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3:ダンジョンクローラーになろう
385:龍脈の回廊、惑星ヒース再生
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ガッキュゥゥウゥゥンッ♪
やい、このままつかんだら、レイダが怪我すんだろーが!
何かねぇのかぁ!
やわらかで、破れない!
それでいて落とさず、包み込めるような物わぁ!
ふぉふぉん♪
『解析指南>高靱性対人用捕縛ネットを作成できます
作成しますか? <Y/N>』
今すぐ出せぇ!
ふぉふぉん♪
『>デバイスID#44Ga3の不随意記憶領域にCFWを検出。女神像ネットワーク停止します』
カチカチ、フッシュシュル――ぷすぷすん♪
ありゃ!?
なんか手のひらに出掛かってたのが、止まっちまったぞ!
「仕方ねぇ! おれがぁ受け身を取る――ニャァ!」
子供を手で、しっかりつかみ。
潰さねぇように、やんわりと腕をおろし――
肘で大地を打付け、姿勢制御系を危険作動させた!
手のひらを高く、持ちあげたまま――ドゴガァァン!
肩と額が地に、叩きつけられる!
角のほとんど全部と、手首の人造筋肉サーボが破壊された。
眼前を流れる、各種エラー通知を切って――
ふぉふぉん♪
『ハードウェアID#44Ga3。悪鬼羅刹(仮)改めシガミー、再起動しました』
一瞬も途切れることなく、再起動する鎧武者。
「さすがに〝龍脈全部を使える〟となると、引っかかるところがまるでねぇ――ニャァ♪」
こいつぁ、迅雷よか高性能なんじゃねぇのかぁ♪
「オ言葉デすが、INTタレットとしテの私ノ演算能力ヲ100とシた場合、〝ハードウェアID#44Ga3シガミー〟ノ演算能力は30未満デす」
上機嫌なおれに、冷や水を浴びせる――おれの相棒。
おう、なんだか随分と久しぶりな気がするぜ?
「はイ、六日ぶりデす。オ帰りナさいシガミー。ゴ無事デ何ヨりです」
この鉄の形で無事って言えるのかは、わからんがぁ――
「ゴゥゴォォゴォォオオオォォオォオオォォオォオォォォォッ――――!!!!!!!!」
いけねぇ、話なんかしてる場合じゃなかったぜ!
ニゲルに刺された傷跡から――メキメキバキバキ!
出てこようとしてやがる!
「(手を貸せ、ミノタウロースだ! おれの胸部搬出口から、出てこようとしてる!)」
「本当に、シガミーなのぅ!?」
おれの手の中から、声がした。
「あア、おレだぜ! みんナのアイドル、シガミーさまノお戻りだぜぇ――――ニャァ♪」
せいぜい、愛想よくしておく。
心配かけちまった、だろうからなぁ。
§
「イオノファラーさま! 復旧はまだですの!?」
ここは、大女神像の間。
駆け込んできたのは、ガムラン代表受付嬢。
「まってー、今ぁやってるからぁー!」
浮かぶ球をちゃぶ台の上に転がし、そのうえに短い足で玉乗りする美の女神御神体。
超巨大な、超女神像の足の横。
ぷすぷすと煙を吐くのは、信楽焼の狸……ではなく猫形(?)のジュークボックス。
そのまえに置かれた、ちゃぶ台を囲んでいるのは――
鉄塊に背をあずける、小柄な男。
「こっちは修理、出来たぜぇ♪」
手には猫手や猫耳の部品。
「リオレイニアは、どうしてるんだい?」
緑色の豆のさやを、ぶちぶちとむしり取りながら、たずねるのは恰幅の良い女性。
「いま、ギルド長と一緒に、事態の把握に奔走していますわー」
受付嬢が、猫型の部品を受け取り――
ジュークボックスにへばりつく、王女殿下へ手渡した。
「ららぁーん! こうしてる間にもニゲルさまが、タターちゃんの色香にぃ――」
受け取った猫部品を抱え、へたり込む第一王位継承者。
「あの子に、そんなスキルは10年はやいですわよ。口じゃなくてぇ、手を動かしてぇくださいませ、ラ・プ・ト・ル・さ・ま?」
母親譲りの月光を湛えた瞳が、王女をニタリと見つめた。
§
「リオレイニアさん、各地の被害状況は!?」
騒乱のガムラン町ギルド支部、第一作戦会議室。
入り口よこには『龍脈大震災緊急災害対策室』の看板が、掲げられている。
精悍な顔つきの男性が、鳥の仮面のメイドへたずねた。
「女神像経由での、第一報になりますが――死者推定235名、負傷者737名、行方不明者37,565名となります」
ソレは黒板に表示された数字。
その声には、悲痛な色がかすかに滲んでいる。
「お手伝いするニャン」
同じく黒板を持ち、駆け込んでくる猫耳の女性。
「お手伝いするコォン」
同じく黒板を持ち、駆け込んでくる狐耳の少年。
ガシャラララッ!
作戦テーブルへ投げ出されたソレを見て、目を丸くするメイド。
「ちょっと、アナタ達! これ、どこから持ってきたんですか!?」
彼女が顔を上げた先に、猫耳と狐耳は居なかった。
どたどたとした足音が、遠のいていく。
「どーしたのかね?」
精悍な顔つきの男性がたずねた。
腕章を見るなら彼が、この場の指揮を執るギルド長であるようだ。
「それが第ニ報、第三報と、時間経過とともに被害者数が――減っています」
困惑の仮面。
「減っている!? 増えたのではないのかね!?」
最新の第三報を手に取る、ギルド長。
その顔は、驚きを隠せない。
「はい。このままいくと、死者並びに負傷者数はゼロになる見込みです。行方不明者も続々と照会が行われて、減り続けています!」
作戦テーブルを操作し、被害状況詳細を表示するメイド。
「どういうことだ? まるで大陸中に、蘇生薬でも散布したみたいじゃないかっ!?」
混迷を極める、ガムラン町ギルド支部。
その長であるレムゾー・クェーサーは懐から、分厚い辞書のような魔法具をとりだした。
ページをパラパラとめくっていく――ぴたり!
『レイダ・クェーサー/最終照会日時1時間4分前』
彼の目が魔法具に現れた文字から、ぴくりとも動かなくなった。
やい、このままつかんだら、レイダが怪我すんだろーが!
何かねぇのかぁ!
やわらかで、破れない!
それでいて落とさず、包み込めるような物わぁ!
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『解析指南>高靱性対人用捕縛ネットを作成できます
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ふぉふぉん♪
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カチカチ、フッシュシュル――ぷすぷすん♪
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なんか手のひらに出掛かってたのが、止まっちまったぞ!
「仕方ねぇ! おれがぁ受け身を取る――ニャァ!」
子供を手で、しっかりつかみ。
潰さねぇように、やんわりと腕をおろし――
肘で大地を打付け、姿勢制御系を危険作動させた!
手のひらを高く、持ちあげたまま――ドゴガァァン!
肩と額が地に、叩きつけられる!
角のほとんど全部と、手首の人造筋肉サーボが破壊された。
眼前を流れる、各種エラー通知を切って――
ふぉふぉん♪
『ハードウェアID#44Ga3。悪鬼羅刹(仮)改めシガミー、再起動しました』
一瞬も途切れることなく、再起動する鎧武者。
「さすがに〝龍脈全部を使える〟となると、引っかかるところがまるでねぇ――ニャァ♪」
こいつぁ、迅雷よか高性能なんじゃねぇのかぁ♪
「オ言葉デすが、INTタレットとしテの私ノ演算能力ヲ100とシた場合、〝ハードウェアID#44Ga3シガミー〟ノ演算能力は30未満デす」
上機嫌なおれに、冷や水を浴びせる――おれの相棒。
おう、なんだか随分と久しぶりな気がするぜ?
「はイ、六日ぶりデす。オ帰りナさいシガミー。ゴ無事デ何ヨりです」
この鉄の形で無事って言えるのかは、わからんがぁ――
「ゴゥゴォォゴォォオオオォォオォオオォォオォオォォォォッ――――!!!!!!!!」
いけねぇ、話なんかしてる場合じゃなかったぜ!
ニゲルに刺された傷跡から――メキメキバキバキ!
出てこようとしてやがる!
「(手を貸せ、ミノタウロースだ! おれの胸部搬出口から、出てこようとしてる!)」
「本当に、シガミーなのぅ!?」
おれの手の中から、声がした。
「あア、おレだぜ! みんナのアイドル、シガミーさまノお戻りだぜぇ――――ニャァ♪」
せいぜい、愛想よくしておく。
心配かけちまった、だろうからなぁ。
§
「イオノファラーさま! 復旧はまだですの!?」
ここは、大女神像の間。
駆け込んできたのは、ガムラン代表受付嬢。
「まってー、今ぁやってるからぁー!」
浮かぶ球をちゃぶ台の上に転がし、そのうえに短い足で玉乗りする美の女神御神体。
超巨大な、超女神像の足の横。
ぷすぷすと煙を吐くのは、信楽焼の狸……ではなく猫形(?)のジュークボックス。
そのまえに置かれた、ちゃぶ台を囲んでいるのは――
鉄塊に背をあずける、小柄な男。
「こっちは修理、出来たぜぇ♪」
手には猫手や猫耳の部品。
「リオレイニアは、どうしてるんだい?」
緑色の豆のさやを、ぶちぶちとむしり取りながら、たずねるのは恰幅の良い女性。
「いま、ギルド長と一緒に、事態の把握に奔走していますわー」
受付嬢が、猫型の部品を受け取り――
ジュークボックスにへばりつく、王女殿下へ手渡した。
「ららぁーん! こうしてる間にもニゲルさまが、タターちゃんの色香にぃ――」
受け取った猫部品を抱え、へたり込む第一王位継承者。
「あの子に、そんなスキルは10年はやいですわよ。口じゃなくてぇ、手を動かしてぇくださいませ、ラ・プ・ト・ル・さ・ま?」
母親譲りの月光を湛えた瞳が、王女をニタリと見つめた。
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「リオレイニアさん、各地の被害状況は!?」
騒乱のガムラン町ギルド支部、第一作戦会議室。
入り口よこには『龍脈大震災緊急災害対策室』の看板が、掲げられている。
精悍な顔つきの男性が、鳥の仮面のメイドへたずねた。
「女神像経由での、第一報になりますが――死者推定235名、負傷者737名、行方不明者37,565名となります」
ソレは黒板に表示された数字。
その声には、悲痛な色がかすかに滲んでいる。
「お手伝いするニャン」
同じく黒板を持ち、駆け込んでくる猫耳の女性。
「お手伝いするコォン」
同じく黒板を持ち、駆け込んでくる狐耳の少年。
ガシャラララッ!
作戦テーブルへ投げ出されたソレを見て、目を丸くするメイド。
「ちょっと、アナタ達! これ、どこから持ってきたんですか!?」
彼女が顔を上げた先に、猫耳と狐耳は居なかった。
どたどたとした足音が、遠のいていく。
「どーしたのかね?」
精悍な顔つきの男性がたずねた。
腕章を見るなら彼が、この場の指揮を執るギルド長であるようだ。
「それが第ニ報、第三報と、時間経過とともに被害者数が――減っています」
困惑の仮面。
「減っている!? 増えたのではないのかね!?」
最新の第三報を手に取る、ギルド長。
その顔は、驚きを隠せない。
「はい。このままいくと、死者並びに負傷者数はゼロになる見込みです。行方不明者も続々と照会が行われて、減り続けています!」
作戦テーブルを操作し、被害状況詳細を表示するメイド。
「どういうことだ? まるで大陸中に、蘇生薬でも散布したみたいじゃないかっ!?」
混迷を極める、ガムラン町ギルド支部。
その長であるレムゾー・クェーサーは懐から、分厚い辞書のような魔法具をとりだした。
ページをパラパラとめくっていく――ぴたり!
『レイダ・クェーサー/最終照会日時1時間4分前』
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