滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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1:輪廻転生、おいでませガムラン町

72:天狗(シガミー)、バリアントはっけん

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「んあぁ? どこでい、ここわぁ?」
 ふらつく視界しかい
 しゃっきりしねえあたま

 つきのぼってる。
 くもひとつねえ。

「おい迅雷ジンライ、どうりでうさぎつきなかに――居ねえ・・・わけだぜ」
 それはたけが、ギルドの建物たてものくれぇの――――こいつにもつのが生えてやがるな ぁ

 もとにゃ、つのが生えたウサギなんぞ居ねえ……ここは、あの世か?
 やい、迅雷ジンライきいてんのか!?

 ぅ……迅雷ジンライってぇのは――だれだったか。

 目のまえの景色けしきが、つぎつぎとうつりかわる。
 甲冑かっちゅうを着たきつねが、うさぎたたかってる。

 ――――ふにゃり

   §

「――――シガミー!」
 どぉぅわぁっ!?
 なんでぃなんでぇい、やかましーぞ、迅雷ジンライ

 あけぇ――――目のまえがすみからすみまで、あかかった。
 昼中ひるなかに見えるやつが効いてねえのか、まわりの様子ようすもまるでわからねえ。

 ポポポッ♪
 あかいびーどろのなか。
 真んなかに、まるかこまれたつのウサギがあらわれた。

「ギギィィーーーーッ!」
 なんだぁ、生意気なまいきなやろうだなぁ。
 つのウサギの分際ぶんざいでぇ、おれとやろうってぇのか?

 ドッスンドッスン、ドスドスッ、ドズズゥン――――まだあたまが揺れてやがるのか?
 それとも地鳴じなりか?
 足下あしもとがみょうに、ふらつくぜ。

「(シガミー、おはようございます。早速さっそくですが、オートクルーズではかわすことしかできません。たたかってく――――ププププピュイリャブピュゥゥーー♪)」

「(どうした、そのこえはらでもこわしたか? っていうより、ここわぁどこだ?)」
「(とりで東南とうなんキロ地点ちてんです)」

「(あ、しちかたぁ、使つかった……んだっけか)」
「(はい。7のかた使用後しようご、気をうしなったシガミーを脱出だっしゅつさせ、リカルルたちと合流ごうりゅうしました)」
 金剛力こんごうりきは、そんな風にも・・・・・・使つかえるんだな。

 鬼娘オルコトリアたちは無事ぶじか?
「(はい。ゴーブリン残党数ざんとうすう約百体やくひゃくたい程度ていどでしたので、いまごろはこちらに向かっていると思われます)」

 おれぁ、どれくらい寝てた?
「(10ふんほどです)」

ひめさんは……無事ぶじか?」

「こらーっ!? そこの〝テェーング〟とやら! 邪魔じゃまをするなら、つのウサギの変異種バリアントごと――ぶった切りますわよぉう!」
 言ったそばから、よくとおこえが聞こえてきた。
 さっきのつのウサギみてぇに、あかまるでかこまれてる。

 ――グググッ――スタタァン!
 おれのからだが、ひめさんのこえおどれぇたみてぇに、勝手かってににうごいた気がする。

「つうか、なんだこのじじいみてぇなこえわぁ!? それに、〝てぇーんぐぅ〟てのは……ひょっとして、天狗てんぐか!?」」

「(はい。シガミーの姿すがた加勢かせいするとややこしいことになりそうだったので、姿すがたこえ身長しんちょういつわりました)」
 なるほど、わかった。上出来じょうできだぜ、迅雷ジンライ

 ヴュゥゥゥ♪
 うつしだされたのは、全身黒ぜんしんくろづくめ。
 かおに巻いたぬの筆書ふでがきのえがかれている。

「けど、これじゃまわりが見えねえぞ」
 どーりでびーどろに、なにもうつらねえとおもったぜ!
 たぶん、この高下駄姿たかげたすがたが、いまのおれの格好かっこうなんだろう。

「(迅雷ジンライ式隠しきかくみのあたまかおおおっても、HUDビードロ越しにそとを見ることが可能かのうです)」

 ヒュゥゥゥゥキュパッ♪
 ――――ォォォォン。

 そとが見えるようになった――――ギギギギギギィィィィィィィィィィィッ!!!

 この世界せかいつきには〝ウサギが居ねえ〟なんて、言ったが――――ここに居る・・・・・じゃねぇか!

 やま稜線りょうせんにかかる真円しんえんつき
 そのひかりに、巨大きょだいかげを落とす姿すがたは――――たったいま月から抜け落ちた・・・・・・・・みてえだった。

「ギギギギギギギギィィィィィイィィィィィィィィィ――――ッ!!!」
「(なんだ、あのでかさは!?)」
 ギルドの建物たてものよかたけえぜ?

「(魔物まものが、大量たいりょう活力マナ体内たいないに取りいれると――変種バリアント化するようです)」
 説明せつめー

 ドゴゴォォォォンッ――――ゴゴォォッゥッ!
 ――グググッ――スタタァン!
 やっぱりおれのからだが、勝手かってににとんできた大岩おおいわけた。
 らくで良いな、こいつぁ。

「(かみなりが落ちると龍脈りゅうみゃく活性化かっせいかします。神力かみなり龍穴りゅうけつを作りだし、集まった生物に活力マナをあたえます)」

「(龍穴りゅうけつ根城ねじろにした、角《つの》ウサギでも居たってぇのか?)」
 可能性かのうせいはあります。

 ふぉふぉふぉふぉぉぉん♪
『変異種発見
 【角ウサギ】
 討伐クエスト開始 残り時間 00:02:59』
 ――――ごわぁーん♪
 五百乃大角いおのはらじるしのクエストちゅうに、またべつのが出やがった。

 スタタタッ――ストトォォォォン!
 ひめさんが陣取じんどってる場所ばしょから、おれ・・はなれていく。

「(で、いまおれは・・・どこに向かってる?)」
「(角に弾かれた・・・・・・錫杖しゃくじょうを、とりにいきます)」
 攻撃こうげきは、できねぇんじゃなかったのか?

「(はい。ですが、リカルルのパーティーメンバーが、つのウサギの攻撃こうげきを食らいそうだったので、錫杖しゃくじょうを投げて気をひきました)」

 〝血怨戒ちえんかいしゅう〟は、迅雷おまえには使つかえねえのか?

「(はい。もろもろかんがみると、やはり戦闘せんとうはシガミーにおこなっていただくしか有りません。身体制御しんたいせいぎょおかえしします)――――ユーハブコントロール」

 はぁ? なんだっ――――ググゥゥン!
 からだがきゅうに、おもくなった。

「(アイハブコントロールと、となえてください)」
藍七生根あいはぶこん灯籠折とうろうおる?」

 しかし、このこえ。どこのじじいのこえだ?
 ひょっとすると、前世ぜんせのおれのこえか?
 似てなくもねぇ気が、しねえでもねぇ。

 キュキュン――ぱっしゃん♪
 手首てくびのあたりが、もう一回いっかい巻きつき――――ずだぁん――――だだだっ、スットォォォォォオオオオオン!

 自分じぶんあしで、かぜを切る。
 ためしに錫杖しゃくじょうをだす――ヴ――でねえ。

 ヴゥゥン――▼♪
 しるし目指めざして、跳んだトトォォォォォォン
 木に引っかかってたのを――回収すぽん

 もういちど錫杖しゃくじょうを――ヴ――ジャリィン♪

 くるくるるるっ、ぱしり!
「おい、みじかくなってんぞ!?」

「(リカルルの不可視の攻撃ぶったぎりかわすのは、オートクルーズには荷がおもすぎます)」
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