【完結】有能外交官はドアマット夫人の笑顔を守りたい

堀 和三盆

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7 意外な共通点

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 伯爵夫人の言葉にデュナミスは目を見開く。
 確かに、よくよく見れば彼女の容姿はどことなくデュナミスに近い。もしかしたら、煌びやかな女性陣の中で彼女だけ浮いて見えたのも、ボロボロの服装や病的に痩せていることだけが原因ではないのかもしれない。


「驚きました。こちらの国は獣人が多いのだとばかり……いえ、でも、確かに獣人の特徴を備えていない方も多く見受けられますね……」


 獣人国であるという事前知識に引っ張られていたせいでこれまであまり気にしていなかったが、整った容姿をしているのは共通しているものの、獣の耳だけだったり、しっぽだけだったりと、他の獣人国のように分かりやすい種族の特徴を全て備えている者はそこまで多くない。この国には様々な種族が暮らしているはずだが、外見から種族を見分けるのは難しそうだ。


「私たちは竜人の血が入っていますから、おそらくはそのせいでしょう。竜人の血が濃いほど、そちらの特徴が外見に出やすいと言われていますから」

「なるほど。では、伯爵夫人も……」

「ふふふ、残念ながら、わたくしはそれほど竜人の血は濃くありませんの。ですから、わたくしのこの外見は人間だった祖母から譲り受けたものですわ。ですが、大好きだった祖母の容姿を引き継げたことには誇りをもっておりますのよ」


 そう言って、嬉しそうに微笑む伯爵夫人の姿は美しくはあるものの、やはり竜人というよりはデュナミスのような人間に近い。どことなく作り物めいた完璧さを持つアルテサーノ伯爵とは真逆の印象がある。

 けれど――祖国を離れて慣れぬ暮らしを続けているデュナミスにとって、故郷を思い出させる彼女のその自然な笑顔はどこかホッとするような、安心できるものだった。




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