隷属の証

Hypnos

文字の大きさ
28 / 28
1年1学期

調教の週末-後半(寛解)

しおりを挟む
結局土曜日も楓は二人の欲望の捌け口として使われ、散々嬲られて精を吐き出された挙句、ドッグフードしか与えられなかった。推奨量以上の媚薬を投与されていた楓は半分意識を失ったまま1日を過ごし、疲労で落ちた。

次の日の朝、強い空腹感と気怠さ、臀部の違和感にムラムラした感覚が楓を睡眠から引き摺り出す。頭だけ起こして左右を見ると、匠と陽介がスヤスヤと寝息を立てていた。少し冷える部屋の中、二人から伝う体温が心地良い。二週間前まで碌に人肌と触れ合ったことがなかった楓にとって、肌を合わせるのは何とも不思議な感じがして妙な安心感を齎した…その相手が無理に体を求めてきたとしても。

「…」

(うまくいくはずだったのに…これからどうすれば…)

光が見えたと思った瞬間再び闇に落とされ、楓はまるでオルペウスになった気分だった。

(同じ手はもう通用しないだろうし…しかもなんか後ろを弄られるのが気持ちよくなってきたような…もうやだ)

拘束されている箇所が痒くてモゾモゾすると、両隣にいる二人を起こしてしまう。

「おはよう、楓ちゃん」
「…お願い、もう離して。こんな生活もうやだ」
「…楓は俺達と一緒にいるの嫌?」
「…こんな事をしてくる人達と一緒に暮らしたくない」
「…」

楓のかつて無いほど強い意志が籠った言葉に二人は少し考える素振りを見せる。

(この様子は少し不味いな…ビデオの漏洩を覚悟して逃げ出す可能性もある…流石に少しやりすぎたか)

「楓ちゃんは何が嫌?」
「全部…殴られのもエッチするのも嫌。普通の友達になりたかった」
「楓…」

たじろいだ陽介は強い拒否を示す楓を背後から抱きしめ、反対側にいた匠は考えに耽る。

(意外と精神性が強いな…体のように素直だったらよかったんだが。始まりがアレだったから精神的にも受け入れ難いのかもしれないけど、反応から見て温もりと甘えられる相手には飢えているはず。ここは引いてみるか…押すのはいつでもできるしな。暫くの間優しく甘やかして、精神的に距離を少し稼いでからまた手を出そう)

「分かった。楓の嫌がることはできるだけしない。代わりに大人しく一緒にいてくれないか」
「…?」

(なぜ急に?弱みの動画もまだ手にあるはずなのに…でもこれは乗っても損はないはず)

「うん」

一応の和解を果たし、張り詰めた空気が和らぐ。陽介は匠の提案から何かを感じ取ったようで、何かを考えているようだった。

「じゃあこれとかは外してあげる」

匠は手早く腕と足の拘束を外し、首に巻きつけられた首輪も解く。

「前と後ろのも外した方がいい?』
「外してっ」

些か強い語気で要求する楓に従い、長い間楓のペニスを戒めてきた貞操具と後孔を埋めるプラグを取る。ようやく自由になった楓は凝り固まった体を伸ばす。

「楓ちゃんは朝ごはん何食べたい?」
「…フレンチトーストがいい」
「分かった、すぐに準備してくるね」

昨日まで好き勝手に体を暴いてきた男とは思えないほど聞き分けがいい匠に対して、楓は強い違和感を抱きながらもホッと胸を撫で下ろす。

(ついに良心に目覚めた…何っていう都合のいい話はないよね。何か裏があるだろうけど、絶対これまでよりはマシ)

思考で固まっている楓に抱きついたままの陽介はおずおずと口をひらく。

「あのさ楓、ハグは大丈夫かな?友達でもしたりするし」
「…それくらいなら」

これまでされてきた事と比べて大分可愛い要求を楓は受け入れる。余り拒否するとこれまでの生活に逆戻りするリスクが懸念でもあるが、自分よりも大きく厚い体に包まれると安心感を感じるのだ。陽介は嬉しそうに微笑むと、首元に鼻を寄せた。

(認めたくないけど、これだけはなんか癒されるんだよな。そこまで犬が好きな方じゃないけど、犬好きの人ってこういう行動にときめくのかな?)

少ししてから二人は朝の支度を始め、リビングで匠と朝食をとり始めた。

「楓ちゃん、どこまでOKなのか確認させて。セックスと暴力はダメだよね?」
「絶対嫌。フェラも手でするのもイヤだ」
「じゃあキスは?」
「それもヤダ」
「うーん、抱きしめたり、肌の触れ合いくらいはいいよね?友達でも普通にする事だと思うけど」
「…分かった、それだけなら」

思ったよりも上手く談判が進んで楓は内心大喜びだ。

(脱出できなかったけど、これなら何とか生活していけそうだ。最初からこれならよかったんだけど。今日からは自分で浣腸する必要も無くなるのか)

三人は余り時間がかけられなかった残りの課題を片付け、次の日の授業に向けて寝る準備をする。楓がシャワーを浴びている頃、陽介と匠はリビングで相談していた。

「匠、何を企んでいる?」
「特に何も?楓があまりにも嫌がるからね、推してダメなら引いてみるってやつだよ」
「…ここまで来て引いても…いや、案外効果が出るかもな。目の前の楓に手を出せないのはもはや苦行だけど、思い詰めた楓に逃げられるよりはマシか」
「割と効果覿面だと思うよ、少し時間がかかるだろうけど。性欲の強い陽介は御愁傷様。まあ昨日も一昨日も抱けたわけだし、その記憶でシコれば?」
「人のこと言えるほど余裕があるのか?今週はお前の番だろ」
「風呂場で処理したから大丈夫」

楓が風呂から出る音が耳に入り、二人はそれぞれの部屋へ戻った。一向に自分の部屋に来ない楓を探しに匠はその部屋へ向かう。

「楓ちゃん、そろそろ寝ないと」
「うん、もう寝る」
「じゃあ行こう」
「?いや、俺自分の部屋で寝る」
「エッチなことしないから一緒に寝よ?いいよね」
「え、い、いや」
「いいよね?」
「…うん」

断ろうとした楓だが、有無を言わさない雰囲気で問いかけてくる匠に気圧され、頷いてしまう。

(せっかくちょっと平穏になったのに、ここで無理に断って振り出しに戻るよりはいいかな)

大人しくなった楓の手を引いて匠はベッドに潜る。少し離れたところで体を休ませる楓に擦り寄った。

「おやすみ、楓」
「おやすみ」

心理的な負担が軽減された楓は心地良い温かさを感じながら久方ぶりの軽い気持ちで眠りに落ちた。
しおりを挟む
感想 3

この作品の感想を投稿する

みんなの感想(3件)

KEYちゃん
2025.01.01 KEYちゃん

楓君には幸せになって欲しいですが
エロさも欲しいです
難しい注文ですネ

解除
ハニへ
2024.04.15 ハニへ

えちえちで最高です!
最新話出てないか毎日チェックさせてもらってます!最新話出るの楽しみにしてます!

解除
雲無瞳子
2024.03.26 雲無瞳子

雰囲気も内容も最高にえちえちでした!
続きがとっても気になります!応援してます

2024.03.26 Hypnos

ありがとうございます!
陽介と匠が勝手に楓ちゃんをいじめるので導入編が長くなってしまいました。これからは学園生活にも光を当てていきます!

解除

あなたにおすすめの小説

月弥総合病院

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。 また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。 (小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

カテーテルの使い方

真城詩
BL
短編読みきりです。

怒られるのが怖くて体調不良を言えない大人

こじらせた処女
BL
 幼少期、風邪を引いて学校を休むと母親に怒られていた経験から、体調不良を誰かに伝えることが苦手になってしまった佐倉憂(さくらうい)。 しんどいことを訴えると仕事に行けないとヒステリックを起こされ怒られていたため、次第に我慢して学校に行くようになった。 「風邪をひくことは悪いこと」 社会人になって1人暮らしを始めてもその認識は治らないまま。多少の熱や頭痛があっても怒られることを危惧して出勤している。 とある日、いつものように会社に行って業務をこなしていた時。午前では無視できていただるけが無視できないものになっていた。 それでも、自己管理がなっていない、日頃ちゃんと体調管理が出来てない、そう怒られるのが怖くて、言えずにいると…?

朔望大学医学部付属病院/ White Dictator

御月様(旧名 僕君☽☽‪︎)
キャラ文芸
White Dictator______通称:『白衣の独裁者』 <ホワイト・ディクテイター> ⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯ 圧倒的な「実力」と「技術」で捩じ伏せ・現場を支配する凄腕たち。 ___ ごく僅かな一瞬の隙も逃さない神手の集まり。

男子寮のベットの軋む音

なる
BL
ある大学に男子寮が存在した。 そこでは、思春期の男達が住んでおり先輩と後輩からなる相部屋制度。 ある一室からは夜な夜なベットの軋む音が聞こえる。 女子禁制の禁断の場所。

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。