5 / 14
4
しおりを挟む
今日で私は16歳になる。つまり私は今日から自由を手に入れる事ができるのだ。私はあの後、ジェンのお店を購入し、最低限の必要な物だけそちらの家に移動させた。
後はこの城を出て行くだけだ。昨日の時点で私は王にこの城を出て、平民になる事を伝えると横にいた女王は私の選択を喜んでくれた。勿論そうだろう。厄介者の私がいなくなるのだから。
ジェイコブには私が出て行くまで言わないでほしいと告げた。最初は彼も悲しむだろうが、時が経てば私の事も忘れるだろう。きっとリリーの旦那になるか従者になるか、どちらにしろ私にはもう関係ない。後は許可書を貰いここを出て行くだけだ。その時、誰かが私の部屋を訪ねてきた。
こんな早朝に誰だろう。
「私をおいて城を出ていかれるのですか?」
そこにはジェイコブが立っていた。
「な、なんで知っているの?お父様から聞いたの?
どっちにしろ悪いけどココから出て行くわ。お父様からは許可は貰ってる。」
「残念ですが、許可は却下されました。」
何を言ってるの・・・・。彼の言葉に何も言えずにいるとジェイコブは続けていった。
「許可は却下されたのです。これからも私たちは・・・」
ジェイコブの話の途中だったが、それどころではない。直ぐに部屋を飛び出し王のもとへ向かった。
「どういう事ですか!王様!許可が却下されたとは、聞いてないですそんな話!!」
王は申し訳なさそうな顔して
「すまない。リリーから話しが漏れたようだ。あの後ジェイコブが私達を訪ねてきた。彼はハナが出て行くなら自分も出ていくという。知っての通り、彼は今やこの国の財産だ。失うわけには行かない。ハナなら理解してくれるだろう?お詫びに何か他のものを与えるから言ってみなさい。」
ここで抗議しても何も変わらない。今は納得するふりをしよう。
「それはとても残念ですが、仕方ありませんね。欲しいものは今は思いつかないので後で考えて報告致します。それより質問があるのですが、以前従者の交換をした際、直ぐに元に戻りました。リリー様が言うには王様の命令だったと聞きました。どうして突然そのような命令をされたのですか?」
「あぁ、あれはジェイコブがリリーの従者をするなら剣術の試合には出ないといってきたんだ。あれは国を挙げての大会だ。彼がでなければ盛り上がらない。それにジェイコブは今や国を代表する人気を持っているからね。国民の為に元に戻したんだよ。それに元はと言えばリリーの我儘が発端だしな。」
彼は王に意見が言えるまでに力を持っていたんだ・・。
部屋を出るとジェイコブが待っていた。
私は彼の手を取り自室に引っ張って問い詰めた。
「どういう事なの!私は平民になるのよ!従者なんて必要ないの!なぜ貴方が付いてくる必要があるの!」
彼は私の肩を抱きながら
「まだ、分からないのですか?私にはハナ様が必要なのです。人間に酸素が必要なように私にとってあなたが必要です。申し訳ありませんが、貴方を手離す事は絶対にありません。絶対にです。今日は興奮されているようですから外で散歩など、どうですか。朝の散歩は気持ちいいですよ。」
そういうとジェイコブは私の手を引き外に連れ出した。
私の怒りなどどこ吹く風だ。しかも少し楽しそうにしている。何を考えているのか全くわからないのが逆に不気味だ。
今までジェイコブの事を甘く見てたわ。こいつから離れるには徹底的に作戦を立てないと。
どうにかしないと。どうにか・・・・・・。
後はこの城を出て行くだけだ。昨日の時点で私は王にこの城を出て、平民になる事を伝えると横にいた女王は私の選択を喜んでくれた。勿論そうだろう。厄介者の私がいなくなるのだから。
ジェイコブには私が出て行くまで言わないでほしいと告げた。最初は彼も悲しむだろうが、時が経てば私の事も忘れるだろう。きっとリリーの旦那になるか従者になるか、どちらにしろ私にはもう関係ない。後は許可書を貰いここを出て行くだけだ。その時、誰かが私の部屋を訪ねてきた。
こんな早朝に誰だろう。
「私をおいて城を出ていかれるのですか?」
そこにはジェイコブが立っていた。
「な、なんで知っているの?お父様から聞いたの?
どっちにしろ悪いけどココから出て行くわ。お父様からは許可は貰ってる。」
「残念ですが、許可は却下されました。」
何を言ってるの・・・・。彼の言葉に何も言えずにいるとジェイコブは続けていった。
「許可は却下されたのです。これからも私たちは・・・」
ジェイコブの話の途中だったが、それどころではない。直ぐに部屋を飛び出し王のもとへ向かった。
「どういう事ですか!王様!許可が却下されたとは、聞いてないですそんな話!!」
王は申し訳なさそうな顔して
「すまない。リリーから話しが漏れたようだ。あの後ジェイコブが私達を訪ねてきた。彼はハナが出て行くなら自分も出ていくという。知っての通り、彼は今やこの国の財産だ。失うわけには行かない。ハナなら理解してくれるだろう?お詫びに何か他のものを与えるから言ってみなさい。」
ここで抗議しても何も変わらない。今は納得するふりをしよう。
「それはとても残念ですが、仕方ありませんね。欲しいものは今は思いつかないので後で考えて報告致します。それより質問があるのですが、以前従者の交換をした際、直ぐに元に戻りました。リリー様が言うには王様の命令だったと聞きました。どうして突然そのような命令をされたのですか?」
「あぁ、あれはジェイコブがリリーの従者をするなら剣術の試合には出ないといってきたんだ。あれは国を挙げての大会だ。彼がでなければ盛り上がらない。それにジェイコブは今や国を代表する人気を持っているからね。国民の為に元に戻したんだよ。それに元はと言えばリリーの我儘が発端だしな。」
彼は王に意見が言えるまでに力を持っていたんだ・・。
部屋を出るとジェイコブが待っていた。
私は彼の手を取り自室に引っ張って問い詰めた。
「どういう事なの!私は平民になるのよ!従者なんて必要ないの!なぜ貴方が付いてくる必要があるの!」
彼は私の肩を抱きながら
「まだ、分からないのですか?私にはハナ様が必要なのです。人間に酸素が必要なように私にとってあなたが必要です。申し訳ありませんが、貴方を手離す事は絶対にありません。絶対にです。今日は興奮されているようですから外で散歩など、どうですか。朝の散歩は気持ちいいですよ。」
そういうとジェイコブは私の手を引き外に連れ出した。
私の怒りなどどこ吹く風だ。しかも少し楽しそうにしている。何を考えているのか全くわからないのが逆に不気味だ。
今までジェイコブの事を甘く見てたわ。こいつから離れるには徹底的に作戦を立てないと。
どうにかしないと。どうにか・・・・・・。
10
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
黒騎士団の娼婦
イシュタル
恋愛
夫を亡くし、義弟に家から追い出された元男爵夫人・ヨシノ。
異邦から迷い込んだ彼女に残されたのは、幼い息子への想いと、泥にまみれた誇りだけだった。
頼るあてもなく辿り着いたのは──「気味が悪い」と忌まれる黒騎士団の屯所。
煤けた鎧、無骨な団長、そして人との距離を忘れた男たち。
誰も寄りつかぬ彼らに、ヨシノは微笑み、こう言った。
「部屋が汚すぎて眠れませんでした。私を雇ってください」
※本作はAIとの共同制作作品です。
※史実・実在団体・宗教などとは一切関係ありません。戦闘シーンがあります。
悪役令嬢と氷の騎士兄弟
飴爽かに
恋愛
この国には国民の人気を2分する騎士兄弟がいる。
彼らはその美しい容姿から氷の騎士兄弟と呼ばれていた。
クォーツ帝国。水晶の名にちなんだ綺麗な国で織り成される物語。
悪役令嬢ココ・レイルウェイズとして転生したが美しい物語を守るために彼らと助け合って導いていく。
靴屋の娘と三人のお兄様
こじまき
恋愛
靴屋の看板娘だったデイジーは、母親の再婚によってホークボロー伯爵令嬢になった。ホークボロー伯爵家の三兄弟、長男でいかにも堅物な軍人のアレン、次男でほとんど喋らない魔法使いのイーライ、三男でチャラい画家のカラバスはいずれ劣らぬキラッキラのイケメン揃い。平民出身のにわか伯爵令嬢とお兄様たちとのひとつ屋根の下生活。何も起こらないはずがない!?
※小説家になろうにも投稿しています。
好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】
皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」
「っ――――!!」
「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」
クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。
******
・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる