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第22話 事故の惨劇
しおりを挟むひろちゃんは事故の瞬間、咄嗟に私を庇ってくれた
自分の事よりも最後まで私を守ろうとしたが為に、ひろちゃんは亡くなった
そして私はその事故以来、病院のベッドの上に寝たままの状態で目を覚さないでいる
あの時の悲惨な事故の状況はこうだった……
私があの時に見た歩道の所にいたおっさんは、バス停横の歩道沿いからタクシーを拾う為、対向車線を走っていたタクシーを呼び止めようとして、歩道沿いから車道に身を乗り出して、手を振りながら
呼んでいた
対向車線を走るタクシーの運転手は、その呼び止めようとするおっさんに気付いて、すぐに対向車線の歩道にいるおっさんを拾おうと、そのまますぐにUターンしようとしていた
この時、運転していたタクシーのドライバーは当然、私達の車にちゃんと気付いていたと思う
それが分かった上で私達が乗っている車の前に、割って入ってきたのだろう
私達の前にいた車との車間距離が5台分程は空いていたのでこの距離であれば十分に通過していけると思っての判断で行動したはずだ
タクシードライバーはその車間距離を見て行けると思い、そのままUターンしてからバス停のスペースに停めろうとしたんだろう
そのまま私達の走る車線に入って来たタクシーは、私達の車の右フロント部に突っ込んでくる結果となった
この時、このタイミングで様々な不幸が沢山重なったんだと思う
私の視線の先はタクシーを拾おうと手を振っていたおっさんを観ていた
ひろちゃんは執拗に煽って来る後続車を観ながら、前方を走る車に追いつこうと急に速度を上げて加速する
その瞬間タクシーとぶつかり、衝撃で私達の車は左に飛ばされる
ひろちゃんは咄嗟にハンドルを右に切るが、制御を失った車はどうしようもなく、勢いよくガードレールにぶつかってしまい、その反動で今度は対向車線の方にまで飛ばされ、そのままガードレールにぶち当たって、ようやくそこで車は止まる
そこに対向車線を走っていたトラックが異変に気付いて急ブレーキを踏むが、間に合わず私達の車に衝突する
乗っていた私達の車の姿は、もう原形をとどめなておらず、みるも無残な姿となっていた
当時の車にエアバッグなんて物は標準装備されておらず、そんな物が当時ついていたのなら結果は違っていたのかも知れない
でも……ひろちゃんが咄嗟に私を庇った事により、幸か不幸か分からないが、ひろちゃんがその身を呈した事で私のエアバッグの代わりになってくれた
そんな、そんな……私を庇ってくれたひろちゃんはトラックに衝突され、下半身は挟まれてグチャグチャになりながらも私を包み込む様な態勢の状態のまま抱きしめて離さなかった
私はぶつかった衝撃で強く頭を打ち、足を挟まれた状態となるが、それ以外は綺麗なままだった
だが、私が眼を覚まして起き上がる事はなかった
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