滅せよ！ ジリ貧クエスト～悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番（金髪幼女）に!?～

５：大森林観測村ＶＳガムラン町

５９０：大森林観測所への道、悪逆令嬢ＶＳニセ・シシガニャン（阿鼻叫喚）

　ボゴッツ、ザッギィン――――ボフッ、ズザザザザァァッ！
　狂くるったシシガニャンたちは、生徒せいとの形かたちの武器ぶきを振り回まわし――
　その数かずを減らしていく。

　偽にせ特撃型改シシガニャンたちは本物ほんものと違ちがって、相当そうとうに脆もろい。
　ズドン――ビビビーの頭あたまが、偽『ｇ』番はちばんを切り裂く！

「（妖術ようじゅつやまやかし、狐付きの類い・・・・・・じゃねぇんだな？）」
　山道やまみちの脇わきに生えていた下草したくさや藪やぶが、すっかり刈られた。
　静しずかに走はしり回まわる、特撃型とくげきがたたち。
　幸さいわいい、木の上うえに隠かくれた、おれには気づいてねぇ。

「（実像じつぞうは光学並こうがくならび電磁気的でんじきてきに、捕捉ほそくできています。シガミーの脳波のうはにも異常いじょうはありません・）」
　偽にせもんだろうが、躱かわして叩たたいて凌しのがねぇと、殺ころされちまう。
　お前まえらぁ、静しずかにしとけよ？
　よほど恐おそろしいのか、五百乃大角いおのはらがおとなしくて助たすか――「（なんまんだぶなんまんだぶなん・――）」
　ばかやろう。お前はこの現の神さんだろうが!?
　阿弥陀如来あみだにょらいに縋すがってどうする！

「ポポポォオーーーーン♪　乙種セカンドクラス物理検索フィジカルサーチ終了しゅうりょう。異常値いじょうちは検出けんしゅつされませんでした。論理封鎖態勢ロジカルブロッケードは解除かいじょ。繰りかえします、乙種セカンドクラス物理検索フィジカルサーチ終了しゅうりょう。異常値いじょうちは検けん――ブツッ」
　うるせえ！

　ぐりりりりりん！
　まだ１０匹ぴきは残のこる偽にせどもが、一斉いっせいにこっちを見上みあげた！

　見つかった――――ゴガガガガガガガッギャリリリッ、バギバキバギッ！
　倒たおされる木。おれは地面じめんを転ころがり、横よこっ飛び。

「フフッ、今度こんどこそ追い詰めましたっわ、宮廷魔導師きゅうていまどうし！　年貢米ねんぐまいの納おさめ時どきでしてよっ！」
　ぼぼぼごぉぅわっ――――――――ばがぁん！

　ちっ、例れいのリカルル似・・・・・が、すぐ近ちかくの草くさむらで声こえを荒あらげてやがるぜ！
　鮮あざやかな爆煙ばくえんがヒュルヒュルと伸び、数匹すうひきのシシガニャンを粉砕ふんさいした。
　打ち壊こわされた猫の魔物風シシガニャンや一年Ａ組の生徒風てにしたぶきは、弾はじかれた場所ばしょからざざざあと――
　砂すなになって崩くずれていく。

　おれは反対側はんたいがわの端はしへ姿すがたを現あらわし又また、木の上うえへと身を隠かくした。
　阿鼻叫喚あびきょうかんの地獄絵図じごくえずに、身震みぶるいしかでねぇ。
　超怖ちょうこえぇ！　これが全部ぜんぶあの、ご令嬢れいじょうの仕業しわざなのかっ!?
　おおよそ、人ひとの所業しょぎょうたぁ思おもえぬ。
　そんな相手あいてと交渉事こうしょうごとなんざ――おれの説法せっぽうでも、通つうじるかわからんぞ？

　ふぉん♪
『＞あの声が偽物でないとしたならば、〝悪逆令嬢ロットリンデ〟も我々と同様。この偽山道に翻弄されているように思われ』
　そうか。手前てめぇで仕掛しかけた罠わなに、自みずから飛び込む奴やつぁ――
　見てる分ぶんには、ちと面白おもしろくはあるがなぁ。

　ふぉん♪
『＞そういえばシガミー。年貢とは米で支払われるものですか？』
　なんだぜ藪やぶから棒ぼうに。そんなのは当たり前だろう・・・・・・・が？
　ふぉん♪
『＞トッカータ大陸は地球、シガミーが死んだ後の日の本を参考にしてデザインされました。よって税を年貢と呼ぶことはあるかもしれませんが、米という作物は神域惑星でしか発見されていませんので』
　と、いうことわぁ？

　ふぉん♪
『＞女将さんの知人は、日の本出身者である可能性が高いです』
　ふぉん♪
『シガミー＞なんだとお!?』
　おれじゃ太刀打たちうち出来できねぇ話はなしだぜ。
　根菜こんさいさまぁ、出てきやがれっ！

「えぇーい、何なんですのこのぉ、顔かおの無い着ぐるみ・・・・わぁ！　宮廷魔術師きゅうていまどうしをお出しなさいなっ！」
　正面しょうめんの山道やまみちから、一面いちめんを覆おおい尽くす爆煙ばくえんが吹き荒れ――
　偽にせシシガニャンたちは全すべて、砂すなと化し一掃いっそうされた。

　ふぉん♪
『シガミー＞五百乃大角さま、大事だぜ。出合えや！』
　画面モニタの中なかに、五百乃大角いおのはらアイコンが居ねぇぞぉ!?
　マジ・・で何処行どこいきやがった!?