滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

文字の大きさ
605 / 744
5:大森林観測村VSガムラン町

605:大森林探索行、分散型と火遁とドリル・ア・ホール・パイルドライバー

しおりを挟む
ってぇ!」
 かおを押さえて、ころがるおれ。

「まったくなにを、しているのですか!?」
 リオレイニアが駆け寄り――くるしむおれのひたいを、ねらい澄まし――
 ぺしぃーんと、ひっぱたいて来やがった!

ってぇ――!!」
 なんてことしやがるっ!?
「シガミーもおんなの子なのだから、自分じぶんからだ大事だいじあつかってください。でないと――」
 すっと持ち上げられる、平手ひらて

「わ、わかったよ! けどはや写し取らねぇと・・・・・・・――迅雷ジンライ寄越よこした地図ちずが、消えちまうんだよ!」
「あら? ソレは大変たいへん?」
 リオがひろい上げた黒板くろいたを見たが、なにうつし取れてなかった!

「あぁ、消えちまったぜ!?」
 あの一瞬いっしゅんじゃ、おぼえられるわけもなく。
大丈夫だいじょうぶですわ、シガミーさん♪ プププークスクス
 特撃型改シシガニャンに揺られる茅野姫ひしがみが、強化服特撃型改シシガニャンどもを引き連れてやってきた。

特撃型改シシガニャンみなさま、こちらへおあつまりください。ヴィヴィエラさんも、こちらへお越しください。わたくしがお待ちです
 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 またぞろぞろと、やかましいやつららを引き連れやがって。

「えー、なぁにぃー? あっち、みんながあつまってるところに行って!」
 ぽきゅぽきゅむ♪
 ビビビーも特撃型改とくげきがたかいあやつり、寄ってきた。
 いまシシガニャンに乗ってるのは、この二人ふたりだけだ。
 それぞれ8ぴきずつの特撃型改とくげきがたかいを、背中せなかに張り付かせていた。

 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 ぽきゅぽきゅぽきゅきゅむ♪
 ぎゅみゅぎゅぎゅみゅむゅ――――♪
 出したかずと合わねぇから何匹なんびきかは、どこかそのへん落として・・・・来たんだろうが――

 星神ほしがみは、ぽきゅぽきゅうるせぇ連中れんちゅうを――ほぼ全員ぜんいん、かきあつめた。
 すると――ヴュザザザッ♪
「あっ!? また、出やがったぞ!」
 また、さっきの地図ちずが、うつし出される。

「やはり、そうですわね。女神像めがみぞうネットワーク接続せつぞくしょうじた不具合ふぐあいが、一部解消いちぶかいしょうされています。クスクス
 ふぉん♪
『ホシガミー>イオノファラーさんが居る以上、通常なら機能が限定されることはあっても接続が切れることはありませんが』
 ふぉん♪
『シガミー>現に切れちまってるじゃねーか?』
 いや、さっきの偽の道・・・魔法具箱まほぷぐばこ閉じ込められた・・・・・・・のが、原因げんいんかも知れん。

 ふぉん♪
『ホシガミー>恐らくですが、その不具合を〝分散型シシガニャン〟によって、ごく一部だけ緩和出来るようです』
 わからんが――此奴こいつらがひしめき合ってりゃ・・・・・・・・・迅雷ジンライがこうして――
 地図ちずを寄こせるくらいには、うごくってわけだな?

 ふぉん♪
『ホシガミー>坊主驚異の理解力、というわけですわね?』
 ふぉん♪
『シガミー>喧しいやい』

「クスクス。こちらでスクリーンショットを撮影さつえいしました。みなさまにも見ていただきましょう
 ヴォォォォオゥゥン♪
 切りかぶなかかべは――綺麗きれいけずられていて――
 地図ちずを、はっきりとうつし出した。

「ぎゃぁっ――――きゅ、宮廷魔導師きゅうていまどうし!?」
 外に映した・・・・・地図ちずおどろいた〝悪逆令嬢ミスロット〟が、立ち上がった!
 ボボボボッ!
 ゆびあいだから、ちいさな爆煙ばくえんを立ちのぼらせ――

「こらっ、むらなか攻撃魔法こうげきまほうは禁止きんしでぇーすぅよぉー!」
 商会長しょうかいちょう大申女ミスロットはたき込み、自分じぶんまたはさんだ。
 そして飛ぶ、絢爛豪華ボバボーンからだ――――どっがぁぁぁん!

 自分じぶんしりゆかに打ち付け、御簾路頭・厘手ミスロット・リンデあたまを――壇上だんじょうに突き刺した!

「ふにゃらぁ、ばたん♪」
 さかしまに立つ彼女リンデ姿すがたは、立ちのぼ爆煙けむりのようで――

「か、かたい木の壇上ゆかで――ぱ、パイルドライバー!?」
 ニゲルがわめいて、蘇生薬エリクサーを取り出した。

「あらロットリンデちゃんとおなじふうに、この技を呼ぶ・・・・・・ひとには、はじめてお会いしましたわ?」
 商会長しょうかいちょう興味きょうみを持たれたニゲルが、じりじりと距離まあいを取る。

「いつものことだから、蘇生薬エリクサーは要らないさね――ほら、お起き!」
 ぺしんとしりはたかれた、立ち上る爆煙ミスロットリンデが――
 ぼごごごむんっ――――けむりと化した。

「おれがやられた、火遁かとんじゅつか!?」
 けむりかぜながれ――そっくりおな姿形かたちの。
 さかしまおんなが、パタリとたおれた。

「ふぅー、かあさんの魔導まどうアーツは……まるでおとろえてないさね」
 かたをすくめた女将おかみさんが、ご令嬢ミスロット亡骸なきがた小脇こわきかつぐ。

「いつものことだから、心配しんぱいいらないよ」
 ジューク村長そんちょうが言うとおりに、女将おかみさんにかつがれたやつが――
「ふにゃぁー、い゛だい゛でーすーわぁー」
 生きてやがったか、あたまを押さえてやがる。

 火遁かとんなかには目くらましだけじゃなく、てき城攻しろぜめにあらがうような――
 轟雷おれ使つかった、〝爆発ばくはつたて使つかう、やりかちゃ〟がある。

「しゃっきりおし、吸血鬼きゅうけつきが聞いてあきれるよ!」
 また、ぺしんとしりはたかれる。
「ぎゃに゛ゃぁー!」
 うしろたまはたいたときの、おにぎりみたいなこえを出して――
 そとに運ばれていく。

「この地図ちずがあれば迷子まいごの、うちの子をさがしに行けるよ!」
 村長そんちょうが、そんなことを言う。

「なるほど、迷子まいご……事情じじょうさっしましたが。土地とち人間にんげんでしたら、周辺しゅうへん地理ちりくらいは把握はあくしているのでは?」
 リオレイニアが、村長ジュークへ問う。

「このさき大森林だいしんりんは、ちょっと一筋縄ひとすじなわではいかないというか……地図ちずつくれるような場所ばしょじゃないって言――場所ばしょではないんじゃよ、ふぉっふぉっふぉぉ♪」
 村長言葉そんちょうことばを、わすれてたな。

「なるほど? けどシガミー、この地図ちず所々ところどころ、抜けていますが?」
 リオレイニアが、空白すきまになっている部分ところゆびさした。
「おれに聞かれてもこまるぜ。茅野姫カヤノヒメ、どーなってんだぜ?」

「それは分かりかねますが村長そんちょうさんのおっしゃった、〝地図作ちずづくりがむずしいこと〟と関係かんけいがあるのでは
 村長そんちょうを見つめる、星神茅野姫ほしがみカヤノヒメ

「ハハハッハッ?」
 なんだぜ、きゅうにおっさんがわらいやがったぞ。

「こんどこそ、おれっちの出番でばんかと、ぞんじましたががが? むふぅん?」
 おっさんの目のいろが変わり――
 群れる特撃型改シシガニャン颯爽さっそうと、かかえられる。

「いざ行かん! 大森林だいしんりんなどー、おそるるに足りませんぞぉー!」
 駆けだしていく特撃型改シシガニャン――ぽっきゅぽっきゅぽきゅきゅむ♪
 たぶん演算単位えんざんたんいとやらが、切れたんだろう。

 おっさんをかかえた特撃型改とくげきがた18ばんが――――ぽぎゅごろろろろっ♪
 騒々そうぞうしいおとを立てて、盛大せいだいに素っころんだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

『悪魔クロとやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は秘密の力で人間の頂点を狙う』

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

俺、何しに異世界に来たんだっけ?

右足の指
ファンタジー
「目的?チートスキル?…なんだっけ。」 主人公は、転生の儀に見事に失敗し、爆散した。 気づいた時には見知らぬ部屋、見知らぬ空間。その中で佇む、美しい自称女神の女の子…。 「あなたに、お願いがあります。どうか…」 そして体は宙に浮き、見知らぬ方陣へと消え去っていく…かに思えたその瞬間、空間内をとてつもない警報音が鳴り響く。周りにいた羽の生えた天使さんが騒ぎたて、なんだかポカーンとしている自称女神、その中で突然と身体がグチャグチャになりながらゆっくり方陣に吸い込まれていく主人公…そして女神は確信し、呟いた。 「やべ…失敗した。」 女神から託された壮大な目的、授けられたチートスキルの数々…その全てを忘れた主人公の壮大な冒険(?)が今始まる…!

50歳元艦長、スキル【酒保】と指揮能力で異世界を生き抜く。残り物の狂犬と天然エルフを拾ったら、現代物資と戦術で最強部隊ができあがりました

月神世一
ファンタジー
​「命を捨てて勝つな。生きて勝て」 50歳の元イージス艦長が、ブラックコーヒーと海軍カレー、そして『指揮能力』で異世界を席巻する! ​海上自衛隊の艦長だった坂上真一(50歳)は、ある日突然、剣と魔法の異世界へ転移してしまう。 再就職先を求めて人材ギルドへ向かうも、受付嬢に言われた言葉は―― 「50歳ですか? シルバー求人はやってないんですよね」 ​途方に暮れる坂上の前にいたのは、誰からも見放された二人の問題児。 子供の泣き声を聞くと殺戮マシーンと化す「狂犬」龍魔呂。 規格外の魔力を持つが、方向音痴で市場を破壊する「天然」エルフのルナ。 ​「やれやれ。手のかかる部下を持ったもんだ」 ​坂上は彼らを拾い、ユニークスキル【酒保(PX)】を発動する。 呼び出すのは、自衛隊の補給物資。 高品質な食料、衛生用品、そして戦場の士気を高めるコーヒーと甘味。 ​魔法は使えない。だが、現代の戦術と無限の補給があれば負けはない。 これは、熟練の指揮官が「残り物」たちを最強の部隊へと育て上げ、美味しいご飯を食べるだけの、大人の冒険譚。

クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました

髙橋ルイ
ファンタジー
「クラス全員で転移したけど俺のステータスは使役スキルが異常で出会った人全員を使役してしまいました」 気がつけば、クラスごと異世界に転移していた――。 しかし俺のステータスは“雑魚”と判定され、クラスメイトからは置き去りにされる。 「どうせ役立たずだろ」と笑われ、迫害され、孤独になった俺。 だが……一人きりになったとき、俺は気づく。 唯一与えられた“使役スキル”が 異常すぎる力 を秘めていることに。 出会った人間も、魔物も、精霊すら――すべて俺の配下になってしまう。 雑魚と蔑まれたはずの俺は、気づけば誰よりも強大な軍勢を率いる存在へ。 これは、クラスで孤立していた少年が「異常な使役スキル」で異世界を歩む物語。 裏切ったクラスメイトを見返すのか、それとも新たな仲間とスローライフを選ぶのか―― 運命を決めるのは、すべて“使役”の先にある。 毎朝7時更新中です。⭐お気に入りで応援いただけると励みになります! 期間限定で10時と17時と21時も投稿予定 ※表紙のイラストはAIによるイメージです

【完結】剣の世界に憧れて上京した村人だけど兵士にも冒険者にもなれませんでした。

もる
ファンタジー
 剣を扱う職に就こうと田舎から出て来た14歳の少年ユカタは兵役に志願するも断られ、冒険者になろうとするも、15歳の成人になるまでとお預けを食らってしまう。路頭に迷うユカタは生きる為に知恵を絞る。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...