滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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4:龍撃の学院

520:ツツィア子爵領紀行、トリュフ橋への道

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「ふぅーぃ。全員居ぜんいんいるなぁー?」
 ここはトリュフ橋最寄ばしもよりの女神像めがみぞう
 央都おうと大女神像だいめがみぞうから、一瞬いっしゅんで飛んできた。
 ガムランちょうくらべたら、よっぽどちかくだからな。

「「「「「「「「「ははーぃ」」」」」」」――わよ」――プークス
 気の抜けた返事へんじが、かえってくる。

「にゃみゃぎゃー
「ひっひひぃぃぃん?」
全員無事ぜんいんブじ到着とうチゃくしまシ
 よし。

 転移料金てんいりょうきん大女神像だいめがみぞうの間まで見送みおくりにきた、ご令嬢リカルルが出してくれたのでとてもたすかった。
人数割にんずうわり〟と〝女神割めがみわり〟と〝星神割ほしがみわり〟とやらが利いたが、それでもそこそこの値段ねだんだったからなー。

「(シガミーとわたしとイオノファラー、そして茅野姫カヤノヒメだけなら、格安かくやす使つか方法ほうほうも無くはありませんが――)」
 そーなの?

「(この大人数おおにんずうでわぁ無理むりよねぇん。神域惑星しんいきわくせいから飛ぶぶんには、おかねは掛からないけどっさぁー)
 駄目だめなの?

「(残念ざんねんながら、段取だんどりりがわるかったですね。深夜しんやでしたら、まずわたくし先行せんこうして転移扉てんいとびら設置せっちしておくことも可能かのうでしたが、プークス)」
 そーいうことか、了解りょうかいした。

 猪蟹屋ししがにやとして使つかえるかねは無くは無いが、いま色々いろいろ支払しはらぶんが立て込んでいて――
 みぎからひだりへ飛んで行っちまうからな。

「(こりゃぁ、星神ほしがみさまをたしなめてばかりも居られん。一度いちどくれぇ、大商い・・・でもしねぇとな)」
 最悪あいさく変異種ナリアントを見つけるか、神々かみがみ世界せかいものつくって売るかしなきゃ、みせまわらん。

 ふぉん♪
『>シガミーというか天狗の個人資産としてなら、コントゥル領の年間予算の約10%もの額の収入の当てがあるのではありませんか?』
 ふぉん♪
『シガミー>はぁ? そんなもんが有ったらとっくに使ってらぁ!?』

 ふぉん♪
『マナ宝石【超特選】/
 非常に希少かつ巨大な、活力の塊。
 女神像を凌駕するほどの活力を、蓄えている。
 価格/31500000パケタ』
 飛び出したのは、ちいさな小窓がめん
 なんだよ、そいつのはなしか。
 ぬかよろこびを、させるんじゃねぇやい!

「(そいつぁ、もう使つかっちまっただろ。とてもかねなんかもらえねぇ」
 そもそも、ギルドをこわした原因げんいん半分はんぶんはおれだし――
 神域惑星しんいきわくせいとの行き来をするのに、猪蟹屋おれたち使つかってるもんだし。

 ふぉん♪
『>では、その他の在庫品の中から、何かレアアイテムを売却しますか?』

「(馬鹿野郎ばかやろう。ミノタウ素材そざい精算せいさんには、もうちょっと掛かりそうだしほかに売れるものなんてのこってねぇだろが! あずかってる魔法具まほうぐなんかは全部ぜんぶガラクタだしよぉ)」

 名代みょうだいからの一式装備いっしきそうび納品のうひんクエストの代金だいきん成功報酬せいこうほうしゅうと――
 装備修繕そうびしゅうぜんクエストの成功報酬せいこうほうしゅうわぁ――
 央都猪蟹屋おうとししがにや買うのに・・・・使つかっちまったし。

「ふぅぅぃ」
 いきを吐き女神像横めがみぞうよこの、くぼんだ通路つうろを見つめる。
 その行き止まりに転移陣てんいじんが、うっすらとえがかれていた。
 基本的きほんてきこれは来る物・・・・・・で、行く用には・・・・・出来できてない。

 行く用・・・出来できているのは――
 央都おうと大女神像・・・・と、ガムランちょう超女神像・・・・と――
 神域惑星しんいきわくせい御神体像・・・・三つだけ・・・・だ。
 それぞれに飛ぶための決まりや、こまかな条件じょうけんなんかもある。
 転移陣てんいじん自由じゆうに行き来は、まだ出来できそうも無い。

「じゃぁ、付いてきてくれー!」
 おれは先陣せんじんを切って、あるき出す。
 スッタスタタ♪
 おれと迅雷ジンライ
 根菜いおのはら茅野姫ほしがみ
 ドタタタタタッタ♪
 子供レイダ子供ビビビー
 メイドタター少年ゲイル

 ほそ通路つうろ数珠じゅずつなぎ。
 カツカツ、コツコツ、カツカツカツ♪
 顧問秘書マルチヴィル第四師団団長ミラカルカ、そしてフッカじょう

 ぽっきゅぽっきゅ、ぽっきゅらぽっきゅららっ♪
 おにぎりとてんぷらごう

 すこし混んでた、ギルド支部しぶ受付うけつけ
 顧問秘書マルチヴィルサキラテ家ご令嬢ビビビー冒険者カード・・・・・・を見せたら――
 口添くちぞえもなしで、そのまま関門ゲートとおり抜けられた。
「(人選じんせん間違まちがいは、無かったな)」

   §

 さてそとに出た。
 わいわいわいわい、がやがやがやがやがや♪
 それなりに活気かっきがある町並まちなみ。

 ここからさき轟雷ごうらいで、一息ひといきに飛んで……行けるかんじじゃねーな。
 秘書ひしょさんや師団長わらし制服ふくのおかげか、余所者扱よそものあつかいこそされねぇが。

「みゃにゃぎゃにゃぁーお
 おにぎりが動くと・・・町人ちょうにん冒険者ぼうけんしゃたちが――

「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うぎゃっ!? ねこ魔物まものぉっ――!?」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」
 寄せては引く、なみのようだぜ――

「「面白い♪」――ね♪」――わねん
「プークス
 言ってる場合ばあいじゃ無いだろ、おまえらぁ。

 総勢そうぜいめいと2ひき一個いっこ一本いっぽん
 頭数あたまかずとしちゃ12。
 子供ガキおおいから、どうしても目立めだつ。

「このままここに居るとサキラテ家ご令嬢れいじょうヴィヴィーちゃんへ、御目通おめどおりをしたいひとであふれかえる危険きけんがあります」
 秘書ひしょさんが、そうおどかすまでもなく――
 すっげー見られてるな。
 ひとまず、ここをはなれるぞ。

「とりあえず馬車ばしゃを出して、てんぷらごうに引いてもらおう」
「ひひひひひひっひひぃぃぃぃぃぃぃぃぃんっ?」
 あーもー、わかった。
 はしゃぐな、あぶねぇ。

 ヴッ――――ドズゥン、ギッチャ♪
 ギルド支部しぶ裏手うらてで、馬車ばしゃを出した。

 カチャカチャカチャララッ――――!
 馬車ばしゃから伸ばした、大小様々だいしょうさまざま機械腕プロダクトアーム
 そのはしくらに、つないでやる。

 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪
爪音おと間抜まぬけだが、並みのうまよかはえぇぜ!」
 御者ぎょしゃも無しにはし馬車ばしゃも、目立めだつから――
 おれが馬車ばしゃのまえにすわった。

 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪
 よーし、まちを出るぞぉー。
 馬車ばしゃまどから秘書ひしょさんが、身を乗り出すと――
 まち衛兵えいへいもん両端りょうはしに、避けてくれた。

 ヴォォゥン♪
 地図ちずによれば、まっすぐみちつづいている。

 ぽっきゅらぽきゅらららっ――――♪
 ほどなくして、分かれみちがあり――
 片方かたほうが『トリュフ橋』、反対側はんたいがわは『モップ渓谷』。

「とまれー!」
 ぎゅぎぎぎいぃぃぃいいいい♪
 モップ渓谷側けいこくがわから来た、一台いちだい馬車ばしゃと出くわした。
 パッカラパッカラパッカラッ――――ヒヒィィィン♪
 そうそう、ひづめおといななきってのは、こうじゃねーとなぁ。

 トリュフばしまでのみちは、かた岩場いわばつづいている。
 そして相当そうとうひらけているから――
 併走へいそうしても、ぶつかることはない。
 おれたちのよこうまに引かれた馬車ばしゃが……追い抜いていく。

「ひひひひひぃぃぃぃぃぃんっ?」
 ぽっきゅらら、ぽぽきゅらららら♪

「おい、がんばれてんぷらごう?」
 おれが御者ぎょしゃをしちゃ居るが、でかい子馬てんぷらごうには――
 おにぎりが乗ってるもんだから、まえはほとんど見えん。

「ひひひいぃぃぃぃん?」
 太短ふとみじかくび一生懸命いっしょうけんめいにひねり、つぶらなひとみで見つめてくる。
 どうした? そこまで振り向かんでも――
 おれの全天球ぜんてんきゅうレンズの目玉めだまなら、真後まうしろも見渡せる・・・・だろう?

 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅきゅららら♪
 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅきゅららら♪

「この丈夫じょうぶつくった馬車ばしゃが、おもいんじゃないの?」
 座席ざせきしたかかとで、ゴツゴツ蹴る子供レイダ

普通ふつう馬車ばしゃよりは、かるいはずだがなぁ――どうなってる迅雷ジンライ?」
てンプらゴうノマナ活性率かっせイりつが、いちじるしく低下てイかしてイま
「それって、どーいうことだぜ!?」
燃料切ねンりょうぎれ……空腹くうフくなのかモ、知れマせ
 なんだと!?

「……なんか、お腹空なかすかなぁい
 そういやぁ、そろそろ昼飯時ひるめしどきではあるな。
 けど央都おうと子馬こうまにも根菜こんさいにも、饅頭まんじゅうを食わせたばかりだぞ?
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