滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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2:カブキーフェスタへの道

146:龍脈の棟梁(シガミー)、迅雷フッカツ?

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「――リカルルちゃんさぁ、ガムランちょう……コントゥルりょうのマナー教育きょういくって、どんなかんじなのぉ?――」
 梅干うめぼしさまが、そんな余計よけいなことを言いだす。

「そうですわねぇー。基本的きほんてきには各家かくいえ長年雇ながねんつかわれている、教育係きょういくがかり執事長しつじちょう給仕長メイドちょうが、幼少ようしょうころからおしえ込みますわね――けっこうなきびしさで……ふぅぅぅぅうぅ~」
 姫さんリカルルの目がほそめられる。

「じゃぁ、リオからおそわって、〝しゃらあしゃらしたの〟が出来できるようになったんだ――なぅわぉー!?」
 女神像めがみぞう土台どだいこしをおろした――ら、重心《すわり》がわるくて、うしろにひっくりかえった。
 そうだった、ひざのしたを伸ばしたままだったっけ。

「(迅雷ジンライあしながさをもどせるか?)」
 ふぉふぉん♪
『>足の長さ:変えられます
 >初期値に戻しますか? Y/N』

 返事へんじはしないけど、こうして簡単かんたんたのごとは、ちゃんと聞いてくれる。

「(〝初期値こいつ〟は、〝もともどす〟って意味いみだったよな……やってくれ)」
 きゅきゅ、きゅぅぅぅぅーぃん♪

 ふぉん♪
『>膝下のリフトアップを、解除しました』 
 ぽきゅ、ぽきゅむ♪
 土台どだいの真んなかにおどりでる。 

「よぉいしょぉぉぉぉ-っ!」
 ぽきゅきゅむん――♪
 かたち土俵どひょうみたいに見えなくもないので、四股しこを踏んでみた。
 どずずむぅん!

 チカラは込めてねぇけど、けっこう揺れちまった。
 この菱形ひしがたはこ宛鋳符悪党ア-ティファクトだから、こわれることは無いけど――

「ちょっと、こわさないでよ!? それわぁ、一個いっこしかぁないんでぇすぅかぁらぁぬぇぇぇっ――?」
「(一個いっこだぁ? あ、こりゃ――酢蛸すだぁこか?)」
 おおきさが全然ぜんぜんちがうけど――天狗装束てんぐしょうぞくつくったり、裏天狗うらてんぐあやるのに必要ひつようはこだ。
 おおきさが変えられる、〝絵で板えでぃたぁ〟てぇのを使つかったんだな。
 迅雷ジンライが伸びるみたいに、限界げんかいはあるはずなんだが、酢蛸コイツは――おれや御神体ごしんたい五百乃大角いおのはらもと立端たっぱを、越えて大きく・・・・・・出来できるらしい。

 ぱん、ぱぁん!
 柏手かしわでを打って――「土俵入どひょういりでぇぇいぃ♪」
 金糸きんしのようなかみが舞い、すずのような覇気はきのないこえとどろかない。
 それでも――気合きあいが入った。

「マナーとわ――?」
淑女しゅくじょとは――?」
 ビードロのなかそとから、ためいきがもれる。

 やべぇ、たのしくなってきた。
 ぎゅっ――しろ迅雷ジンライ式隠しきかくみのつくりおき)を取りだして、鉢巻はちまきがわりにあたまに巻いた。

 大工仕事でぇーくしごとに、ニゲル語はねぇやな!
 ココにおきゃくは居ねぇから、かまわねぇーだろぅ?

「さぁー、なにをすりゃ良いってんだぁー? なんでも言ってくれやぁ、べらぼうめぃっ!」
 てやんでぇ――――ぃ!

「――リカルルちゃん、その猫耳頭ねこみみあたま、閉じちゃってくれるー?――」
「わっかりぃましたわぁー♪」
 いつの間にか、となりに立ってた伯爵令嬢はくしゃくれいじょう背後はいごまわられた。

 ふぉん♪
『▼――ピピピッ♪』
 ビードロの〝気配うごきを見るしくみ〟が――遅《おせ》ぇ。

 ギューッ――ばくん♪

 ぷぴぽぽーん♪
「ハッチ閉鎖へいさ確認かくにん、ハッチ閉鎖へいさ確認かくにん――気密保持開始きみつほじかいしします」
 五百乃大角いおのはらこえ一瞬いっしゅん暗闇くらやみ――――ヴュパパパパッ!
 冒険者ぼうけんしゃカードとおな紋章もんしょうが、ビードロに映し出され――チチチピピッ♪。

 小鳥ことりの鳴きごえがして――「「うふふ、かわいいぃ」」――そとおとが、よく聞こえるようになった。

「こりゃやべぇ――にゃ。迅雷ジンライ手助てだすけに慣れちまうと、自分てめぇ気配けはいかんじとるのが下手へたになりやがる――にゃ♪」

「こっちのほうが――語尾ごびがかわいくて、いさましさが緩和かんわされますわぁ♪」
「――そぉーねぇ♪ シガミーは当分とうぶん猫耳頭それ装備そうびしておくようにっ♡――」

「わかった――にゃ」
 なんでもいい。いまは迅雷ジンライを、どーにかするのがさきだ。

「うふふふふふふふふぅ――♡」
 だから、はら執拗しつようになでるなってんだ――にゃ。

   §

 よっと!
 ドズズズズズズズズゥゥン!

 土台すだぁこの真んなか、すこし段差だんさをつけたうえ
 御神体ごしんたいそっくりの――巨大きょだい五百乃大角いおのはらを置いた。

「コレが、この神域しんいき統括とうかつする――女神像めがみぞうですのっ?」
 とても〝〟の女神めがみには、見えない。
 上下逆じょうげぎゃくにした鏡餅かがみもちそっくりな、姿形すがた
 多少たしょう手直てなおししはしたけど大体だいたいは、うちにある五百乃大角いおのはら御神体ごしんたいさまと、そっくりおなじだ。
 まえに御神体ごしんたいつくったときの姿形すがたを、取りだして使つかえたから、時間じかんはかかっていない。

「――と、とってもかわいらしいですわねぇー♪」
 ちょうど目のたかさが、したぱらのあたりで――やっぱり執拗しつようになではじめた。
 お貴族きぞくさまの、こころ琴線きんせんに触れてるんだろうが、下々しもじもおれには皆目かいもくわからん。

「あとは、この〝神力結晶しんりょくけっしょう〟をオデコのあなにはめ込めば――にゃ――ぽきゅむ♪」
 鏡餅めがみぞう大きい方あたまに取りつき、手におさまる程度ていどの、キラキラした小石こいしをつよく押しこんだ――――かちり♪

 ふぉん♪
『>女神像端末#3313を検出』
 ふぉふぉぉん♪
『>女神像端末#3313
  名称未設定ワールド領域内エリア統括データベース、
  ならびに事象ライブラリ構築を開始します。
  使用可能まで 11:59:59』

 なんか出た。十二時間じゅうにじかんかかるってのはわかる。
「―――ぬぅぅぅぅぅ!? ワールドめいすら設定せっていしてないとわ、やってくれるわね、あのバカあにめぇぇっ!――」
 憤慨ふんがいする御神体《いおのはら》。

「――シガミー、女神像めがみぞう背中向せなかむけてぇくれるぅぅー?――」
 おやすいごようだ――にゃ。

「あら、しっぽ? 尻尾しっぽが生えていますわよ、シガミー?」
「え? いつのまに?」
 カラダをよじると、たしかに尻尾しっぽが生えてた。
 そのさきからトゲみたいなのが、二本にほんも生えてて――こりゃ武器ぶきか!?
「――武器ぶきでは無いでーす。それ、女神像めがみぞう足下あしもとに有るあなに刺しちゃってくれるぅー?――」

 ふぉん♪
 『↓――女神像端子』
 目的地もくてきちをしめす、いつものやじるしがでた。
 おれはこしを落として、尻尾しっぽを――がちりっ♪

 ふぉん♪
『>女神像とのリンクが確立されました』
 また、なんかでた。わからん。

女神像メガミゾウトノリンクガ再接続サイセツゾクサレマシタ。AOSエイオウエス復旧フッキュウシマ
 おっ!?
迅雷ジンライこえだぜ――にゃ」

「きゃぁぁぁぁっ――――!」
 にげていく姫さんリカルル

 振りかえると、かまくびをもたげた巨大きょだい目玉めだま
「シガミー、ゴ不便フベンヲオカケシマシタ。ゴヨウ御座ゴザイマセンカ
 こわがちがうけど、わかる。
 こいつぁ迅雷ジンライだ。
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