紅蓮慕情

井海博人

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花姦 十一

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 まさか両親が家の中にいる時に犯されるとは思ってもいなかったらしい姉はぐっすりと眠り込んでいて、鍵のかからない襖を開け布団をめくり取り、彼女を全裸にするのに大した時間は必要なかった。

「あっ、あぁぁぁっ……」

 子宮を激しく責め続けていると、姉が弱弱しく背を反らせて細く甲高く鳴いた。

膣が窄まるのを感じるが、締め付けるだけの力もないのか、圧迫は少ない。

 そんな弱い締め付けじゃこっちはイケねぇよ。

「勝手にイクなよ」

 再度姉を串刺しにしたまま動きを止め、抑揚の少ない声で彼女を突き放す。

 姉は浅い呼吸を繰り返すだけで、明かり一つない虚空に呆然と視線を馳せている。

「これでもう今日三回目? 姉さんってそんなに淫乱だったんだ」

「違うよ……」

 涙だけはとめどなく頬を滑り落ちていく。

聞いていないかとも思ったが、姉はか細い声で反論した。

「違わないだろ。大股広げて弟のモノハメ込んで、そんなに感じて喜んでんだからさ」

 お互いの結合部は異常に熱を持っていた。

内部を擦られすぎてもしかしたら姉の感覚は麻痺してしまったかもしれない。

「俺の方はまだ一回もイッてないんだけど」

 言いながら、俺は腰を浮かすようにしてゆっくりとグラインドを開始した。

硬い肉茎が内壁に当たるのを感じるのか、姉の腰がピクッピクッと揺れる。

「やめてぇ……和くん、もう……お願い……」

 自分の意思で制御できず、体が勝手に反応してしまうのが相当苦しいようだ。

姉はさっきから同じような言葉を繰り返している。

そう頼んで俺がやめてやったことなど、今までに一度もないのに。

「うるさい」

 短く返し、俺は猛りを少しだけ抜くと膣の浅い部分を先端でグリグリと刺激してやる。

ついでに親指でクリトリスを力をこめて捏ね回してやった。

「あうっ……!」

 辛そうに喘ぎ、姉が仰け反る。

もう彼女にとってはそれは既に快感とは言えず、苦痛でしかないのかもしれない。

 だからなんだ? そうやって俺に逆らえないってことを、体に教え込ませてやる。

 今までだって、姉が嘘をついたことがなかったわけじゃない。

女は相手を手に入れるためなら、「今日は安全日だから」なんて平気で嘘をついて男を誘って計画的に陥れようとする。

姉だけはそんな女たちとは違う、なんて子供じみた妄想を持っていたわけでもない。

どんな女でも、女は結局生まれた時から女だ。

けれど、俺を騙すためだけに、俺の行為から逃れるためだけに、俺の善意を、信頼を裏切る形で姉が意図的に汚い嘘をついた。

自分を守ることを目的として。

 そのことに、脳みそが沸騰しそうになるほどの怒りを覚えた。

じゃあ、お前は何なんだ、お前のやってることは何なんだと問われたら、俺に反論の術はない。

姉に対してだけ潔白を求めるのは間違っている。

 それでも。

 そんなに俺が嫌だったのかよ。そうまでして俺から逃げたかったのかよ。

 そう思うと泣きたくなった。

そんな嘘をつくほど姉を追い詰めたのは自分だ。

偽りをよしとしない姉を偽らせたのは、紛れもなく俺自身だ。

だから、これは自業自得だ。

姉を罰する権利など俺にはこれっぽっちもない。

それも分かってる。

そうだとしても、そんな形で姉の拒絶を受けたことがどうしてもやりきれない。

姉が俺のそばを離れていくのが辛くて仕方ない。

どれだけ卑怯でも繋ぎとめて、二度と俺から離れられないようにしてやりたい。

「姉さん、俺もそろそろイッていい?」

 ダメと言われたって自分の思い通りにするのに、俺はあえて口に出して尋ねる。

より深く俺のモノで貫けるように、姉の足を大きく開き直し、上体をかがめて投げ出された彼女の腕を両手で布団の上に押さえ付け、速度を落として抜き差しを始めると、ジュブッジュブッと溢れた愛液が飛び散り、俺の体や足にまでかかる。

姉の太腿の内側も尻も流れ出た蜜にまみれベトベトに濡れているのに、彼女の中からは次から次へと湧き上がってきて俺のモノに絡みつき挿入の快感を助長する。

「ダメ……もうしないで……」

 ところが、姉はそう言って俺の行為を止めようとする。

 ここまできてイクなって、拷問か?

「姉さんの中でイキたい」

 腰を動かし続けながら端的に希望を伝えると、姉は泣きながら眉間に皺を寄せて首を折り曲げるように俺の方を向いて力なく答える。

「ダメ……中でしないで……」

 今さら?

「何で?」

「ダメなの……今日は外でして……」

 今日に限ってそんなお願いを口にする姉の意図が分からず、俺は腰を動かすスピードを上げた。

「理由を言ってよ」

「あっ! あっ! あっ……!」

 しばらく速度を緩めていたため、緊張を解いていたのか、そのいきなりの動きに着いていけなかった姉が再び高い喘ぎ声を上げた。

「ホラ、言えよ」

 俺はさらに強く腰を振る。

「あっ! 赤! ちゃん! がっ! でき! ちゃう! からぁっ! あぁんっ……!」

 その動きに大きく揺さぶられ、髪を振り乱しながら苦しそうに姉はやっとのことで言葉を紡いだ。

 排卵期とかいうヤツ? 

 その言葉に、俺は自然とニヤついていた。

「いいじゃん、子供作ろうよ」

「だめぇっ! だめっ、和くんだめぇぇっ!」

 まだそんな力が残っていたのかと驚くほど、姉は体を捻って俺から逃れようとする。

それを許さず、俺は力をこめて姉の足を自分に引き寄せると同時に、腰を叩き付けて姉の最奥に突き刺した。

俺のモノはグブッと音を立てて入り込み、壷口の襞も同時に内側へと巻き込まれるのが見える。

「俺の子供、産んでよ」

「いやぁっ! 外に出して、和くんお願いっ!」

「ダメだよ」

「もう許してぇ……和くん許して……」

「許さない」

 子供のようにしゃくり上げ始めた姉に言葉を投げつけ、俺は「許して」といい続ける姉の口を片手で塞いだ。

姉は苦しそうにその手を引き剥がそうとするが指には全く力がこもっていない。
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