滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

702:恐竜モドキ風神班、虎型ひ号レイダ

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「おい、なに一緒いっしょに来なくても、良かったんだぜ――ニャァ?」
 虎型とらがたごうを着た、おれが先行せんこうする。
 ぽっきゅぽっきゅきゅ――ぽきゅーん♪
 モフモフむらおくとびらとおり、たいらでひろ通路つうろすすんでいく。

「こぉんなに、面白おもしろいことになってるのに、わたしだけ仲間なかまはずれなんてやだよっ――ニャァ♪」
 風神ふうじんの背にまたがり、ご満悦まんえつ虎型とらがたごう
 中身なかみは、もちろんレイダだ。

 ちいさなとびら風神ふうじんは、とおり抜けられない。
 ならば、どうしたのか――簡単かんたんはなしだ。
 モフモフ村村長むらそんちょうに見せてもらった、おくとびらさき地図ちず
 その地図ちずを、書き換えた・・・・・のだ。

 まず風神ふうじんとおれるあなを、風神ふうじん蹴り開けさせた・・・・・・・
 つぎ表側おもてがわような、巨大きょだいもんを取り付ける。
 そして最後さいご周囲しゅうい岩壁いわかべを、迅雷鋼製ジンライこうせいはしら補強ほきょうしたのだ。
 これなら、そう易々やすやすとは、かにはさみとおることもない――ウカカカッ♪

 トッカータ大陸たいりくまで、ほぼ真っ直ぐ伸びる洞窟どうくつには、やく50メートルくらい掘りすすんだらつながった。
 おにぎりと迅雷ジンライと、魔導工学まどうこうがく心得こころえがある鍛冶職人かじしょくにん手分てわけけをしたから――
 ふぉん♪
『>裏門整備の所要時間は、34分42秒でした』
 ありゃ、以外いがいと掛かっちまってたな。

 ふぉん♪
『>>大森林観測村③エレクトロ・モフモ村の周囲を、蟹避けの鉄格子で覆いましたので、中々の大工事でした』
 はぁ、そうなの?
 ふぉん♪
『おにぎり>>ガムラン町からもらった、オリハルコンはあらかた使ったんだもの』
 なんだと、じゃぁ、またもらいに行かんとなぁ。

 かなりおおきな洞窟どうくつ通路つうろ
 その岩壁いわかべに、蟹穴かにあな見当みあたらんが――
 モフモフむら連中れんちゅうが、安全あんぜんに過ごせるなら良かったぜ。
 村長箱そんちょうばこに飛ばされた、甲斐かいもあったな。


「グゲゲッゲッ? くけけぇー♪」
 どったどどった、どどったたったっ!
 虎型ふ号おれのあとを、軽快けいかい足取あしどりでついてくる――石竜子鳥きょうりゅうモドキ虎型ひ号ばけねこモドキ

「(彼奴あいつらぁ、随分ずいぶんとと打ち解けたな?)」
 うしろを付いてくる、恐竜モドキたちを見る。

「(風神ふうじん虎型とらがたも、僚機りょうき認識にんしきしたようで)」
 ヴヴュ――ゥン?
 あたまを振っても映像えいぞうが、ざらつかんな?

「(暗視モードナイトビジョンおよび、光学望遠モードオプティカルズームをアップデート……修行しゅぎょう成果せいか)」
 よし、えらいぞ。褒めてやる。
 夜襲やしゅうを掛けることはそうそうねぇが、仕掛しかけられたときにはらくになるぜ。

「まぁ、面白い・・・ぃかぁもぉーねぇー
 (子供じどもなんてー、恐竜大好きょうりゅうだいすきだしさ
 ヴァパパパッ――♪
 まえはし虎型おれ虎柄せなかが、うつしだされた。

 ふぉん♪
『>>〝#風神の兜【風神】〟、メインカメラ映像です』
 女神像の台座クレイドル利用りようした、風神ふうじんかぶと
 それは風神ふうじん五百乃大角いおのはらが見る、景色けしきほかならねぇ。
 結構けっこうたかさから、見下みおろしてやがるな。

「けど明日あしたお猫さまロォグ一緒いっしょ女神像めがみぞうとびらとおったら――一瞬いっしゅんでロコロむらに着くだろぅが?――ニャァ♪」
 ほう超楽ちょうらくだろぅが?
「(はい、くつろいで就寝しゅうしん、起きればもうロコロ村で)」
 だよなぁ?

「だめだよ! こんどは絶対ぜったいに、わたしも付いて行くんだからっ――ニャァ♪」
 どうやら余程よほど、おれたちの洞窟どうくつダンジョン探索たんさくに――
 置いて行かれた・・・・・・・のが、いやだったようだ。

 だが、どうかんがえても――
馬鹿ばかを言うな、とても子供こどもを連れていけるような、道行みちゆきじゃ無かったぞ?」
「はイ、あレは転移事故てんいジこト呼ぶべキ事態じタいでシ
 そうだぜ、迅雷ジンライも、こう言ってるぜ。

「そんなことないでしょ! ビステッカちゃんにずーっと、「シガミーちゃんは、騎士きしさまのようでしたは」とか、「カニとオニオーンのお料理りょうりが、楽しみですは」とか自慢じまんばっかり――くどくどくどくど!――ニャァ♪」
 画面隅がめんすみ虎型ひ号レイダの、様子ようすうつしだす小窓こまどなか
 そのくちが止まらん。

 んぅーるっせぇ――!
「(虎型とらがたごうからの音声こえを、しぼっとけ!)」
 ったくよぉっ!
 どうしたんだぁ、レイダのやつぁよぉぅ?

 わけもわからず、厨房ちゅうぼうダンジョンにほうり出されて――
 いのちからがら抜け出したら、恐竜きょうりゅうモドキの巣だぜ!?
 其奴そいつ何処どこが〝面白おもしろい〟って、言うんだ?

 ふぉん♪
『>>類推になりますが、おそらくはLV上げの観点からビステッカ嬢に、おくれを取ったことに腹を立てていると思われ』
 LVレベルか。それならわからんでもなくもねぇ……かもしれねぇ気が……すこしはするな。

 ふぉん♪
『イオノ>>ふう、これだからあんたたちは。まるで女心がわかってないわねぇん♪』
 んだと、ご挨拶だな。五百乃大角いおのはらのくせに。

「(どーいう意味いみでぇい?)」
「(ふぅー……焼きもち・・・・わよ、焼きもち・・・・ぃ。パーティーメンバーである自分じぶんを差し置いて、クラスメートのビフテキちゃん・・・・・・・面白おもしろクエストを、さき冒険プレイされちゃったら、そりゃぁ――)」
 ふぉん♪
『>>ビステッカです。イオノファラ-』

 うううぅむ? いまいちわからんが――
冒険者仲間パーティーメンバーというなら……ぶつぶつ……リオとレイダは、ずっと一緒いっしょだったろうが――ニャァ?」
 ふぉん♪
『イオノ>>あー、バカシガミー! 余計なことを!』
 馬鹿ばかとは、なんでぇ!

「フーンだっ! 風神フージーンちゃん、シガミーを振り切って!」
 恐竜きょうりゅうモドキの首輪くびわに、つながるくさり
「くけっけけけけけけけぇぇぇっ♪」
 それをかるく振り――加速かそくしていく、風神ふうじん虎型とらがたレイダ。
 ちなみにくら通路つうろを、『時速じそく60キロメートル』で駆け抜けているから――

 ゴゴッン――――ぽっっきゅごろごろごろごろろろろろろろっ♪
いてぇっ――ニャァ♪」
 凸凹いわあしを取られりゃ、盛大せいだいに素っころびもする。

 どったどどった、どどったたったっ――!
 はしり去る恐竜きょうりゅうモドキ。

 一人取ひとりとのこされる、おれ。

「うふふうふふふふっ――ニャァ♪」
「レイダ、慣れるまでは徐行じょこうし……ゆっくり、すすんでくださ
 ちなみに迅雷ジンライは、虎型ひ号レイダ助けサポートするために――
 虎型とらがたごうの、うしくびはいってる。

「グゲゲッゲッ――♪」
「ウケケッケッ――
 画面隅がめんすみさわがしい。
 ったくよぉ、おれを置いて行くんじゃねぇー!

さみしいだろぉがぁ――!」
 必死ひっしに飛び起き、あとを追った。
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