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ルーク、双子と並んでマリアがカーテシーを披露する。小さな足をちょこんと折り曲げ、小さな手でドレスの端を少し持ち上げにっこりと微笑む。
その愛らしい様に国王と王妃は目尻を下げて微笑み返した。特に娘が欲しかった王妃の表情は緩みっぱなしである。
「楽にしなさい。久しぶりだなルーク。たまには城に顔を出し給え」
「ご機嫌麗しゅう陛下。もちろん必要とあれば何処へなりとも参上致しますとも」
言外に用がないので顔を出しませんと言っているも同然のルークの言葉にマリアは内心ヒヤリとしていた。国王はそれをため息一つで流した。昔から彼はこうだった。同級であった学生の頃からだ。
視線を滑らせて国王は双子を見る。二卵性双生児と聞いていたがなるほど、それほど似ていないようだ。カインは文、アベルは武と言ったところか。
だがどちらも良い人材となりそうである。アルフレッドと共に、ぜひとも切磋琢磨して育って貰いたい。国王はひっそりほくそ笑んだ。
「君たちの事はアルフレッドから聞いているよカインにアベル。今後通うであろう学園では我が息子は同級となろう。よろしく頼む」
「ありがたき幸せ。王太子殿下に誠心誠意お仕えする所存です」
その隣の娘に目をやる。緊張のせいか大きな空色の目は少しだけ潤んで頬は紅潮している。だが笑みを讃えるのをやめていないところはさすが侯爵家と言える。
この可愛らしい少女が息子であるアルフレッドの言っていた思い人。確かに礼節を弁えた態度と少女らしい愛らしい仕草に気に入るだろうと言われていた通りだと国王は笑みを深めた。
「おめでとうマリアリール嬢。今日から君も立派なレディーだ。高位貴族の令嬢として他の令嬢たちの見本たるよう頑張って欲しい」
「ありがとう存じます国王陛下。立派な淑女となれるようしょうじんいたします」
「まぁ、ちゃんとお返事できてとっても立派ね。わたくしのお茶会にもぜひ来て欲しいわ。もちろんサラと一緒にね」
「ありがたき幸せです王妃様。お母様もよろこびます」
「ふふ。サラは学園ではわたくしの後輩だったのよ。とても可愛い妹のような子だったわ。マリアリールちゃんは愛らしいところがサラにそっくりね」
「そうなのですね!お話聞きたいです」
「もちろんたくさんお話してあげるわ。お茶会にお誘いしたらぜひ来てね」
「はい!」
優しく話しかけられしかも大好きな母親と仲が良かったような話しぶりにすっかり嬉しくなったマリアは花が綻ぶような笑みを浮かべ、王妃は感嘆のため息を零す。
ふとマリアが目を国王の隣にやるとアルフレッドが愛しい者を見るような熱の籠もった目で自分を見ている事に気付き気恥ずかしくなってしまう。
頬をふわりと桃色に染めて視線をそらすマリアの可愛らしさにアルフレッドは緩みそうになる頬を引き締めるのに苦労した。
その表情を見たジェラルドもまた、その愛らしさに心の中で悶えていたのだが、マリアがそれに気付く事はなかった。
その愛らしい様に国王と王妃は目尻を下げて微笑み返した。特に娘が欲しかった王妃の表情は緩みっぱなしである。
「楽にしなさい。久しぶりだなルーク。たまには城に顔を出し給え」
「ご機嫌麗しゅう陛下。もちろん必要とあれば何処へなりとも参上致しますとも」
言外に用がないので顔を出しませんと言っているも同然のルークの言葉にマリアは内心ヒヤリとしていた。国王はそれをため息一つで流した。昔から彼はこうだった。同級であった学生の頃からだ。
視線を滑らせて国王は双子を見る。二卵性双生児と聞いていたがなるほど、それほど似ていないようだ。カインは文、アベルは武と言ったところか。
だがどちらも良い人材となりそうである。アルフレッドと共に、ぜひとも切磋琢磨して育って貰いたい。国王はひっそりほくそ笑んだ。
「君たちの事はアルフレッドから聞いているよカインにアベル。今後通うであろう学園では我が息子は同級となろう。よろしく頼む」
「ありがたき幸せ。王太子殿下に誠心誠意お仕えする所存です」
その隣の娘に目をやる。緊張のせいか大きな空色の目は少しだけ潤んで頬は紅潮している。だが笑みを讃えるのをやめていないところはさすが侯爵家と言える。
この可愛らしい少女が息子であるアルフレッドの言っていた思い人。確かに礼節を弁えた態度と少女らしい愛らしい仕草に気に入るだろうと言われていた通りだと国王は笑みを深めた。
「おめでとうマリアリール嬢。今日から君も立派なレディーだ。高位貴族の令嬢として他の令嬢たちの見本たるよう頑張って欲しい」
「ありがとう存じます国王陛下。立派な淑女となれるようしょうじんいたします」
「まぁ、ちゃんとお返事できてとっても立派ね。わたくしのお茶会にもぜひ来て欲しいわ。もちろんサラと一緒にね」
「ありがたき幸せです王妃様。お母様もよろこびます」
「ふふ。サラは学園ではわたくしの後輩だったのよ。とても可愛い妹のような子だったわ。マリアリールちゃんは愛らしいところがサラにそっくりね」
「そうなのですね!お話聞きたいです」
「もちろんたくさんお話してあげるわ。お茶会にお誘いしたらぜひ来てね」
「はい!」
優しく話しかけられしかも大好きな母親と仲が良かったような話しぶりにすっかり嬉しくなったマリアは花が綻ぶような笑みを浮かべ、王妃は感嘆のため息を零す。
ふとマリアが目を国王の隣にやるとアルフレッドが愛しい者を見るような熱の籠もった目で自分を見ている事に気付き気恥ずかしくなってしまう。
頬をふわりと桃色に染めて視線をそらすマリアの可愛らしさにアルフレッドは緩みそうになる頬を引き締めるのに苦労した。
その表情を見たジェラルドもまた、その愛らしさに心の中で悶えていたのだが、マリアがそれに気付く事はなかった。
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