまう。そのためわざわざ攻め込んでも奪い取るものもない。町を囲う塀も板塀程度の物なので人がやってくる春が来るたびに新しく直されてしまうのでわざわざ破壊しても意味がなかった。使役している生き物を動かせば食料が必要だし、迷宮より魔物を出動させ動かすにはかなりの量の魔素と呼ばれる燃料がいる。さらに魔素を魔物に供給するには迷宮の中でなければならない。シミュラは迷宮の主であっても外で魔素を補給させるすべを知らなかった。氷の城の防衛も大事であるが、その地下にある迷宮の奥にある物を守り抜かなければならない。魔物を外に送りすぎてしまうと腕利きの冒険者達に迷宮を攻略されシミュラは永遠とも呼べる命と強力な魔力を失うのである。冬は数少ない冒険者の相手をしていればいいが、春になると周辺国家や傭兵団の軍隊をいくつか相手にしなければならない。その間をすり抜けて入り込む冒険者も厄介なものだった。
そんなにぎやかな春が北の大地にやってくる。草原の肉食動物が目覚める頃、ノースフロストにも人間の姿をした猛獣たちが大挙してやってくるわけだ。
「氷の城には財宝が溜め込まれている」
「城の奥には世の支配者になれる力が眠っている」
彼らはそんな噂話を信じてやってくるわけである。そうなると軍隊や冒険者に物資を供給する商人たちも繁忙期を迎えることになる。港には軍船や商船がひっきりなしに横付けされ人や荷物を降ろし、寒々としていた町は一気に膨張していく。ただ立ち並ぶ店は家屋と言うよりはいつでも即撤収できるようテントのような屋台系のものであった。
とにかく戦いやすい季節ということもあってノースフロストは一気に賑わいを見せるわけである。
やってくる者たちにとってはいい季節だが、攻め込まれるシミュラにとっては迷惑なものだった。周辺に生息している動物を魔力で操ることも可能だがずっと兵力として使い続けるわけにも行かない。無理な使い方をすれば彼らの生息数にも影響を与えるし、そうなると動物の数を増やすことができずやがては兵力を整えることもできずに詰むことにもなり得る。
他にも魔力で氷の巨人を動かすこともできるが細かい命令はできない上に数体作るのがやっとである。氷の巨人自体は凄まじい攻撃力ではあるが、寒さで土地を荒らす。使いすぎれば動物たちの食料がなくなってしまう。その代わりの火力となるのは氷の砲台や投石機ではあるが、敵味方が入り乱れた場面では使うことができない。
この地を守ることは想像以上に繊細で難しいのである。
シミュラの家系は代々この地を治めてきたが、何度か迷宮の主の地位を奪われてしまったことがある。それでもこの地を取り返すことができたのは、シミュラが有能であると言うよりはこの地の防衛が想像以上に困難であるということを現しているのだろう。
シミュラにはもう血の繋がった家族はいない。父は迷宮の維持に失敗し、母もその時に殺された。兄は争奪戦で破れ、貧しさの中で妹を病気で喪った。ようやく氷の城を取り戻したのは百三十年以上前のことだった。冒険者の中に紛れ、魔物と戦い罠に阻まれ仲間をすべて失いながらもようやく手に入れたものだった。
迷宮の主になってからしばらくは順調だったが冒険者達の間に「攻略本」なるものが共有され始めたあたりから難しくなった。一定の冒険者達は迷宮探索を途中で切り上げてそこまでの記録を集めて本としてまとめているのである。仲間を失っても、迷宮攻略を続けるような冒険者ではなく冒険で得た情報を売るという稼ぎ方が登場したために罠や謎掛けがほぼ無力化され深部にたどり着く冒険者が爆発的に増えた。その対応のために蓄えた資材や資金などが使用されて財政の赤字が長らく続いてしまった。
そんな中、シミュラを救ったのが亜法使いの子供たちであった。その行いは失った妹の代わりを求めただけだったのかもしれないが、シミュラは周辺の村々で身寄りのない子供を見つけると氷の城へ連れてきて育てていた。そんな中の一人がある日、魔法を使ったのだ。シミュラが教えたわけではない。普通、魔法を使うには触媒のようなものが必要となる。シミュラは周辺の水気を使うことで氷を作ったり、物を温めたり、溶かしたりできる。
「シムラ様! 空からアメが降ってきたよ! 僕ね、アメアメアメなめるアメ~ってお空にお願いしたんだよ」
後になってわかったことだが亜法使いになる子供はシミュラの名前を正確に言えない。
その時、呼び名を注意することなく降ってきた雨を見に行ったのは、その時期に雨が降ることが珍しかったのとその量によっては雪が融かされて雪崩が起きることがあるからだった。そうして見に行った先で驚きの声を上げた。天候はよく晴れ雨など降っておらず、冬の日の中でもだいぶ穏やかな天気だった。大騒ぎをする子供たちの目の前の雪の上にカラフルな点が落ちていることに気がついた。雪の上に飛び出してはしゃぐ子供たちを見てシミュラは「お待ちなさい! キッチンで洗ってもらってから口の中に入れるのですよ!」などと言うしかできなかった。
原理は分からなかったが、亜法使いはその身の内にある無限の想像力で不可能を可能にしてしまうようだった。
それからというもの歴代の亜法使いの子供たちは迷宮の新しい階層を作り、豊かな発想により様々な罠や謎を作り出し冒険者の侵入をほぼ完全に防ぐようになった。やがて大人になった元亜法使いたちは他の子供達と同じようにその後も城で生活するか外の世界に旅立つかを自ら決めることができた。氷の城で育った者は城で寿命を迎えた者や戦死した者、時々戻ってきてまた旅立つ者と様々だったが、亜法使いだった者は好奇心が旺盛で氷の城に残り続ける者は少なかった。
0
あなたにおすすめの小説
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
『25歳独身、マイホームのクローゼットが異世界に繋がってた件』 ──†黒翼の夜叉†、異世界で伝説(レジェンド)になる!
風来坊
ファンタジー
25歳で夢のマイホームを手に入れた男・九条カケル。
185cmのモデル体型に彫刻のような顔立ち。街で振り返られるほどの美貌の持ち主――だがその正体は、重度のゲーム&コスプレオタク!
ある日、自宅のクローゼットを開けた瞬間、突如現れた異世界へのゲートに吸い込まれてしまう。
そこで彼は、伝説の職業《深淵の支配者(アビスロード)》として召喚され、
チートスキル「†黒翼召喚†」や「アビスコード」、
さらにはなぜか「女子からの好感度+999」まで付与されて――
「厨二病、発症したまま異世界転生とかマジで罰ゲームかよ!!」
オタク知識と美貌を武器に、異世界と現代を股にかけ、ハーレムと戦乱に巻き込まれながら、
†黒翼の夜叉†は“本物の伝説”になっていく!
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる