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1:輪廻転生、おいでませガムラン町
69:シガミー(元破戒僧)、VSゴーブリン
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「(あの群れの真ん中に、遠征隊がいんのか?)」
「(70%の確率で、そうです。シガミー)」
木の上をつたっていくぞ――――〝迅雷式隠れ蓑〟で闇にまぎれる。
ドンッ――――トォォォーーーーン、トォォォーーーーン!
太枝や幹をねらって、蹴りすすむ。
これなら見つからねえで、群れの真ん中にたどりつける。
「((ひかりのたま!))」
ん? なんかいったか迅雷?
「(いえ、私ではありません)」
カカッ――――ぅわ、まぶしぃっ!
だれかが灯りの魔法を、ぶち当てやがった!
びーどろが、まっ白くなった。
なにもみえねえぇ――――どがん、ばきばき、どどどがっ、ずざざざざぁぁーーーー!
「痛ってぇ!!!」
――――おれは地面に落ちた。
びーどろが消え、あたりは頭上の灯りの魔法で照らされている。
「(迅雷!)」
目は眩んだまま。辺りが鈍くなってんのかどうかも、わからん。
手が届く距離が、緑色で埋めつくされてるのが、かろうじてわかる。
ヴッ――ぱしん!
錫杖じゃ、取りまわしがきかねぇ。
おれは小太刀を抜いた。
振ることもできねえから、金剛力まかせで、なぎ払うように突いた。
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎょぎゃぎゃ――――!?
周囲の緑猿がいっせいに崩れおちる。
ぶるぶるとあたまを振ると、目がもとにもどった。
「(迅雷、無事か!?)」
目尻がひかると、おれだけにみえる、びーどろ……ガラスの面が、またあらわれた。
「(はい、シガミー。HUD再起動、輝度調整ならびにプリセット修正完了しました)」
わからんが――
神の国の言葉を何度も聞かされてるうちに、何がどうなるのかはわかるようになった。
「(ようするに今後は、〝ひかりのたま〟を直撃されても、慌てなくてよくなったんだろ?)」
「(はい、シガミー……その理解力は賞賛にあたいします)」
「褒めんのは、ぜんぶ切り捨ててからにしてくれ」
左下のちいさく見える縁取りが、真っ赤になってやがる。
「(冒険者は、近くにゃ居ねえな?)」
「(はい。救出目標をあらわす青色の点や縁取りがあらわれたら、それが冒険者です。ちなみにパーティーメンバーであるレイダやリオレイニアは、緑色であらわされます)」
崩れ落ちた緑猿が、暗く光る石を吐いて、姿を消した。
「(む、逃げられたか?)」
「(いいえ、倒しました。大量のゴーブリンの実体が事象演算に高負荷をかけるため、アイテムドロップまでの精算タイムが省略されています)」
「(そもさん――さすがに説明しろ)」
小太刀を納刀する。
距離ができりゃこっちのもんだ。居合いでかえり討ちにすりゃ、何千匹居ようが負けることはねえ!
「(説破です、シガミー。ひとことで言うなら、食べられない魔物がたくさん倒されたときは、即座に大地の養分となります)」
わかった。食い意地がはった五百乃大角らしい、仕込みってこったな――
「(上位権限により非公開です――)」
ぎゃぎゃっ、ぴぎゃぎゃぁー!
緑猿が前と背後から、二匹ずつ飛びかかってきた。
ふぉふぉん♪
『ゴーブリン 討伐 13匹/日
■■■■■■■□□□
8コンボ継続中!』
「(一定時間内……その横棒が、すり減るまでに同じ魔物を倒すと、ボーナス……スキルポイントが加算されます)」
〝血怨戒・襲〟をおぼえるのに使ったやつか。
そいつぁ、いざって時のために、貯めといてもいいな。
シュッカン――刀を納め、持ち替える。
〝かえす刀〟で振り向いて――シュカカン!
ぎゃぎゃ――――ぐぎゃぎゃー!
よし、二の太刀も、ふつうに打てるし使える。
ばらばらららっ。
また石を吐いた。
「(ありゃなんだ? あれも拾っときゃあとで、なんかにつかえんのか?)」
暗く光る石。
そういやレイダが、「森に入れるようになったら、倒して集めてギルドに売る」って言ってた……のがあれか?
「(はい。女神像の情報によれば、ひとつ1ヘククになります)」
アイツら六匹で、〝ムシュル貝のドラゴーラ焼き〟が食えると思えば、けっこう良い値がつきやがるぞ?
「(出現頻度が高すぎますが、もらえる物はもらっておきましょう)」
「(けどさすがに、いま拾ってるヒマはねえぜ!)」
ずざっ、シュカカンッ!
ざざざざっ、ドスドスドスドス!
ぎゃぎゃぎゃぎゃ、ぐぎゃぎゃぐぎゃ、ぴっぎゃぁぁっ!
ばらららっ、ばららららっ!
「(スキルポイントを3消費することで、自動回収できます)」
なんか便利な物があんだな。いいぞ、やってくれ。
すると、辺りに散らばってた、暗い石が、いっせいにとびかかってきた!
「うわわわわっ!?」
シュッカン――ひゅひゅひゅひゅんっ!
切れねえ――――殺られる!?
すぽぽぽん、しゅぽぽぽぽぽんっ♪
小気味よい音。
ふぉん♪
『>ゴーブリンストーン×25を収得』
「(はぁはぁ、どこも痛くねえ!? 〝死導戒・襲〟は、恐ろしい技だな。まったく切れなかったぜ……はぁはぁ)」
「(自動回収です。使用したスキルポイントは3。現在、49ポイントのスキルポイントがあります))」
これで、石を拾ったことになんのか。先にいえ、死ぬかと思ったぞ。
「ぎゃっ!?」「ぴゃぎゃっ!?」「うぎゃっ!?」
後悪鰤隠が生意気にも距離をとった……よくみりゃ、猿じゃなくて小鬼か!?
「(ちっ、こいつら、知恵が回んのかよ)――めんどうだぜ」
距離があくと、小太刀が届かねえ。
ひゅん!
ひゅひゅひゅひゅひゅんっ!!
あっぶね、ちいせえ槍を投げつけてきやがる!
すぽん――ヴッ♪
小太刀をしまい、錫杖を取りだす――ジャリィン!
くるくるくるっ――――喝ぁーーーーっ!!
ごつがつがきぃんっ、ゴガガッガガッ!
「(遅延回収でも、〝ゴーブリン石〟が拾えます)」
魔物の名がついた石――呼び方に工夫がねえな。
「(だから先に言えって言ってんだろうがっ、スキルなんたらを使っちまったじゃねーか)――血怨戒・襲!」
ぎゅり、狙いは定めねえ。
どこをむいても、緑小鬼だ――――貫け。
ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どがんっ!
錫杖の先が緑小鬼を、つぎつぎと貫き――――粉砕し――――バッゴォォォォン!
「痛ってっ!?」
耳が痛ぇ――――耳にさわる感触――すぽん♪
外の音が聞こえなくなった。
「(リカルル戦で使用したカナル型ノイズキャンセラー……耳栓です)」
錫杖が通った目のまえに道ができた。
粉砕され消しとんだ、体の残りが消え――――
暗い石が――すぽぽぽん、しゅぽぽぽぽぽんっ♪
ふぉん♪
『>ゴーブリンストーン×46を収得』
「(これでも外の物音は、聞こえるんだろ?)」
「(はい、ご安心ください)」
ヴッ――――ジャリィン!
おれは錫杖をとりだして――構えた。
「(70%の確率で、そうです。シガミー)」
木の上をつたっていくぞ――――〝迅雷式隠れ蓑〟で闇にまぎれる。
ドンッ――――トォォォーーーーン、トォォォーーーーン!
太枝や幹をねらって、蹴りすすむ。
これなら見つからねえで、群れの真ん中にたどりつける。
「((ひかりのたま!))」
ん? なんかいったか迅雷?
「(いえ、私ではありません)」
カカッ――――ぅわ、まぶしぃっ!
だれかが灯りの魔法を、ぶち当てやがった!
びーどろが、まっ白くなった。
なにもみえねえぇ――――どがん、ばきばき、どどどがっ、ずざざざざぁぁーーーー!
「痛ってぇ!!!」
――――おれは地面に落ちた。
びーどろが消え、あたりは頭上の灯りの魔法で照らされている。
「(迅雷!)」
目は眩んだまま。辺りが鈍くなってんのかどうかも、わからん。
手が届く距離が、緑色で埋めつくされてるのが、かろうじてわかる。
ヴッ――ぱしん!
錫杖じゃ、取りまわしがきかねぇ。
おれは小太刀を抜いた。
振ることもできねえから、金剛力まかせで、なぎ払うように突いた。
ぎゃぎゃぎゃぎゃぎょぎゃぎゃ――――!?
周囲の緑猿がいっせいに崩れおちる。
ぶるぶるとあたまを振ると、目がもとにもどった。
「(迅雷、無事か!?)」
目尻がひかると、おれだけにみえる、びーどろ……ガラスの面が、またあらわれた。
「(はい、シガミー。HUD再起動、輝度調整ならびにプリセット修正完了しました)」
わからんが――
神の国の言葉を何度も聞かされてるうちに、何がどうなるのかはわかるようになった。
「(ようするに今後は、〝ひかりのたま〟を直撃されても、慌てなくてよくなったんだろ?)」
「(はい、シガミー……その理解力は賞賛にあたいします)」
「褒めんのは、ぜんぶ切り捨ててからにしてくれ」
左下のちいさく見える縁取りが、真っ赤になってやがる。
「(冒険者は、近くにゃ居ねえな?)」
「(はい。救出目標をあらわす青色の点や縁取りがあらわれたら、それが冒険者です。ちなみにパーティーメンバーであるレイダやリオレイニアは、緑色であらわされます)」
崩れ落ちた緑猿が、暗く光る石を吐いて、姿を消した。
「(む、逃げられたか?)」
「(いいえ、倒しました。大量のゴーブリンの実体が事象演算に高負荷をかけるため、アイテムドロップまでの精算タイムが省略されています)」
「(そもさん――さすがに説明しろ)」
小太刀を納刀する。
距離ができりゃこっちのもんだ。居合いでかえり討ちにすりゃ、何千匹居ようが負けることはねえ!
「(説破です、シガミー。ひとことで言うなら、食べられない魔物がたくさん倒されたときは、即座に大地の養分となります)」
わかった。食い意地がはった五百乃大角らしい、仕込みってこったな――
「(上位権限により非公開です――)」
ぎゃぎゃっ、ぴぎゃぎゃぁー!
緑猿が前と背後から、二匹ずつ飛びかかってきた。
ふぉふぉん♪
『ゴーブリン 討伐 13匹/日
■■■■■■■□□□
8コンボ継続中!』
「(一定時間内……その横棒が、すり減るまでに同じ魔物を倒すと、ボーナス……スキルポイントが加算されます)」
〝血怨戒・襲〟をおぼえるのに使ったやつか。
そいつぁ、いざって時のために、貯めといてもいいな。
シュッカン――刀を納め、持ち替える。
〝かえす刀〟で振り向いて――シュカカン!
ぎゃぎゃ――――ぐぎゃぎゃー!
よし、二の太刀も、ふつうに打てるし使える。
ばらばらららっ。
また石を吐いた。
「(ありゃなんだ? あれも拾っときゃあとで、なんかにつかえんのか?)」
暗く光る石。
そういやレイダが、「森に入れるようになったら、倒して集めてギルドに売る」って言ってた……のがあれか?
「(はい。女神像の情報によれば、ひとつ1ヘククになります)」
アイツら六匹で、〝ムシュル貝のドラゴーラ焼き〟が食えると思えば、けっこう良い値がつきやがるぞ?
「(出現頻度が高すぎますが、もらえる物はもらっておきましょう)」
「(けどさすがに、いま拾ってるヒマはねえぜ!)」
ずざっ、シュカカンッ!
ざざざざっ、ドスドスドスドス!
ぎゃぎゃぎゃぎゃ、ぐぎゃぎゃぐぎゃ、ぴっぎゃぁぁっ!
ばらららっ、ばららららっ!
「(スキルポイントを3消費することで、自動回収できます)」
なんか便利な物があんだな。いいぞ、やってくれ。
すると、辺りに散らばってた、暗い石が、いっせいにとびかかってきた!
「うわわわわっ!?」
シュッカン――ひゅひゅひゅひゅんっ!
切れねえ――――殺られる!?
すぽぽぽん、しゅぽぽぽぽぽんっ♪
小気味よい音。
ふぉん♪
『>ゴーブリンストーン×25を収得』
「(はぁはぁ、どこも痛くねえ!? 〝死導戒・襲〟は、恐ろしい技だな。まったく切れなかったぜ……はぁはぁ)」
「(自動回収です。使用したスキルポイントは3。現在、49ポイントのスキルポイントがあります))」
これで、石を拾ったことになんのか。先にいえ、死ぬかと思ったぞ。
「ぎゃっ!?」「ぴゃぎゃっ!?」「うぎゃっ!?」
後悪鰤隠が生意気にも距離をとった……よくみりゃ、猿じゃなくて小鬼か!?
「(ちっ、こいつら、知恵が回んのかよ)――めんどうだぜ」
距離があくと、小太刀が届かねえ。
ひゅん!
ひゅひゅひゅひゅひゅんっ!!
あっぶね、ちいせえ槍を投げつけてきやがる!
すぽん――ヴッ♪
小太刀をしまい、錫杖を取りだす――ジャリィン!
くるくるくるっ――――喝ぁーーーーっ!!
ごつがつがきぃんっ、ゴガガッガガッ!
「(遅延回収でも、〝ゴーブリン石〟が拾えます)」
魔物の名がついた石――呼び方に工夫がねえな。
「(だから先に言えって言ってんだろうがっ、スキルなんたらを使っちまったじゃねーか)――血怨戒・襲!」
ぎゅり、狙いは定めねえ。
どこをむいても、緑小鬼だ――――貫け。
ふんぬぉりりりゃやぁぁぁぁぁぁ――――ギャリリィン――――どがんっ!
錫杖の先が緑小鬼を、つぎつぎと貫き――――粉砕し――――バッゴォォォォン!
「痛ってっ!?」
耳が痛ぇ――――耳にさわる感触――すぽん♪
外の音が聞こえなくなった。
「(リカルル戦で使用したカナル型ノイズキャンセラー……耳栓です)」
錫杖が通った目のまえに道ができた。
粉砕され消しとんだ、体の残りが消え――――
暗い石が――すぽぽぽん、しゅぽぽぽぽぽんっ♪
ふぉん♪
『>ゴーブリンストーン×46を収得』
「(これでも外の物音は、聞こえるんだろ?)」
「(はい、ご安心ください)」
ヴッ――――ジャリィン!
おれは錫杖をとりだして――構えた。
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