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4:龍撃の学院
568:龍撃の終結、タターザドラゴンスレイヤー
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「蛸足みたいな巨木だけが枯れて、消えちまったぞ!?――ニャァ♪」
どうなってるっ!?
この辺一帯丸ごと草一本すら生えない、荒れ地にしちまうはずだろー!?
「ばかわね。一体何のためにあたくしさまが手ずから、除草弾を作ったと思ってたわのよ?」
ぐりぐりとおれの鼻に紙製の張り扇を、突き刺す丸茸御神体。
ふぉん♪
『イオノ>人工アミノ酸による形質導入で、活力を阻害しますた♪』
活力を阻害って所しか、わからん。
「なるホど。ネネルド村ニ生エた巨木ノ細胞。そノ形質にノみ作用スる、除草剤ヲ作成したノですね」
わからん。わからんって言い過ぎてもう、〝わからん〟がわからん。
「そういうことわよ。ただし向こう千年くらい、このエリアでは巨木を生やそうったって生えなくなったけどねぇん♪ えへん♪」
反り返り威張る、茸の魔物のような。
巨木・木龍を倒したのは、悪い顔の弾丸で。
どうやら神々の知恵の、しかも五百乃大角が修めた技のお陰らしい。
「それならそうと言っておけやぁ! 危うくおっ死んじまう所じゃんかっ!――ニャァ♪」
おれは怒った。
「プププー、面白い顔ー♪」
ぐりぐりぐりぐり――おれは張り扇を、がぶりっ!
歯で受け止め――もぐもぐもぐもぐ。
「こらぁー、折角作ったのに!」
惡神の気が出たときは、こうして叱ってやらんとな。
例え神でも、こいつさまは子供だ。
「それ……ひょっとして、お・い・し・い・の?」
そんなわけあるか――ぺっと紙玉を吐き出したら――どろん♪
五百乃大角がどこかへ、逃げやがった。
「ったくよぉ――ニャァ♪」
砦の中庭。膝をつかせた鉄鎧を、仕舞おうとしたら――
「シガミー、あのさ? これさぁ――」
鉄鎧を見上げた青年がぐねぐねと、体をくねらせてやがる。
「どぅしたぁ?――ニャァ♪」
前から轟雷を〝炉端麩羅面〟と呼んで、執心していたが。
「僕が着ることも、出来るのかい?」
視線は釘付け、こっちを見もしない。
「出来るが、シシガニャンを着てるのと、そう変わらんぞ?――温泉入浴八町分ニャァ♪」
ぷぴぽぽーん♪
ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪
ひらく兜頭。
パシャキュゥーイ♪
金糸の髪。光り輝く、艶やかな肌。
つまり〝皆のアイドル、シガミーさま〟が転び出た。
意味は〝大層かわいらしい〟ってことらしい。
中身はともかく外見が良いのは、おれにもわかる。
戦うにゃ貧相で不便だが、中身を知らん奴が見れば――
「聖女さま」と拝まれるくらいには、我ながら見目が良い。
美の女神を自称する奴が、「二度と作れないくらいに、素敵に出来た」。
そう豪語するだけのことは、有るのだ。
「着たい、着てみたい! ロボットプラモに乗るどころか、そのものになるようなもんだろぉ♪」
やっぱり、こっちを見てない。
どうせ、お前さんの目には、姫さんと鉄鎧しか映らないんだろうさ。
「別に構わんが、踏んで物を壊したり怪我をさせたりしないよう、気をつけてくれよ?」
ふぉん♪
『>では危なくないよう、私が付いて見ていましょう』
脱いだばかりの極所作業用汎用強化服シシガニャン10号改を、すぽんと仕舞い――
ヴッ――ぽきゅりと取り出される、強化服2号。
「デはニゲル。着用方法かラレクチャーしマしょう♪』
ヴォヴォヴォゥゥン♪
「あざーす、おねがぃしゃぁーす。迅雷教官♪」
くるくると舞う、どこか楽しげな棒に――
お辞儀する、日の本生まれの青年ニゲル。
まぁ、仲良くやってくれ。
おれぁ疲れたから、体を休めてぇ。
§
「ごめんなさいっーギガミィーぢゃぁぁん♪」
汚ねぇなぁ、鼻を垂らすな。
おれが拭いてやる――だれがギガミーだ。
「ぐずん」と泣くメイドの、頭の上には――
「許してあげなさいわよ♪」と頭飾りにしがみ付く――丸茸め。
「怒っちゃいねぇ。おかげで皆、無事だぜ♪」
見事に建国の戦いを、制したんだ。胸を張れや。
これで無事、王家の面目も保てるんだろ?
ふぉん♪
『イオノ>そういう手はずに、なってる筈わよ?』
「まぁまぁ。流石に放った後で、無かったことには出来ないんだから――」
少女を抱え、中腰の鬼の娘。
彼女の自前の金剛力は、凄まじい。
5分も掛からず、砦まで走って来やがったからな。
お陰でおれぁ、体を休める暇すらなかったぞ。
「発射後のキャンセルは、可能ニャフーン♪」
遊撃一個分隊を眺めていた顧問氏が、開いた手を――
もう片方の手で閉じる、仕草をした。
「出来るのかぁ!?」
撃ち放った火縄の弾を、無かったことにするだとぉ!?
そりゃ、そんな生半可な話じゃねぇだろが?
「――もっとも3秒ルールが適応されるから、ガムランからの距離だと、せいぜいが、弾道を変えたり、弾体のベクトルをクローン――ヤサイニンニクマシマシ――車高制限――ドライブベイ変換マウンタ――ニャァ♪――」
子供らが、お猫さまの言うことを、よーく聞いている。
「シガミー。タターを許してあげてください」
メイド蜂女がしおらしく、メイド少女の手を握る。
まだべそをかくタターからは、レベルアップの鐘の音が鳴り響いている。
うるせぇが、功労者を称える鐘だ――チーン♪
「元から怒ってねぇ、気にするな。そんなことより、喜べ! 〝龍殺し〟なんて箔が付くスキルが発現してるぞ?」
おれはレベルアップしていく彼女の、鑑定をした。
「「「「「「〝龍殺し〟!?」」」」」」
「初代建国の王が持っていたと噂される、あのスキルをですかっ!?」
ガワラランッ――――驚きのあまり、大盾を落とす黒騎士。
「龍殺しは女性としては、決して喜ぶべきスキルではありませんよ――それとシガミー?」
そうかぁ? リカルルなら、大喜びしそうだがなぁ――
「何でぇ?」
「淑女に対する上級鑑定は、最大最悪のマナー違反だと……教えた筈ですが?」
蜂が震え、おれは大生活魔法を頭上に落とされた。
どうなってるっ!?
この辺一帯丸ごと草一本すら生えない、荒れ地にしちまうはずだろー!?
「ばかわね。一体何のためにあたくしさまが手ずから、除草弾を作ったと思ってたわのよ?」
ぐりぐりとおれの鼻に紙製の張り扇を、突き刺す丸茸御神体。
ふぉん♪
『イオノ>人工アミノ酸による形質導入で、活力を阻害しますた♪』
活力を阻害って所しか、わからん。
「なるホど。ネネルド村ニ生エた巨木ノ細胞。そノ形質にノみ作用スる、除草剤ヲ作成したノですね」
わからん。わからんって言い過ぎてもう、〝わからん〟がわからん。
「そういうことわよ。ただし向こう千年くらい、このエリアでは巨木を生やそうったって生えなくなったけどねぇん♪ えへん♪」
反り返り威張る、茸の魔物のような。
巨木・木龍を倒したのは、悪い顔の弾丸で。
どうやら神々の知恵の、しかも五百乃大角が修めた技のお陰らしい。
「それならそうと言っておけやぁ! 危うくおっ死んじまう所じゃんかっ!――ニャァ♪」
おれは怒った。
「プププー、面白い顔ー♪」
ぐりぐりぐりぐり――おれは張り扇を、がぶりっ!
歯で受け止め――もぐもぐもぐもぐ。
「こらぁー、折角作ったのに!」
惡神の気が出たときは、こうして叱ってやらんとな。
例え神でも、こいつさまは子供だ。
「それ……ひょっとして、お・い・し・い・の?」
そんなわけあるか――ぺっと紙玉を吐き出したら――どろん♪
五百乃大角がどこかへ、逃げやがった。
「ったくよぉ――ニャァ♪」
砦の中庭。膝をつかせた鉄鎧を、仕舞おうとしたら――
「シガミー、あのさ? これさぁ――」
鉄鎧を見上げた青年がぐねぐねと、体をくねらせてやがる。
「どぅしたぁ?――ニャァ♪」
前から轟雷を〝炉端麩羅面〟と呼んで、執心していたが。
「僕が着ることも、出来るのかい?」
視線は釘付け、こっちを見もしない。
「出来るが、シシガニャンを着てるのと、そう変わらんぞ?――温泉入浴八町分ニャァ♪」
ぷぴぽぽーん♪
ぷっしゅしゅしゅぅぅぅぅっ――――ごっぱぁ♪
ひらく兜頭。
パシャキュゥーイ♪
金糸の髪。光り輝く、艶やかな肌。
つまり〝皆のアイドル、シガミーさま〟が転び出た。
意味は〝大層かわいらしい〟ってことらしい。
中身はともかく外見が良いのは、おれにもわかる。
戦うにゃ貧相で不便だが、中身を知らん奴が見れば――
「聖女さま」と拝まれるくらいには、我ながら見目が良い。
美の女神を自称する奴が、「二度と作れないくらいに、素敵に出来た」。
そう豪語するだけのことは、有るのだ。
「着たい、着てみたい! ロボットプラモに乗るどころか、そのものになるようなもんだろぉ♪」
やっぱり、こっちを見てない。
どうせ、お前さんの目には、姫さんと鉄鎧しか映らないんだろうさ。
「別に構わんが、踏んで物を壊したり怪我をさせたりしないよう、気をつけてくれよ?」
ふぉん♪
『>では危なくないよう、私が付いて見ていましょう』
脱いだばかりの極所作業用汎用強化服シシガニャン10号改を、すぽんと仕舞い――
ヴッ――ぽきゅりと取り出される、強化服2号。
「デはニゲル。着用方法かラレクチャーしマしょう♪』
ヴォヴォヴォゥゥン♪
「あざーす、おねがぃしゃぁーす。迅雷教官♪」
くるくると舞う、どこか楽しげな棒に――
お辞儀する、日の本生まれの青年ニゲル。
まぁ、仲良くやってくれ。
おれぁ疲れたから、体を休めてぇ。
§
「ごめんなさいっーギガミィーぢゃぁぁん♪」
汚ねぇなぁ、鼻を垂らすな。
おれが拭いてやる――だれがギガミーだ。
「ぐずん」と泣くメイドの、頭の上には――
「許してあげなさいわよ♪」と頭飾りにしがみ付く――丸茸め。
「怒っちゃいねぇ。おかげで皆、無事だぜ♪」
見事に建国の戦いを、制したんだ。胸を張れや。
これで無事、王家の面目も保てるんだろ?
ふぉん♪
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「まぁまぁ。流石に放った後で、無かったことには出来ないんだから――」
少女を抱え、中腰の鬼の娘。
彼女の自前の金剛力は、凄まじい。
5分も掛からず、砦まで走って来やがったからな。
お陰でおれぁ、体を休める暇すらなかったぞ。
「発射後のキャンセルは、可能ニャフーン♪」
遊撃一個分隊を眺めていた顧問氏が、開いた手を――
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「出来るのかぁ!?」
撃ち放った火縄の弾を、無かったことにするだとぉ!?
そりゃ、そんな生半可な話じゃねぇだろが?
「――もっとも3秒ルールが適応されるから、ガムランからの距離だと、せいぜいが、弾道を変えたり、弾体のベクトルをクローン――ヤサイニンニクマシマシ――車高制限――ドライブベイ変換マウンタ――ニャァ♪――」
子供らが、お猫さまの言うことを、よーく聞いている。
「シガミー。タターを許してあげてください」
メイド蜂女がしおらしく、メイド少女の手を握る。
まだべそをかくタターからは、レベルアップの鐘の音が鳴り響いている。
うるせぇが、功労者を称える鐘だ――チーン♪
「元から怒ってねぇ、気にするな。そんなことより、喜べ! 〝龍殺し〟なんて箔が付くスキルが発現してるぞ?」
おれはレベルアップしていく彼女の、鑑定をした。
「「「「「「〝龍殺し〟!?」」」」」」
「初代建国の王が持っていたと噂される、あのスキルをですかっ!?」
ガワラランッ――――驚きのあまり、大盾を落とす黒騎士。
「龍殺しは女性としては、決して喜ぶべきスキルではありませんよ――それとシガミー?」
そうかぁ? リカルルなら、大喜びしそうだがなぁ――
「何でぇ?」
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