18 / 123
第一章 ルード皇国 編
使命
しおりを挟む
「竜の呪いはどうしたら治るのですか。」
「それはまだわかっていない。しかし、その原因の目星はついている。」
「それは、何ですか?」
「魔の森の北にある禁忌の洞窟に何か鍵があるのじゃないかと踏んでいる。」
「何故、その北の洞窟が怪しいのですか?」
「昔、その洞窟に入ろうとした竜人がいたのは知っているか?」
「授業で聞いたことがあります。確か、洞窟に入ろうとしたら倒れて、その直後命を落としたとか、だったと思います。」
「そうだ、だがその竜人はすぐになくなったわけではないそうだ。その後、何十年か生きて倒れたらしい。そしてその症状が竜の呪いに近いことが10年前くらいにわかったのだ。」
「確か調査隊が派遣されたのは1000年前じゃないですか?その後から竜の呪いが広まったのなら、その原因が洞窟だとすぐに辿りつくのではないですか?」
「いや、調査隊の竜人は隔離されて療養していたために、幸いにも同じような症状になったものはその後300年くらいはでなかったんだ。そして、このルード皇国に呪い持ちがちらほら出だしたのは、672年前の戦争の後だと言われている。だから、その戦争に原因があるのではと考えられていて、今もその方面で調査は進められている。調査隊と呪いが広まった時期がかけ離れていたので誰も北の洞窟を結びつけることをしなかったんだ。」
「では、何故父さんは北の洞窟に目を付けたのですか?」
「城にある調査隊の記録を読んだからだ。そこには体調を崩した竜人の療養記録というものがあった。そこに書かれた症状は、母さんの症状に似ているものが数多くあった。そして、『最後を迎えるとき黒いオーラに包まれたように見えた。』という記録も残されていた。俺はそれを頼りに北の洞窟を調べることにした。しかし、洞窟の入り口の100m手前から嫌悪感、不快感が襲ってきた。言い伝えの通りだったので、入り口に入ることはしなかった。そこで、洞窟に動物を放ったりとしてみたが、その動物は帰ってこなかった。試行錯誤を繰り返して2年くらい経ったころ、森でオークに襲われそうになっていたお前を見つけたんだ。」
そこでいったん言葉を切り、何か言うことをとまどっているようだった。
「全部教えてください。学校で私には使命があるといわれました。それと関係があるんですか?」
アギリスは何か決心した面持ちで教えてくれた。
「最初この魔の森に何故人間の赤ん坊がと訝しんだ。しかし、ふと考え付いた。洞窟の結界は竜族にしか発動しない。この赤ん坊を育てれば洞窟の調査に使えるんじゃないかと。俺は皇帝にその案を申し出た。何人かの竜人は反対したが、話し合いの結果、その案は採用されることになった。だから、俺はその洞窟の調査ができるようにお前を強く育てるように勅命がくだされた。そして、お前は俺の養子になったのだ。」
そこまで話して、俺の様子を伺っているようだった。そして続けた。
「しかし、1つ問題が起きた。ルーラは呪いの影響で子を産めない。産んでも呪いを受け継いでしまうからだ。だから、お前のことを本当の我が子のように育て始めた。すると、危険な洞窟には行かせられないと言いだすようになった。人間は竜族に比べて、かなり脆弱だったからだ。だから、その時俺はルーラと約束させられた。アギラが洞窟に行きたくないのであれば強要しないこと、力が足りない場合は洞窟の話をしないということを・・・」
それじゃあ、今話をしてくれったって事は……
「強くなったな………」
俺はアギリスに認められたということだった。
「しかし、洞窟へ行くかどうかお前が決めてくれ。ルーラもそれを望んでいる。学校卒業までにどうするかを考えておいてくれ。皇帝との期限が学校を卒業するまでなんだ。それを過ぎると、この国からは出ていかねばならなくなるかもしれない。だけど、もしそうなったとしても、お前の強さなら外の世界でもやっていけるはずだ。」
卒業まで考える必要がなかった。俺の答えは決まっていた。
「もっと力をつけて、その洞窟の調査には必ず行きますよ。」
「そうか。ありがとう。でも無理はするなよ。こんな話の後だが、俺もお前を本当の息子だと思っている。」
2人が俺を本当の息子として育ててくれているのは十分感じていた。
前に書斎に入った時に感じたことだった。背が高くなってから、書斎を利用した時のことだ。上の棚に他の本より新しい背表紙の本が何冊かあった。その本の中には重要と思われるところに手書きで線がひいてあった。その内容は人間に関することばかりだった。人間の食事や人間の生活習慣。人間の発育。など人間に関することにたくさん線がひいてあった。それに、魔力に関する本もあった。幼少期に魔力は鍛えた方がいいとか、魔力の鍛え方とか、昔アギリスに教わった内容があった。2人は、俺を育てるのにかなり苦労したんじゃないかと思う。周りからも嫌がられていたかもしれない。それでも俺に愛情を注いでくれたのだ。そして俺に使命を果たさなくてもいいとまで言ってくれた。俺はこの2人に恩を返したかった。俺の使命というのがルーラを救うことができることにつながっているのなら何も迷うことがないのだ。
こうして、俺は使命を必ずやり遂げることを決意したのだった。
「それはまだわかっていない。しかし、その原因の目星はついている。」
「それは、何ですか?」
「魔の森の北にある禁忌の洞窟に何か鍵があるのじゃないかと踏んでいる。」
「何故、その北の洞窟が怪しいのですか?」
「昔、その洞窟に入ろうとした竜人がいたのは知っているか?」
「授業で聞いたことがあります。確か、洞窟に入ろうとしたら倒れて、その直後命を落としたとか、だったと思います。」
「そうだ、だがその竜人はすぐになくなったわけではないそうだ。その後、何十年か生きて倒れたらしい。そしてその症状が竜の呪いに近いことが10年前くらいにわかったのだ。」
「確か調査隊が派遣されたのは1000年前じゃないですか?その後から竜の呪いが広まったのなら、その原因が洞窟だとすぐに辿りつくのではないですか?」
「いや、調査隊の竜人は隔離されて療養していたために、幸いにも同じような症状になったものはその後300年くらいはでなかったんだ。そして、このルード皇国に呪い持ちがちらほら出だしたのは、672年前の戦争の後だと言われている。だから、その戦争に原因があるのではと考えられていて、今もその方面で調査は進められている。調査隊と呪いが広まった時期がかけ離れていたので誰も北の洞窟を結びつけることをしなかったんだ。」
「では、何故父さんは北の洞窟に目を付けたのですか?」
「城にある調査隊の記録を読んだからだ。そこには体調を崩した竜人の療養記録というものがあった。そこに書かれた症状は、母さんの症状に似ているものが数多くあった。そして、『最後を迎えるとき黒いオーラに包まれたように見えた。』という記録も残されていた。俺はそれを頼りに北の洞窟を調べることにした。しかし、洞窟の入り口の100m手前から嫌悪感、不快感が襲ってきた。言い伝えの通りだったので、入り口に入ることはしなかった。そこで、洞窟に動物を放ったりとしてみたが、その動物は帰ってこなかった。試行錯誤を繰り返して2年くらい経ったころ、森でオークに襲われそうになっていたお前を見つけたんだ。」
そこでいったん言葉を切り、何か言うことをとまどっているようだった。
「全部教えてください。学校で私には使命があるといわれました。それと関係があるんですか?」
アギリスは何か決心した面持ちで教えてくれた。
「最初この魔の森に何故人間の赤ん坊がと訝しんだ。しかし、ふと考え付いた。洞窟の結界は竜族にしか発動しない。この赤ん坊を育てれば洞窟の調査に使えるんじゃないかと。俺は皇帝にその案を申し出た。何人かの竜人は反対したが、話し合いの結果、その案は採用されることになった。だから、俺はその洞窟の調査ができるようにお前を強く育てるように勅命がくだされた。そして、お前は俺の養子になったのだ。」
そこまで話して、俺の様子を伺っているようだった。そして続けた。
「しかし、1つ問題が起きた。ルーラは呪いの影響で子を産めない。産んでも呪いを受け継いでしまうからだ。だから、お前のことを本当の我が子のように育て始めた。すると、危険な洞窟には行かせられないと言いだすようになった。人間は竜族に比べて、かなり脆弱だったからだ。だから、その時俺はルーラと約束させられた。アギラが洞窟に行きたくないのであれば強要しないこと、力が足りない場合は洞窟の話をしないということを・・・」
それじゃあ、今話をしてくれったって事は……
「強くなったな………」
俺はアギリスに認められたということだった。
「しかし、洞窟へ行くかどうかお前が決めてくれ。ルーラもそれを望んでいる。学校卒業までにどうするかを考えておいてくれ。皇帝との期限が学校を卒業するまでなんだ。それを過ぎると、この国からは出ていかねばならなくなるかもしれない。だけど、もしそうなったとしても、お前の強さなら外の世界でもやっていけるはずだ。」
卒業まで考える必要がなかった。俺の答えは決まっていた。
「もっと力をつけて、その洞窟の調査には必ず行きますよ。」
「そうか。ありがとう。でも無理はするなよ。こんな話の後だが、俺もお前を本当の息子だと思っている。」
2人が俺を本当の息子として育ててくれているのは十分感じていた。
前に書斎に入った時に感じたことだった。背が高くなってから、書斎を利用した時のことだ。上の棚に他の本より新しい背表紙の本が何冊かあった。その本の中には重要と思われるところに手書きで線がひいてあった。その内容は人間に関することばかりだった。人間の食事や人間の生活習慣。人間の発育。など人間に関することにたくさん線がひいてあった。それに、魔力に関する本もあった。幼少期に魔力は鍛えた方がいいとか、魔力の鍛え方とか、昔アギリスに教わった内容があった。2人は、俺を育てるのにかなり苦労したんじゃないかと思う。周りからも嫌がられていたかもしれない。それでも俺に愛情を注いでくれたのだ。そして俺に使命を果たさなくてもいいとまで言ってくれた。俺はこの2人に恩を返したかった。俺の使命というのがルーラを救うことができることにつながっているのなら何も迷うことがないのだ。
こうして、俺は使命を必ずやり遂げることを決意したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
少しの間、家から追い出されたら芸能界デビューしてハーレム作ってました。コスプレのせいで。
昼寝部
キャラ文芸
俺、日向真白は義妹と幼馴染の策略により、10月31日のハロウィンの日にコスプレをすることとなった。
その日、コスプレの格好をしたまま少しの間、家を追い出された俺は、仕方なく街を歩いていると読者モデルの出版社で働く人に声をかけられる。
とても困っているようだったので、俺の写真を一枚だけ『読者モデル』に掲載することを了承する。
まさか、その写真がキッカケで芸能界デビューすることになるとは思いもせず……。
これは真白が芸能活動をしながら、義妹や幼馴染、アイドル、女優etcからモテモテとなり、全国の女性たちを魅了するだけのお話し。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
英雄将軍の隠し子は、軍学校で『普通』に暮らしたい。~でも前世の戦術知識がチートすぎて、気付けば帝国の影の支配者になっていました~
ヒミヤデリュージョン
ファンタジー
帝国の辺境で、ただ静かに生き延びたいと願う少年、ヴァン。
彼に正義感はない。あるのは、前世の記憶と、母が遺した『物理法則を応用した高圧魔力』という危険な理論だけだ。
敵の大軍が迫る中、ヴァンは剣も振るわず、補給線と心理を切り裂く。
結果、敵軍は撤退。代償も、喝采も、彼には無意味だった。
だが、その「効率的すぎる勝利」は帝国の目に留まり、彼は最高峰の『帝国軍事学院』へと引きずり出される。
「英雄になりたいわけじゃない。生き残りたいだけだ」
謎の仮面メイド『シンカク』、命を取引に差し出した狼耳の少女『アイリ』。
少年は選択する。正義ではなく、最も費用対効果の高い道を。
これは、合理が英雄譚を侵食していく、学園ミリタリーファンタジー。
【※作者は日本語を勉強中の外国人です。翻訳ソフトと辞書を駆使して執筆しています。至らない点もあるかと思いますが、物語を楽しんでいただければ幸いです。】
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
宍戸亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。
異世界転生おじさんは最強とハーレムを極める
自ら
ファンタジー
定年を半年後に控えた凡庸なサラリーマン、佐藤健一(50歳)は、不慮の交通事故で人生を終える。目覚めた先で出会ったのは、自分の魂をトラックの前に落としたというミスをした女神リナリア。
その「お詫び」として、健一は剣と魔法の異世界へと30代後半の肉体で転生することになる。チート能力の選択を迫られ、彼はあらゆる経験から無限に成長できる**【無限成長(アンリミテッド・グロース)】**を選び取る。
異世界で早速遭遇したゴブリンを一撃で倒し、チート能力を実感した健一は、くたびれた人生を捨て、最強のセカンドライフを謳歌することを決意する。
定年間際のおじさんが、女神の気まぐれチートで異世界最強への道を歩み始める、転生ファンタジーの開幕。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる