【完結】悪役令嬢と自称ヒロインが召喚されてきたけど自称ヒロインの評判がとんでもなく悪い

堀 和三盆

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本編

1 オカルト研究会がやらかした!

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 オカルト研究会がやらかした――


 異世界へ行く魔法陣を作り出そうとして、逆に向こうから自称ヒロインと悪役令嬢を召喚してしまった。

 魔法陣の製作者によると作り出したのは往復魔法陣なので、元の世界に戻すことは可能らしい。ただ、起動させるのに一年と五カ月ほどかかったので、再び動かすのに同じ程度の時間がかかるそうだ。

 どうにか向こうの世界と連絡がついたので、帰還させるまでの間、二人は学校で生徒として保護することで話は付いた。

 自称ヒロインは理事長の親類の持つ高級マンションで、悪役令嬢は学校が管理する寮で暮らすことが関係者の話し合いで決まった。

 自称ヒロインが高級マンション、で間違いない。話し合いの場には生徒会長である俺も呼ばれたのだ。だから見た。この自称ヒロインは、召喚当時手がつけられなかった。

「はあぁ!? 私ヒロインなのよ! やっと第一王子ルートの恋愛イベントターンに入ったトコだったのにどうしてくれんのよ! しかも、悪役令嬢と一緒だなんて!」

 そう言ってわめき散らした自称ヒロインは「さっきまで王宮で何不自由なく暮らしてたんだから、せめてこっちでも贅沢な暮らしをさせろ」と学校の上層部を脅した。こちらに非がある以上逆らうことはできない。当初は二人とも学校の寮で暮らしてもらう筈だったが、自称ヒロインだけが高級マンションでの一人暮らしとなった。悪役令嬢の方は「決定に従います」と、整った笑顔で素直に従った。

 ちなみに自称ヒロインだけに「自称」がついているのは、自称ヒロインが一緒に召喚されてきたもう一人を「悪役令嬢」と頑なに呼び続けているからだ。自称ヒロインと違って、悪役令嬢本人が「悪役令嬢」を名乗った訳ではない。本人はきちんと本名を名乗っている。公爵家の娘で、第一王子の婚約者らしい。

「ヴィーナス・ネルケと申します」
 転入してきた時の挨拶で、悪役令嬢はそれはそれは見事なカーテシーを決めていた。静まり返る教室。

「異世界の聖女候補のリリーです。ヒロインだけど、平民だから、みんなも気軽に話してくれていいからね!」一方の自称ヒロインは違った意味でドン引きされていた。

 年齢を聞いたら二人とも同学年ということもあり、生徒会長である俺のクラスで学ぶことになったのだ。



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