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天使は微笑みながら嘘を受け入れる
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まだ小さな時に見た僕の将来の旦那様。
真っ黒くて大きくて、少し怖かった。
でも大きな手で頭を撫でてくれて「大きくなったら嫁においで」と笑ってくれた。
悪魔と天使の実験的なこの結婚。でも、ホントは知っている。
ーーようやく、何者でもない僕が何者かになれる。だからいいの。
卵焼きを作ってお味噌汁の味を確認した頃に、炊けましたよと炊飯器から音が鳴る。
ふっくらツヤツヤなお米を見て、「よしっ」と頷くと急に背後から抱きしめられて日向崎ルカ(ひゅうがさき・るか)は飛び上がりそうなほど驚いた。
「ひゃあっ」
「そんなに驚くなって。こっちがびっくりするだろ」
「ご、ごごごめんなさい、カルム様…」
真っ赤な顔でそう言うと、額に口付けられる。
「様は付けるなって言ってんだろ?」
「で、でもカルム様は僕のご主人様で…」
「主人じゃねえよ、旦那だ」
「?? 同じですよね?」
「どう言えばいいんだろうな…。とりあえず様は付けんな。あともうちょい砕けた喋り方にしろ」
「…追々がんばります」
腕の中で真っ赤な顔で頷くと「がんばれ」と笑われる。
「それにしてもあれだな。朝起きたら嫁がメシ作ってくれてるって幸せだな。地界にはない習慣だから新鮮だ」
「悪魔も天使も食事しなくて大丈夫ですもんね」
「人間界の習慣というのは、もしかしたら愛情の確認も入ってんのかもしれねえな」
「おもしろい洞察ですね」
ほほう、と思わず頷いてしまう。
「食事という人間にとって欠かせない行動が、実は愛情の確認だったなんてどんな教科書にも書いていませんでした」
「教科書?」
「三年前からカルム様が人間界に住み始めたと聞いて、人間界について勉強しました」
「はは、勉強熱心だな。俺のために勉強したのか?」
「だって、僕のごしゅ…旦那様ですもん」
「かわいいなあルカ。一生大事にするよ、俺のかわいい花嫁さん。あのとき話を断らなくてよかった」
もう一度額に口付けられ「さあメシにしよう」と腕を離される。
ルカは真っ赤な顔でお味噌汁をお椀へ注ぎながら嬉しそうに笑った。
(僕はカルム様のお嫁さん。嬉しいな)
一度はなくなりかけたこの結婚話、カルムが繋ぎ止めてくれたから過ごせるこの結婚生活。
(僕も絶対にカルム様を大事にします)
そう決心しながらリビングへと向かった。
悪魔と天使は別にいがみ合ってはいない。仲も悪くはない。我関せずというスタンスを長年貫き通していた。
しかし人間と同じ姿を持ちながらも種族は違うので、もう少し歩み寄ってもいいんじゃないかと話が出て、とある実験をしてみようという話になった。
悪魔と天使が結婚したらどうなるのかーーその候補に選ばれたのが当時十歳だった天使のルカだ。
相手は当時二十三才の上級悪魔であるカルム。
悪魔が住む地界は天使の住む天界とは違い、非常に空気が悪かったり治安が悪い。いきなり嫁がせるのは不可能なため、少しずつ体を慣らしたり悪魔について勉強しながら十八歳になったとき、結婚するという内容だった。
ルカが十五才の時、人間界からの要請によりカルムが魔法省に手を貸すため人間界に住むと聞いた際には、結婚するに当たって迷惑にならないよう人間界について必死に勉強した。
しかし突如愛に目覚めた神の片割れが悪魔を天界に連れて帰るという大事件が起こった。
これには混乱。その中でこの結婚話は一度消えたのだ。
ルカはショックだった。幼い頃から悪魔の嫁になることだけを考えて生きてきたというのにこれから一体どうしろと。
何より、小さい頃に一度だけ見た将来の旦那であるカルムにすでに恋をしていた。
ルカは寝込んだ。何日も起き上がれなかった。
しかしそんなルカに吉報が飛び込んだ。結婚話は消えたが、それでも嫁に欲しいとの報せが。
そして八年振りに再会したルカは再び、カルムに恋をした。
「いってらっしゃい、カルム様」
玄関でそう言うと、頬に手を添えられ唇にキスされた。
「ん…」
「いってくる。いい子で留守番できるか?」
「もうっ、僕は子供じゃありません」
「それもそうだな」
笑いながらカルムは家を出て行った。赤い顔を押さえながらしばらく余韻に浸るも、洗濯機の終了音が聞こえたため慌てて中に入った。
ベランダで洗濯物を干しながら、左手薬指に嵌められた指輪を見た。
結婚指輪だ。
魔法省の要請により人間界に住むこととなったカルムは「日向崎」という名字を名乗り人間として暮らし、人間としての住民登録も持っていた。結婚ということでルカも「日向崎」と名乗り住民登録も持ち、晴れて結婚できた。
「指輪が結婚の証とは…人間は不思議ですね」
太陽にキラキラ輝く指輪。もちろんカルムだって同じ左手の薬指に指輪をしている。
「この人は自分のものですよという周りへの証明でしょうか…? それとも牽制? 人間は本当に色々なことを考えますね…」
姿形はほぼ同じでも、悪魔や天使はそこまで考えていない。縛りつけるものは互いの感情ぐらいで、指輪といった物は存在しなかった。
でも、これとお揃いのものをカルムは外すことなく毎日身につけている。もちろんルカだって外していない。
「ふふ、嬉しいものですね」
人間の習慣とはおもしろくて、時に嬉しさすら湧き起こる。
ルカはそっと、愛しい結婚指輪に口付けた。
アイツはまだ知らない。
天使と悪魔のこの結婚についての裏を。
神すら知らない「大天使たちの秘密」にアイツはまだ気づいていない。
だからこそ気づく前に守りたい。
大事な大事な、花嫁だから。
「はい、出来ました」
ぽんと背中を押されたカルムは黒く大きな羽根を背中に仕舞った。ルカが手入れしてくれていたのだ。
ルカからブラシをもらったカルムは笑う。
「ルカ、お前の羽根も手入れしてやろう」
しかしふるふると首を横に振られる。
「僕は大丈夫です」
「なんでだ?」
「だって僕の羽根は変わった色ですし、そもそも小さすぎて飛べないから使ったことないですし…」
「それでも羽根は羽根だろう? 出しなさい」
そう言われて逡巡したのちルカが背中を向けて羽根を出した。
グレーの羽根。しかもルカの小さな手のひらよりももっと小さい。これでは単純に飛ぶことすら不可能だ。
「せめて飛べればいいのですが」
「まあいいじゃねえか。人間界では飛ぶ必要もない」
「それもそうですね」
ブラシで梳きながらカルムはぼんやり考えていた。
(本人に言うべきか…いや、絶対に言わない方がいい。傷つく以外に何もない。ルカは…自分が天使だと信じきっている)
ルカの出自は複雑だった。
本来、悪魔も天使も双子の神の創造物である。しかし、ルカは違うのだ。
自分たちにも生み出せるのではないかと傲慢にも錯覚した当時の大天使二十人による創造物だった。
出来たものは、グレーの羽根を持つ十歳の飛べない少年。しかも大天使二十人のうち十九人を犠牲とした。
この事実を、双子の神は今もまだ知らない。
そしてあの日創られた少年は、押しつけという意味で悪魔に嫁がせようとしたのだ。
(あのとき断ってたらルカは死んでただろうな…)
一度は断りかけたが、少年に違和感を持ったカルムは結婚を先延ばしにした。
その間に生き残った大天使が情でもなんでもいいからルカに対して何かしらの感情を持てば事実を話しそれなりに育てるだろうと思っていた。
しかしあの大天使はあくまでも「嫁がせる」という行動に執着した。
(ルカは大天使を信じきっている。あのよくわからんどうでもいい話を信じきっている。なんだ実験的な結婚って)
ルカからそんな話を聞いたは驚いた。
それと同時に、コイツを守れるのは自分しかいないと感じた。
「カルム様?」
ブラシをかける手が止まっていたのだろう、ルカが不思議そうにこちらを見る。
「どうしました?」
「なんでもねえよ」
そう言って額にキスするとルカは顔を真っ赤にして前を向く。
愛おしい。
最初は情けのつもりだったが、今はこの天使が愛おしくしょうがない。
(逆に押し付けられて正解だったな。こんなにもかわいいルカを誰にも渡したくない)
いつまでも大天使の元に居させなくて正解だ。
しかしまだ問題は残っている。
「ルカ。今日は何をして過ごしたんだ?」
「今日はですねー、洗濯物を干してー、買い物に行ってー、えへへ、ちょっとのんびり過ごしました」
「外へ出たのか?」
「はい、いい天気でした」
カルムは眉間に皺を寄せる。
あまりルカを外に出したくはない。できれば洗濯物を干すために窓を開けるのも躊躇うほどに。
(ここは人間界だ。大天使にとってグレーな場所だ)
ルカが地界へ行けば神や天使の干渉はほぼ受けない。逆に天界だと自分の敷地内なので好きにできる。
しかしここは人間界だ。魔王や神、天使に悪魔やその他の様々な種族が干渉できる。
(大天使にルカが狙われる可能性もある。一応結界を張ってはいるが…)
あくまでもこの部屋に、だ。外に出られると怖いものがある。
「ルカ、外へ出ると日焼けするぞ? お前の肌は真っ白なんだから」
「もしかして赤くなってます…?」
「ちょっとな」
「…日焼け止めというものを塗るべきでしょうか」
自分の腕を見ては首を傾ぐその様子に、やはり真実を伝えるべきではないと思い知る。
カルムは小さな背中を抱きしめた。
「カルム様?」
「あんまり俺を心配させんなよ? わかってるか?」
「??」
「はは、わかんねえよなあ。いいんだよ、それで」
俺が守るから。
その言葉は飲み込んだ。余計な心配をかけさせるべきではない。
「さて、そろそろ寝るか」
そう言うと腕の中のルカの体に力が入った。
「あ、あの、カルム様」
「ん?」
「その…あの……え、えっちなこと、しますか?」
「する」
「!」
「夫婦なんだから当然だろ? ルカは嫌か?」
そう言って覗き込んだ顔は真っ赤だった。
「嫌じゃないから困ってるんです……」
カルムは大笑いしながらさらにルカを強く抱きしめた。
「なっ、なんで笑うのですか!」
「いやあ、お前がかわいくてなあ。かわいいなルカ。俺はこんなにもかわいい嫁を貰えて幸せだ」
「僕だってカルム様と結婚できて幸せですう」
唇を尖らせ拗ねたように喋る存在が愛おしくて、思わずキスをした。
口付けながらちらりと横目で窓の外を見る。
暗い月明かりの下、大きな白い羽根が見えた気がした。
ルカは外へ出ていた。
(人多いなあ。なんか皆さん急いでるみたいだし)
大きなスクランブル交差点。高層ビルが立ち並び多くの人が信号が赤になるのを待っている。
目の前をビュンビュン車が通り過ぎる。金色のルカの髪がなびいた。
信号が青になる。一斉に人が歩いていく。
ルカも一歩踏み出した時だった。
人が消えた。車が消えた。高層ビルが消えた。
「え?」
スクランブル交差点のど真ん中、赤信号がチカチカと点滅する中でルカはただひとり佇んでいた。
「これ、は…魔法でしょうか…?」
人間には魔法使いという魔法を使える者がいると教えてもらった。
「僕は魔法は使えませんが…どうしましょうこれ…」
とりあえず歩いた。
長い長い横断歩道の上を歩く。縞々模様。まるで焦りを促すように赤信号がずっと点滅する。
歩いていたはずなのに小走りになり、駆け出した。
ーー怖い。
「はっ、はっ…」
すぐに息が切れる。こういうときに羽根を使って飛べればいいものの、生憎とこの小さな羽根では無理だった。
「助けて…カルム様…っ」
地鳴りが聞こえた。足元が崩れゆく。
真っ暗な闇へと真っ逆さまに落ちてゆく。
ぎゅっと目をつむった時だった。この体がふわりと包まれ空へと登っていった。
「ルカ、大丈夫か?」
「カルム様!」
黒い羽根を出すカルムの大柄な体に抱かれ、空へ空へと高速で飛んでいた。
思わずルカはぎゅっとカルムに抱きつく。
「遅くなったな。怪我はないか?」
「大丈夫です。これは一体…」
「夢と現実の間だ。ある者が意図的に作り出している」
「…? 誰ですか?」
飛んでいたカルムがピタリと止まる。見上げると、太陽に逆光して顔は見えないが確かにそこに誰かいる。
大きな白い羽根を持つ…天使?
「…だれ?」
片腕にルカを抱き変えたカルムが腰から拳銃を取り出しその人物に発砲。辺りに白い羽根が飛び散った。
ーーだれだろう。
(どこかで見た…)
まるで昔から知っているような…見つめていると「ルカ」と耳元で囁かれた。
「お前は知らなくていい。見なくていい。ーーお願いだ、眠っててくれ」
魔法をかけられたのだろうか、途端にルカの頭の中がぐるりと渦を巻く。
視界が歪む。思考が途切れる。
抗うこともできず、ルカは目を閉じた。
「死神退治の仕事中にまさか出くわすとはな」
眠るルカを抱いて、カルムが拳銃を構える。
「俺だって殺したくねえよ。言うならばお前はルカの育ての親だしな。だが…ルカを始末しようってんなら話は別だ」
「ん…」
ルカが目を覚ますとカルムの腕の中だった。
「おはよう、ルカ」
額に口付けられる。照れながら辺りを見回すと、見慣れた家の中だった。
ルカは窓の外を見る。もう真っ暗だ。
「あれ…? 僕、外に出ていませんでしたっけ…? 確か交差点にいて…」
「ちょっと魔法に巻き込まれただけだ」
「??」
首を傾ぐと頭を撫でられた。
「今日は俺がメシを作るからルカはゆっくりしててくれ」
「だめですよ! 僕がごはん作ります!」
「俺だってメシくらい作れるぜ?」
くすくす笑われ、「む、どうしよう…」とルカが笑う。
「カルム様のごはんっておいしいんですよね…。そりゃあ、そりゃあ食べたいけどお仕事で疲れて帰った人にごはんまで作らせるのはさすがに…」
「お前も強情だなあ」
そう言った時だった。抱きしめてくるカルムの腕に力が入ったことに気づく。
「カルム様?」
カルムが辺りの様子を窺っている。何か異変に気づいたようだが、ルカにはさっぱりわからない。
きょろきょろと辺りを見回していると、パンッ、と何かが弾けた音が聞こえた。
カルムが舌打ちをする。
「結界が解けたな。ルカ、絶対に俺から離れな…」
するりとカルムの腕の中からルカの体が引っ張られる。ルカが背後を確認すると、見知った顔だった。
「大天使様?」
「久しぶりだな、ルカ」
大柄な男にルカは抱きしめられていた。即座にカルムは銃口を向ける。
「わざわざ追いかけてくんじゃねえよ。さっき追っ払ったっつーのに」
「俺はルカに用がある。ルカ、お前は二度と天界へ帰ってくるんじゃない。いいか」
ルカの大きな瞳が、大天使を見つめる。
気まずそうに先に目を離したのは大天使の方だった。
ルカはそっと手を伸ばし、大天使の頬を包んで微笑んだ。
「大天使様、泣かないでください」
「…これ以上知ったような口を叩くな。お前は昔から全てを…」
「僕は全てを知っています」
にこりと笑うとカルムと大天使が目を見開いた。
まさか、とカルムに嫌な予感が過ぎる。
知っているはずがない。知っているわけがーー。
ルカの小さな唇が開いた。
「僕は天使じゃない」
ふふ、と笑いながらさらに続ける。
「僕は当時二十人もの大天使様によって創られた創造物です。天使でもなければ悪魔でもない、人間でもないし僕を表す言葉は何もない。僕は、何者でもないのです。…あの日までは」
ルカはカルムを見て「僕の旦那様」と笑った。
「大天使様、あなたはカルム様に僕を押し付けようとした。でも、そのおかげで僕は何者かになれたのです。僕はカルム様の花嫁です。あなたの押し付けによって、僕は何者かになることができました。ありがとう、大天使様」
大天使の大きく真っ白な手を、ルカは包む。
「神に見つからないよう八年もの長い間、僕を匿ってくれてありがとう。僕を育ててくれてありがとう。大天使様、あなたにとって苦痛だったかもしれないこの八年間、僕は幸せでした。大天使様と過ごす時間、僕は楽しかったです」
だから、と言いながらルカは大天使を抱きしめた。
「もう自分を責めないでください。僕は幸せなのですから」
「…お前は…俺を許すのか?」
ルカは笑いながら頷いた。
ルカの小さな腕の中、大天使は微笑みながら姿を消した。
カルムは拳銃を腰へと戻す。いくらなんでも育ての親であるあの大天使に銃口を向けるのはしんどかった。
どっかりとソファーに腰を下ろすと、ちょこんとルカも隣に座る。
「カルム様。僕を守ってくれてありがとうございます」
「…お前はいつから知ってたんだ?」
「最初からです」
「……ずっと知らないフリをしてたのか?」
「その方が僕を含めて皆さんが幸せです。…僕に名前をつけるとしたら何もありません。僕は何者でもないのです。でも、カルム様。あなたがいることで僕は、カルム様の花嫁、という最高の称号を得ることができるのです。カルム様、僕を守ってくれてありがとう。これからもあなたの花嫁さんでいさせてください」
カルムは笑ってルカを抱きしめた。
ーーあの日出会った十歳の少年は幼く何も知らなかったはずだった。
本当は誰よりも聡明で、誰よりも慈悲深い、天使よりも天使だった。
「ルカ、お前は天使だ。俺の出会ってきた天使の中で一番の天使だよ」
しかし腕の中のルカは「違いますっ」となぜか声を張り上げてきた。
不思議に思って見てみると、ルカは唇を尖らせて拗ねていた。
「僕はカルムさんのお嫁さんですう」
一瞬ののち、カルムが吹き出す。
「そうだな、お前は俺のお嫁さんだな」
「そうですよっ」
「俺は本当にかわいい嫁をもらった。一生大事にするよ」
そう言って腕の中で未だに拗ねているかわいいかわいい嫁を抱きしめた。
真っ黒くて大きくて、少し怖かった。
でも大きな手で頭を撫でてくれて「大きくなったら嫁においで」と笑ってくれた。
悪魔と天使の実験的なこの結婚。でも、ホントは知っている。
ーーようやく、何者でもない僕が何者かになれる。だからいいの。
卵焼きを作ってお味噌汁の味を確認した頃に、炊けましたよと炊飯器から音が鳴る。
ふっくらツヤツヤなお米を見て、「よしっ」と頷くと急に背後から抱きしめられて日向崎ルカ(ひゅうがさき・るか)は飛び上がりそうなほど驚いた。
「ひゃあっ」
「そんなに驚くなって。こっちがびっくりするだろ」
「ご、ごごごめんなさい、カルム様…」
真っ赤な顔でそう言うと、額に口付けられる。
「様は付けるなって言ってんだろ?」
「で、でもカルム様は僕のご主人様で…」
「主人じゃねえよ、旦那だ」
「?? 同じですよね?」
「どう言えばいいんだろうな…。とりあえず様は付けんな。あともうちょい砕けた喋り方にしろ」
「…追々がんばります」
腕の中で真っ赤な顔で頷くと「がんばれ」と笑われる。
「それにしてもあれだな。朝起きたら嫁がメシ作ってくれてるって幸せだな。地界にはない習慣だから新鮮だ」
「悪魔も天使も食事しなくて大丈夫ですもんね」
「人間界の習慣というのは、もしかしたら愛情の確認も入ってんのかもしれねえな」
「おもしろい洞察ですね」
ほほう、と思わず頷いてしまう。
「食事という人間にとって欠かせない行動が、実は愛情の確認だったなんてどんな教科書にも書いていませんでした」
「教科書?」
「三年前からカルム様が人間界に住み始めたと聞いて、人間界について勉強しました」
「はは、勉強熱心だな。俺のために勉強したのか?」
「だって、僕のごしゅ…旦那様ですもん」
「かわいいなあルカ。一生大事にするよ、俺のかわいい花嫁さん。あのとき話を断らなくてよかった」
もう一度額に口付けられ「さあメシにしよう」と腕を離される。
ルカは真っ赤な顔でお味噌汁をお椀へ注ぎながら嬉しそうに笑った。
(僕はカルム様のお嫁さん。嬉しいな)
一度はなくなりかけたこの結婚話、カルムが繋ぎ止めてくれたから過ごせるこの結婚生活。
(僕も絶対にカルム様を大事にします)
そう決心しながらリビングへと向かった。
悪魔と天使は別にいがみ合ってはいない。仲も悪くはない。我関せずというスタンスを長年貫き通していた。
しかし人間と同じ姿を持ちながらも種族は違うので、もう少し歩み寄ってもいいんじゃないかと話が出て、とある実験をしてみようという話になった。
悪魔と天使が結婚したらどうなるのかーーその候補に選ばれたのが当時十歳だった天使のルカだ。
相手は当時二十三才の上級悪魔であるカルム。
悪魔が住む地界は天使の住む天界とは違い、非常に空気が悪かったり治安が悪い。いきなり嫁がせるのは不可能なため、少しずつ体を慣らしたり悪魔について勉強しながら十八歳になったとき、結婚するという内容だった。
ルカが十五才の時、人間界からの要請によりカルムが魔法省に手を貸すため人間界に住むと聞いた際には、結婚するに当たって迷惑にならないよう人間界について必死に勉強した。
しかし突如愛に目覚めた神の片割れが悪魔を天界に連れて帰るという大事件が起こった。
これには混乱。その中でこの結婚話は一度消えたのだ。
ルカはショックだった。幼い頃から悪魔の嫁になることだけを考えて生きてきたというのにこれから一体どうしろと。
何より、小さい頃に一度だけ見た将来の旦那であるカルムにすでに恋をしていた。
ルカは寝込んだ。何日も起き上がれなかった。
しかしそんなルカに吉報が飛び込んだ。結婚話は消えたが、それでも嫁に欲しいとの報せが。
そして八年振りに再会したルカは再び、カルムに恋をした。
「いってらっしゃい、カルム様」
玄関でそう言うと、頬に手を添えられ唇にキスされた。
「ん…」
「いってくる。いい子で留守番できるか?」
「もうっ、僕は子供じゃありません」
「それもそうだな」
笑いながらカルムは家を出て行った。赤い顔を押さえながらしばらく余韻に浸るも、洗濯機の終了音が聞こえたため慌てて中に入った。
ベランダで洗濯物を干しながら、左手薬指に嵌められた指輪を見た。
結婚指輪だ。
魔法省の要請により人間界に住むこととなったカルムは「日向崎」という名字を名乗り人間として暮らし、人間としての住民登録も持っていた。結婚ということでルカも「日向崎」と名乗り住民登録も持ち、晴れて結婚できた。
「指輪が結婚の証とは…人間は不思議ですね」
太陽にキラキラ輝く指輪。もちろんカルムだって同じ左手の薬指に指輪をしている。
「この人は自分のものですよという周りへの証明でしょうか…? それとも牽制? 人間は本当に色々なことを考えますね…」
姿形はほぼ同じでも、悪魔や天使はそこまで考えていない。縛りつけるものは互いの感情ぐらいで、指輪といった物は存在しなかった。
でも、これとお揃いのものをカルムは外すことなく毎日身につけている。もちろんルカだって外していない。
「ふふ、嬉しいものですね」
人間の習慣とはおもしろくて、時に嬉しさすら湧き起こる。
ルカはそっと、愛しい結婚指輪に口付けた。
アイツはまだ知らない。
天使と悪魔のこの結婚についての裏を。
神すら知らない「大天使たちの秘密」にアイツはまだ気づいていない。
だからこそ気づく前に守りたい。
大事な大事な、花嫁だから。
「はい、出来ました」
ぽんと背中を押されたカルムは黒く大きな羽根を背中に仕舞った。ルカが手入れしてくれていたのだ。
ルカからブラシをもらったカルムは笑う。
「ルカ、お前の羽根も手入れしてやろう」
しかしふるふると首を横に振られる。
「僕は大丈夫です」
「なんでだ?」
「だって僕の羽根は変わった色ですし、そもそも小さすぎて飛べないから使ったことないですし…」
「それでも羽根は羽根だろう? 出しなさい」
そう言われて逡巡したのちルカが背中を向けて羽根を出した。
グレーの羽根。しかもルカの小さな手のひらよりももっと小さい。これでは単純に飛ぶことすら不可能だ。
「せめて飛べればいいのですが」
「まあいいじゃねえか。人間界では飛ぶ必要もない」
「それもそうですね」
ブラシで梳きながらカルムはぼんやり考えていた。
(本人に言うべきか…いや、絶対に言わない方がいい。傷つく以外に何もない。ルカは…自分が天使だと信じきっている)
ルカの出自は複雑だった。
本来、悪魔も天使も双子の神の創造物である。しかし、ルカは違うのだ。
自分たちにも生み出せるのではないかと傲慢にも錯覚した当時の大天使二十人による創造物だった。
出来たものは、グレーの羽根を持つ十歳の飛べない少年。しかも大天使二十人のうち十九人を犠牲とした。
この事実を、双子の神は今もまだ知らない。
そしてあの日創られた少年は、押しつけという意味で悪魔に嫁がせようとしたのだ。
(あのとき断ってたらルカは死んでただろうな…)
一度は断りかけたが、少年に違和感を持ったカルムは結婚を先延ばしにした。
その間に生き残った大天使が情でもなんでもいいからルカに対して何かしらの感情を持てば事実を話しそれなりに育てるだろうと思っていた。
しかしあの大天使はあくまでも「嫁がせる」という行動に執着した。
(ルカは大天使を信じきっている。あのよくわからんどうでもいい話を信じきっている。なんだ実験的な結婚って)
ルカからそんな話を聞いたは驚いた。
それと同時に、コイツを守れるのは自分しかいないと感じた。
「カルム様?」
ブラシをかける手が止まっていたのだろう、ルカが不思議そうにこちらを見る。
「どうしました?」
「なんでもねえよ」
そう言って額にキスするとルカは顔を真っ赤にして前を向く。
愛おしい。
最初は情けのつもりだったが、今はこの天使が愛おしくしょうがない。
(逆に押し付けられて正解だったな。こんなにもかわいいルカを誰にも渡したくない)
いつまでも大天使の元に居させなくて正解だ。
しかしまだ問題は残っている。
「ルカ。今日は何をして過ごしたんだ?」
「今日はですねー、洗濯物を干してー、買い物に行ってー、えへへ、ちょっとのんびり過ごしました」
「外へ出たのか?」
「はい、いい天気でした」
カルムは眉間に皺を寄せる。
あまりルカを外に出したくはない。できれば洗濯物を干すために窓を開けるのも躊躇うほどに。
(ここは人間界だ。大天使にとってグレーな場所だ)
ルカが地界へ行けば神や天使の干渉はほぼ受けない。逆に天界だと自分の敷地内なので好きにできる。
しかしここは人間界だ。魔王や神、天使に悪魔やその他の様々な種族が干渉できる。
(大天使にルカが狙われる可能性もある。一応結界を張ってはいるが…)
あくまでもこの部屋に、だ。外に出られると怖いものがある。
「ルカ、外へ出ると日焼けするぞ? お前の肌は真っ白なんだから」
「もしかして赤くなってます…?」
「ちょっとな」
「…日焼け止めというものを塗るべきでしょうか」
自分の腕を見ては首を傾ぐその様子に、やはり真実を伝えるべきではないと思い知る。
カルムは小さな背中を抱きしめた。
「カルム様?」
「あんまり俺を心配させんなよ? わかってるか?」
「??」
「はは、わかんねえよなあ。いいんだよ、それで」
俺が守るから。
その言葉は飲み込んだ。余計な心配をかけさせるべきではない。
「さて、そろそろ寝るか」
そう言うと腕の中のルカの体に力が入った。
「あ、あの、カルム様」
「ん?」
「その…あの……え、えっちなこと、しますか?」
「する」
「!」
「夫婦なんだから当然だろ? ルカは嫌か?」
そう言って覗き込んだ顔は真っ赤だった。
「嫌じゃないから困ってるんです……」
カルムは大笑いしながらさらにルカを強く抱きしめた。
「なっ、なんで笑うのですか!」
「いやあ、お前がかわいくてなあ。かわいいなルカ。俺はこんなにもかわいい嫁を貰えて幸せだ」
「僕だってカルム様と結婚できて幸せですう」
唇を尖らせ拗ねたように喋る存在が愛おしくて、思わずキスをした。
口付けながらちらりと横目で窓の外を見る。
暗い月明かりの下、大きな白い羽根が見えた気がした。
ルカは外へ出ていた。
(人多いなあ。なんか皆さん急いでるみたいだし)
大きなスクランブル交差点。高層ビルが立ち並び多くの人が信号が赤になるのを待っている。
目の前をビュンビュン車が通り過ぎる。金色のルカの髪がなびいた。
信号が青になる。一斉に人が歩いていく。
ルカも一歩踏み出した時だった。
人が消えた。車が消えた。高層ビルが消えた。
「え?」
スクランブル交差点のど真ん中、赤信号がチカチカと点滅する中でルカはただひとり佇んでいた。
「これ、は…魔法でしょうか…?」
人間には魔法使いという魔法を使える者がいると教えてもらった。
「僕は魔法は使えませんが…どうしましょうこれ…」
とりあえず歩いた。
長い長い横断歩道の上を歩く。縞々模様。まるで焦りを促すように赤信号がずっと点滅する。
歩いていたはずなのに小走りになり、駆け出した。
ーー怖い。
「はっ、はっ…」
すぐに息が切れる。こういうときに羽根を使って飛べればいいものの、生憎とこの小さな羽根では無理だった。
「助けて…カルム様…っ」
地鳴りが聞こえた。足元が崩れゆく。
真っ暗な闇へと真っ逆さまに落ちてゆく。
ぎゅっと目をつむった時だった。この体がふわりと包まれ空へと登っていった。
「ルカ、大丈夫か?」
「カルム様!」
黒い羽根を出すカルムの大柄な体に抱かれ、空へ空へと高速で飛んでいた。
思わずルカはぎゅっとカルムに抱きつく。
「遅くなったな。怪我はないか?」
「大丈夫です。これは一体…」
「夢と現実の間だ。ある者が意図的に作り出している」
「…? 誰ですか?」
飛んでいたカルムがピタリと止まる。見上げると、太陽に逆光して顔は見えないが確かにそこに誰かいる。
大きな白い羽根を持つ…天使?
「…だれ?」
片腕にルカを抱き変えたカルムが腰から拳銃を取り出しその人物に発砲。辺りに白い羽根が飛び散った。
ーーだれだろう。
(どこかで見た…)
まるで昔から知っているような…見つめていると「ルカ」と耳元で囁かれた。
「お前は知らなくていい。見なくていい。ーーお願いだ、眠っててくれ」
魔法をかけられたのだろうか、途端にルカの頭の中がぐるりと渦を巻く。
視界が歪む。思考が途切れる。
抗うこともできず、ルカは目を閉じた。
「死神退治の仕事中にまさか出くわすとはな」
眠るルカを抱いて、カルムが拳銃を構える。
「俺だって殺したくねえよ。言うならばお前はルカの育ての親だしな。だが…ルカを始末しようってんなら話は別だ」
「ん…」
ルカが目を覚ますとカルムの腕の中だった。
「おはよう、ルカ」
額に口付けられる。照れながら辺りを見回すと、見慣れた家の中だった。
ルカは窓の外を見る。もう真っ暗だ。
「あれ…? 僕、外に出ていませんでしたっけ…? 確か交差点にいて…」
「ちょっと魔法に巻き込まれただけだ」
「??」
首を傾ぐと頭を撫でられた。
「今日は俺がメシを作るからルカはゆっくりしててくれ」
「だめですよ! 僕がごはん作ります!」
「俺だってメシくらい作れるぜ?」
くすくす笑われ、「む、どうしよう…」とルカが笑う。
「カルム様のごはんっておいしいんですよね…。そりゃあ、そりゃあ食べたいけどお仕事で疲れて帰った人にごはんまで作らせるのはさすがに…」
「お前も強情だなあ」
そう言った時だった。抱きしめてくるカルムの腕に力が入ったことに気づく。
「カルム様?」
カルムが辺りの様子を窺っている。何か異変に気づいたようだが、ルカにはさっぱりわからない。
きょろきょろと辺りを見回していると、パンッ、と何かが弾けた音が聞こえた。
カルムが舌打ちをする。
「結界が解けたな。ルカ、絶対に俺から離れな…」
するりとカルムの腕の中からルカの体が引っ張られる。ルカが背後を確認すると、見知った顔だった。
「大天使様?」
「久しぶりだな、ルカ」
大柄な男にルカは抱きしめられていた。即座にカルムは銃口を向ける。
「わざわざ追いかけてくんじゃねえよ。さっき追っ払ったっつーのに」
「俺はルカに用がある。ルカ、お前は二度と天界へ帰ってくるんじゃない。いいか」
ルカの大きな瞳が、大天使を見つめる。
気まずそうに先に目を離したのは大天使の方だった。
ルカはそっと手を伸ばし、大天使の頬を包んで微笑んだ。
「大天使様、泣かないでください」
「…これ以上知ったような口を叩くな。お前は昔から全てを…」
「僕は全てを知っています」
にこりと笑うとカルムと大天使が目を見開いた。
まさか、とカルムに嫌な予感が過ぎる。
知っているはずがない。知っているわけがーー。
ルカの小さな唇が開いた。
「僕は天使じゃない」
ふふ、と笑いながらさらに続ける。
「僕は当時二十人もの大天使様によって創られた創造物です。天使でもなければ悪魔でもない、人間でもないし僕を表す言葉は何もない。僕は、何者でもないのです。…あの日までは」
ルカはカルムを見て「僕の旦那様」と笑った。
「大天使様、あなたはカルム様に僕を押し付けようとした。でも、そのおかげで僕は何者かになれたのです。僕はカルム様の花嫁です。あなたの押し付けによって、僕は何者かになることができました。ありがとう、大天使様」
大天使の大きく真っ白な手を、ルカは包む。
「神に見つからないよう八年もの長い間、僕を匿ってくれてありがとう。僕を育ててくれてありがとう。大天使様、あなたにとって苦痛だったかもしれないこの八年間、僕は幸せでした。大天使様と過ごす時間、僕は楽しかったです」
だから、と言いながらルカは大天使を抱きしめた。
「もう自分を責めないでください。僕は幸せなのですから」
「…お前は…俺を許すのか?」
ルカは笑いながら頷いた。
ルカの小さな腕の中、大天使は微笑みながら姿を消した。
カルムは拳銃を腰へと戻す。いくらなんでも育ての親であるあの大天使に銃口を向けるのはしんどかった。
どっかりとソファーに腰を下ろすと、ちょこんとルカも隣に座る。
「カルム様。僕を守ってくれてありがとうございます」
「…お前はいつから知ってたんだ?」
「最初からです」
「……ずっと知らないフリをしてたのか?」
「その方が僕を含めて皆さんが幸せです。…僕に名前をつけるとしたら何もありません。僕は何者でもないのです。でも、カルム様。あなたがいることで僕は、カルム様の花嫁、という最高の称号を得ることができるのです。カルム様、僕を守ってくれてありがとう。これからもあなたの花嫁さんでいさせてください」
カルムは笑ってルカを抱きしめた。
ーーあの日出会った十歳の少年は幼く何も知らなかったはずだった。
本当は誰よりも聡明で、誰よりも慈悲深い、天使よりも天使だった。
「ルカ、お前は天使だ。俺の出会ってきた天使の中で一番の天使だよ」
しかし腕の中のルカは「違いますっ」となぜか声を張り上げてきた。
不思議に思って見てみると、ルカは唇を尖らせて拗ねていた。
「僕はカルムさんのお嫁さんですう」
一瞬ののち、カルムが吹き出す。
「そうだな、お前は俺のお嫁さんだな」
「そうですよっ」
「俺は本当にかわいい嫁をもらった。一生大事にするよ」
そう言って腕の中で未だに拗ねているかわいいかわいい嫁を抱きしめた。
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