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第二章 魔導士学園 編
預言
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俺達はボイラの案内の元、当初の目的であるジパンニへ攻め入ろうとする妖怪達を説得するために、好戦的な妖怪たちがいるという里に向かう事にした。
「あっちに見えるのが、ジパンニにある【賢者の滴】を求める妖怪達が集まってできた里だ。最初はダンジョンとかがあった場所なんだけど、それを中心に里が発展していったらしいんだ」
「なんだって? ダンジョン?」
俺達が求めている古代遺跡の事ではないだろうか。こんなにトントン拍子に進むなんて俺のラック値は限界突破しているのかもしれない。
「知らないのか? 【全知の大妖怪・ぬらりひょん】の孫のヌラが禁忌とされていたダンジョンに挑み、長い年月をかけて攻略したんだぞ。そして、そこを拠点にしたって聞いてる。それから、そこを中心としてあの里ができたんだ。雪女族がいるところはもっと北の方だから聞いたことなかったのか?」
「そ、そうだな。初耳だ。その里にいる妖怪達は皆、人族に恨みを持っているのか?」
「そういう奴もいるし、力を求めてヌラの傘下に入った奴もいるって聞いたな。でも最近はあまりジパンニに行ったりはしてないらしいぞ。おっ母も止めているしな。アギラは人族に恨みはないのか?」
さて、どう答えるべきか。妖怪族なら恨みがあると言った方がいいのかもだが、ボイラ親子はそこまで人族に悪感情は抱いていないようだしな………
「そうだな。あまり関わったことがないからな。どちらとも言えないというところか。ボイラはどうなんだ?」
「そうなのか? オイラも関わったことがないから分からないけど、おっ母が言うには人族には悪い奴もいれば善い奴もいるって。妖怪族もそれは同じだから、自分で接して判断するようにって言われたぞ」
質問を質問で返すという方法で、なんとかなったようだな。話を聞く限りでは、ボイラ親子に対してであれば、俺が人族である事を打ち明けても大丈夫な感じもする。しかし、今となっては、このままいくしかないだろう。これから、ボイラを他の妖怪達の元に届けなければならないからな。そこの妖怪達が人族の事をどう思っているのかが分からない。
「ボイラの友達たちは人族に恨みがあるのか?」
「恨みというか、人族は悪い奴って教えられてるから、人族に対しては否定的だな。オイラみたいな考え方をするやつはあんまりいないぞ。雪女の里は違うのか?」
「いや………同じようなもんだな………」
やはり、妖怪族は人族に対して否定的のようである。俺は言葉を濁した。
とりあえず、俺はボイラを知り合いのいる場所へと送り届けることにした。ダンジョンの周りに栄えたとういう里からさらに離れたところにある森の中にいくつかの小屋らしきものが見えた。
「ここだ。シキの一族がここにいるんだ。おーい、シキいるか~」
ボイラは小屋の一つへと駆け出した。
その声に反応して小屋の扉が開き、中から着物を着た小さな子供が現れた。髪はおかっぱ頭で少女のようにも見えるし、少年のようにも見える。
「ボイラじゃないか。ジパンニには行けたのか?」
ぶっきらぼうな感じだが、声の高さからすると少女のようである。
「あと少しというところまで行けたんだけど、ジパンニまではたどり着けなかったぞ。それにおっ母が【賢者の滴】は求めちゃダメだって言われたぞ」
「そうなの? 【賢者の滴】を飲めば凄い力が手に入るって話だった……実際C級の力を持つものがS級の能力を開花させたこともあるって」
「けど、自分が自分じゃなくなるみたいなことをおっ母が言っていたぞ。手を出しちゃダメだって」
「えっ? そんな話は聞かなかったけど………力のないものも力を持つことができるって。だからE級妖怪たちは、それを求めてヌラの里へ結構集まってるらしいよ。かなり力を使って呼びかけてるしね。ボイラには呼びかけは来なかった?」
「オイラのところまでは届いてこなかったぞ。アギラ達は来なかったのか? それに、そっちのE級は里には行こうとしなかったのか?」
2人の会話を後ろで聞いていたところに、いきなりの不意打ちを浴びせられた。どうやらボイラはエレインをE級だと思っているようである。何故、そう思ったのかはよく分からないし、ヌラの呼びかけとやらも謎であるが、ここは合わせていくしかない。
「そうだな、呼びかけは………届いていないな。ヌラはどうやって届けているんだ? これから来るかもしれないが………」
使い魔か何かで届けてくるのだろうと予想し、それに合わせることにした。
「…………この人達は?」
シキはボイラに尋ねる。
「オイラがジパンニに行く途中で助けてくれたんだ。雪女族のアギラにそのマスターのアーサーとその従者だ」
「へ~」
シキは俺達に懐疑的な目を向ける。かなり怪しまれているような気がしてならない。
「あっちの名前はアーサーにゃ。このパーティーのリーダーにゃ」
頭の上に乗っていたアーサーが名乗りを上げる。どうやら、謎のリーダー設定に徐々に浸食されつつあるようだが、ここで訂正をするようなことはしない。
「喋った?! じゃあD級以上?! ボイラみたいに変身能力で姿を変えているの?」
アーサーが子供に人気があるのは妖怪族にとっても変わらないようである。
「違うにゃ。姿を変えさせられているにゃ。あっちの真の姿はもっと勇ましいにゃ。そして、真の力を解放した時、あっちの力はS級に到達してしまうにゃ」
ぼろが出る前にこの駄猫の口を止めなければならないと、俺の頭の中のアラームが鳴り響いている。
「アーサー様、それ以上は………」
俺は迫真の演技を決める。
「そうだったにゃ。うっかりにゃ。ここで聞いたことは誰にも言っちゃいけないにゃ。あっちには敵が多いんだったにゃ。いつの間にか攻撃を受けて姿を変えられたんだったにゃ。これ以上あっちの存在がばれてしまったら大変にゃ」
「凄い!! S級妖怪なんて見たことない。S級に会ったら皆殺されるって聞いてたけど、そうでもないのね」
シキは目を輝かせているが、S級なんてアーサーが咄嗟に言ったはったりである。その純真無垢な目の輝きが俺の心にダメージを与え続ける。
「おっ母が言ってたから、凄いんだろうとは思ってたけど、S級なんて凄すぎるな。どんな能力なんだ?」
ボイラよ。お前もか………それを聞いてくるとは………なんとか誤魔化せないか。それともアーサーの時空魔法でなんとか乗り切るか。俺が考えていると、シキのほうが先に口を開いた。
「ボイラみたいに能力を明かしたりはしない。S級ならなおさら」
「そうにゃ。あっちの能力は秘密にゃ」
「でも、ヌラとかおっ母の能力は知れ渡っているし、大妖怪と呼ばれている妖怪は大体、能力を秘密にしていないぞ」
「それは違う。皆、切り札は隠している。あなたのお母さんもそれは同じ。ボイラはヌラの能力を何だと思ってる?」
「えっ? 皆の頭の中に声を届ける能力だろ?」
なんだその能力は? 声? つまり、【賢者の滴】に関して、その能力を利用して妖怪達に伝えているという事か? 危ない。変な事言ってなかっただろうか。使い魔とか口走っていたような……いや、具体的な事は口に出していないからOKなはず。俺がさっきの会話を思い出そうとしている間も会話は続く。
「そんな訳ない。あの遺跡を踏破したという事は、確実に隠れた能力を持ってるはず」
「そうなのか………ヌラはC級で大妖怪の地位まで登りつめたと思っていたのに………」
「ヌラはC級じゃない。A級以上なのは間違いない。そしてボイラはC級なのも間違いない」
「オイラはC級でもおっ母のような大妖怪になるんだぞ。それにそういうシキもC級じゃないか!!」
「私は別に戦いたいとは思わないから、C級でも構わない」
「ぐぬぬ……」
二人がやり合っているのをみる限り、それほど険悪なムードではないからいつもの事なんだろう。2人の言い合いを眺めながら、俺は先ほどまでの会話を振り返った。
これまでの会話から推測できるのは、アーサーが喋ったことに驚いていたので、E級以下は言語能力を持つかどうかではないだろうか。それならばエレインを従者扱いしているボイラの態度も納得できるところがある。エレインはボイラと会ってから一度も喋っていないからだ。そしてD級は分からないが、C級とA,B級は能力が戦闘向きかどうかで区別しているのではないだろうか。この辺りの情報をクロエに聞いておけば良かったと後悔のかぎりであるが、今となってはしょうがない。
これ以上ここにいてもボロが出てしまうだけなので、早急にお暇するか。
「それじゃあ俺達はそろそろ行くから」
「もう行くのか。あっ、それじゃあシキに占ってもらえば?」
占い? シキの方を見ると少しボイラの方を見て睨んだ後、ため息をつきた。
「能力は基本秘密ってさっき言ったのに………でも、S級を占うなんて滅多にできない事。ちょっと興味はある」
「占いの能力を持っているのか?」
俺は尋ねる。
「私の能力は【預言】。一日に一回だけ占うことができる。力が弱いから、2、3日程度後までに起こることしか占えないけど」
「シキの占いは凄いんだぞ。5割くらいの確率で当たるからな」
ボイラが自分の事のように自慢する。しかし、5割か………微妙な確率のような………
「どうする? やる?」
シキの目線は俺ではなく俺の頭にいるアーサーに向けられる。
「占いにゃ? やってみるといいにゃ。あっちがまるっと全て解決する未来が見えるに違いないにゃ」
「分かった………じゃあ、手を私の手の上に置いて」
「こうにゃ?」
「それでいいわ………」
シキがめを瞑り、何かぶつぶつと呟きだす。そして、カッと目を見開いて先ほどまでとは違う低い声で喋りだした。
「その者赤き衣をまといて 漆黒の地に降り立つべし。失われし骸との絆を結び、ついに王を青き清浄の地に導かん。あなたは狭い個室で2択を迫られる。再生か破滅かしか答えはないだろう。あなたは当然再生を選び、因果律の扉が開かれる………」
「破滅ではなく再生を選ぶってことは、あっちが全て解決するってことに違いないにゃ。腕がなるにゃ」
占いの結果はよく意味のわからないものである。それにしてもさっき5割って言ってたような………つまり5割で破滅の方に振り子が振れることもあるってことか?
アーサーから目を離すのは危ないという事は間違いないという事だろうか………
「あっちに見えるのが、ジパンニにある【賢者の滴】を求める妖怪達が集まってできた里だ。最初はダンジョンとかがあった場所なんだけど、それを中心に里が発展していったらしいんだ」
「なんだって? ダンジョン?」
俺達が求めている古代遺跡の事ではないだろうか。こんなにトントン拍子に進むなんて俺のラック値は限界突破しているのかもしれない。
「知らないのか? 【全知の大妖怪・ぬらりひょん】の孫のヌラが禁忌とされていたダンジョンに挑み、長い年月をかけて攻略したんだぞ。そして、そこを拠点にしたって聞いてる。それから、そこを中心としてあの里ができたんだ。雪女族がいるところはもっと北の方だから聞いたことなかったのか?」
「そ、そうだな。初耳だ。その里にいる妖怪達は皆、人族に恨みを持っているのか?」
「そういう奴もいるし、力を求めてヌラの傘下に入った奴もいるって聞いたな。でも最近はあまりジパンニに行ったりはしてないらしいぞ。おっ母も止めているしな。アギラは人族に恨みはないのか?」
さて、どう答えるべきか。妖怪族なら恨みがあると言った方がいいのかもだが、ボイラ親子はそこまで人族に悪感情は抱いていないようだしな………
「そうだな。あまり関わったことがないからな。どちらとも言えないというところか。ボイラはどうなんだ?」
「そうなのか? オイラも関わったことがないから分からないけど、おっ母が言うには人族には悪い奴もいれば善い奴もいるって。妖怪族もそれは同じだから、自分で接して判断するようにって言われたぞ」
質問を質問で返すという方法で、なんとかなったようだな。話を聞く限りでは、ボイラ親子に対してであれば、俺が人族である事を打ち明けても大丈夫な感じもする。しかし、今となっては、このままいくしかないだろう。これから、ボイラを他の妖怪達の元に届けなければならないからな。そこの妖怪達が人族の事をどう思っているのかが分からない。
「ボイラの友達たちは人族に恨みがあるのか?」
「恨みというか、人族は悪い奴って教えられてるから、人族に対しては否定的だな。オイラみたいな考え方をするやつはあんまりいないぞ。雪女の里は違うのか?」
「いや………同じようなもんだな………」
やはり、妖怪族は人族に対して否定的のようである。俺は言葉を濁した。
とりあえず、俺はボイラを知り合いのいる場所へと送り届けることにした。ダンジョンの周りに栄えたとういう里からさらに離れたところにある森の中にいくつかの小屋らしきものが見えた。
「ここだ。シキの一族がここにいるんだ。おーい、シキいるか~」
ボイラは小屋の一つへと駆け出した。
その声に反応して小屋の扉が開き、中から着物を着た小さな子供が現れた。髪はおかっぱ頭で少女のようにも見えるし、少年のようにも見える。
「ボイラじゃないか。ジパンニには行けたのか?」
ぶっきらぼうな感じだが、声の高さからすると少女のようである。
「あと少しというところまで行けたんだけど、ジパンニまではたどり着けなかったぞ。それにおっ母が【賢者の滴】は求めちゃダメだって言われたぞ」
「そうなの? 【賢者の滴】を飲めば凄い力が手に入るって話だった……実際C級の力を持つものがS級の能力を開花させたこともあるって」
「けど、自分が自分じゃなくなるみたいなことをおっ母が言っていたぞ。手を出しちゃダメだって」
「えっ? そんな話は聞かなかったけど………力のないものも力を持つことができるって。だからE級妖怪たちは、それを求めてヌラの里へ結構集まってるらしいよ。かなり力を使って呼びかけてるしね。ボイラには呼びかけは来なかった?」
「オイラのところまでは届いてこなかったぞ。アギラ達は来なかったのか? それに、そっちのE級は里には行こうとしなかったのか?」
2人の会話を後ろで聞いていたところに、いきなりの不意打ちを浴びせられた。どうやらボイラはエレインをE級だと思っているようである。何故、そう思ったのかはよく分からないし、ヌラの呼びかけとやらも謎であるが、ここは合わせていくしかない。
「そうだな、呼びかけは………届いていないな。ヌラはどうやって届けているんだ? これから来るかもしれないが………」
使い魔か何かで届けてくるのだろうと予想し、それに合わせることにした。
「…………この人達は?」
シキはボイラに尋ねる。
「オイラがジパンニに行く途中で助けてくれたんだ。雪女族のアギラにそのマスターのアーサーとその従者だ」
「へ~」
シキは俺達に懐疑的な目を向ける。かなり怪しまれているような気がしてならない。
「あっちの名前はアーサーにゃ。このパーティーのリーダーにゃ」
頭の上に乗っていたアーサーが名乗りを上げる。どうやら、謎のリーダー設定に徐々に浸食されつつあるようだが、ここで訂正をするようなことはしない。
「喋った?! じゃあD級以上?! ボイラみたいに変身能力で姿を変えているの?」
アーサーが子供に人気があるのは妖怪族にとっても変わらないようである。
「違うにゃ。姿を変えさせられているにゃ。あっちの真の姿はもっと勇ましいにゃ。そして、真の力を解放した時、あっちの力はS級に到達してしまうにゃ」
ぼろが出る前にこの駄猫の口を止めなければならないと、俺の頭の中のアラームが鳴り響いている。
「アーサー様、それ以上は………」
俺は迫真の演技を決める。
「そうだったにゃ。うっかりにゃ。ここで聞いたことは誰にも言っちゃいけないにゃ。あっちには敵が多いんだったにゃ。いつの間にか攻撃を受けて姿を変えられたんだったにゃ。これ以上あっちの存在がばれてしまったら大変にゃ」
「凄い!! S級妖怪なんて見たことない。S級に会ったら皆殺されるって聞いてたけど、そうでもないのね」
シキは目を輝かせているが、S級なんてアーサーが咄嗟に言ったはったりである。その純真無垢な目の輝きが俺の心にダメージを与え続ける。
「おっ母が言ってたから、凄いんだろうとは思ってたけど、S級なんて凄すぎるな。どんな能力なんだ?」
ボイラよ。お前もか………それを聞いてくるとは………なんとか誤魔化せないか。それともアーサーの時空魔法でなんとか乗り切るか。俺が考えていると、シキのほうが先に口を開いた。
「ボイラみたいに能力を明かしたりはしない。S級ならなおさら」
「そうにゃ。あっちの能力は秘密にゃ」
「でも、ヌラとかおっ母の能力は知れ渡っているし、大妖怪と呼ばれている妖怪は大体、能力を秘密にしていないぞ」
「それは違う。皆、切り札は隠している。あなたのお母さんもそれは同じ。ボイラはヌラの能力を何だと思ってる?」
「えっ? 皆の頭の中に声を届ける能力だろ?」
なんだその能力は? 声? つまり、【賢者の滴】に関して、その能力を利用して妖怪達に伝えているという事か? 危ない。変な事言ってなかっただろうか。使い魔とか口走っていたような……いや、具体的な事は口に出していないからOKなはず。俺がさっきの会話を思い出そうとしている間も会話は続く。
「そんな訳ない。あの遺跡を踏破したという事は、確実に隠れた能力を持ってるはず」
「そうなのか………ヌラはC級で大妖怪の地位まで登りつめたと思っていたのに………」
「ヌラはC級じゃない。A級以上なのは間違いない。そしてボイラはC級なのも間違いない」
「オイラはC級でもおっ母のような大妖怪になるんだぞ。それにそういうシキもC級じゃないか!!」
「私は別に戦いたいとは思わないから、C級でも構わない」
「ぐぬぬ……」
二人がやり合っているのをみる限り、それほど険悪なムードではないからいつもの事なんだろう。2人の言い合いを眺めながら、俺は先ほどまでの会話を振り返った。
これまでの会話から推測できるのは、アーサーが喋ったことに驚いていたので、E級以下は言語能力を持つかどうかではないだろうか。それならばエレインを従者扱いしているボイラの態度も納得できるところがある。エレインはボイラと会ってから一度も喋っていないからだ。そしてD級は分からないが、C級とA,B級は能力が戦闘向きかどうかで区別しているのではないだろうか。この辺りの情報をクロエに聞いておけば良かったと後悔のかぎりであるが、今となってはしょうがない。
これ以上ここにいてもボロが出てしまうだけなので、早急にお暇するか。
「それじゃあ俺達はそろそろ行くから」
「もう行くのか。あっ、それじゃあシキに占ってもらえば?」
占い? シキの方を見ると少しボイラの方を見て睨んだ後、ため息をつきた。
「能力は基本秘密ってさっき言ったのに………でも、S級を占うなんて滅多にできない事。ちょっと興味はある」
「占いの能力を持っているのか?」
俺は尋ねる。
「私の能力は【預言】。一日に一回だけ占うことができる。力が弱いから、2、3日程度後までに起こることしか占えないけど」
「シキの占いは凄いんだぞ。5割くらいの確率で当たるからな」
ボイラが自分の事のように自慢する。しかし、5割か………微妙な確率のような………
「どうする? やる?」
シキの目線は俺ではなく俺の頭にいるアーサーに向けられる。
「占いにゃ? やってみるといいにゃ。あっちがまるっと全て解決する未来が見えるに違いないにゃ」
「分かった………じゃあ、手を私の手の上に置いて」
「こうにゃ?」
「それでいいわ………」
シキがめを瞑り、何かぶつぶつと呟きだす。そして、カッと目を見開いて先ほどまでとは違う低い声で喋りだした。
「その者赤き衣をまといて 漆黒の地に降り立つべし。失われし骸との絆を結び、ついに王を青き清浄の地に導かん。あなたは狭い個室で2択を迫られる。再生か破滅かしか答えはないだろう。あなたは当然再生を選び、因果律の扉が開かれる………」
「破滅ではなく再生を選ぶってことは、あっちが全て解決するってことに違いないにゃ。腕がなるにゃ」
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