【完結】ドアマットに気付かない系夫の謝罪は死んだ妻には届かない 

堀 和三盆

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15 懐かしの我が家(シェルタ視点)

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「やっと帰ったか」
「今更何のつもりなのかしら」

「……迷惑をかけてごめんなさい。お父様。お母様」


 家族みんなで楽しくお茶を飲んでいたところへ、突然元夫が訪ねてきた。慌てて身を隠したが、両親は元夫を屋敷に入れることなく追い返してくれたらしい。

 もう大丈夫と言われて隠れていた自室から出てきたが、どうしても周囲を確認してしまう……あの国へはもう戻りたくない。

 そんな私の気持ちを察してくれたのか、隣にいる婚約者がギュッと私の肩を抱き寄せてくれた。部屋に逃げ込むよりも何よりも、それだけで安心できるから不思議だ。

「『シェル』は何も悪くないわ。謝るのは私達の方よ。ねえ、貴方?」

「そうだとも。政略的に必要なことだったとはいえ、あんな男との結婚を押し付けてしまったのは私達だ。許してくれ」

「いいえ、自分で決断して嫁いだのです。……結局はうまくいきませんでしたが」


 ――あれから。
 嫁ぎ先で病に倒れ、意識を失った私が目を覚ますと懐かしの実家に戻っていた。

 身体が弱っていて回復するのに時間はかかったが、貴族令嬢としては考えられないほど動き回っていたおかげか、思っていたよりも基礎体力がついていたようだ。嫁ぎ先で冷遇され馬車を出してもらえず、毎日のように街まで何キロも歩いていたからかもしれない。

 あとは親元に帰ったことで安心出来たのも大きいだろう。――――親切な方のお陰で。




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