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第一章 ルード皇国 編
クラス発表
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家に帰り、ルーラとアギリスと3人で食事をしている時に、学校についてアギリスに尋ねてみた。すると、学校にはいけるように手続きは済ませてあるそうで、
「私には教えられないこともたくさんある。そういったことを、学校では教えてくれるからな。それに将来お前には学校での知識が必ず役に立つはずだ。」
とのことだった。
今日、公園で他の子供たちに嫌われてそうだった事と、あれだけ訓練していたのに全く歯が立たなかった事を思い出し不安に思っていると、
「もしつらいことがあったら学校をやめて、家で勉強をしてもいいのよ。」
何か感じることがあったのかルーラは優しく声をかけた。
「そういうわけにもいくまい。アギラの後の人生を考えれば、学校で学ぶほうがはるかにいいだろう。」
「でもアギラは・・・」
そこまで言うとルーラは言葉を濁した。
たぶん、人間が竜人の中で上手くやっていけるかを心配してくれているのだろう。
「大丈夫です。イグニスもウェンディーもいますから。ちょっと不安はありますが。学校へ行くのが楽しみです。」
ちょっとどころの不安ではなかったが、ルーラを心配させたくなかったので少し嘘をついた。
こうして学校へ行くことが分かってからは、日々の魔力操作と剣術の鍛錬を今まで以上に頑張った。さらに、秘密特訓と称して、ウェンディーとイグニスと共に誰もいないときに公園の砂場で魔法の練習も開始した。といっても、俺は体に纏う魔力の量を多くするという訓練をしていただけであったが・・・
それに比べて、イグニスは様々な形の炎を操ることができるようになっていた。口から出した炎を丸い状態にとどめて動かしてみたり、右腕に炎を纏わせてみたり、いろいろな事をできるようになっていた。
ウェンデイーはというと、最初のころは一つ竜巻を出せば疲れていたのが嘘のようになっていた。風の刃を作り出したり、足に纏ってスピードをあげたりということができていた。
魔力結晶の属性で使える魔法は限定されるらしく、それぞれにあった魔法を覚えていった。ウェンディーは、回復の魔法を覚えようと頑張っているらしかったが、なかなか習得が難しかった。なんでも、魔力結晶が風の属性と光の属性だった場合だけ、回復の魔法を習得可能らしいという話を聞きつけ練習をしているそうだった。
そして、俺は家でルーラに回復魔法のコツのようなものを聞き出そうとしていた。3人でやっているのは秘密の特訓なので、親達は公園で無邪気に遊んでいると思っていた。だから、ウェンディーが回復魔法を覚えようとしていることなどは隠して会話をしていた。
「あの星は何ですか?」
望遠鏡を覗きながら聞いてみる。
夜によくこうしてルーラと2人で天体観測をすることがあった。ルーラは宇宙について興味をすごく持っていたので、聞けばなんでも答えてくれた。
「あの星はノルスと言って常に動かないわ。だから、もし世界を旅して道に迷ったら、あの星を目指せば北の大地には到達できるわ。それにあっちの星とこっちの星を目印にすれば、私たちの国にたどり着けることもできるわ。」
「母さんは何でも知ってますね。」
ルーラは嬉しそうに笑っていた。
「ところで、母さんは魔力結晶の属性は何なんですか?回復魔法をいうもの興味があって。」
「どうしたの?どこか痛い所でもあるの?」
「いえ、魔法に興味があって自分にも何かできないかと思いまして。」
「そうなの。そうねぇ、私の属性は光よ。魔力を魔力結晶に集めるといろいろな魔法が使えるんだけど、今の私にはあまり使うことができないわね。」
悲しい顔をしていた。
「魔力を込めて結果を想像すれば、魔法が発現したから、使い方をあなたに教えることは難しいわ。」
「風の属性でも回復の魔法が使えるのですか?」
「よく知ってるわね。風の属性でも回復の魔法が使えるけど、光の属性に比べて習得が少し難しいはずよ。それに風の属性を持つものはあまり回復の魔法は習得しないわ。」
「どうしてですか?」
「回復魔法はあまり竜族にとって必要ではないからかしら。竜族の皮膚はそんなに傷つくことが少ないから、あまり使われることがないのよ。傷ついたとしてもかなりすぐに回復するしね。」
なるほど、回復魔法の需要がないから、風属性のものはあえて苦手な回復魔法を覚えることはないのか。『じゃあ、ウェンディーも覚えず違う魔法を習得した方が効率的なのでは………』そんなことを考えていると、
「誰か気になる子でもいるの?」
好奇心のある顔で問いかけてくる。
「いえ、そんなことは………」
「その子風属性を持ってるの?」
どうやら、風属性持ちの誰かのために聞いてると勘ぐっているようだった。
『話の流れとしては強引すぎたか………』
「本当に魔法に興味があっただけですよ。今日は遅いのでこれで、おやすみなさい。」
質問から回避するために、2階にある自分のベッドへと移動した。
「あら、そう。おやすみなさい。」
ルーラはちょっと残念そうにしていた。
こうして、また月日が流れた
そして、期待と不安の入り混じった学校入学の日がやってきた。
初日は入学式というものはなく、クラス分けが発表されただけだった。人数はあまり多くなく同じ学年は40人しかいなかった。しかし、クラスは10人で1クラスに分けられた。
できれば同じクラスにウェンディーかイグニスがいてくれることを願ったがそれは叶わなかった。
代わりにこれからの学園生活を不安にさせるフレイの名前が同じクラスにあった………
「私には教えられないこともたくさんある。そういったことを、学校では教えてくれるからな。それに将来お前には学校での知識が必ず役に立つはずだ。」
とのことだった。
今日、公園で他の子供たちに嫌われてそうだった事と、あれだけ訓練していたのに全く歯が立たなかった事を思い出し不安に思っていると、
「もしつらいことがあったら学校をやめて、家で勉強をしてもいいのよ。」
何か感じることがあったのかルーラは優しく声をかけた。
「そういうわけにもいくまい。アギラの後の人生を考えれば、学校で学ぶほうがはるかにいいだろう。」
「でもアギラは・・・」
そこまで言うとルーラは言葉を濁した。
たぶん、人間が竜人の中で上手くやっていけるかを心配してくれているのだろう。
「大丈夫です。イグニスもウェンディーもいますから。ちょっと不安はありますが。学校へ行くのが楽しみです。」
ちょっとどころの不安ではなかったが、ルーラを心配させたくなかったので少し嘘をついた。
こうして学校へ行くことが分かってからは、日々の魔力操作と剣術の鍛錬を今まで以上に頑張った。さらに、秘密特訓と称して、ウェンディーとイグニスと共に誰もいないときに公園の砂場で魔法の練習も開始した。といっても、俺は体に纏う魔力の量を多くするという訓練をしていただけであったが・・・
それに比べて、イグニスは様々な形の炎を操ることができるようになっていた。口から出した炎を丸い状態にとどめて動かしてみたり、右腕に炎を纏わせてみたり、いろいろな事をできるようになっていた。
ウェンデイーはというと、最初のころは一つ竜巻を出せば疲れていたのが嘘のようになっていた。風の刃を作り出したり、足に纏ってスピードをあげたりということができていた。
魔力結晶の属性で使える魔法は限定されるらしく、それぞれにあった魔法を覚えていった。ウェンディーは、回復の魔法を覚えようと頑張っているらしかったが、なかなか習得が難しかった。なんでも、魔力結晶が風の属性と光の属性だった場合だけ、回復の魔法を習得可能らしいという話を聞きつけ練習をしているそうだった。
そして、俺は家でルーラに回復魔法のコツのようなものを聞き出そうとしていた。3人でやっているのは秘密の特訓なので、親達は公園で無邪気に遊んでいると思っていた。だから、ウェンディーが回復魔法を覚えようとしていることなどは隠して会話をしていた。
「あの星は何ですか?」
望遠鏡を覗きながら聞いてみる。
夜によくこうしてルーラと2人で天体観測をすることがあった。ルーラは宇宙について興味をすごく持っていたので、聞けばなんでも答えてくれた。
「あの星はノルスと言って常に動かないわ。だから、もし世界を旅して道に迷ったら、あの星を目指せば北の大地には到達できるわ。それにあっちの星とこっちの星を目印にすれば、私たちの国にたどり着けることもできるわ。」
「母さんは何でも知ってますね。」
ルーラは嬉しそうに笑っていた。
「ところで、母さんは魔力結晶の属性は何なんですか?回復魔法をいうもの興味があって。」
「どうしたの?どこか痛い所でもあるの?」
「いえ、魔法に興味があって自分にも何かできないかと思いまして。」
「そうなの。そうねぇ、私の属性は光よ。魔力を魔力結晶に集めるといろいろな魔法が使えるんだけど、今の私にはあまり使うことができないわね。」
悲しい顔をしていた。
「魔力を込めて結果を想像すれば、魔法が発現したから、使い方をあなたに教えることは難しいわ。」
「風の属性でも回復の魔法が使えるのですか?」
「よく知ってるわね。風の属性でも回復の魔法が使えるけど、光の属性に比べて習得が少し難しいはずよ。それに風の属性を持つものはあまり回復の魔法は習得しないわ。」
「どうしてですか?」
「回復魔法はあまり竜族にとって必要ではないからかしら。竜族の皮膚はそんなに傷つくことが少ないから、あまり使われることがないのよ。傷ついたとしてもかなりすぐに回復するしね。」
なるほど、回復魔法の需要がないから、風属性のものはあえて苦手な回復魔法を覚えることはないのか。『じゃあ、ウェンディーも覚えず違う魔法を習得した方が効率的なのでは………』そんなことを考えていると、
「誰か気になる子でもいるの?」
好奇心のある顔で問いかけてくる。
「いえ、そんなことは………」
「その子風属性を持ってるの?」
どうやら、風属性持ちの誰かのために聞いてると勘ぐっているようだった。
『話の流れとしては強引すぎたか………』
「本当に魔法に興味があっただけですよ。今日は遅いのでこれで、おやすみなさい。」
質問から回避するために、2階にある自分のベッドへと移動した。
「あら、そう。おやすみなさい。」
ルーラはちょっと残念そうにしていた。
こうして、また月日が流れた
そして、期待と不安の入り混じった学校入学の日がやってきた。
初日は入学式というものはなく、クラス分けが発表されただけだった。人数はあまり多くなく同じ学年は40人しかいなかった。しかし、クラスは10人で1クラスに分けられた。
できれば同じクラスにウェンディーかイグニスがいてくれることを願ったがそれは叶わなかった。
代わりにこれからの学園生活を不安にさせるフレイの名前が同じクラスにあった………
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