滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

466:央都猪蟹屋プレオープン、深夜の部

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「まぁ、なんでも良いけどぉお、シガミーちゃぁぁん♪ 天狗てんぐ野郎やろうさまをいますぐ、呼・ん・でぇ・くれるのでしょぉ? クツクツクツクツケェーッタケタケタッ♪」
 檜舞台ぶたいうえうつし出された、『天狗対てんぐたいリカルルせん』を見つめる辺境伯夫人コントゥルふじん
 月影つきかげひとみに、無数むすうクローズドサーキットレーザーが散りばめられる!

今日きょうところ勘弁かんべんしてくれ。暗闇くらやみなかがけを降りたりのぼったりするのは、ほねが折れらぁな」
 そういや、天狗てんぐたちの棲み家ねじろけわしいのは――
 おいそれと、たずねねて行けねぇようにするためだった。

がけぇ!? なんでぇ、そんなところに――っていうかあの野郎やろうさまわぁ、たしかにいつもふか山奥やまおくに居たわねぇー。ちっ、夜襲やしゅうが掛けづらいですわ」
 何故なぜ危険きけん場所ばしょきょかまえるのかと言われれば――襲撃者しゅうげきしゃがいるから。
 はは、うってつけの良い、言い訳・・・出来できたぜ。

天狗テェーングさまとの立ち会いは、どうするのですか?」
 リオレイニアは、コントゥル家につかえる家系かけいだ。
 冒険者ぼうけんしゃパーティー『シガミー御一行様ごいっこうさま』にぞくしていても、目のまえの辺境伯へんきょうはく名代みょうだいがわに付くのは当然とうぜんだ。

「わかった。明日あしたにでも聞いてみるよ」
 レイダざいふたつに出来できたのは、ルリーロだけだ。
 約束やくそく約束やくそくだ。一応真面目いちおうまじめかんがえる。

「(どうおも迅雷ジンライ?)」
 ふぉん♪
『>私が天狗装束でリカルルと渡り合えたのは、
  新規作成した家宝〝『亥の目シリーズ一式【片喰・蹄】〟と、
  〝蹄のロッド【全属性・片喰】〟の性能に寄る所が大きいです』
 そうだな。そうかんがえると姫さんリカルル甲冑よつあしは、〝あぶねえ〟が過ぎるぜ。

 ふぉん♪
『>妖狐ルリーロ・イナリィ・コントゥルと尋常に立ち会った場合。
  激闘の末にふたたび神域惑星もしくは未知の惑星へ飛ばされるか、
  シガミーが滅モードを使用することになると思われます』
 そうだな。そうかんがえると奥方さまルリーロ魔法杖さんさいたばも、〝あぶねえ〟が過ぎるぜ。

「(辺境伯名代ルリーロさまにはもうわけねぇが天狗てんぐには、また用事ようじつくって引っ込んでてもらうしかねぇよなぁー)」
 烏天狗からすてんぐ装備修理そうびしゅうり仕事しごともあるし、しばらくのあいだ手元てもとに置いときてぇから――
「(わるいけど迅雷ジンライ明日あしたにでも天狗装束てんぐしょうぞく旅立たびだってくれ)」
 ふぉん♪
『>了解しました』

   §

「ららぁん♪ あおいですらぁん?」
 王女ラプトルがやってきた。
 なんでも「さきほど、工房こうぼう女神像宛めがみぞうあてにイオノファラーさまから、夜会やかいへのおさそいがありましたので――」
 夜会やかいだぁ?
 そんな大層たいそうなもんじゃねぇやい。

 どうりで、あたまうえからつまさきまで、きらびやかなわけだ。

「らっしゃい、王女おうじょさま! わりぃな、うちのかみさんが無理言むりいったみたいでよ、へへっ♪」
 せいぜい愛想あいそを良くしておく。
 なんせ、このままだと――明日納品分あしたのうひんぶん軍用ぐんよう全天球ぜんてんきゅうレンズを、つくってるひまがねぇからだ。

「「おうじょさま、こんばんわっ! すっごく、お綺麗きれいっ!」」
 子供たちがきどもが来た。
 はしるなあぶねぇ。

「うふふふふっ――そーでしょぉー?」
 自慢じまんげな少女しょうじょメイド・タター。

 彼女かのじょ所属しょぞくは、あくまでコントゥル家侍女隊けじじょたいである。
 猪蟹屋ししがにや従業員じゅうぎょういんでも、王女付おうじょつきの専属せんぞくメイドでもない。
 それでも、さまざま経緯けいい懇意こんいによって――
 普段ふだんからメイドをともなわない王女おうじょのお世話せわを、少女タターみずから買って出ているのだ。

 ヴォ――洞窟めし処どうくつパブかべに、おおきく表示ひょうじされる現在時刻げんざいじこくは『22:13』。

 タターは半分仕事はんぶんしごとだから、もうすこ王女おうじょに付かせて置いても良いが――
 レイダとビビビーは、そろそろ寝かしつけねぇと。

「ではそろそろ、ラストオーダーにしますか? わたくしだけでも、お料理りょうりまわせますけど、うふふ
 でかいなべ細腕ほそうでかついできたかやひめが、まったいらなちからこぶをみせつける。
 星神ほしがみのあのからだは、おれがあの世・・・から持ってかえってきた特別製とくべつせいだ。

 迅雷ジンライ金剛力パワーアシストがなくても、それ以上いじょうに飛びまわれるようになったいまのおれにはかなうまいが――
 並みの人間にんげんなら相手あいてにならんほどの、速さAGI強さSTR硬さDEFそなえている。
 体力的たいりょくてきには心配要しんぱいいらんが、全部任ぜんぶまかせちまえるほどは――
 信用しんようできないところもあるし、なによりもうわけない。
 一応いちおう、この土地とちつかさどかみだしな。

「「らすとオーガー?」」
本日ほんじつは、店じまい・・・・と言うことでーすー」
 リオレイニアがうしろから、子供たちがきども首根くびねっこを押さえた。

「良いじゃないっ、どーせ明日明後日あしたあさっては、学院がくいんもおやすみだし!」
「そーよ、そーよ! シガミーちゃんだけズルい!」
「おれは厨房ちゅうぼうはいらねぇと、いけねぇだろうが――!」

 がはっははははははははははっ――――♪
 うな大杯ジョッキ
 追加ついかあめさけにげさけつくれるだけつくっといたから、あさまでは持つだろうが――
 酒の肴つまみを出してやらんとならん。

「「じゃぁ、あと30ぷんだけっ!」」
 ちょうど天狗対てんぐたいリカルルせんの、再々さいさい映像えいぞうはじまったから――
「あれが、終わるくらいまでだからな?」
 王女おうじょも来たばかりだし、もうすこしだけ好きにさせてやることにする。

 あの新旧しんきゅうのコントゥル家家宝けかほうによる試し斬り勝負・・・・・・は、実際じっさい時間じかんは10ぷんにも満たない。
 けど、迅雷ジンライによる見世物みせものとしてのあおりと、くわしい解説かいせつなんかをまじえると――
 やく30ぷん映像えいぞうになるのだ。

「「ははーい♪ おうじょさま、こっちこっち!」」
 子供こどもたちが、王女おうじょを引っぱって――
 通称つうしょう黄緑席きみどりせきまで案内あんないする。

 おにぎりとてんぷらごうが、大人おとなしく食事しょくじをし――
 ときおり注文ちゅうもんかさなったときに、ちょっとだけ配膳はいぜん手伝てつだってくれる。
 そんなひがらかなんだか、せわしないんだかよくわからん――
 大人おとなたちの喧騒けんそうからすこはなれた、めし処みせすみっこ。

「まずは、デザートでも出してやるか――」
 いま時間じかんだと、夕飯ゆうめしは食っただろうし。
 厨房ちゅうぼうへの階段かいだんを降り――

王女おうじょさまっ! これ見てこれっ!」
 ごとん♪
 あ、レイダめ。
 いきなり、メインの・・・・酒の肴・・・を出しやがった!

「シガミーちゃんとレイダちゃんと迅雷ジンライが、つくったんだよ♪」
 あのあと何体なんたいつくらされた、レイダ材製ざいせい人形にんぎょう
 それをならべていく、ビビビーじょう

「かわいい、あおい! それにかたい?」
 ココココン?
「まってまって、いたいたぁい。ラプトルひめさま。これはあたくし、あたくしさまでしたぁー
 人形にんぎょうに混じる根菜いおのはらが、たのしそうにしてる。

 ふぉん♪
『>シガミー。そろそろ烏天狗が受けた、修繕仕事を始めないと』
 ああ、わかってる。
 明日あす朝一あさいちからレア武器ぶきを受け取りに、小隊長しょうたいちょうクラスの兵隊へいたいさんたちがみせに来るからな。
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