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日本編

正義 悪となり正義を貫く

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ドンドンドン!!

「……んぅ」

 荒々しいドアを叩く音で目が覚める。

 人里離れの森にポツンと立つ一階建ての平屋。この場所を知っているのはほんの数人しかいない。

 ベットから身体を起こしいつもと違う内装を気にせずドアへと向かう。

「なんだ、優希か」

 ドアを開けると40代でスキンヘッド、黒い軍服に黒いジャケットを羽織っている男がいた。その後ろには軍服を着た兵士二人が俺に銃口を向けていた。

 他にも、家中から銃口を俺に向けていた。

「人が寝てる時に、家中に穴を沢山開けて、銃口を突き詰めるのはちょっと寝起きの俺に理解できないな」

「最上拓磨さん、政府の命令によりあなたを殺さなければならない」

「お前とは何年を一緒にいたが……本気か?」

 田中優希。 俺は異能【超再生】で歳をとらない。そのため、優希とは生まれた頃からの付き合いだ。

「ええ、政府に逆らえば私の命がありませんので」

 優希も胸ポケットからハンドガンを取り出し俺に向ける。

「殺やれるのか?」

「あなたの弱点は全て知っているつもりです……殺れます」

 優希の最後に言った言葉を引き金に一斉に発砲する。

 四方八方から俺に向かって放たれる銃弾は全て俺を貫く。

 体の痛みを気にせず、ゆっくりとしゃがみ込み両手を床に置く。

「ッハ!? 防御体制!!」

「ふん!!」

 体に受けた銃弾のエネルギーを全て手のひらに集め放出する。

 家中心に森一帯に広がるエネルギー波は家はもちろん家の周辺を囲んでいたであろう兵士や木々を全て弾き飛ばす。

「優希、できればもう会いたくないな」

 エネルギー波で俺自身も吹き飛ばされる。吹き飛ばされる刹那、俺は優希に最後の仲間としての言葉をかけた。

 雲を寸前まで上がった次は腕を雲と平行にし手の平を立てもう一度エネルギー波を出しこの場から離れた。

「俺は……悪か?」



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「隊長、今のは?」

「体に受けた攻撃をエネルギーの変え体から発したんだ」

「ターゲットの異能は一つじゃないのですか?」

「アレは科学によるものだ」

 拓磨さん。私もできればもう……あなたとは会いたくない。

 家族を守るためにはこうするしなかったんです……すみません。

 私は、最も尊敬する人のために何も出来ない自分を殺したい。
 私は、悪だ。
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