悪魔と寝た女

アップルシード

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合コン

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ごめんねサユリ…こんな遅くに電話して。
あのね…サトル…殺しちゃった…。

今、死体の横で電話してるの…。

私も自殺する…もう生きていけない…。


この前の合コンでそのまま彼とホテルへ行って…私、その時は一夜限り、と思っていたの…。
彼もサバサバした感じで、朝ホテルの前で別々の方向に別れて会社に行ったわ。

彼、タイプじゃなかったけど、お酒入って、話しが盛り上がったその場のノリでそのまま…そう…。だからもう仕事しているうちに彼のことなんか忘れていたの、きれいさっぱりと…。

そしたら、その日の晩、部屋の明かりを消して寝つくまでじっとしていたら、彼の声が聞こえてきたの。

…会いたいよ…会いたいんだ…抱きたい…セックスしたい…

体を求めてくる声が止まらない。エンドレスなの。私が話しかけても関係ないの。ずっと喋り続けている…。


…いいえ、私が彼のこと思い出してるんじゃないし、幻聴や妄想なんかじゃない…。意識なんかしてないのに聞こえてくる…。彼、私の心に入り込んで来ているの。

起き上がって電気を付けると、彼の声、聞こえなくなる。
でもまた暗くして眼を閉じると…彼の声が聞こえてきて。
私、怖くなって部屋を明るくして朝まで起きていた。

ふらふらになってその日仕事して、次の日の晩も彼の声で眠れない…。私、お酒をいっぱい飲んでやっと眠れたの。

翌日、病院に行っても埒が明かなかった。病名が分からないって匙投げられて…
何とか睡眠薬を処方してもらって…でも、彼の声が大きくなってきて…。


…会ってくれよ…どうして会ってくれないんだ…俺のこと嫌いなのか…会ってくれないんならこれからおまえに会いにゆく…レイプして殺してやる…

レイプ…殺してやる…私、震えが止まらなかった。


私、あなたに、彼と連絡を取りたいって頼んだわね。
彼と直接会えば何とかなる、って藁をもすがる思いで電話をして、彼のマンションに押し掛けた。

彼、何わけわかんないこと言ってるの?って笑うの。

「レイプ…そんなことするわけないじゃないか…だいたい君なんてタイプじゃないし…」

もう…どうしたらいいの…。

私、満足させないと…セックスさせてあげないと、って焦って彼の前で服を脱いだの…。抱いて…そしたら満足でしょ、って。

そしたら彼、ニヤッと嗤って獣のような目つきをして私を押し倒してきた。

「フフッ…いい子だ…」

彼、そう言いながら私の中に入ってきた。そして手を伸ばして私の首を絞めてきたの。

「気持ち…いいだろう。もっと感じるようにしてやるよ…」

彼はぐいぐい力を入れきて…私、息が出来なくなってきた。意識が遠のいて目の前が暗くなってきて…私、ありったけの力で抵抗して彼の体を押しのけたの。
それからキッチンへ駆け込んで、そこにあった包丁で…。

もみ合って首を刺したの…一瞬だった。
彼、血まみれになって動かなくなった…。

私、その場にへたり込んでしばらく泣いたわ。

でも…彼の声が聞こえてきたの…。

…俺を殺して…逃げられたと思うな…これからもお前を苦しめてやる…ずっと…お前が死ぬまで…俺の声を聞かせてやる……

終わりじゃなかった…。

これから刑務所行っても、どこにいても彼は私の中にいて話し掛けてくる…。

彼は人間じゃない…悪魔なのよ…きっと。

もうダメ…苦しむのは嫌…。

サユリ…さようなら…。
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