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閑話:フェルズ教会
厳かな柔い光が降り注ぐ教会内部には今はまだそこで働く神官やシスターしかいない。
時間が経てば領民が日々の祈りを捧げに訪れるのだが、早朝である今は銀糸を張り詰めたような空気が充満するのみである。
礼拝堂の中央には美しい女神像がそびえ立ち朝の祈りを捧げる神官たちを静かに見下ろしていた。
女神像には特徴的な大きな翼が背中で広がっており、人々を見守るのが天界人である事を如実に物語っている。
ステンドグラスからの鮮やかに色付く陽光を浴びて輝きを纏う神秘的な女神像の姿を見上げて、1人の少年が恍惚とした目を緩やかに細めた。
年はマリアと同じ頃だろうか、輝く金糸の髪と金色の目をした儚げな美しい少年は悩ましげなため息を吐くと領地に張る結界を補強しに礼拝堂へ訪れる聖女を出迎えに入口へと向かう。
「もうじき会えますね・・・マリア」
その時、入口の扉が開き年老いた神官が向かってくる少年の姿を視界に捉えて穏やかに微笑む。
「聖女様がもういらっしゃいますよ。ラファール」
少年ラファールは、マリアを地上界に送り込んだその後。少し経ってから追いかけるように地上界へ生まれ変わったラファエルその人であった。
時間が経てば領民が日々の祈りを捧げに訪れるのだが、早朝である今は銀糸を張り詰めたような空気が充満するのみである。
礼拝堂の中央には美しい女神像がそびえ立ち朝の祈りを捧げる神官たちを静かに見下ろしていた。
女神像には特徴的な大きな翼が背中で広がっており、人々を見守るのが天界人である事を如実に物語っている。
ステンドグラスからの鮮やかに色付く陽光を浴びて輝きを纏う神秘的な女神像の姿を見上げて、1人の少年が恍惚とした目を緩やかに細めた。
年はマリアと同じ頃だろうか、輝く金糸の髪と金色の目をした儚げな美しい少年は悩ましげなため息を吐くと領地に張る結界を補強しに礼拝堂へ訪れる聖女を出迎えに入口へと向かう。
「もうじき会えますね・・・マリア」
その時、入口の扉が開き年老いた神官が向かってくる少年の姿を視界に捉えて穏やかに微笑む。
「聖女様がもういらっしゃいますよ。ラファール」
少年ラファールは、マリアを地上界に送り込んだその後。少し経ってから追いかけるように地上界へ生まれ変わったラファエルその人であった。
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