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Ⅲ 戦場に咲く可憐な花たち~16歳~
第47話 抑制
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ジンに知られたらと、プルプルと震えているアカネに、だんだん興ざめしてきた。
俺は、チンポをパンティからおろし、近くにあったティッシュで溢れ出た我慢汁を拭いた。
それを見て、アカネは目をぱちくり。
摂取にしては、覚えたての猿のように動くと言われる筋金入りの摂取好きが、抑制したのだ。
自分でもびっくりだが、たぶん理由は簡単。アカネが震えてるのに行為を続けるのはよくない。というか、面白くない。
ベットから出て、乱れた服を整えた。
シーツからゆるゆると顔を出すアカネ。キョトンと信じられない表情で、俺を見つめている。
くると振り返って、コホンと咳払いした。わざとらしいけど。
「今日はやめとく。面白くないし。けど、覚えてろよ。今度ヤるときは今までのよりキツくしてやる」
そう言うと、アカネはふっと笑った。
「何かっこつけてんの。言ってること、摂取だからね?」
そう言われると、恥ずかしくなってきた。顔がかぁ、と赤くなっていく。
本当にそうなっているのか、アカネはクスクス笑う。こいつめ、命拾いしたことを忘れてないか?
俺は、摂取できずにムカムカしてるのに。もう腹がたって、スタスタと保健室から出て行った。
もう寮に戻ろう。疲れたし。寝たけど寝てない感じ。
足も素直に寮へと動いている。
寮内では、猫たちが甘える声が奏でていた。大人の雌猫と気持ちの悪い雄猫の、戯れ合う声が、室内から廊下まで聞こえ旋律を奏でていた。
四方八方から聞こえ、やけに耳障りがする。
俺は寮内を、逃げるようにスタスタと歩き自分の部屋へと辿りついた。
自分の部屋は、当然のように真っ黒だ。人がいないから当然なのだろう。だが、いつもはジンが先に待っているせいか、そのせいで慣れてしまったのだ。照明のついた明るい部屋に。
スイッチをつけた。
バチバチ、と白黒を点滅させスゥ、とついた。
戦闘服を脱いではぁ、とため息と同時にベットにダイビング。重みで体が沈んでいく。ピンと張ってあった緊張とか不安とかがゆるゆると緩んでいった。
脱いだ捨て殻は、無造作に床下に投げていた。ハンガーにかけないと、皺になる。
だが、体が思うように動けない。
目を閉じると、アカネの素股の感覚が残って忘れられない。こんなの寝れるわけない。
そういえば、いつもは先にジンがいて、部屋で一人っきりになったの初めてだな。
もし、ここに誰かがいたら性欲が少なからず抑えられてた。
今日に限って、誰もいないことに感謝か、それとも……。
上体を起き、股間にゆっくり手を伸べた。ジッパーが弾けんばかりにムクムクしている。
ジッパーをおろすと、ニュルンとソレは、腹にくっつくほど勃起していた。ずっと我慢していたからか、拭いたのに我慢汁が溢れてる。
何もしてないのに硬くなった己の息子。
それを右手の中に包んだ。
思いだすのは、アカネとの摂取。淫らな姿が頭に浮かび、包んだ手のスピードが激しくなった。
我慢してた分、果てるにはあっという間だった。
自分でも信じられないぐらい濃ゆくて、白濁した液が先端からゴポポと泡みたいに溢れてきた。
自分の手で摂取をするのは、初めてだ。
暫く放心状態だった。ぼーっと天井を見上げてた。
体がスッと軽い。心中に渦巻いていたモヤモヤが消えて、羽がはえたように心身が軽い。
アカネのことも、今日起きた出来事も何もかも、考えることに面倒くさい。気怠さが思考を鈍くさせていく。
そのまま睡魔に襲われてもいいのに、ちっとも寝れない。硬く目をつぶっても睡魔が襲ってこない。
そのまま朝になり、部屋を出た。
窓から差し込む朝日の光が目に当たると、パチパチして痛い。
寝てないから体がずっしり重い。もうちょっと横になってこ。
と、くるりと踵を返すとトン、と誰かにぶつかった。
「あ、ごめん」
見下ろすと、胸辺りに誰かの頭がある。女子だ。朝から顔を梅干しみたいに赤くさせ、モジモジしている。雨だ。
雨の背後から美樹がひょっこり顔をだした。
「あ、はよー何、何? 寝れなかったのかい? クマがあるよ」
俺は目を隠し、微笑した。
ひだまりの笑顔は、これまで冷たかったこころをすぅ、と浄化してくれた。泥沼に浸かったふいに、希望の手を差し伸ばす光のようだ。
何故美樹にはそんな力があるのか、謎ばかりだ。
雨は、股をモジモジさせながら、チラホラ見てきて照れた顔をした。
「そ、それなら私の部屋で……」
「あーめー」
ジトと美樹が雨のことを睨んだ。
雨の部屋というより、美樹と雨二人の部屋だ。雨は良くても同室の美樹は、断固拒否している。
そんな美樹に、雨は眼光を光らせ睨みつけた。凄まじい眼光。照明により、目の奥がギラギラと帯びている。
「うわぁ、こわーい」
美樹は怯んだ様子で、雨から離れた。スススとやってきて、どさくさに紛れて腕を組んできた。まだ発展途上の小さなお胸が当たってくる。
ツルペタだど思っていたが、アカネよりあるな。いいや、もしかしたらサラシ巻いてこの盛りだったら、アカネの完敗だな。
美樹は静かにそっと耳打ちしてきた。
「今日は反省会するよ。食堂で集合だ」
返事をする間もなく、美樹は離れ、雨の手を引っ張って「朝ご飯に間に合わないよ!」と言ってパタパタと走り去ってしまった。
名残惜しそうに、雨はときおりこちらに振り返ってきては、頬を赤に染める。
美樹雨コンビと離れ、ようやく一息ついたとき背後から声をかけられた。小鳥のさえずりのような可愛らしい声。ルイだ。
振り返って、誰かと確認する間もなく分かってしまう。俺と同じ、目の下に黒いクマがあった。小顔で白い肌の持ち主には、かなり目立つものだ。
「どうしたんだ?」
訊くと、ルイは何でもないと言い張って首をふった。
こういうとき、深くは聞けない。昔だったらまだしも、今は、何処か線引きしている。
どうしても言わないルイに俺は「そっか」と片付けた。
廊下でばったり遭遇したルイも美樹たちも、向かうところは皆一緒。朝食を食べに食堂だ。
「そうだ。今日美樹ちゃんが反省会するって」
「聞いた聞いた」
反省会って、昨日の戦闘では問題起こしてないぞ。なのに、怒っているふうに反省会って、美樹は変人だな。
「それと……」
ルイがおもむろに喋りだした。
それまで明るく喋っていたのに、急に表情が暗く。
「みんなに、話したいことがあるの。邪鬼について……」
それから、二度と口を開けなかった。
何か重たい雰囲気を発している。
食堂で話し合う前だからか、一切言葉を交わそうとしなかった。
食堂では、さっき別れたばかりの美樹と雨が。窓際の席。二つ分の机をくっつけて座っていた。
そんな大人数なわけないのに。と思いきや、そこの席にユリスとスタンリーが座ってくるじゃないか。
もしや、と嫌な予感がよぎった。
その嫌な予感は見事に的中した。
ユリス班美樹班とで、反省会らしい。話題は一つ。
俺が廊下で雨にしたことだ。ユリスがぼろ、と軽く告げたせいで今や災害が起きている。
名誉毀損罪だ。
反省会ていうのに、俺の非難声明だ。
その会場に、当たり前といっちゃ当たり前だが、アカネやジン二人そろってやってきた。
二人そろってやって来た、てことは、今まで保健室までいたのか。
胸がざわざわして、黒い何かが心中を這いつくばった。
息が苦しい。二人を見ていると、胸が痛んで途端に、息が苦しくなる。
さて、と美樹の一言から話が始まった。
とんだ誤解から発展したものが、大きな災害になって、ユリスは飄々とした態度で朝の紅茶を優雅に飲んでいた。
雨は、擁護もなにもただ照れて『乙女』の顔をするばかり。
女子は非難で男子は擁護。スタンリーは、このくだらない茶番に真っ先に溶岩の投石を投げた。「くだらない」とたった一言。
結局、この会は雨が「私が頼んだのだ」と言って片付けられた。
ここまでされて俺の名誉がズタズタ。
ユリスは最後まで飄々として、会が終わる前に、紅茶を飲み終わったことでスタスタと去ってしまった。
スタンリーも同じく、去っていった。
残ったのは美樹班全員と雨。雨は、暫く部屋にこもると言って、食堂をパタパタ去った。
残ったのは、圧倒的な虚無感。
名誉ズタズタにされ、あっという間に会は終わり、話は以上。
はぁ、朝から疲れたな。
と、机にうつ伏せで倒れる。隣に座っていたルイがコトンと、コップを置いた。
氷がコップの中でひしめき合い、カラン、と乾いた音でその仲を少しずつずれていく。
それを合図に、ルイが語りだした。
俺の非難が殺到していたとき、ルイは一言も言葉を発していなかった。擁護も非難も。ただ、黙ったまま俯いていた。
俺は、チンポをパンティからおろし、近くにあったティッシュで溢れ出た我慢汁を拭いた。
それを見て、アカネは目をぱちくり。
摂取にしては、覚えたての猿のように動くと言われる筋金入りの摂取好きが、抑制したのだ。
自分でもびっくりだが、たぶん理由は簡単。アカネが震えてるのに行為を続けるのはよくない。というか、面白くない。
ベットから出て、乱れた服を整えた。
シーツからゆるゆると顔を出すアカネ。キョトンと信じられない表情で、俺を見つめている。
くると振り返って、コホンと咳払いした。わざとらしいけど。
「今日はやめとく。面白くないし。けど、覚えてろよ。今度ヤるときは今までのよりキツくしてやる」
そう言うと、アカネはふっと笑った。
「何かっこつけてんの。言ってること、摂取だからね?」
そう言われると、恥ずかしくなってきた。顔がかぁ、と赤くなっていく。
本当にそうなっているのか、アカネはクスクス笑う。こいつめ、命拾いしたことを忘れてないか?
俺は、摂取できずにムカムカしてるのに。もう腹がたって、スタスタと保健室から出て行った。
もう寮に戻ろう。疲れたし。寝たけど寝てない感じ。
足も素直に寮へと動いている。
寮内では、猫たちが甘える声が奏でていた。大人の雌猫と気持ちの悪い雄猫の、戯れ合う声が、室内から廊下まで聞こえ旋律を奏でていた。
四方八方から聞こえ、やけに耳障りがする。
俺は寮内を、逃げるようにスタスタと歩き自分の部屋へと辿りついた。
自分の部屋は、当然のように真っ黒だ。人がいないから当然なのだろう。だが、いつもはジンが先に待っているせいか、そのせいで慣れてしまったのだ。照明のついた明るい部屋に。
スイッチをつけた。
バチバチ、と白黒を点滅させスゥ、とついた。
戦闘服を脱いではぁ、とため息と同時にベットにダイビング。重みで体が沈んでいく。ピンと張ってあった緊張とか不安とかがゆるゆると緩んでいった。
脱いだ捨て殻は、無造作に床下に投げていた。ハンガーにかけないと、皺になる。
だが、体が思うように動けない。
目を閉じると、アカネの素股の感覚が残って忘れられない。こんなの寝れるわけない。
そういえば、いつもは先にジンがいて、部屋で一人っきりになったの初めてだな。
もし、ここに誰かがいたら性欲が少なからず抑えられてた。
今日に限って、誰もいないことに感謝か、それとも……。
上体を起き、股間にゆっくり手を伸べた。ジッパーが弾けんばかりにムクムクしている。
ジッパーをおろすと、ニュルンとソレは、腹にくっつくほど勃起していた。ずっと我慢していたからか、拭いたのに我慢汁が溢れてる。
何もしてないのに硬くなった己の息子。
それを右手の中に包んだ。
思いだすのは、アカネとの摂取。淫らな姿が頭に浮かび、包んだ手のスピードが激しくなった。
我慢してた分、果てるにはあっという間だった。
自分でも信じられないぐらい濃ゆくて、白濁した液が先端からゴポポと泡みたいに溢れてきた。
自分の手で摂取をするのは、初めてだ。
暫く放心状態だった。ぼーっと天井を見上げてた。
体がスッと軽い。心中に渦巻いていたモヤモヤが消えて、羽がはえたように心身が軽い。
アカネのことも、今日起きた出来事も何もかも、考えることに面倒くさい。気怠さが思考を鈍くさせていく。
そのまま睡魔に襲われてもいいのに、ちっとも寝れない。硬く目をつぶっても睡魔が襲ってこない。
そのまま朝になり、部屋を出た。
窓から差し込む朝日の光が目に当たると、パチパチして痛い。
寝てないから体がずっしり重い。もうちょっと横になってこ。
と、くるりと踵を返すとトン、と誰かにぶつかった。
「あ、ごめん」
見下ろすと、胸辺りに誰かの頭がある。女子だ。朝から顔を梅干しみたいに赤くさせ、モジモジしている。雨だ。
雨の背後から美樹がひょっこり顔をだした。
「あ、はよー何、何? 寝れなかったのかい? クマがあるよ」
俺は目を隠し、微笑した。
ひだまりの笑顔は、これまで冷たかったこころをすぅ、と浄化してくれた。泥沼に浸かったふいに、希望の手を差し伸ばす光のようだ。
何故美樹にはそんな力があるのか、謎ばかりだ。
雨は、股をモジモジさせながら、チラホラ見てきて照れた顔をした。
「そ、それなら私の部屋で……」
「あーめー」
ジトと美樹が雨のことを睨んだ。
雨の部屋というより、美樹と雨二人の部屋だ。雨は良くても同室の美樹は、断固拒否している。
そんな美樹に、雨は眼光を光らせ睨みつけた。凄まじい眼光。照明により、目の奥がギラギラと帯びている。
「うわぁ、こわーい」
美樹は怯んだ様子で、雨から離れた。スススとやってきて、どさくさに紛れて腕を組んできた。まだ発展途上の小さなお胸が当たってくる。
ツルペタだど思っていたが、アカネよりあるな。いいや、もしかしたらサラシ巻いてこの盛りだったら、アカネの完敗だな。
美樹は静かにそっと耳打ちしてきた。
「今日は反省会するよ。食堂で集合だ」
返事をする間もなく、美樹は離れ、雨の手を引っ張って「朝ご飯に間に合わないよ!」と言ってパタパタと走り去ってしまった。
名残惜しそうに、雨はときおりこちらに振り返ってきては、頬を赤に染める。
美樹雨コンビと離れ、ようやく一息ついたとき背後から声をかけられた。小鳥のさえずりのような可愛らしい声。ルイだ。
振り返って、誰かと確認する間もなく分かってしまう。俺と同じ、目の下に黒いクマがあった。小顔で白い肌の持ち主には、かなり目立つものだ。
「どうしたんだ?」
訊くと、ルイは何でもないと言い張って首をふった。
こういうとき、深くは聞けない。昔だったらまだしも、今は、何処か線引きしている。
どうしても言わないルイに俺は「そっか」と片付けた。
廊下でばったり遭遇したルイも美樹たちも、向かうところは皆一緒。朝食を食べに食堂だ。
「そうだ。今日美樹ちゃんが反省会するって」
「聞いた聞いた」
反省会って、昨日の戦闘では問題起こしてないぞ。なのに、怒っているふうに反省会って、美樹は変人だな。
「それと……」
ルイがおもむろに喋りだした。
それまで明るく喋っていたのに、急に表情が暗く。
「みんなに、話したいことがあるの。邪鬼について……」
それから、二度と口を開けなかった。
何か重たい雰囲気を発している。
食堂で話し合う前だからか、一切言葉を交わそうとしなかった。
食堂では、さっき別れたばかりの美樹と雨が。窓際の席。二つ分の机をくっつけて座っていた。
そんな大人数なわけないのに。と思いきや、そこの席にユリスとスタンリーが座ってくるじゃないか。
もしや、と嫌な予感がよぎった。
その嫌な予感は見事に的中した。
ユリス班美樹班とで、反省会らしい。話題は一つ。
俺が廊下で雨にしたことだ。ユリスがぼろ、と軽く告げたせいで今や災害が起きている。
名誉毀損罪だ。
反省会ていうのに、俺の非難声明だ。
その会場に、当たり前といっちゃ当たり前だが、アカネやジン二人そろってやってきた。
二人そろってやって来た、てことは、今まで保健室までいたのか。
胸がざわざわして、黒い何かが心中を這いつくばった。
息が苦しい。二人を見ていると、胸が痛んで途端に、息が苦しくなる。
さて、と美樹の一言から話が始まった。
とんだ誤解から発展したものが、大きな災害になって、ユリスは飄々とした態度で朝の紅茶を優雅に飲んでいた。
雨は、擁護もなにもただ照れて『乙女』の顔をするばかり。
女子は非難で男子は擁護。スタンリーは、このくだらない茶番に真っ先に溶岩の投石を投げた。「くだらない」とたった一言。
結局、この会は雨が「私が頼んだのだ」と言って片付けられた。
ここまでされて俺の名誉がズタズタ。
ユリスは最後まで飄々として、会が終わる前に、紅茶を飲み終わったことでスタスタと去ってしまった。
スタンリーも同じく、去っていった。
残ったのは美樹班全員と雨。雨は、暫く部屋にこもると言って、食堂をパタパタ去った。
残ったのは、圧倒的な虚無感。
名誉ズタズタにされ、あっという間に会は終わり、話は以上。
はぁ、朝から疲れたな。
と、机にうつ伏せで倒れる。隣に座っていたルイがコトンと、コップを置いた。
氷がコップの中でひしめき合い、カラン、と乾いた音でその仲を少しずつずれていく。
それを合図に、ルイが語りだした。
俺の非難が殺到していたとき、ルイは一言も言葉を発していなかった。擁護も非難も。ただ、黙ったまま俯いていた。
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