滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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3:ダンジョンクローラーになろう

267:ダンジョンクローラー(シガミー御一行様)、白い悪魔ばくたん

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「ひかりのたま!」
 出るっちゃ出るが一瞬いっしゅんで、生活魔法せいかつまほうおに……達人たつじんにはかなうべくもない。
「ひのたま!」
 こっちにいたっては、けぶりひとつでやがらん。

「ほのおのたまは、まだつかえねぇし……もうはな魔法もんがねぇ」
 こどもとご令嬢れいじょう巣窟そうくつから抜け出せただけでも、良しとするかな。
 はーやれやれ、よっこらせ。椅子いす腰掛こしかけた。

「ふぅふぅ。ではまちもど次第しだい、また特訓とっくん再開さいかいいたしましょう?」
 特訓とっくんってのは、生活魔法せいかつまほう練習れんしゅうのことだ。
 生活せいかつ必要ひつよう最低限さいていげん光球ひかりのたま水珠みずのたま火珠ひのたまに、つめてぇ魔法まほうと、乾燥かんそう魔法まほう
 それが使つかえるようになったのは彼女リオの、献身的けんしんてき剣幕けんまくのたまものだ。

「べつに魔法まほう練習れんしゅうをサボってたわけじゃねぇぞ? ちゃんとした魔法杖まほうつえ使つかかたがわからねぇってだけでな」
「――そレを世間一般せけんイっぱんでハ、さぼってるというのでハ――」

「やかましい。そもそもオマエは魔法杖つえじゃねぇだろうが。使つかかたがこれで合ってるのかどうかもわからん」
 見よう見まねでかまえたものの、つえから生活魔法せいかつまほうを出す手順てじゅんが……わからん。

「とくに魔法杖まほうつえ使つかうときの手順てじゅん作法さほうはありませんよ。このことは以前いぜんつたえしたはずですが――ギロリ?」
 そうだったか?

 手のなかぼうがヴルルッとふるえて――抜け出した。
 ヴォヴォォンッ――♪

「――リオレイニア、わたシ使用しヨうしてみてクださ――」
 そんな気安きやすさで――――迅雷ジンライが、生活魔法せいかつまほう達人たつじんしろ悪魔あくまの手にわたってしまったことは。
 この世界せかいにとって、良かったのかわるかったのか。
 ちなみに悪魔あくまってなぁ、悪鬼羅刹あっきらせつ……わりおにのことだ。

「あら、持ったかんじはわるくないですよ、迅雷ジンライ♪」
 ひゅひゅんと振りまわされる、空飛ぶ棒アーティファクト
 手練てだれれの魔法使まほうつかいは、みんなつえに乗ってそらを飛びやがるから――似たようなもんか。
 つえだけで飛ぶのは、おれの迅雷あいぼうだけだが。

「ではまずは、火の――――カカカカッッボッゴウワァァッ!!!」
 銀色ぎんいろぼうさき
 そこから飛び出したのは、あたり一面いちめんを焼き尽くすほどのでかい火球かきゅう
「な、なにこれっ――――――――??」
 いままで聞いたことのない、リオレイニアの――地声・・かも知れない。
 火球かきゅういきおいがなく、スグに落ちはじめた。
 やべぇ、黒焦くろこげになる。

 ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――ッ!
『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』
 画面がめんに浮かびあがるトレー輪郭フォルムと、発動はつどうした魔法まほうをあらわす文字もじ
「――魔法まほうのろいをはじく……結界けっかいが張られまシ――」
 饅頭屋にごうてんで見たヤツだな。

 自分じぶんはなった火球ひのたま超特大ちょうとくだい)を、どこかから取り出したぼんふせいでる。

「にゃみゃみゃ、にゃぁーご!」
 レイダがうるせぇからソッチを見たら――ぼわぁ♪
 おれが出した〝おもち〟が、ぼおぅぼおぅと燃えていた。
 提灯ちょうちんがわりに、ふつうのかみのを出したんだから、とうぜん燃えちまう。

「エクレア、代わってくださいっ!」
 しろ魔術師まじゅつしの呼びかけに、「いま行きます!」と駆けつける黒騎士くろきし
 ヴァチヴァチヴァチヴァチィ――――――――ッ!
『<MAGIC・SHIELD>――ピッ♪』
 画面がめんに浮かびあがる大盾おおたて輪郭フォルムと、発動はつどうした魔法まほうをあらわす文字もじ

 そして迅雷ジンライを投げつけるようにして――――一直線いっちょくせんに飛びこんでくるリオ。
 その神速しんそくあゆみは、金剛力全開こんごうりきぜんかいのおれ並みで――迅雷ジンライを飛ばしてソレにつかまってるんだろう。
 本気の彼女・・・・・をみたのは、コレがはじめてかも知れない。

「みずのた――!」
 ごぷん――――ごっぼぼぼぼぼぼごごごごごわわわわぁぁぁぁ!
 おれたちは、突如現とつじょあらわれた大波おおなみさらわれた・・・・・

 ゴッシュワァァァァァッァアッ――――――――!
 ごぼごぼと煮える、みずおと
 五百乃大角いおのはらあかりと、ちぢんでいく火球ひのたま

 ゆらゆら、めらめら。
 幽玄ゆうげんうつくしさも、いのちがあったればこそで。
 ごぼがばげべごぼぁ――――がしり!?
 死に物狂ものぐるいで、ひっつかんだのは――――ぽぎゅぽーん♪
 みじか毛皮けがわっ!?
 そうだ、シシガニャンはふたを閉めてりゃ、みずに浮くんだった!

「みんなっ――ごぼがばっ! レイダにつかまれ――――!!!」
 甲冑姿かっちゅうすがたひめさんと護衛ごえいはどーする!?

 ふぉん♪
『>水中での位置情報検出まで、3秒お待ちください』
 ごぼがばげばばば――ごっぷん♪
 もうどっちが上で、どっちが下だかわからん!

 ふぉん♪
『尽』『欧』
 なんかでた。
「ぷはぁ――――レイダ大丈夫だいじょうぶか!?」
「にゃみゃがぁみゃぁん?」
 みず浮きすぎて・・・・・身動みうごきできてねぇけど無事ぶじだな。

 ふぉん♪
『尽』はひめさんだろ。
 ふぉん♪
『欧』は黒甲冑エクレアみたいだ。

 ふぉふぉふぉぉん♪
『凹』がレイダで、
『价』がたぶんフッカで、
『冠』はリオか?

「ごぼがばー、おれぁおよぐのは得意とくいじゃ――がぼへーっ!」
 どーするど-すんだ迅雷ジンライ
 五百乃大角いおのはらも、みんなをたすけろごぼがばー!

 ふぉふぉふぉふぉふぉぉぉぉおぉぉん♪
『<▼>』
 ピピピピピビッ――突然とつぜんのけたたましい三角印さんかくじるし
 これはゆかが抜けたりするときの――警告だきをつけろ

 ズゴォォォォォォ、ゴゴゴゴゴゴゴゴオゴゴゴゴォォォォォォォォッ、ズガガガァァァァァァァッンッ!
 もんどり打つ水面すいめんを、ころまわ猫耳頭レイダとおれ。

 ビギバギィッッッッ!
 水底みなそこからスゴイおとが、聞こえてきた。
 できた亀裂きれつふかくなり――したかい灼熱しゃくねついろが見えかくれしている。
 そこからながれ落ちる水流すいりゅうが――――シュゴゴゴゴゴオォォォォォォ!
 うずを巻く。

 ゴッバァァァァァ――――おれたちは、とうとうみつけた。
 階下かいかつうじるみちを。

 抜けたそこをぐぐり、放り出された・・・・・・のは――地下三階ちかさんかい
 地下二階ちかにかい何倍なんばいもの、高さ・・

 ざばばばばぁぁっ――――ごほごほがっはほへへ!
「すっはぁぁぁぁっ!!!」
 みずはすぐに落ち、いき出来できるようになった。
「――――、――!? ――――、――――――!」
 早口はやくち呪文じゅもん

「じゅっ……重力軽減じゅうりょくけいげんと――浮遊ふゆう魔術まじゅつ行使こうししました!」
 レイダ迅雷ジンライ浮かぶ球いおのはら以外いがいは、みんないきも絶え絶え。

 だが濡れたからだは、すぐかわいてしまった。
 したを見れば、ふつふつとだる灼熱しゃくねつながれ。
 そこからとどくふきあがりが、かみ毛一本残けいっぽんのこさずにかわかしてくれる。
 けど快適かいてきだったのは一瞬いっしゅんで、すさまじいねつおそわれた。

 そう、ここは火山かざん洞窟どうくつで。
 〝火龍かりゅう寝床ねどこ〟とよばれる場所ばしょで。

 そのぬしらしきヤツが、かまくびをもたげた。
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