滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
77 / 744
1:輪廻転生、おいでませガムラン町

77:天狗(シガミー)、VSごちそう(おばけウサギ)開始

しおりを挟む
「はイ、シガみー。上位権限じょういけンげんにヨり非公開ひこうかいでス。」
 お? 耳栓みみせんごしに迅雷ジンライこえが聞こえてきた。
 そういや、まえにたたかったときにも、耳栓みみせんごしにはなしたっけな。

「はイ。音声おんせいにヨる内部通話ないぶツうわなら、リカルルに邪魔じゃまさレることがないのを……失念しツねんしておりマした。」
「なんだよ。なら最初さいしょから、これにしとけよ」

「ほんとよね。しっかりしてちょうだい!」
 五百乃大角かみさん猪蟹屋ししがにや商品しょうひんでもある、〝ありふれたつくえ椅子いす〟を勝手かってに持ちだしてすわってた。
 収納魔法具しゅうのうまほうぐのひとつが、つくえうえに置いてあるから、たぶんそうだ。

わタし収納魔法ストレージへアクセスがありまシた。」

「あなたたちのモノは、あたしのモノ。使つかえるモノはどんどん使つかうし、使つかってイイからさあはやく――――冷めないうちに、おはやめにお召しあがりください?」
 両手りょうてには一本箸フォ-ク小刀こがたな
 やべぇ、もう食う気満々まんまんじゃねぇか!

「さあ、シガミー。美の女神イオノファラーで有るあたしが許可きょかします、遠慮えんりょはいりませんよ。ご存分ぞんぶん至福しふく逸品いっぴんを――――どうしたの、その格好かっこう?」

「ああ、こいつぁ――夜中よなかにこんなもりふかくまで来たのがバレると、リオレイニアに大目玉おおめだまを食らっちまうから――姿すがたを変えてる」
 高下駄たかげた長手甲ながてっこうで、身長たっぱをごまかした。
 外套がいとうのうえから目隠めかくしになる黒網かくれみのをかぶって、かおもかくしてる。
 全体的ぜんたいてきに真っくろだし、こえ爺声じじいごえだ。

「へぇー。かんがえたわねー。それで、ごちそうは・・・・・まだピンピンしてるけど?」
 小刀こがたなが指したさき―――

 ギュギュギュギィィィィィィィィッ――――――――ドゴガガガァァァァン、ズドドドゴォォンッ!!
 オルコトリアともう一人のパーティーメンバーをのぞいた、聖剣切りの閃光ヴォルトカッター巨大きょだいウサギの前足まえあし攻撃こうげき集中しゅうちゅうさせてる。

 そして、いわうえに立つひめさんの姿すがたがザラついたとおもったら、その姿すがたがかき消えた。
「なんだ!? 姫さんリカルル、どこいった!?」
 おれの小太刀かたなまで、いっしょに消えちまったぜ。

甲冑かっちゅウの持つ機能きのうのヨうです――(リカルルの攻撃対象こうげきたいしょうからはずれたことを、意味いみします。いまなら密談みつだん可能かのうです。)」
 もう、五百乃大角せかいのてきも出ちまったから、いろいろどうでもいーけどな。

「あら、ごあいさつね。けど、どうでも良くはないわよ?」
 どういうこった、女神めがみさまよ?

「あなたたちの念話ねんわ……密談みつだん思考速度しこうそくど加速かそくするけど、あの綺麗きれいの持つスキルは〝先制攻撃せんせいこうげき〟だから、ぶっちゃけ――かみであるあたしよりはやく、うごけることになるもの」

 気のせいか、五百乃大角いおのはらかおあおざめて見える。
 つまり、ねらった相手あいてはやけりゃはやほど姫さんリカルルの〝攻撃こうげき〟がはやくなる。

神速しんそくなぞけましたね。」
 おう。でも今日きょうのとこは、ひめさんに化けウサギを〝ぶった切って〟もらうのが先決せんけつだぜ。
 五百乃大角かみさんに、うまいめしをたらふく食わせてやって、すみやかなおかえりをねがおう。

「またもや、ごあいさつね。むこう一億年いちおくねん居座いすわっても良いけど?」
「あー、ちがうちがう。おれぁ、かみさんは、ちゃんとうやまってるぜ! ……こえぇけど」
 まずはながちゃんとつうじるし、おれに来世せかいをくれた大恩神だいおんじんだ……こえぇけどな。

「じゃー、どーゆーこーとーなーのーぅ?」
「さっきも言ったが、あさまでに全部ぜんぶ片付かたづけてまちもどらねえと――リオレイニアにおこられんだよ!」
 おこられると、ますますもりんなかにはいることを禁止きんしされて、うまいめしのネタをさがすのにも、苦労くろうすることになりかねねえってはなしだぜ。

「あー。この大陸たいりくはもう魔王まおうがいないから、子供こども安全あんぜんをかんがえる余裕よゆうがあるのね……良いことだわ♡」
 ――――よぉし、はなしがうまくととのったぜ。ふふん。

「はぁー。それを言ったら、もとも子も説法せっぽうもないでしょうに――――ぐきゅるるるりゅっ!」
 五百乃大角いおのはら腹の虫はらが、根を上げたから――――魔法粥ひょうろうがんを出してやった。

   §

 化けウサギの周囲しゅういが――なぎたおされていく。
 枯れた巨木きょぼくも、倒木とうぼくいわも――一切合切いっさいがっさい、ぶった切られる。

 シュッカァァァァァン――――!!
 姫さんリカルル正面しょうめんに、剣筋すじがきらめく。
 さっき、ちらっと喰らったおくの手だ。

 ギュギギュギギギギギギギギギギギッ――――!!!
 巨大きょだいつのを突き下ろし、姿勢しせいひくくする化けウサギ。

 つのながれる無数むすう雷光らいこう
 ヴァリヴァリヴァリィ――――パキィィンッ!
 豪奢ごうしゃつるぎが折れた。

「さすがに、おいしいやつはつよいのかしらね~? がんばってぇー♪」
 気楽きらくだな、おい。

「――――、――――――!」
 ひめさんが、なんかさけんでんな。
 スラァァァッ――――シュカァン、シュッカァァァァァン――――!!

 姫さんリカルル正面しょうめん袈裟懸けさがけの剣筋すじ二度にどきらめいた。

 おくの手、二連発にれんぱつ。その手先てさきつるぎ見えなかった・・・・・・
 まて、そりゃおれの小太刀こだちだ。

 ギュギギュギィィィィッ、ギュギギュギィィィィィィィィッ――――!!!
 ウサギが巨大きょだいつのを、ななめに跳ね上げた。
 あきらかに姫さんリカルルおくの手を、しのいでやがる。

 つのながれる無数むすう雷光らいこう
 ヴァリヴァリヴァリィ――――パキィィンッ!

 くろ小太刀こだちも折れた。

「ねー、シガミー? あと迅雷ジンライもさぁー」
「なんでい?」
「なんでしょうか、イオノファラー?。」

「そろそろ、ほろぶ? ――――ぐきゅるるるりゅっ?」
 はらむしおどすんじゃねぇよ――こえぇだろうが!

ひめさんのおくの手でも切れなかったモンが、丸腰まるごしのおれにどうこうできるわけがねぇだろ?」
 それに、魔法粥まほうがゆをうめぇうめぇって、よろこんで食ってたじゃねぇか!

「シガミーには、あれがあるじゃない……こんなやつ♪」
 なんだその、へたくそな刀印とういんは。
「よっ、はっ、とっ、うりゃ!」
 それじゃ、ウナギをつかまえてるみてぇだぜ。

 あんた、まがりなりにもかみさんだろうがよ。
 日の本ぜんせの、しかもひとことわりとはいえ、ちゃんと知ってろよ、とおもわねぇでもねえが――

「だめだ、ここじゃ使えねえ。真言しんごんをつかうとどういうわけか、手が燃えちまう・・・・・・・
「えー、そんなはずないんですけど?」
 ちょっとまってと、またなんかを・・・・ペラペラとめくってみてる。

「あったよ、これだ。〝自爆耐性じばくたいせい〟を取ってないからよ。スキルポイントはいくらのこってるの?」
「残りは46よんまんろくせん606ろっぴゃくろくです。」

「は? 女神めがみのあたしよりスキルポイントがおおいって、どういうコト?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

『悪魔クロとやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は秘密の力で人間の頂点を狙う』

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました

月神世一
ファンタジー
​「命を捨てて勝つな。生きて勝て」 50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する! ​海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。 再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は―― 「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」 ​途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。 子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。 規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。 ​「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」 ​坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。 呼び出すのは、自衛隊の補給物資。 高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。 ​魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。 これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...