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第二章 魔導士学園 編
クラスメイトたち・その2
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~人族・シリウスの視点~
私が他の生徒の中に埋没してしまう等ありえない。
私はメガラニカ王国より西に位置するイーリス帝国から試験を受けに来た。私は、10歳にして雷と光の属性の魔法を使いこなして、神童の名を欲しいままにしていた男だ。成績優秀、容姿端麗、この世にあるすべての誉め言葉は私のためにある言葉のはずだった。
それが、どうだ。この学園の筆記試験では、3位。それも2位とは大きく10点以上も離されていた。
1位のネロとかいう男は満点を叩き出していた。そいつはメガラニカ王国の国王の息子という事だった。俺はそれで合点がいった。きっとお金を積んで裏口入学でもさせたのだろう。その証拠に、特待生には選ばれてはいなかった。何か調整が行われたのだろう。汚いやつだ。そんな不正を働くようなやつの事などどうでもいい。
それよりも、私にとって問題なのは2人だ。特待生に選ばれたリーンという妖精族の少女と人族のソロモンとかいう男爵風情だ。00-MKⅡとかいう訳の分からんやつはどうだっていい。
特にソロモンというやつは、私より筆記試験が下だったのにも関わらず、私をさしおいて特待生になったという事は明らかに私より魔法の技術に優れているという事ではないか。同じ人族に負ける等、私のプライドが許さない。
私はイーリス帝国の侯爵の長男だ。だから、いずれ私は侯爵の位を継ぐことになる。辺境の誰も住んでいないような土地に城を構えているだけの男爵の息子に負ければ末代までの恥になってしまう。
私には一緒にイーリス帝国から試験に受けに来た子分達がいる。その者達は実力が及ばず一般のクラスでの入学になってしまった。
私はソロモンに関する情報を、その者達に集めさせた。そして、その中で面白い情報があった。特別クラスの特待生で受かった中に、恥ずかしい詠唱文を叫び続けた事から、中二病男爵と名付けられたやつがいるという情報だ。そして、その中二病男爵というのは、ソロモンであるという事だった。
私はその情報を利用して、ソロモンのネガティブキャンペーンを実施する事にした。子分達に一般のクラスの間でその噂を広まらせたのだ。私も特別クラスで中二病男爵というあだ名を広めようとしたが、何人かの間で広まっただけだった。異種族の者達は、だいたい興味がなさそうであった。
しかし、研究室には、一般のクラスの者達と一緒なのだ。不名誉な名前で呼ばれたソロモンがどういった反応を示すのか。怒って手を出して、処分されるか。それとも、皆から孤立してしまうか。そのうち成績にも影響が出始めれば、私が追い抜くのも容易くなるだろう。
その後のソロモンの行動を見て、私の策が功を奏した事を悟った。研究室に居ずらくなって孤立の道を選んだか・・・私は内心ほくそ笑んだ。
次はリーンという妖精族の少女だ。よく見るとなかなか可愛い顔立ちをしているな………
うまく懐柔できればそれでいいし、もし反抗的ならば………どうしてくれようか。私は次なるターゲットについて考えた。
~樹木人族・マリオンの視点~
僕はここから北西に広がる森を管理するドライアドだよ。
知恵ある者達は僕の管理する森を切り開き、時には焼いてしまうことさえある。何故そんなひどい事をするのか。森がなくなれば、その者達は酸素を吸って生きることができないし、世界の気候も狂いだすというのに。森の重要性を皆にもっと理解してもらわねばならない。
僕は考えた。分身体を使って、いろいろな種族と話をする事を。
しかし、分身体を創りすぎると、僕の1体あたりの力はどんどん弱くなってしまう。
話し合いをするにも、力が弱すぎると交渉のテーブルにもつく事ができない。弱いと分かれば、一方的に自分の要求を突き付けてくる者もいる。
かといって、1体だけの分身体では時間がかかってしまう………
そんな時に聞いたのが、魔導士学園と騎士養成学校の特別クラスの話だ。そこには、異種族の優秀な者達を集めているという事だった。
ひとまず、その2つに行って、そこに入学する者達に森の重要性を知ってもらうのだ。そして、各種族にそれを伝えてもらえば、一気に広がるのではないだろうか。
試験に受かるような者達は、将来、その種族の中で重要な地位に就くに違いない。
失敗したとしても、学校をやめて違うプランを立てれば良いだけの話だ。手始めに、やってみる価値はある。
僕は早速、無性生殖により分身体を2体創り出して、それぞれの試験に受けてみた。本体は森の管理に必要だから、森に残さないといけない。
2体くらいなら、本体の8割くらいの力をそれぞれに残すことができたようだ。
僕は、土と水と光の属性の魔力を操ることができたので、魔導士学園には筆記試験を含めて受かる事ができたみたいだ。
騎士養成学校は、筆記試験がなく実技試験だけだったが、どうやら受かる事ができた。
後は、皆と仲良くなって森への理解を深めてもらうのだ。
僕は、魔導士学園でリーンという妖精族と最初に仲良くなった。回復魔法研究会というところで仲良くなったのだ。彼女はこの魔導士学園で特待生として入学しているらしい。
僕の目的の1人目としては、申し分なかった。そして、お互いの事をいろいろと話をした。彼女は僕の話を真剣に聞いてくれて、僕の話に共感してくれた。
そして、僕も彼女の話をいろいろと聞いた。その中で、この魔導士学園に来る途中に出会った人族のアギラという少年の話を興奮して話していた。かなり力が強く、勇者の素質があるという事だった。
何日かして、騎士養成学校でトラブルが起きた。僕は本体と分身体と意識を共有している。その姿は全員全く同じである。
そして、トラブルの原因は僕の外見に起因していた。
僕は外見は女性である。しかし、樹木人族の体は特殊である。女性器と男性器の両方がある。いわゆる両性具有というやつだ。といっても、他の動物の雄のような生殖器は持っていない。指と爪の間から精細胞を含む花粉を飛ばすことができるのだ。それが動物の男性器の役割を果たしている。
女性器に関しては、特に普通の人間達と変わらない。つまり、外見上は人間の女性と変わらないという事になる。
この事が騎士養成学校でトラブルの原因になるなんて思っていなかった。
解決するには力の強い者の協力が必要だった。
そこで僕はリーンとの会話を思い出した。アギラと言う少年の話だ。僕はアギラにトラブルを解決するための協力をしてもらう事にした。
~吸血鬼・ソロモンの視点~
私の不名誉なあだ名は一般のクラスの間で広まってしまったようだった。始めは私の返答のせいだと思って諦めていたが、実は原因は違うところにある事がわかった。私は嵌められたのだ。道理で噂の広まるのが早かった訳だ。これは完全に仕組まれた事だったのだ。しかし、気付いた時には、時すでに遅しだった。いったん広まってしまった噂を訂正する事などできなかった。
どうやら、特別クラスには実際に全属性を操るものがいるという事だった。その者が変な詠唱をしていたのを聞いたものが中二病と揶揄したのだ。そして、どういう訳かそのあだ名が私に押し付けられる事になった。私はその全属性を操る者を探す事にした。しかし、学園は属性の事等の個人情報を開示してくれなかった。そして、最初に中二病と揶揄したものは試験に落ちて、自分の国へと帰ったらしく、どこにもいなかった。
しかし、私は諦める事はしない。必ず私をはめた者を見つけ出し、相応の報いを受けさせるのだ。そして、私の汚名を返上するのだ。
何が目的で私に不名誉なあだ名を押し付けたのかは知らないが、私はそんな事でめげる事はしない。この学園に来た目的である闇魔法研究会と光魔法研究会に入って、この2つの魔法を究めるのだ。私は決意を新たにして、頑張る事にした。
そしてある日、私はニーナという特別クラスの女性に声をかけられた。ニーナには色気があった。その胸元とお腹の部分が空いている水着のような服装は、その色気をさらに増加させていた。
「ソロモンは研究会は何か決まったの?」
特別クラスの皆は私をあだ名で呼ぶものが少ない。私にはそれが救いだった。
「闇魔法研究会と光魔法研究会に決めたよ。ニーナは何にするんだ?」
「まだ、決めかねてて………そういえば、呪術研究会なんて興味ない?」
呪術研究会?あまりいい噂を聞かないところだな。ニーナは呪術研究会に興味があるんだろうか。
「いや、全然ないが。」
「そうなのね。最近ティーエ先生がそこに入ったっと聞いてね。ちょっと何を研究しているのか気になって。」
「気になるなら、自分で行けばいいんじゃないか?」
「ちょっと顔を出しづらくて。代わりに呪術研究会に入って、探って来てくれないかしら。」
なんで私がそんな事をしなくてはならないのだ。
「そんな暇じゃないんだ。私は自分のしたい研究があるんでな。」
私はきっぱりと断った。その色気があれば、誰でもいう事聞いてくれると思ったら大間違いだ。だが私はそんなものには騙されたりはしない。
「そう、残念ね。もし何か分かったら。教えてね。」
だから、呪術研究会などという人がいない研究会等行くわけがないだろう。まして、入会してまでその活動を探る等、馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
私はニーナと別れた後、呪術研究会の部屋に向かい入会する旨を伝えた………
私が他の生徒の中に埋没してしまう等ありえない。
私はメガラニカ王国より西に位置するイーリス帝国から試験を受けに来た。私は、10歳にして雷と光の属性の魔法を使いこなして、神童の名を欲しいままにしていた男だ。成績優秀、容姿端麗、この世にあるすべての誉め言葉は私のためにある言葉のはずだった。
それが、どうだ。この学園の筆記試験では、3位。それも2位とは大きく10点以上も離されていた。
1位のネロとかいう男は満点を叩き出していた。そいつはメガラニカ王国の国王の息子という事だった。俺はそれで合点がいった。きっとお金を積んで裏口入学でもさせたのだろう。その証拠に、特待生には選ばれてはいなかった。何か調整が行われたのだろう。汚いやつだ。そんな不正を働くようなやつの事などどうでもいい。
それよりも、私にとって問題なのは2人だ。特待生に選ばれたリーンという妖精族の少女と人族のソロモンとかいう男爵風情だ。00-MKⅡとかいう訳の分からんやつはどうだっていい。
特にソロモンというやつは、私より筆記試験が下だったのにも関わらず、私をさしおいて特待生になったという事は明らかに私より魔法の技術に優れているという事ではないか。同じ人族に負ける等、私のプライドが許さない。
私はイーリス帝国の侯爵の長男だ。だから、いずれ私は侯爵の位を継ぐことになる。辺境の誰も住んでいないような土地に城を構えているだけの男爵の息子に負ければ末代までの恥になってしまう。
私には一緒にイーリス帝国から試験に受けに来た子分達がいる。その者達は実力が及ばず一般のクラスでの入学になってしまった。
私はソロモンに関する情報を、その者達に集めさせた。そして、その中で面白い情報があった。特別クラスの特待生で受かった中に、恥ずかしい詠唱文を叫び続けた事から、中二病男爵と名付けられたやつがいるという情報だ。そして、その中二病男爵というのは、ソロモンであるという事だった。
私はその情報を利用して、ソロモンのネガティブキャンペーンを実施する事にした。子分達に一般のクラスの間でその噂を広まらせたのだ。私も特別クラスで中二病男爵というあだ名を広めようとしたが、何人かの間で広まっただけだった。異種族の者達は、だいたい興味がなさそうであった。
しかし、研究室には、一般のクラスの者達と一緒なのだ。不名誉な名前で呼ばれたソロモンがどういった反応を示すのか。怒って手を出して、処分されるか。それとも、皆から孤立してしまうか。そのうち成績にも影響が出始めれば、私が追い抜くのも容易くなるだろう。
その後のソロモンの行動を見て、私の策が功を奏した事を悟った。研究室に居ずらくなって孤立の道を選んだか・・・私は内心ほくそ笑んだ。
次はリーンという妖精族の少女だ。よく見るとなかなか可愛い顔立ちをしているな………
うまく懐柔できればそれでいいし、もし反抗的ならば………どうしてくれようか。私は次なるターゲットについて考えた。
~樹木人族・マリオンの視点~
僕はここから北西に広がる森を管理するドライアドだよ。
知恵ある者達は僕の管理する森を切り開き、時には焼いてしまうことさえある。何故そんなひどい事をするのか。森がなくなれば、その者達は酸素を吸って生きることができないし、世界の気候も狂いだすというのに。森の重要性を皆にもっと理解してもらわねばならない。
僕は考えた。分身体を使って、いろいろな種族と話をする事を。
しかし、分身体を創りすぎると、僕の1体あたりの力はどんどん弱くなってしまう。
話し合いをするにも、力が弱すぎると交渉のテーブルにもつく事ができない。弱いと分かれば、一方的に自分の要求を突き付けてくる者もいる。
かといって、1体だけの分身体では時間がかかってしまう………
そんな時に聞いたのが、魔導士学園と騎士養成学校の特別クラスの話だ。そこには、異種族の優秀な者達を集めているという事だった。
ひとまず、その2つに行って、そこに入学する者達に森の重要性を知ってもらうのだ。そして、各種族にそれを伝えてもらえば、一気に広がるのではないだろうか。
試験に受かるような者達は、将来、その種族の中で重要な地位に就くに違いない。
失敗したとしても、学校をやめて違うプランを立てれば良いだけの話だ。手始めに、やってみる価値はある。
僕は早速、無性生殖により分身体を2体創り出して、それぞれの試験に受けてみた。本体は森の管理に必要だから、森に残さないといけない。
2体くらいなら、本体の8割くらいの力をそれぞれに残すことができたようだ。
僕は、土と水と光の属性の魔力を操ることができたので、魔導士学園には筆記試験を含めて受かる事ができたみたいだ。
騎士養成学校は、筆記試験がなく実技試験だけだったが、どうやら受かる事ができた。
後は、皆と仲良くなって森への理解を深めてもらうのだ。
僕は、魔導士学園でリーンという妖精族と最初に仲良くなった。回復魔法研究会というところで仲良くなったのだ。彼女はこの魔導士学園で特待生として入学しているらしい。
僕の目的の1人目としては、申し分なかった。そして、お互いの事をいろいろと話をした。彼女は僕の話を真剣に聞いてくれて、僕の話に共感してくれた。
そして、僕も彼女の話をいろいろと聞いた。その中で、この魔導士学園に来る途中に出会った人族のアギラという少年の話を興奮して話していた。かなり力が強く、勇者の素質があるという事だった。
何日かして、騎士養成学校でトラブルが起きた。僕は本体と分身体と意識を共有している。その姿は全員全く同じである。
そして、トラブルの原因は僕の外見に起因していた。
僕は外見は女性である。しかし、樹木人族の体は特殊である。女性器と男性器の両方がある。いわゆる両性具有というやつだ。といっても、他の動物の雄のような生殖器は持っていない。指と爪の間から精細胞を含む花粉を飛ばすことができるのだ。それが動物の男性器の役割を果たしている。
女性器に関しては、特に普通の人間達と変わらない。つまり、外見上は人間の女性と変わらないという事になる。
この事が騎士養成学校でトラブルの原因になるなんて思っていなかった。
解決するには力の強い者の協力が必要だった。
そこで僕はリーンとの会話を思い出した。アギラと言う少年の話だ。僕はアギラにトラブルを解決するための協力をしてもらう事にした。
~吸血鬼・ソロモンの視点~
私の不名誉なあだ名は一般のクラスの間で広まってしまったようだった。始めは私の返答のせいだと思って諦めていたが、実は原因は違うところにある事がわかった。私は嵌められたのだ。道理で噂の広まるのが早かった訳だ。これは完全に仕組まれた事だったのだ。しかし、気付いた時には、時すでに遅しだった。いったん広まってしまった噂を訂正する事などできなかった。
どうやら、特別クラスには実際に全属性を操るものがいるという事だった。その者が変な詠唱をしていたのを聞いたものが中二病と揶揄したのだ。そして、どういう訳かそのあだ名が私に押し付けられる事になった。私はその全属性を操る者を探す事にした。しかし、学園は属性の事等の個人情報を開示してくれなかった。そして、最初に中二病と揶揄したものは試験に落ちて、自分の国へと帰ったらしく、どこにもいなかった。
しかし、私は諦める事はしない。必ず私をはめた者を見つけ出し、相応の報いを受けさせるのだ。そして、私の汚名を返上するのだ。
何が目的で私に不名誉なあだ名を押し付けたのかは知らないが、私はそんな事でめげる事はしない。この学園に来た目的である闇魔法研究会と光魔法研究会に入って、この2つの魔法を究めるのだ。私は決意を新たにして、頑張る事にした。
そしてある日、私はニーナという特別クラスの女性に声をかけられた。ニーナには色気があった。その胸元とお腹の部分が空いている水着のような服装は、その色気をさらに増加させていた。
「ソロモンは研究会は何か決まったの?」
特別クラスの皆は私をあだ名で呼ぶものが少ない。私にはそれが救いだった。
「闇魔法研究会と光魔法研究会に決めたよ。ニーナは何にするんだ?」
「まだ、決めかねてて………そういえば、呪術研究会なんて興味ない?」
呪術研究会?あまりいい噂を聞かないところだな。ニーナは呪術研究会に興味があるんだろうか。
「いや、全然ないが。」
「そうなのね。最近ティーエ先生がそこに入ったっと聞いてね。ちょっと何を研究しているのか気になって。」
「気になるなら、自分で行けばいいんじゃないか?」
「ちょっと顔を出しづらくて。代わりに呪術研究会に入って、探って来てくれないかしら。」
なんで私がそんな事をしなくてはならないのだ。
「そんな暇じゃないんだ。私は自分のしたい研究があるんでな。」
私はきっぱりと断った。その色気があれば、誰でもいう事聞いてくれると思ったら大間違いだ。だが私はそんなものには騙されたりはしない。
「そう、残念ね。もし何か分かったら。教えてね。」
だから、呪術研究会などという人がいない研究会等行くわけがないだろう。まして、入会してまでその活動を探る等、馬鹿馬鹿しいにもほどがある。
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