滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

403:魔法使いシガミー、レイダが通う学校の下見につきあう

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「な、なんでこんなことになったんだっけ?」
 やい、ジンライ返事へんじをしろい!

 みじかくなっちまった独古杵ジンライを、振ってたたいて引っぱってみたが――
 ウンともスンとも言いやがらねぇ。
 ためしに神力棒モバイルバッテリーつないでも、なにも変わらなかったから――
 神力不足しんりょくぶそくおちいったわけじゃない。

 スタタタスッタァァン――――!
 切りたつような屋根やねうえを、金剛力パワーアシストなしではしる。
 ホシガミSPスキルポイント使用しようして習得しゅうとくした、別枠の・・・身体能力しんたいのうりょくが無かったら――
 本当ほんとうにやばかった。星神様々ほしがみさまさまだぜ。

 鉄梃かなてこたたくような――――キキンコカカカンコワワァン♪
 うるせぇ!
 あの警報サイレンが止まねぇかぎり、おれたちは・・・・・逃げ切れてねぇって証拠しょうこだ。

「あなたも央都おうとほこ初等しょとう魔導学院まどうがくいんへの、入学試験にゅうがくしけんを受けに来たの?」
 おれの耳元みみもとから、はかなげなこえが聞こえる。
「あーいや、おれ……わたしはレイダの……年上としうえわらし……友人ゆうじんの付き添いってやつだですわ」
 「ぼくぁぼくぁ」しゃべるニゲル語はマスターしたんだが、いかんせん覇気はきが無くて使つかう気がしねぇ。

「くすくすくす。あなたはそんなにカワイらしい見た目なのに、言葉ことばづかいがまるでなってないのね♪」
 仕方しかたがねぇだろうが、日のもとじゃお武家ぶけさまでも――
 しゃらあしゃらした言葉ことばなんぞ、滅多めった使つかわねぇ。

 ふぉん♪
『ヒント>諸説あります』
 やかましい。
 おれのかんがえや問いに返答へんとうする、一行文字ティッカーがでた。

 迅雷ジンライが居なくても画面表示モニタひょうじは、ちゃんと使つかえてるな。
 これは片耳に付けた耳栓ヘッドセットはっした赤光せっこうが、おれだけに・・・・・見せているものだ。

行儀ぎょうぎわるいって、しょっちゅう言われてらぁ!」
 「クスクス♪」とわらう揺れが、背中せなかからつたわる。
 からだおおきさは、おれとレイダのあいだくらいか。

 まるで非力ひりきで、魔法杖まほうつえすら一人てめえじゃ持てなさそうなコイツ・・・を――
 ほうり出すわけにもいかねぇから、背負せおってやっている。

「跳ぶぞ――おちるなよっと!」
 タタタァァン――――となりむねへ飛びうつる!
「きゃっ――!?」
 しかしコイツ……かるすぎて、めしをちゃんと食ってんのか心配しんぱいになるな。

 スタタタッタッ――――トトォォンッ!
 このまま屋根伝やねづたいに城下町じょうかまちまで下れりゃぁ・・・・・――雑踏ざっとうにまぎれ込める。

 キキンコカカカンコワワァン♪
 ちっ、追手おってだ!
 キキンコカカカンコワワァン♪
 其処彼処そこかしこから、やかましいぜ!

 おれたちがこんな屋根やねうえを、逃げているのには――
 当然とうぜんだがわけがある。

   §

 レイドむら復興ふっこう完全かんぜんにすんで、一ヶ月いっかげつが過ぎた。

 レイダが央都おうと学校がっこうの、下見したみだか試験しけんだかに行くって言うんで――
 護衛ごえい後学こうがくのために、付いてきたは良いが。
 レイダの学校がっこう用事ようじが済むまで、どうしたってひまで。
 まちをぶらついていたら、王女おうじょ工房こうぼう文様もんようとおなじはたを見つけた。
 それが、すべての発端ほったんだ。

 ちかくの屋根やねにのぼってみたら、はたが立つ尖塔せんとう城壁じょうへきを越えてすぐそばに建っていて――「飛びうつれそうじゃね?」
 なんてかる気持きもちで、のぼったのがいけなかった。

 ギュギャギュギギギギギッ――――――――!!
 まったく、しんぞうが止まるかとおもったぜ。
 かべ中腹ちゅうふく。目とくちとんがったヤツが湧いて出た。

 そう、王女おうじょの〝旧型きゅうがたゴーレム〟と、鉢合はちあわせしちまったのだ。
 ガッギュ――――ボッゴガァァァンッ!!!
 一匹目いっぴきめ迅雷ジンライで、たたき落としたまでは良かった。
 あとであやまるついでに、〝広角レンズめだま〟をつくって取りかえてやろうなんておもったそのとき――

「(シガミー、上空じょうくうから来)――――ッブツン!」
 ふぉふぉん♪
▼▼▼ピピピッ――――♪』

 むかえ撃とうとしたが迅雷ぼうは、すっかりみじかくなっちまってて――
 どうしたぁ、独古杵ジンライ!?
 仕方しかたねぇ、まずはうえからのてきむかえ撃つ。

 ヒュゴォォォォォッ――――――――!!!
 そいつ・・・一直線いっちょくせんに、真上まうえからおそってきた!

「なんっだ……ぜ!?」
 魔法杖まほうつえにしがみつき、落ちてきたのは子供こどもだった。
「ふにゃるりれぇ――――!?」
 しかも気絶きぜつしてやがったから――

 おれがこうして・・・・背負せおってやる羽目はめになり――
 魔術師まじゅつしどもに追われつづけて、いまいたる。

「おいおまえ、魔法杖つえがあるなら自分じぶんで飛べ!」
無理むり、ここに来たら使つかえなくなった」
使つかえねぇだぁ!? あ、それでおまえ――落ちてきたのか!?」
 こくりとうなず気配けはい

 鉄梃かなてこたたくような――――キキンコカカカンコワワァン♪
 うるせぇ!
 魔術師まじゅつし大人おとなたちが、先回さきまわりしやがった。

 大人おとなたちは魔法杖まほうつえではなく、はしごやなわつたってあがってくる
 魔法杖つえはやっぱり、使つかえねぇらしい。

「ふう、どーするかな? つかまったら、マズいことになるだろぅ?」
「うん、入学試験にゅうがくしけんを受けるまえに退学たいがくになっちゃうとおもう」
 そりゃ駄目だめだ。おれのせいでレイダが、マズいこと・・・・・になるかも知れねぇ。
 じゃぁ、どうする?

 魔法まほう迅雷ジンライ駄目だめなら小太刀こだち錫杖しゃくじょう、いや――
 斬りつけるわけにもいかねぇから、轟雷ゴウライで飛んで逃げるか。

 腕輪うでわをかざしかけ――「いや、絶対ぜったいおこられる!」
 あわてて引っ込めた。
 鉄鎧鬼あんなのを出したら、このあたりの建物たてもの瓦礫がれきと化す。
 それにおれだって、一発いっぱつでばれるだろうが!

「ぷふふふっ――さっきうえから、ゴーレムをこわしたのを見たよ。破壊不可能はかいふかのうなはずのものをこわしておいて……「おこられる」って、ぷふふふっ♪」
 わらってんじゃねぇやい。
 なーんかコイツ。どっかで会った気がしないでもねぇが、記憶きおくにはねぇ。

 三つまた建物たてものに跳びうつると――キキンコカカカンコワワァン♪
 行く手を、どちらも・・・・ふさがれた。
 うしろをふりかえると、やっぱり大人おとなが――キキンコカカカンコワワァン♪
 うるせぇ。なんなんだよ、そのおとわぁ!

「ちっ仕方しかたねぇ! したぁ噛むから、くちを閉じとけぇよぉぉぉぉう!」
 かるいから片手かたてでも背負せいえた。
 レイダだったら、無理むりだったかもしれん。

 全方位ぜんほうい全法位ぜんほうい
 両手りょうて使つかえねぇが、このままいく。
 片手かたてでも、いんむすべる。

ONおぉん……!?」
 ちぃっ――!?
 此岸しがんことわりも、彼岸ひがんことわりも――
 土地神とちがみの名も性格せいかくも、全部ぜんぶわかってるのに――
 やっぱり〝真言まんとら〟が発火しねえ・・・・・

 親指おやゆびくわえ、糸切いときり歯を突きたてる――ガリッ!
 自前の回廊・・・・・使つかえば、地獄ここでもじゅつ使つかえることは実証済じっしょうずみだ。

「いきはよいよいかえりはこわいってな」
 もう〝帰り・・〟の心配しんぱい無意味・・・だが、口上こうじょうってものはそうそう変えられん。

 すぅうぅー――あかく染まった親指ゆびで、もういちど空中ちゅう真円えがく。

 全方位ぜんほうい全法位ぜんほうい
 半径三丈はんけいさんじょうはムリでも、目くらましになりゃ良い!

ONおぉん
 ぎちり――――――――シュッボゥ!
 よし、発火しついた!

「っきゃぁぁぁぁぁ、な、なんてことしてるの!」
 すぐちかくでこえがした。
 ヴォウォォォォォォォンッ♪
 高魔力こうまりょくうなりも、聞こえる。

 いえはしらみたいに、頑丈がんじょうそうな魔法杖まほうつえ
 そのうえに立つ、給仕服・・・

「リオレイニアッ!?」
「レーニアおばさん!?」
 おれたちは、同時どうじさけんだ!

「みずのたま!」
 レーニアおばさん・・・・・・・・は――どっぱぁぁん!
 すべてが使つかえない、この場所ばしょで――
 みず生活魔法せいかつまほうを、軽々かるがるはなった。

 おれの片手おおっていたほのおが、消える。
 おれたちは、全身ぜんしんびしょ濡れになった。
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