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Ⅳ 哀悼に咲き誇る~17歳~
第64話 関係線
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本カフェでずっといた俺たち。ルイは申し訳なくアルに何度も謝っていた。
「周りたいって言ったのに、私の我儘のせいで周れなくてごめんね、ほんとにごめん!」
「あ、いいんですよぉ。楽しかったですよ? 誰かと過ごした文化祭は初めてでそれだけで嬉しい……それに、ちょっといいのを見れたし」
後半、アルは俺とシモン先輩にちらりと目を配った。死にかけの虫を見ているような憐れむ眼差し。これから起こる出来事を知っていているから。そんな眼差しを向けられていること、俺とシモン先輩も気づいていない。
アルと別れて文化祭は終了。
結果発表が訪れた。結果、Dクラスのクレーンゲームが優勝。劇部門では九年生、Aクラスが優勝。
喝采な拍手を送られ、Dクラスの子は、ニコニコしていた。泣いていた子もいた。その中に混じってジンは、優勝旗を貰い受けクラスメイトの中にあたかも混じっている。
文化祭が終わったあとは、AAクラスの寮に忍び入る。大丈夫。小夏先輩も来ると分かっているのか、廊下には一切顔を現さない。こうして毎晩毎晩足を運んできているせいで、小夏先輩に気を遣わせている。
コツコツ、と俺の足音だけが虚しく響いている。赤い絨毯が敷いてある長い廊下を歩き、目当ての扉の前で立ち止まった。
コンコンと扉を叩くと、すぐに戸が開いた。隙間から、顔だけが覗いている。戸惑ったアクアマリンの瞳が覗いた。
来たのが俺だと確認すると、シモン先輩は、小さな隙間だった戸を、大きく開いた。
「いらっしゃい」
暖かな表情で歓迎された。
室内に一歩入ると、すぐさまシモン先輩は、戸を閉めた。
俺らの関係は、親友ではない、ましてや、恋人でもない。摂取する仲だ。第三者から見れば、不純異性交遊といわれるだろう。だが、誰も揉め事を起こしたりしない。
この学園の殆どが不純異性交遊をしているから。
ベットにさっそく誘われ、白いシーツの上に乗った。シモン先輩も俺のあとに乗ってくる。二人分乗ると、大きなベットがギシと為った。
「きゃ! いきなり!」
背後にまわると、たわわな乳房を鷲掴みにした。柔らかい。
「んっ……服、来たまま」
本カフェでのシモン先輩の可愛いさは、これ以上にない麗しき可愛さだった。襲いたいほどに。文化祭が終わるまで、その衝動をギリギリで抑えていたんだ。
爆発するのは、今しかないでしょ。
それに、服の上からなのに、手のひらに程よい弾力とコリコリした硬いものを感じた。シモン先輩も同じく抑えていたんだ。
指先から溢れるお胸。それを掬い上げ、マッサージみたいに揉んでみる。
シャツから雪のように真っ白な肌が露わになる。
そこら辺を走ってきたかのように呼吸が乱れ、微かに〝雌〟の声が聞こえた。
シャツを脱がす。拍子にプルンと、二つのお椀が弾けた。
桜色の乳首が顔を出し、ビンビンに勃起していた。右手で乳首をコリコリさせ、左手はおっぱいを弄った。
桜色で小さな乳房。
乳首を押したり、ピンとはねたりしてみた。
「んん……あっ、あ、あっ」
微かな雌声が、徐々に大きくなっていく。
シモン先輩は、乳首が弱い。普段は生真面目なのに乳首をピン、と刺激すると一瞬でトロンとふにゃけた目つきになる。
下半身に手を伸ばした。
半ば開いていた股を両手でさらにこじ開ける。
パンティにそっと触れてみるとぐっしょり濡れていた。
ペニスは、お腹にピッタリとくっついている。氷柱のように硬く勃っている。もうすっかりガチガチになったペニス。
両足を広げさせ、腰を後ろに引き、グンと奥にねじ込んだ。
悲鳴に似た絶叫が響き渡る。
ベットがギシギシ、突く速度と同じく軋んだ。
ベットの上で二つのお椀型が、突くたびに上下に揺れる。
室内にチャプチャプと水が跳ねる卑猥な音が響く。普段は凛々しく堂々としているシモン先輩が、ベットの上で腰をよがって、快楽におぼれている。
「あぁん! すごい奥までっ! 激しい! あ、あ、あ、あ、あ」
かっと目を見開かせ、頭を激しくふる。金髪の髪の毛が照明のおりた部屋で美しくたなびく。
一突きするたび、髪の毛が飛び跳ね汗が飛沫する。綺麗な光景だ。
妖艶に開いた唇に吸い付き、息を吸うのも忘れてひたすらくっついた。苦しそうに声を出す。
「むぅ、あ、ん……」
そろそろ息が欲しいと口を離すシモン先輩に、俺は頭を押さえつけて離すまいとした。
息が欲しいとシモン先輩の口が大きく開いた隙に、舌を差し入れた。
「はむ、あ、あん」
根本まで入れ、舌を絡めてぎゅとすると水音が響いた。
驚いたのかシモン先輩はびく、と体をよじった。
息が苦しくて目から涙を伝う。でも背中に回した腕は、がっしりと掴んでいる。それが愛おしくて。
しかも、唇から伝いそうになった愛液を滴り落ちないように、ゴクンと飲み干すさまを見て、余計に興奮がおさまらない。
舌の裏をくすぐったり、絡めたり吸ったりして、口内を長い間堪能した。唇を離す。
まだ柔らかい感触と温かさが残っている。
舌を離すと、名残り惜しそうに銀色の糸がお互いをくっついていた。
シモン先輩は、はぁはぁと肩で息をしてトロンとした目で見上げていた。
それから、何度も体を重ねた。
この時間が永遠であるかのように。
行為を終え、しばらくベットで休息する。情けないことに、俺はいつも眠って、後始末はシモン先輩がいつもやってくれる。
今度は必ず起きて自分からします、と率先するとシモン先輩は「自分がやりたいからやっているだけよ」と笑った。
ベットに横に座って、淹れてくれた珈琲を飲む。温かい。ホカホカの湯気が立ち込めている。
お互い口を閉じてずっと珈琲を啜っていた。横をチラリと覗くと、シモン先輩は、湯気が立ち込めるカップをふうふうと息を吐いてチビチビ飲んでいた。
可愛い。
どこまで可愛いんだこの人は。
ぐっと悶て叫ぶのを我慢した。沈黙なもんで、仕方なく話題を出した。
「そういえば」
と話を出した。シモン先輩は、何? と無垢な顔で振り返ってくる。
「あのとき、強力な記憶操作ができる呪怨者を知っている、って言ってたけど、結局、教えてくれませんよね?」
シモン先輩は、あぁ忘れてた、と目を白黒させ苦笑した。
「あれから少しバタバタしてて、ごめんなさい」
この一年、卒業を迎えるということで忙しなくバタバタしていた。AAクラスだからか、それとも、島に留まらないと公言したことで教師陣が、島に留まらせようと必死にアプローチをかけていた。そのせいか、お互い一緒にいる時間が減っていた。
シモン先輩は、ふぅと息を吐いた。
お疲れなのに、さらに疲れさせてしまった。
「あ、別に今とは」
「李 牡丹」
「リ ボタン?」
そうよ、と軽く頷く。
李牡丹という名前の人物をシモン先輩は、昔の記憶を思い出すように語った。
「初期生であり、最初のAAクラスの一人。精神、思考、記憶を読み取り、その人の目を見ただけで操れる。精神系呪怨では未だにこの人を越せられない、断トツの呪怨者。それが、李牡丹」
「そんな、すごい人が?」
この学園にいたなんて。
虚空島をつくり、学園をつくり、その学園の最初の生徒。その初期生は、九年前に卒業した。
去年忍び込んだ保管庫で初期生の棚を思い返す。AAクラスからDクラスまで一つの棚でぎっしり詰んでいた。
学園が始まった最初の生徒は、一体どんな生徒だっただろう。恐らく、俺たちより強いはずだ。保管庫では、AAクラスとAクラスのファイルが多かったから。逆にDクラスが少数。優秀だったのは間違いない。
「李牡丹って人は今何処に」
訊くと、シモン先輩は首をかしげながら、真下を指さした。
「なんかの先生、やってなかった? なんか、地下にあるなんとかの研究とか……ごめんなさい、あの人の詳細はわからないわ」
珈琲を机に置き、困った表情で見上げる。
シモン先輩でも知らない、その人の詳細。もしかしたら保管庫に書いてあったりして、と淡い希望を浮かんだが、すぐに消し去った。
保管庫に行ってファイルを覗いてみても詳細が書かれていなければ万事尽くす。それに、保管庫に忍び込むのも、リスクがかかる。
名前を知れただけで十分としよう。
でも、地下で何を研究しているのか気になるな。なんか、ムズムズする。知りたいことだらけだ。
もじもじしている俺を見て、シモン先輩は悪戯っ子のようにクスクス笑った。
「あまりそういう感情しちゃだめよ? あの人、この学園内にいるから。知りたいって思えば思うほど、察知して記憶を消しにくるかもしれない。そういうの見抜くから」
笑顔で怖いこと言った。
ゾッとした俺と反対にシモン先輩は、クスクス笑っている。
「周りたいって言ったのに、私の我儘のせいで周れなくてごめんね、ほんとにごめん!」
「あ、いいんですよぉ。楽しかったですよ? 誰かと過ごした文化祭は初めてでそれだけで嬉しい……それに、ちょっといいのを見れたし」
後半、アルは俺とシモン先輩にちらりと目を配った。死にかけの虫を見ているような憐れむ眼差し。これから起こる出来事を知っていているから。そんな眼差しを向けられていること、俺とシモン先輩も気づいていない。
アルと別れて文化祭は終了。
結果発表が訪れた。結果、Dクラスのクレーンゲームが優勝。劇部門では九年生、Aクラスが優勝。
喝采な拍手を送られ、Dクラスの子は、ニコニコしていた。泣いていた子もいた。その中に混じってジンは、優勝旗を貰い受けクラスメイトの中にあたかも混じっている。
文化祭が終わったあとは、AAクラスの寮に忍び入る。大丈夫。小夏先輩も来ると分かっているのか、廊下には一切顔を現さない。こうして毎晩毎晩足を運んできているせいで、小夏先輩に気を遣わせている。
コツコツ、と俺の足音だけが虚しく響いている。赤い絨毯が敷いてある長い廊下を歩き、目当ての扉の前で立ち止まった。
コンコンと扉を叩くと、すぐに戸が開いた。隙間から、顔だけが覗いている。戸惑ったアクアマリンの瞳が覗いた。
来たのが俺だと確認すると、シモン先輩は、小さな隙間だった戸を、大きく開いた。
「いらっしゃい」
暖かな表情で歓迎された。
室内に一歩入ると、すぐさまシモン先輩は、戸を閉めた。
俺らの関係は、親友ではない、ましてや、恋人でもない。摂取する仲だ。第三者から見れば、不純異性交遊といわれるだろう。だが、誰も揉め事を起こしたりしない。
この学園の殆どが不純異性交遊をしているから。
ベットにさっそく誘われ、白いシーツの上に乗った。シモン先輩も俺のあとに乗ってくる。二人分乗ると、大きなベットがギシと為った。
「きゃ! いきなり!」
背後にまわると、たわわな乳房を鷲掴みにした。柔らかい。
「んっ……服、来たまま」
本カフェでのシモン先輩の可愛いさは、これ以上にない麗しき可愛さだった。襲いたいほどに。文化祭が終わるまで、その衝動をギリギリで抑えていたんだ。
爆発するのは、今しかないでしょ。
それに、服の上からなのに、手のひらに程よい弾力とコリコリした硬いものを感じた。シモン先輩も同じく抑えていたんだ。
指先から溢れるお胸。それを掬い上げ、マッサージみたいに揉んでみる。
シャツから雪のように真っ白な肌が露わになる。
そこら辺を走ってきたかのように呼吸が乱れ、微かに〝雌〟の声が聞こえた。
シャツを脱がす。拍子にプルンと、二つのお椀が弾けた。
桜色の乳首が顔を出し、ビンビンに勃起していた。右手で乳首をコリコリさせ、左手はおっぱいを弄った。
桜色で小さな乳房。
乳首を押したり、ピンとはねたりしてみた。
「んん……あっ、あ、あっ」
微かな雌声が、徐々に大きくなっていく。
シモン先輩は、乳首が弱い。普段は生真面目なのに乳首をピン、と刺激すると一瞬でトロンとふにゃけた目つきになる。
下半身に手を伸ばした。
半ば開いていた股を両手でさらにこじ開ける。
パンティにそっと触れてみるとぐっしょり濡れていた。
ペニスは、お腹にピッタリとくっついている。氷柱のように硬く勃っている。もうすっかりガチガチになったペニス。
両足を広げさせ、腰を後ろに引き、グンと奥にねじ込んだ。
悲鳴に似た絶叫が響き渡る。
ベットがギシギシ、突く速度と同じく軋んだ。
ベットの上で二つのお椀型が、突くたびに上下に揺れる。
室内にチャプチャプと水が跳ねる卑猥な音が響く。普段は凛々しく堂々としているシモン先輩が、ベットの上で腰をよがって、快楽におぼれている。
「あぁん! すごい奥までっ! 激しい! あ、あ、あ、あ、あ」
かっと目を見開かせ、頭を激しくふる。金髪の髪の毛が照明のおりた部屋で美しくたなびく。
一突きするたび、髪の毛が飛び跳ね汗が飛沫する。綺麗な光景だ。
妖艶に開いた唇に吸い付き、息を吸うのも忘れてひたすらくっついた。苦しそうに声を出す。
「むぅ、あ、ん……」
そろそろ息が欲しいと口を離すシモン先輩に、俺は頭を押さえつけて離すまいとした。
息が欲しいとシモン先輩の口が大きく開いた隙に、舌を差し入れた。
「はむ、あ、あん」
根本まで入れ、舌を絡めてぎゅとすると水音が響いた。
驚いたのかシモン先輩はびく、と体をよじった。
息が苦しくて目から涙を伝う。でも背中に回した腕は、がっしりと掴んでいる。それが愛おしくて。
しかも、唇から伝いそうになった愛液を滴り落ちないように、ゴクンと飲み干すさまを見て、余計に興奮がおさまらない。
舌の裏をくすぐったり、絡めたり吸ったりして、口内を長い間堪能した。唇を離す。
まだ柔らかい感触と温かさが残っている。
舌を離すと、名残り惜しそうに銀色の糸がお互いをくっついていた。
シモン先輩は、はぁはぁと肩で息をしてトロンとした目で見上げていた。
それから、何度も体を重ねた。
この時間が永遠であるかのように。
行為を終え、しばらくベットで休息する。情けないことに、俺はいつも眠って、後始末はシモン先輩がいつもやってくれる。
今度は必ず起きて自分からします、と率先するとシモン先輩は「自分がやりたいからやっているだけよ」と笑った。
ベットに横に座って、淹れてくれた珈琲を飲む。温かい。ホカホカの湯気が立ち込めている。
お互い口を閉じてずっと珈琲を啜っていた。横をチラリと覗くと、シモン先輩は、湯気が立ち込めるカップをふうふうと息を吐いてチビチビ飲んでいた。
可愛い。
どこまで可愛いんだこの人は。
ぐっと悶て叫ぶのを我慢した。沈黙なもんで、仕方なく話題を出した。
「そういえば」
と話を出した。シモン先輩は、何? と無垢な顔で振り返ってくる。
「あのとき、強力な記憶操作ができる呪怨者を知っている、って言ってたけど、結局、教えてくれませんよね?」
シモン先輩は、あぁ忘れてた、と目を白黒させ苦笑した。
「あれから少しバタバタしてて、ごめんなさい」
この一年、卒業を迎えるということで忙しなくバタバタしていた。AAクラスだからか、それとも、島に留まらないと公言したことで教師陣が、島に留まらせようと必死にアプローチをかけていた。そのせいか、お互い一緒にいる時間が減っていた。
シモン先輩は、ふぅと息を吐いた。
お疲れなのに、さらに疲れさせてしまった。
「あ、別に今とは」
「李 牡丹」
「リ ボタン?」
そうよ、と軽く頷く。
李牡丹という名前の人物をシモン先輩は、昔の記憶を思い出すように語った。
「初期生であり、最初のAAクラスの一人。精神、思考、記憶を読み取り、その人の目を見ただけで操れる。精神系呪怨では未だにこの人を越せられない、断トツの呪怨者。それが、李牡丹」
「そんな、すごい人が?」
この学園にいたなんて。
虚空島をつくり、学園をつくり、その学園の最初の生徒。その初期生は、九年前に卒業した。
去年忍び込んだ保管庫で初期生の棚を思い返す。AAクラスからDクラスまで一つの棚でぎっしり詰んでいた。
学園が始まった最初の生徒は、一体どんな生徒だっただろう。恐らく、俺たちより強いはずだ。保管庫では、AAクラスとAクラスのファイルが多かったから。逆にDクラスが少数。優秀だったのは間違いない。
「李牡丹って人は今何処に」
訊くと、シモン先輩は首をかしげながら、真下を指さした。
「なんかの先生、やってなかった? なんか、地下にあるなんとかの研究とか……ごめんなさい、あの人の詳細はわからないわ」
珈琲を机に置き、困った表情で見上げる。
シモン先輩でも知らない、その人の詳細。もしかしたら保管庫に書いてあったりして、と淡い希望を浮かんだが、すぐに消し去った。
保管庫に行ってファイルを覗いてみても詳細が書かれていなければ万事尽くす。それに、保管庫に忍び込むのも、リスクがかかる。
名前を知れただけで十分としよう。
でも、地下で何を研究しているのか気になるな。なんか、ムズムズする。知りたいことだらけだ。
もじもじしている俺を見て、シモン先輩は悪戯っ子のようにクスクス笑った。
「あまりそういう感情しちゃだめよ? あの人、この学園内にいるから。知りたいって思えば思うほど、察知して記憶を消しにくるかもしれない。そういうの見抜くから」
笑顔で怖いこと言った。
ゾッとした俺と反対にシモン先輩は、クスクス笑っている。
応援ありがとうございます!
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