もふもふと心紡ぐ物語

ゆう

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もふその②

もふと騎士の新たな任務

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クレープ屋での偶然の出会いから数日後、ソフィアはまたまた侍女長に隠れて、街へ繰り出していた。

目的は、以前から気になっていた路地裏のパン屋だ。
公爵家の食事は完璧だが、庶民的なパンはまた別の魅力がある。

​「スノー、見てて。きっとふわふわで美味しいパンがあるはずよ」

​スノーはソフィアのカゴの中で、彼女の言葉に「もふんっ!」と元気よく応えた。

​路地裏のパン屋は、ソフィアが想像していた通り、焼きたてのパンの香りでいっぱいだった。彼女はどれを買おうか迷っていると、店の扉が開き、一人の騎士が入ってきた。

​「いらっしゃいませ…あら、レイモンド様。いつものパンでよろしいですか?」

​店の主人が声をかけると、騎士は小さく頷いた。
その声に、ソフィアはハッと顔を上げた。そこにいたのは、あの日の「顔面彫刻系クールビューティー」、レイモンドだった。彼は、今日は完璧な騎士服ではなく、動きやすいシンプルな服装で、手には小さな袋を持っていた。

​レイモンドもまた、ソフィアがいることに気づき、少し驚いた表情を浮かべた。しかし、彼の視線はすぐに、ソフィアのカゴからひょっこり顔を出したスノーに向けられた。

​「もふもふ…」

​レイモンドは小さく呟くと、まるで磁石に引き寄せられるように、ソフィアに近づいてきた。

​「ソフィア嬢?…こんなところで、お会いするとは…」

​「レイモンド様こそ!もしかして、このお店のパンがお好きなのですか?」

​ソフィアが尋ねると、レイモンドは少し恥ずかしそうに頷いた。彼の持っていた小さな袋から、か細い声が聞こえてくる。

​「ニャ…」

​レイモンドは、袋からそっと顔をのぞかせた小さな子猫を、大切そうに抱きかかえた。
子猫は、まるで綿毛のようにふわふわで、クリクリとした大きな瞳が、ソフィアをじっと見つめている。 

​「実は、この子猫を保護していまして…この店の、ミルクパンが好きなようで…」

​彼の言葉に、ソフィアは目を輝かせた。

「まあ!レイモンド様は、子猫を保護していらっしゃったのですね!」

​子猫は、ソフィアの愛らしい声に安心したのか、「ニャン…」と少しだけ力強い声で鳴いた。そして、レイモンドの大きな手にすっぽりと収まったまま、ソフィアに体を向けた。

​「はい。ですが…私ではどうすることもできず…もし、ソフィア嬢が良ければ色々教えていただければ…」

​彼は言葉を探すように、ソフィアの顔を見つめた。

​「もちろんですわ!わたくしにお任せくださいませ!」

​ソフィアは、レイモンドの真剣な眼差しに、胸の奥が温かくなるのを感じた。

​「この子はきっと、レイモンド様が優しい方だと分かっていたのですね」

​完璧な騎士の、不器用で、しかし誠実な言葉。そして、もふもふたちを介して、二人の関係は、ゆっくりと、しかし確かに、進展していく。
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