滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

667:此処は何処だぜ?

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「バカやろ!――ニャァ♪」
 ゴロロロロロロン、パタタァン――シュタッ♪

 起き上がったときには、虎型ひ号ビステッカ姿すがたはなく――
 かぜが吹き抜け、そら何処どこまでもたかく――
 そこは見晴みはらしの良い、小高こだかおかだった。

   §

「おいっ! こりゃ、じゃねぇかっ!?――ニャァ♪」
 しかもあかるい、日がたけぇ!
 ふぉん♪
『>はい。恐らく、村長が封鎖空間より脱出し、我々も通常空間に戻ったと思われ』
 ぜんぜん戻ってねぇ・・・・・だろが!
 おれたちが居たのは、ロコロむらギルド支部しぶ地下一階ちかいっかいだぜ!?
 厨房迷宮ダンジョンはいったのも、せいぜい夜半過やはんすぎだったはず!?

「ビステッカー! どこだぁー!?――ニャァ♪」
 返事へんじはなかった。
 岩場いわばもり半々はんはんの、あたりの様子ようすうかがっていたら――

 すっぽこ――こここここここここここここぉぉぉん♪
 とんでもない遅延おくれあと――てちり!

「アナタの世界せかいのよりどころっ――――やっと見つけたぁ、シガミー
 すっとぼけたこえ
 根菜さまいおのはらの、お出ましだ!

 リオにあずけていた、御神体ごしんたいが――
 おれの画面モニタなかを、分け身アイコン姿すがた通り透け・・・・――
 この得体えたいの知れぬ場所ばしょに、顕現した・・・・のだ。
 要らんげいも、とき場合ばあいによりけりだ――

「でかした根菜こんさい、良く来やがった! ビステッカが居ねぇ、さがすのを手伝てつだえ!――ニャァ♪」
 おれは根菜そいつさまを、引っつかんだ。

なんわよっ! うるさいわよっ! ハラペ子ちゃん・・・・・・・なら、向こうに・・・・居たわよん
 とんでもなく、怪訝けげんつらをされた。
 ふぉん♪
『>>美の女神とは?』

「はぁ!? 向こうに居ただとぉぅ!?――ニャァ♪」
 おれと迅雷じんらいは、さっきまでビステッカと一緒いっしょに居て、矢鱈やたらはさみが付いたやつに、立てつづけにおそわれたんだが!?

「(聞いてるわよぉん。おっきなかにさんを獲った・・・んでしょ!? いますぐ、お見せ)」
 ソレを知ってるってこたぁ、ビステッカは本当ほんとう無事ぶじってことだなぁ。
 ふぅぃ――一安心ひとあんしんしたぜ。

「(はい。そしてどうやら、ビステッカは本物ほんものだったようです)」
 女神めがみに引きつづ眷属けんぞくも、念話ねんわ使つかう。
 コントゥル家の母娘おやこが居ないなら、其のほう世話せわがねぇ。
「(おう、そうしたらレトラはどうした?)」
 無事ぶじか?

「(え? 眼鏡子めがねこちゃんは、ずっとみんなと居たけど)」
 ぬぅ、本物ほんもののレトラは、ずっとみんなと居たようだな。
「(はい。姿すがただけを封鎖空間ふうさくうかんに、利用された・・・・・だけのようです)」
 さっきまで得体えたいの知れぬ、穴蔵あなぐらに籠もってたから――
 吹き抜けるかぜちょう心地ここちよい。

「(はぐれたのわぁ、シガミーとハラペ子ちゃんと、フッカパパとルリーロちゃんだけよん)」
「(おっさんと奥方おくがたさまは、見つかったのか?)」
 真っさおそら見上みあげたらすげたけところを、羽根はねなげとりが飛んでやがる。

「(二人ふたり無事ぶじよん。あんたたちとのリンクが途絶とだえてから、10びょうもしないうちに厨房ちゅうぼうに駆け込んできた)」
 てちてちてちてち。
 おっさんは奥方ルリーロさまを、ちゃんとおくとどけてくれたようだぜ。

「(となると居ねぇのは、おにぎり・・・・だけか……)」
「(どこかでやぶけてたとしても、たまご――セーブデータさえ回収出来かいしゅうできれば、復旧可能ふっきゅうかのう)」
 よし、どうなることかとおもったが――
 一先ひとまず、どぅにかなりそぅだ。

「はい! ちょぉだい
 画面がめんなか梅干し大アイコンさまが、ちいさなてのひらを突き出してきた。
「(はい! ちょぉだい)」
 ご丁寧ていねいに、おれの手のなかやつまでもが、ちいさなてのひらを突き出してきた。

なにをだぜ?」
 なにをだぜ?
「(かにはさみでしたら、収納魔法しゅうのうまほうの『取って置き食材』フォルダに入れてありま)」
 あー、蟹の鋏そいつか。

「(オッケーッ)」
 おい、つまみ食いすんなよ!
 そのはさみわぁ迅雷ジンライが〝うまめしにする算段さんだん〟を、付けてくれたからよ。
「(知ってるわよ。だからこうしてわざわざ、おむかえに来たんじゃないのさっ? バカわの? シガミーはバカわの)」
 うるせぇ。

 ようするに〝かにはさみを揚げたやつ〟を食うために、飛んできたのか。
 五百乃大角おまえさまらしいぜ。

 ふぉん♪
『シガミー>それで結局、此処は何処だ?』
 もう一度いちどあたりを見渡みわたしながら確認かくにんする。
 ふぉん♪
『>>二つの月の位置から、大森林より1008㎞北上した場所であると思われます』
 そりゃ、随分ずいぶんきただぜ。
 とおくのそらやま稜線近りょうせんちかくに――
 昼日中ひるひなか月々つきづきが、浮かんでる・・・・・

 けど、そのわりにゃぁ、さむくもなければ――
 やまもりけわしくねぇ。
 それこそ、ガムランちょうあたりの、木々きぎまばらな草原そうげんにしか見えん。

   §

ちがったぜ!」
 ぽっきゅぽっきゅぽっきゅららっらっ――――♪
 必死ひっしはしる、虎型ふ号おれ

「はイ、シガミー。ガムラン近郊きンこう草原そうゲんなどデは、有りませンでした
 ヴォヴォヴォオヴォゥゥゥンッ♪
 必死ひっしうなり、飛ぶ迅雷ジンライ

「そーわよ! 食材しょくざいの――宝庫ほうこわよっ
 ばかやろぅっ、食われちまうぞ・・・・・・・っ!
 ちゃんと、虎型ふ号おれ頭兜の中・・・・はいってろやぁ!

 虎型とらがたごうの、あたまの上。
 おおきなうえまでは、満足まんぞくに手がとどかんので――
「(迅雷ジンライぃ――!)」

了解りょウかいしまシた――すぽん
 ヴォヴォヴォヴォゥゥゥゥンッ♪
 迅雷ジンライ御神体いおのはらを、回収かいしゅうしてくれた。

「「「「「「「ぐぅぎゃるぉぅわぉぉぅぅ――!」」」」」」」
 すさまじい怒声どせいに、振りかえれば――
 大口おおぐちひらき、獲物おれに食らいつかんとする――
 身の毛がよだつ姿すがたをしたやつらの――群れ。

 おれたちは、とんでもなくでかい、そいつら・・・・に――
 追い立てられていた!
 その姿形すがたかたち。あんなのに心当たり・・・・は、まるでねぇ。
 ガムランちょうでもレイドむらでも、ネネルドむらでも大森林だいしんりんでも――どこでも。

すくなくとも、日の本・・・にゃ居なかったぜ・・・・・・! あんな恐ろしい姿の奴・・・・・・・ぁああよぉぉぉっぅ!?」
 たまに狐狸妖怪こりようかいに、化かされること・・・・・・・くらいはあったが――
 彼処ここまでおぞましい姿なりをした生きもんわぁ、そうそう居ねぇ。
 それこそ、〝ミノ太郎たろう〟くらいだぜ。

「いイえ。シガミーが生マれる、ヤく7200万年前まんネんまえ日本にホんにモ棲息せいソくしていマし
 うそつけやぁ――!
「あんなでかくて厳つい鳥・・・・・・・・が、日の本・・・に居てたまるかってんだぜ!」
 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅららららららららっららららっぁぁぁ――――♪

「くっきゃぉるるるるるぁぁ――――!!!」
 先頭せんとう一匹目いっぴきめが――ガチンときばを鳴らす!

 それは、石竜子とかげのようなつらをした――
 とりあるく――いや、はしるときの姿勢しせい
 どったどどった、どどった、どっどっどったっ!
 そのからだおおきさで、追いかけまわされりゃぁ――

 ぽっきゅらぽっきゅらぽぽきゅらららららっ――――♪
 いくら虎型とらがたでも、追いつかれちまわぁ!
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