【完結】悪役令嬢と自称ヒロインが召喚されてきたけど自称ヒロインの評判がとんでもなく悪い

堀 和三盆

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続編

7 これから

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 自称ヒロイン被害者の会と意気投合したのか、第一王子は同窓会会場を後にしてどこかへ飲みに行った。ちらちらとヴィーナを窺っている姿がイラついたので連れ出してくれてほっとした。

 時計を見ると夜の七時。

 子連れ参加者に配慮して、同窓会は午後の早い時間から開始で時間は無制限。会場は今日、明日で借りているらしい。仕事の関係でこの時間から参加してくる奴もいるけど、子供連れだし、ヴィーナの体調も心配だから帰ろうと声をかけた。すると。

「あ、そうですわね。明日もパートがありますし」

 と、キッズスペースへ子供達を迎えに行った。

 しっかり者のうちの悪役令嬢は近所のうどん屋でパートをしている。子供が二人、俺の給料だけでは心許ないから助かっているが、三人目ができたとなると体のこともあるし、一度考えた方がいいかもしれない。

 同窓会からの帰り道、そんなことを伝えたら。

「あら、七カ月くらいまでは働きますわ。うふふ、心配なさらなくても大丈夫。常連さんが様子を見に来がてら、たくさん通ってくださいますのよ? 最初は心配そうな店長もこれなら大丈夫と働かせてくださいます。妊婦に配慮した栄養バランスのとれた賄いも作ってくださいますわ。しかもこれ、後々新メニューの開発に繋がりますの」

 ああ、それも決定事項か。予言の力を活用してるな。
 本当にしっかりしているうえに、ちょっとちゃっかりしている。


 俺は、そんな悪役令嬢との暮らしが、天使達との生活が、楽しくてたまらない。



 そういう訳で。

 俺達は同窓会もそこそこに。とっとと家に帰ったので、その後のことは人づてに聞いた話。



 どうやらギャル達は幹事と共に後片付けを引き受けることで、同窓会の参加費を免除されていたらしい(思った以上にしっかりしてて驚いた)。

 で、同窓会も終わり掃除をしていたところ(ってか、高校時代あれだけ掃除サボりまくっておいて、意外と掃除好きだよなあいつら)、日付が変わる寸前に、第一王子が会場に戻ってきたそうだ。

 絶世の美女を伴って。

 飲み屋で意気投合し、自称ヒロインの代わりに連れ帰ることにしたらしい。
 目撃したギャル達によると――

 美しく。
 スタイルもよく。
 話し上手で。

 ――とても声が低い人だったらしい。


 そして。


 会場を逃げ出した自称ヒロインは、真実の愛の相手と無事に再会できたそうだ。

 盛り上がって、即結婚。

 数か月後に、それはそれは可愛らしい、金髪・紫目の赤ちゃんを出産したらしい。

「再会したとき、旦那様は髪を金髪に染めて、紫のカラコンをつけてたから産まれた子にもその影響が……」

 という自称ヒロインの言い訳を相手が信じたのか信じてないのか。
 それは分からないが、お相手は特に気にすることもなく産まれた子供を可愛がっているらしい。

 委員長経由で聞いた話だが、まあ、それなりに幸せそうにやっているようで良かった。

 あちらの世界では黒髪・黒目の子供を育てているらしいから、うまいこと収まるところに収まった、のかもしれない。



 そして――。


 俺と悪役令嬢の間には無事に元気な男の子が産まれた。

 それにより例の問題も解決され、俺と悪役令嬢はより親密になった。
 予言めいた力もなくなったが、後悔はない。

 それよりも。

 俺と、悪役令嬢と、子供三人。この先の生活を考えると、楽しみで仕方がない。
 悪役令嬢も新たな夢ができたようだ。


「パート先で、うどん作りも少しだけ任せてもらえるようになったんです。いつか、旦那様が定年退職したら、二人で小さなお店を開けるといいですね」

 三人目を出産後。産休が明けて、パートに復帰してしばらくたったころに、悪役令嬢がそんな夢を語ってくれた。

 いいかもな、と思う。三人育てていくのは大変だし、これからも家族は増えるかもしれない。定年後も働ければ将来的にも安心だ。

 まあ、飲食店となると客がちゃんと入ってくれるか心配ではあるが。
 そんなことを冗談めかして言えば。

「ああ、大丈夫ですよ。同窓会の日に少しお話ししたのですが――オカルト研究会の皆様が、異世界からお客さんを召喚してくださいますから」

 と、嬉しそうに返された。

 え……?

 冗談、だよな?同窓会の日って、まだ予言の力使えたはずだけど。ただの世間話だよな。
 確定事項じゃないよな……?

 少しだけ不安になって聞いてみても、悪役令嬢らしく笑うだけで答えてはくれない。

 先のことは分からない。
 分からなくていいが――。

 いやもう、それだけは本気で勘弁してください。




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