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コラボ企画
コラボ企画④
しおりを挟む「うちのコーヒースタンドでも、秋に向けた新しいメニューを考えているんですが、ここの駅ビルから店舗同士のコラボ企画を打診されてまして……。もしよければクッキングスタジオさんとのコラボでメニュー開発するのをお付き合いいただけませんか?」
ドサドサっと音をたてて椅子から転げ落ちそうになった。子どもの時に読んだマンガであったよねこんなシーン。未央は体制を整えながら、いいですよと返事をした。
「よっぽどいいと思う。以前にもコラボ企画、他店舗とやったことがあるから。一応責任者に確認させてね」
「ありがとうございます。僕からもマネージャーに話しておきますね。オッケーでしたらお店に連絡をください」
亮介はニコッと笑った。なるほどきょうはパンケーキじゃなくてこれを頼みたかったんだなきっと。未央はちょっと期待した自分が恥ずかしくなった。未央は亮介から要望を聞き出していた。
「まだ決まったわけじゃないけど、考えだすなら早い方がいいよね。秋のメニューっていうのは、ドリンク? フード?」
「どっちもです。ただ、基本的にいまあるメニューになにか食材を足したり、アレンジしたりしてできるものが希望です。設備が限られているので、まっさらに新しいものというのは難しくて……。
スムージー系、ホットドリンク、フードの3種類を考えたいと思ってます。」
未央は結構ハードなお願いだなと手帳を取り出して、メモを取り始めた。
「郡司くん、正直スケジュールはかなりきついと思う。秋ってことは9月にはフライヤー作って予告して、10月に発売って感じだよね?」
「その通りです。10月初旬の発売が希望です」
「いま7月の終わりだから、食材の発注やパッケージの話も詰めるとなると、来週には試作、8月いっぱいでに大筋を決めないとまずいと思う」
未央は急に雰囲気をかえて、ザクザクと話を進める。その雰囲気についていくのがやっとという感じで亮介もメモをスマホに打ち込み始めた。
プレゼンかけて、試作して修正してを4週間でやろうとすると、実際に考える時間は1週間もない。未央は残ったコーヒーをごくごく飲み干した。「郡司くん、私いまからチーフに話してくるね。たぶんいいって言うと思うからちょっと待ってて。すぐ戻るから!」
「は、はいっ」
亮介をその場に残して、カバンを持つと未央はばっとかけ出した。
4階にあるスタジオまで一気に階段を駆け登る。帰りそうになっているチーフの先生をとっつかまえて矢継ぎ早に話をした。
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