もふもふと心紡ぐ物語

ゆう

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もふその②

侍女長マリアの奮闘記Ⅱ:新たな脅威の報告

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「お嬢様、本日は公爵様とのご面会がございます。くれぐれも、お菓子の食べ過ぎで体調を崩されないように」

「ありがとう。今からお伺いしてくるわ」

​私は、いつものようにソフィアお嬢様を執務室へ送り出す。
お嬢様は、王子の婚約者ではなくなった今も、公爵令嬢としての務めをきちんと果たしておられる。
それは、彼女の変わらぬ聡明さと、そして何より、彼女の心に寄り添うあの「もふもふ」の毛玉のおかげだと、私は分かっている。

​しかし、最近、新たな悩みが私の頭を悩ませていた。

​お嬢様が、街へ出かける回数が増えたのだ。
それも、怪しい路地裏のパン屋だとか、人が大勢集まる市場だとか、公爵令嬢が行くべきではない場所ばかり。

​お嬢様は、決して無鉄砲な方ではない。しかし、彼女の行動は、私にとって常に予測不能だった。そして、その行動を助長しているのが、あの氷の騎士、レイモンド様だというのだから、私は気が気でなかった。

​噂は、私の耳にも届いている。

​『レイモンド様は、あの冷たい顔の下に、動物を愛する熱い心を隠しているらしい』

​『そして、公爵令嬢のソフィア様は、動物を癒やす、奇跡の魔法を使えるらしい』

​騎士が愛馬の心の声を聞いたとか、令嬢が光の魔法で怪我を治したとか…信じがたい話ばかりだ。
しかし、私の耳に入ってくる噂は、どれもこれも信憑性が高かった。

​(レイモンド様は、お嬢様を、一体どこへ連れて行こうとしているのでしょう?もし、お嬢様を利用しようとしているなら…このマリアが、決して許しませんから!)

​私は、密かに動き出すことを決意した。
お嬢様の護衛には、私が信頼する者たちを密かに配置する。
彼らは、お二人の行動を逐一私に報告するだろう。
レイモンド様が、本当に信用に足る人物なのか。お嬢様を傷つけるような真似をしないか。

​私の頭の中には、お嬢様を守るための作戦が、いくつも組み立てられていく。
完璧な令嬢として、不自由な思いをさせてしまった過去を、私は償わなければならない。お嬢様が幸せなら、私はそれでいい。しかし、その幸せが、偽りのものであるなら…
​私は、公爵令嬢の侍女長である前に、一人の人間として、お嬢様の幸せを心から願っているのだ。
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