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3:ダンジョンクローラーになろう
326:惑星ヒース神(シガミー)、おにぎりにタンバリン
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「ぷふふっ――くすくすくす♪」
崩れ落ちる、子供。
「ぶっぷぐふっ――れ、レイダはおにぎりの小躍りに免疫が出来たわけでは、な、なかったのですっね?」
ちゃぶ台に肘をつき――耐えるメイド。
「だって――――ひゃははははっ!? ぷふふふっ、あはははっははっ!」
腹を抱えて身をよじり、無遠慮に黄緑色を指さす子供。
さっきまでの〝真摯な信頼〟は、微塵も感じられない。
「けど言われてみりゃぁ、おにぎりの野郎はぁ、温泉を引き当てた実績があっ――――ぶはははっ、がっははははっ!」
とうとう、厳つい男性までもが――ごどん!
ちゃぶ台に沈んだ。
シャンシャンシャンシャンシャンシャン――タタタァン、タタタァンタンタタン♪
ソレは騒々しく、リズミカルで――
ソレは一挙手一投足に、融合し――
「まるで、シガミーの大雑芸みたいわねぇ――――何も斬らないし、動きがいちいち面白いけどさっ――ぷふふっ♪」
シャカシャカシャシャカカ――タンタタンタン♪
ぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅむん――タタダンシャシャシャシャンッ♪
あたま、おなか、肩、尻、手足――ぽきゅタタぽきゅシャラッタァン♪
腰を叩いて一回転――足を開いてスッタンスタタン♪
「ぷふふふっ――――あははっ♪」
ダンサブルな猫の魔物につられ、立ちあがるレイダ。
「ぶぐふっひっ――――リ、リカルルお嬢さまより、ス、ステップが様になっていますっわっ――――ごどん!」
鳥の仮面を強く、ちゃぶ台へ打ち付ける――メイド。
「リオレイニアちゃんさぁ、そろそろ克服しとかないと……そのうち、命に関わりかねないわよぉう?」
仮面を押さえる笑い上戸に、まるで女神が如き優しさをみせる――丸茸。
ちゃぶ台の上をさまよっていた丸茸が、手拍子を始めた。
「けど、あんな楽器……タンバリンなんてぇ、いつ作ったっけぇ? おにぎりの自作ぅ?」
スッタンスッタンスタタタスッタン――ぽぎゅぽぽぉーん♪
すました感じで腰を叩き、軽やかに。
シャカシャカシャカシャカシャカ、カカカカカッシャ――タタタン、ぽきゅっタン♪
動きに無駄がなくなり、面白かった一挙手一投足が洗練されていく。
「いエ、例ノ爆発デ吹き飛ばさレた強化服2号ト一緒ニ回収シた――第一王女ノ持ち物デす」
「第一王女の? タンバリンがぁ?」
「はイ。正確にハ、召喚ノ塔内部に設置されテいた、召喚ノ女神像の付属物デす」
「召喚の塔のってことわぁ……ひそひそ……ニゲルにもぉ関係するのねぇん……けど、いい加減長くなぁい?」
「おにぎりノ持ツ高負荷演算ヲ以てシても、解ヲ導けナいのだと思わレます」
スタッタスッタタ、タタタタタタァン――
ぽきゅぽぽきゅぽきゅぽきゅむん♪
シャカシャカダラララララッララッルラッ――――♪
参加者たちの視線が、釘付けになったころ――
最高潮へと達する、黄緑色の魔物の舞踏。
「――ドゥンデデェェン、デェンデデデデデェェデェン♪」
ジュークボックスが鳴り響き――
ピカピカチカチカ、パパパパパァ!
猫の置物の顔。
平たい表示部分に――七つの色がうごめいた
「イオノファラー、強化服一号かラ分散型高負荷演算ガ要請されマした。演算式のコンパイル並びニ、実行をしまスか?」
ピタリと宙に止まる、浮かぶ棒。
「ちょっ、待ちなさいっ! そんなの実行できるわけ無いでしょっ!? 万が一のことがあったらシガミーどころかぁ、この世界のすべてがぁ破綻するじゃないのよっ!?」
あわてる御神体。
「なんだぜ!? 物騒なこと、言いやがるな女神さまよう?」
「そうですね、あまり危険なことは、おやめ下さい!」
ギョッとした顔で我にかえる、大人たち。
「ならぁ、わたくしがぁ肩代わりいたしますわ、うふふ♪」
立ちあがり、普段の様子からは想像できない素早さを見せる――惑星ヒース神。
片足でクルクルと回転し続けていた、おにぎりの手を取るまでは――一瞬だった。
ふぉふぉん♪
『龍脈通信プロトコル>マナにより構成されたネットワークを使用し、シガミー現在地点を算出します。』
化け猫の、顔の表示部分。
「ちょっと、アンタたち――――強制停止よっ、ブレークポイント作成ぃいぃいっ!」
バリビリヴォリィッ――――筆書きのような、雑な稲妻の光。
御神体が、光線を放ち――――あたりを薙ぎはらう!
「惑星ヒースの星神の名において命じます。ブレークポイントを迂回、演算プログラムをコンパイルののち実行いたしますわ、くすくすくす♪」
鳴りをひそめていた、後光が――爆発した!
ゴゴヴォヴォヴォワァァッ――――――――!!!!
「ぎゃっ!? 迅雷、な、何とかしてぇっ!?」
怪光線を防がれた御神体が、棒に泣きつく。
「仮想実行環境ガ構築されまシた――最悪ノ事態でモ、被害はココニ居ル者だけデ済みマす!」
メキメキメキメキョキョ――――バサバサバササッ、パァァァァッ♪
派手な帽子の耳を、突き抜けていた小枝。
星神の角が二本の小木へと、成長していく。
「じゃあ、レイダを外に出して――子供にぃ危険なぁことわぁ、させられませんのぉでぇ――ぎゃっ!?」
命令する御神体――が小さな手で、つかみ上げられる。
「やだよっ、わたしも行くのっ! 絶対にシガミーの魂を見つけて、つれ帰るのっ!」
その眼差しは、ふたたび細長い魔法杖のよう。
「イオノファラーさま。惑星ヒースの星神の名において、レイダちゃんの身の安全は保証いたしますわ、くすくすくす♪」
メキメキメキョキョキョォ――――ゴゴゴゴゴゥワワァ!
「あんなこと言ってるけど、信頼できるのぉっ!? 迅雷!?」
小さな手を蹴飛ばし、浮かぶ棒に飛びつく――美の女神御神体。
「カヤノヒメノ周囲、7メートルほドが仮想実行環境へと移行しつつアります」
ヴォヴォォン♪
丸茸をくっつけた棒が、高度を上げ飛び立つ。
「わからぁーん、その心わぁー!?」
「開示さレた機能説明によルなら、仮想……周囲ニ張らレた結界内にオいて、セーブが可能になりまシた」
ヴォォォォン♪
「イオノファラーさまーっ!」
飛びつこうとする子供の手を、逃れる棒と丸茸。
「セーブぅ? そんなの元から、勝手にしてるでしょ!?」
ちいさな手をクルクルと、回転させる丸茸。
「いイえ、通常おこなわレているのはオートセーブデす。新シく可能になっタのは、俗に言うクイックセーブとクイックロードでス」
「クイックセーブぅー? せつめー!」
「事前にクイックセーブすル必要はアりますが、大ケがや死亡、希少アイテムの消失なドを――無かったことに出来ます」
ヴォォォォン♪
「ソレわぁ、いちおぉー安全ってことぉー?」
何かに打ち震える、丸茸御神体。
「はイ。そしてアのジュークボーックスに、表示さレた文面によルなら――物理的にモ精神的ニも存在しないハずの通信相手の現在地点ヲ、見つケ出そウとしているのは確かなヨうです」
ヴヴヴゥン♪
震える眷属。
ゴゴヴォヴォヴォワァァッ――――うなる光の奔流!!!!
「お、おいリオレイニア。俺たちの身の安全は、どうなるんだぜ?」
金槌にしがみ付く、作業着姿。
「わ、わたくしはシガミーの為なら、たとえ命を賭けることになっても後悔はありませんわっ!」
光の渦にのみ込まれつつも、気丈にふるまう給仕服姿。
その態度は、とても立派だった。
「わっ――今日の会議はココでやってるって言うからぁ、来てみましたけれどぉ!?」
すこしカスタムされた、ギルドの制服姿。
名物受付嬢の、最強の方。
腰に細身の剣を携えた――彼女の目のまえ。
とぐろを巻いていた光の渦が、一瞬で小さくなって消えた!
崩れ落ちる、子供。
「ぶっぷぐふっ――れ、レイダはおにぎりの小躍りに免疫が出来たわけでは、な、なかったのですっね?」
ちゃぶ台に肘をつき――耐えるメイド。
「だって――――ひゃははははっ!? ぷふふふっ、あはははっははっ!」
腹を抱えて身をよじり、無遠慮に黄緑色を指さす子供。
さっきまでの〝真摯な信頼〟は、微塵も感じられない。
「けど言われてみりゃぁ、おにぎりの野郎はぁ、温泉を引き当てた実績があっ――――ぶはははっ、がっははははっ!」
とうとう、厳つい男性までもが――ごどん!
ちゃぶ台に沈んだ。
シャンシャンシャンシャンシャンシャン――タタタァン、タタタァンタンタタン♪
ソレは騒々しく、リズミカルで――
ソレは一挙手一投足に、融合し――
「まるで、シガミーの大雑芸みたいわねぇ――――何も斬らないし、動きがいちいち面白いけどさっ――ぷふふっ♪」
シャカシャカシャシャカカ――タンタタンタン♪
ぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅむん――タタダンシャシャシャシャンッ♪
あたま、おなか、肩、尻、手足――ぽきゅタタぽきゅシャラッタァン♪
腰を叩いて一回転――足を開いてスッタンスタタン♪
「ぷふふふっ――――あははっ♪」
ダンサブルな猫の魔物につられ、立ちあがるレイダ。
「ぶぐふっひっ――――リ、リカルルお嬢さまより、ス、ステップが様になっていますっわっ――――ごどん!」
鳥の仮面を強く、ちゃぶ台へ打ち付ける――メイド。
「リオレイニアちゃんさぁ、そろそろ克服しとかないと……そのうち、命に関わりかねないわよぉう?」
仮面を押さえる笑い上戸に、まるで女神が如き優しさをみせる――丸茸。
ちゃぶ台の上をさまよっていた丸茸が、手拍子を始めた。
「けど、あんな楽器……タンバリンなんてぇ、いつ作ったっけぇ? おにぎりの自作ぅ?」
スッタンスッタンスタタタスッタン――ぽぎゅぽぽぉーん♪
すました感じで腰を叩き、軽やかに。
シャカシャカシャカシャカシャカ、カカカカカッシャ――タタタン、ぽきゅっタン♪
動きに無駄がなくなり、面白かった一挙手一投足が洗練されていく。
「いエ、例ノ爆発デ吹き飛ばさレた強化服2号ト一緒ニ回収シた――第一王女ノ持ち物デす」
「第一王女の? タンバリンがぁ?」
「はイ。正確にハ、召喚ノ塔内部に設置されテいた、召喚ノ女神像の付属物デす」
「召喚の塔のってことわぁ……ひそひそ……ニゲルにもぉ関係するのねぇん……けど、いい加減長くなぁい?」
「おにぎりノ持ツ高負荷演算ヲ以てシても、解ヲ導けナいのだと思わレます」
スタッタスッタタ、タタタタタタァン――
ぽきゅぽぽきゅぽきゅぽきゅむん♪
シャカシャカダラララララッララッルラッ――――♪
参加者たちの視線が、釘付けになったころ――
最高潮へと達する、黄緑色の魔物の舞踏。
「――ドゥンデデェェン、デェンデデデデデェェデェン♪」
ジュークボックスが鳴り響き――
ピカピカチカチカ、パパパパパァ!
猫の置物の顔。
平たい表示部分に――七つの色がうごめいた
「イオノファラー、強化服一号かラ分散型高負荷演算ガ要請されマした。演算式のコンパイル並びニ、実行をしまスか?」
ピタリと宙に止まる、浮かぶ棒。
「ちょっ、待ちなさいっ! そんなの実行できるわけ無いでしょっ!? 万が一のことがあったらシガミーどころかぁ、この世界のすべてがぁ破綻するじゃないのよっ!?」
あわてる御神体。
「なんだぜ!? 物騒なこと、言いやがるな女神さまよう?」
「そうですね、あまり危険なことは、おやめ下さい!」
ギョッとした顔で我にかえる、大人たち。
「ならぁ、わたくしがぁ肩代わりいたしますわ、うふふ♪」
立ちあがり、普段の様子からは想像できない素早さを見せる――惑星ヒース神。
片足でクルクルと回転し続けていた、おにぎりの手を取るまでは――一瞬だった。
ふぉふぉん♪
『龍脈通信プロトコル>マナにより構成されたネットワークを使用し、シガミー現在地点を算出します。』
化け猫の、顔の表示部分。
「ちょっと、アンタたち――――強制停止よっ、ブレークポイント作成ぃいぃいっ!」
バリビリヴォリィッ――――筆書きのような、雑な稲妻の光。
御神体が、光線を放ち――――あたりを薙ぎはらう!
「惑星ヒースの星神の名において命じます。ブレークポイントを迂回、演算プログラムをコンパイルののち実行いたしますわ、くすくすくす♪」
鳴りをひそめていた、後光が――爆発した!
ゴゴヴォヴォヴォワァァッ――――――――!!!!
「ぎゃっ!? 迅雷、な、何とかしてぇっ!?」
怪光線を防がれた御神体が、棒に泣きつく。
「仮想実行環境ガ構築されまシた――最悪ノ事態でモ、被害はココニ居ル者だけデ済みマす!」
メキメキメキメキョキョ――――バサバサバササッ、パァァァァッ♪
派手な帽子の耳を、突き抜けていた小枝。
星神の角が二本の小木へと、成長していく。
「じゃあ、レイダを外に出して――子供にぃ危険なぁことわぁ、させられませんのぉでぇ――ぎゃっ!?」
命令する御神体――が小さな手で、つかみ上げられる。
「やだよっ、わたしも行くのっ! 絶対にシガミーの魂を見つけて、つれ帰るのっ!」
その眼差しは、ふたたび細長い魔法杖のよう。
「イオノファラーさま。惑星ヒースの星神の名において、レイダちゃんの身の安全は保証いたしますわ、くすくすくす♪」
メキメキメキョキョキョォ――――ゴゴゴゴゴゥワワァ!
「あんなこと言ってるけど、信頼できるのぉっ!? 迅雷!?」
小さな手を蹴飛ばし、浮かぶ棒に飛びつく――美の女神御神体。
「カヤノヒメノ周囲、7メートルほドが仮想実行環境へと移行しつつアります」
ヴォヴォォン♪
丸茸をくっつけた棒が、高度を上げ飛び立つ。
「わからぁーん、その心わぁー!?」
「開示さレた機能説明によルなら、仮想……周囲ニ張らレた結界内にオいて、セーブが可能になりまシた」
ヴォォォォン♪
「イオノファラーさまーっ!」
飛びつこうとする子供の手を、逃れる棒と丸茸。
「セーブぅ? そんなの元から、勝手にしてるでしょ!?」
ちいさな手をクルクルと、回転させる丸茸。
「いイえ、通常おこなわレているのはオートセーブデす。新シく可能になっタのは、俗に言うクイックセーブとクイックロードでス」
「クイックセーブぅー? せつめー!」
「事前にクイックセーブすル必要はアりますが、大ケがや死亡、希少アイテムの消失なドを――無かったことに出来ます」
ヴォォォォン♪
「ソレわぁ、いちおぉー安全ってことぉー?」
何かに打ち震える、丸茸御神体。
「はイ。そしてアのジュークボーックスに、表示さレた文面によルなら――物理的にモ精神的ニも存在しないハずの通信相手の現在地点ヲ、見つケ出そウとしているのは確かなヨうです」
ヴヴヴゥン♪
震える眷属。
ゴゴヴォヴォヴォワァァッ――――うなる光の奔流!!!!
「お、おいリオレイニア。俺たちの身の安全は、どうなるんだぜ?」
金槌にしがみ付く、作業着姿。
「わ、わたくしはシガミーの為なら、たとえ命を賭けることになっても後悔はありませんわっ!」
光の渦にのみ込まれつつも、気丈にふるまう給仕服姿。
その態度は、とても立派だった。
「わっ――今日の会議はココでやってるって言うからぁ、来てみましたけれどぉ!?」
すこしカスタムされた、ギルドの制服姿。
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