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5:大森林観測村VSガムラン町
621:大森林探索行、戦術級強化鎧鬼殻ゴウライおちる
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ズズズズズッシィィィィィィインッツ――――――――jlkdfsごふy`$%&IFkl屋下jgf義g尾――――!?!?
魔法具建物の端が、音も無く踏み抜かれた!
各種の複合データが、地響きで埋まり――
(ノイズスペクトラムによる、空間電解像消失。全方位アクティブ電磁シールド機能停止。2秒後にシャットダウン。さようなら、シガ)
キュゥゥウゥゥゥッ――――ブッツンッ!
「あっ!? 画面が――――!」
またおれの耳に、おれの声が――聞こえなくなった。
ふぉん♪
『緊急時戦術プロトコル>戦術級強化鎧鬼殻〝轟雷〟は』
最後に何か出たが――すぐ消えた!
(ガッキュ、プススン♪)
軽い振動のあと――轟雷を脱ぐときの鉄鎧の重さが、のし掛かってくる!
(ガチリ――ギュギュギュギュッ――!)
〝万が一、轟雷が止まっちまったときにやれ〟と、迅雷が言っていたことを必死に思い出す。
(ガギガチガチリッ――!)
〝轟雷の手甲内側にある輪っかを3回くらい、あり得ない方向に回転させてから――引っ張る〟
をやってみたが――(フッシュルルルッ――ぷすん♪)
(カララッララッ)――なんかが空回りする手触り。
やい、偽で良いから迅雷、出てこい――――――――――――――――――――?
数瞬待ってみたが、とうとう偽物まで出なくなった。
子細わからんが、二股角娘の母親とやらが――
巨大な岩か何かで、建物を粉砕したのだ。
ふぉん♪
『シガミー>誰か居るか!? 返事しろ!』
暗闇の静寂の中――耳栓経由の一行文字が、出た。
おれの場合は、目線だか声だかを拾えりゃぁ、使えるらしい。
ふぉん♪
『ロォグ>我輩は、お前の鎧頭の上。村長と鬼族の娘たちは、ひっくり返ってるニャ』
ふぉん♪
『シガミー>建物は? 中に居る女将さんたちは、無事か!?』
おれは手動で背部ハッチを、こじ開けようとして――
はたと気づいた。
「――――――?」
折角の腕時計を、使わねぇ手はねぇだろ!
腕に手を伸ばそうとして、轟雷の腕が動かず――ずぼそっ!
轟雷の中で虎型ふ号の腕が、すっぽ抜けた。
「――、――――――?」
鉄鎧の背中から抜けでねぇと、腕時計は使えんだろうが!
しかも迅雷任せだったことが、一切出来ねぇーからぁ――
轟雷を脱ぐのも、一苦労だぜ!?
外から、かなり強く引っ張ってもらえば――
止め金具が、外れてくれるんだが。
鬼娘に、こじ開けてもらうか?
いや待て待て――今は森の主さまが、地響きを止めてくれてる。
冷静になれ。
こんなときのため……迅雷が居ねぇときのために、立ち往生しねぇよう――
色々と工夫、してあったはず。
現に腕に付けた腕時計とか腕輪は、強化服の夏毛の上からでも使えたぞ?
生活魔法だって、ちゃんと使えた。
夏毛の毛皮越しに見える、腕時計の小さな画面。
その手前にある蓋を開けさえすりゃ、中の牡丹を押して――
鉄鎧や強化服を脱げる。
ならぁ、よぅし。
ぐぐぐぐっ――ずずぼそっ!
「――」――きついな、この野郎っ!
ふぉん♪
『ロォグ>とんでもなく大きなヒヅメを、四角い形の建物が巻き付くように、取り囲んでるニャ』
いま話せるのは、黒板越しのお猫さまだけのようだぜ。
ふぉん♪
『シガミー>巨大な蹄だと? 建物を壊したのは、そんなにでかい四つ足なのか?』
さっぱりわからん。ちょっと待ってろ――ふぬん!
今、轟雷《ごうらい》を脱ぐからよぉ!
「――!」
ぎゅぎゅぎゅぎちっ!
ふぅふぅ――狭ぇが、どうにか毛皮の腕に手が届いた!
虎縞の毛皮越し、抓るように――腕時計の小扉を開く。
端の猪蟹屋制服の牡丹を押せりゃ、今着てる全部。
鉄鎧と強化服虎型ふ号と、猪蟹屋制服を脱いで――
もう一度、給仕服だけになれるはずだ。
「――――――!」
迅雷が居りゃぁ、全部勝手にやってくれること。
今更ながらに、おれの相棒は、この世界を渡っていくのに――
大事なもんだと、思い至る。
勿論、五百乃大角だって、世界存続のためには必要だ。
なんせ今の居ねぇ状態が、このまま続いたら――
気づいたときには、この世ごと消えてた――なんてことに、なりかねん。
彼奴らが直ったら、もう少し優しくしてやることを、此処に誓うぜ。
「――――――――――!」
細かい物をつかみづらい毛皮の手で、牡丹を――チッ、カカカカッ!
当てずっぽうで、押し込んでやった!
真っ暗だった辺りが、瞬く光で包まれた!
ーーー
ノイズスペクトラム/ノイズを測定し、分布を割り出したもの。ここでは轟雷に掛かる閾値以上の負荷を、割り出すための演算機構のこと。
空間電解像/電磁波エネルギーをリアルタイム測定し、三次元形状として捉えたもの。ここでは轟雷のシステムを守るために、利用されている。
魔法具建物の端が、音も無く踏み抜かれた!
各種の複合データが、地響きで埋まり――
(ノイズスペクトラムによる、空間電解像消失。全方位アクティブ電磁シールド機能停止。2秒後にシャットダウン。さようなら、シガ)
キュゥゥウゥゥゥッ――――ブッツンッ!
「あっ!? 画面が――――!」
またおれの耳に、おれの声が――聞こえなくなった。
ふぉん♪
『緊急時戦術プロトコル>戦術級強化鎧鬼殻〝轟雷〟は』
最後に何か出たが――すぐ消えた!
(ガッキュ、プススン♪)
軽い振動のあと――轟雷を脱ぐときの鉄鎧の重さが、のし掛かってくる!
(ガチリ――ギュギュギュギュッ――!)
〝万が一、轟雷が止まっちまったときにやれ〟と、迅雷が言っていたことを必死に思い出す。
(ガギガチガチリッ――!)
〝轟雷の手甲内側にある輪っかを3回くらい、あり得ない方向に回転させてから――引っ張る〟
をやってみたが――(フッシュルルルッ――ぷすん♪)
(カララッララッ)――なんかが空回りする手触り。
やい、偽で良いから迅雷、出てこい――――――――――――――――――――?
数瞬待ってみたが、とうとう偽物まで出なくなった。
子細わからんが、二股角娘の母親とやらが――
巨大な岩か何かで、建物を粉砕したのだ。
ふぉん♪
『シガミー>誰か居るか!? 返事しろ!』
暗闇の静寂の中――耳栓経由の一行文字が、出た。
おれの場合は、目線だか声だかを拾えりゃぁ、使えるらしい。
ふぉん♪
『ロォグ>我輩は、お前の鎧頭の上。村長と鬼族の娘たちは、ひっくり返ってるニャ』
ふぉん♪
『シガミー>建物は? 中に居る女将さんたちは、無事か!?』
おれは手動で背部ハッチを、こじ開けようとして――
はたと気づいた。
「――――――?」
折角の腕時計を、使わねぇ手はねぇだろ!
腕に手を伸ばそうとして、轟雷の腕が動かず――ずぼそっ!
轟雷の中で虎型ふ号の腕が、すっぽ抜けた。
「――、――――――?」
鉄鎧の背中から抜けでねぇと、腕時計は使えんだろうが!
しかも迅雷任せだったことが、一切出来ねぇーからぁ――
轟雷を脱ぐのも、一苦労だぜ!?
外から、かなり強く引っ張ってもらえば――
止め金具が、外れてくれるんだが。
鬼娘に、こじ開けてもらうか?
いや待て待て――今は森の主さまが、地響きを止めてくれてる。
冷静になれ。
こんなときのため……迅雷が居ねぇときのために、立ち往生しねぇよう――
色々と工夫、してあったはず。
現に腕に付けた腕時計とか腕輪は、強化服の夏毛の上からでも使えたぞ?
生活魔法だって、ちゃんと使えた。
夏毛の毛皮越しに見える、腕時計の小さな画面。
その手前にある蓋を開けさえすりゃ、中の牡丹を押して――
鉄鎧や強化服を脱げる。
ならぁ、よぅし。
ぐぐぐぐっ――ずずぼそっ!
「――」――きついな、この野郎っ!
ふぉん♪
『ロォグ>とんでもなく大きなヒヅメを、四角い形の建物が巻き付くように、取り囲んでるニャ』
いま話せるのは、黒板越しのお猫さまだけのようだぜ。
ふぉん♪
『シガミー>巨大な蹄だと? 建物を壊したのは、そんなにでかい四つ足なのか?』
さっぱりわからん。ちょっと待ってろ――ふぬん!
今、轟雷《ごうらい》を脱ぐからよぉ!
「――!」
ぎゅぎゅぎゅぎちっ!
ふぅふぅ――狭ぇが、どうにか毛皮の腕に手が届いた!
虎縞の毛皮越し、抓るように――腕時計の小扉を開く。
端の猪蟹屋制服の牡丹を押せりゃ、今着てる全部。
鉄鎧と強化服虎型ふ号と、猪蟹屋制服を脱いで――
もう一度、給仕服だけになれるはずだ。
「――――――!」
迅雷が居りゃぁ、全部勝手にやってくれること。
今更ながらに、おれの相棒は、この世界を渡っていくのに――
大事なもんだと、思い至る。
勿論、五百乃大角だって、世界存続のためには必要だ。
なんせ今の居ねぇ状態が、このまま続いたら――
気づいたときには、この世ごと消えてた――なんてことに、なりかねん。
彼奴らが直ったら、もう少し優しくしてやることを、此処に誓うぜ。
「――――――――――!」
細かい物をつかみづらい毛皮の手で、牡丹を――チッ、カカカカッ!
当てずっぽうで、押し込んでやった!
真っ暗だった辺りが、瞬く光で包まれた!
ーーー
ノイズスペクトラム/ノイズを測定し、分布を割り出したもの。ここでは轟雷に掛かる閾値以上の負荷を、割り出すための演算機構のこと。
空間電解像/電磁波エネルギーをリアルタイム測定し、三次元形状として捉えたもの。ここでは轟雷のシステムを守るために、利用されている。
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