滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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5:大森林観測村VSガムラン町

719:大森林保全組合本部詰め所女神像の間にて、おしくら饅頭

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「うふふ、ジューク! 出番でばんですわよっ!」
 ごつごつっ!
いたっ、つつかないでよ、ぼくのトリデちゃぁーん!」
 村長ジューク何本目なんぼんめかの回復薬かいぐくやくに、手を伸ばし――

「うふふふふふふうぅ――こぉんなこともぉあろうかと、持ってて良かった古代文字逆引こだいもじぎゃくび辞典じてんー♪」
 どっすーん!
「それは、スデットナー教授きょうじゅ……ぜんフカフ村村長むらそんちょうのこした〝とらまき〟……〝秘伝書ひでんしょ〟ですわね?」
 きゅういろめき立つ、悪逆令嬢ロットリンデ仲間なかまたち。

かあさん、いや商会長しょうかいちょう。そんなおもほんを、わざわざ引っ張り出してきたのかい?」
 女将おかみさんがしぶ表情かおで、ゆびを刺した。
 ソレはさっきまで商会長しょうかいちょうがペラペラとめくっていたのよりも、さらおおきく分厚ぶあつほんだった。

「ついさっきうたた寝したら、ご神託しんたくがぁ有りましたのでぇ、ねんのため持参じさんしましたぁ♪」
「「「商会長しょうかいちょうの――ご神託しんたくっ!?」」」
 かおをしかめる、大森林勢だいしんりんぜい
 どうやら商会長しょうかいちょうご神託おつげってのは、良くない知らせらしいな。

商会長しょうかいちょういや、かあさん! 一体いったいなんて、ご神託しんたくがあったんだい!?」
 緊迫きんぱく女神像めがみぞうの間。
「えっとぉー、〝建てたばかりのぉ、宿屋やどやがぁ吹き飛ぶ〟というおそろしい――」
 がくり。大森林勢だいしんりんぜい三人さんにんとおれが、ゆかくずれ落ちる。

「お、おどかすんじゃねぇやい! そいつぁもう、やっただろぅが!」
 おれはぺちりとゆかを、たたいて見せた。
 地下ここは埋まりもしなかったから、そのままだが――
 地上うえ旅籠屋はたごやは、二つ目だ・・・・
 ふぅぃ、まったく一刻いっこくあらそうって言うのによぉ。


「〝ござる〟居た!」
 だれが、ござるか!
本当ほんとうだ、居た!」
 どやどやどやどや、わいわいわいわい!
 騒々そうぞうしい連中れんちゅう階段かいだんを、駆け下りてきた。

「「「「「シガミーちゃん!」」」」」
 どうしたどうした、だれがシガミーちゃんか。

「あっ、レトラちゃんも居……なんだかあまかおりがしますわ!?」
 生意気なまいき子供こどもレイダと、どうじない子供こどもビビビーにつづいて――
 わらしどもを引き連れてきたのは、巻きがみ大食漢たいしょくかんビステッカじょう
 魔物並まものなみに、はなが利くやつだな。

「び、ビステッカちゃぁぁん――!」
 「ふぇーん」と駆け寄る、レトラじょう

「リカルルさまに、リオレイニアくーん!」
 がららら、ぐわららん♪
 いかつい魔法杖まほうつえ何本なんぼん背負せおう、矢鱈やたらせんほそおとこ
 担任教師たんにんきょうしヤーベルトも来た。

あまい……お菓子かしのい?」
 そしていまがた、顧問氏《ミャッド》のはなしに出てきた、第四師団長だいよんしだんちょうわらし
 垂直たてに浮かぶ、先端せんたんふとい――人参にんじん尻尾しっぽみたいな魔法杖まほうつえ
 そのうえ腰掛こしかけ、お猫さまロォグ大事だいじそうにかかえている。
 さきの〝伝説でんせつ建国けんこく龍撃戦たたかい〟のときには、あの魔法杖まほうつえ使つかい、巨木きょぼくたまご着弾点・・・うらなってもらったりしたな。

「ちょひょほーい♪」
「ちょっとあなたっ、引っ付くんじゃ有りません!」
 スパッシィィィィィィンッ――♪
「「「ささやき――!」」」
 あ、阿呆あほうめっ!
 全員降ぜんいんおりて、来ちまいやがった!
 一気いっき手狭てぜまになる、女神像めがみぞうの間。

樹界虫@かいちゅうよ――じゅるり?」
 ぎゅうぎゅう詰めで椅子いすの背を、ガタゴトと押されても森の主さまファローモは、平気へいき様子ようすだが――
 くちはしからよだれを、垂らしてやがる。おかわりか?
 ふぉん♪
『シガミー>茅野姫、蜂蜜の饅頭わぁ、もうねぇのか?』
 ふぉん♪
『ホシガミー>はい。試食用でしたので、あれで全部ですわ。クスクス♪』

 じゃぁ、ガムラン饅頭まんじゅうでも出しとけ。
 兵糧ひょうろうがわりになればと、無人工房むじんこうぼうからつくり置きを全部ぜんぶ、引き上げてきたからな。
 ふぉふぉん♪
『ガムラン饅頭|(塩餡) ×1394
 ガムラン饅頭|(こし餡) ×1125
 名代饅頭|(梅餡) ×423
 名代饅頭|(ツナマヨ) ×549』
 良し良し、売るほど有る。

 白金の棒ジンライが、ヴヴヴとふるえ――ぼとぼとぼと♪
 平箱はこ数個すうこ、積み上がると――「お菓子かしだっ♪」
 生意気なまいきで、余計よけいなことを余計よけい瞬間ときに言う子供こどもが――
 余計よけいなことを余計よけい瞬間ときに、言いやがった!

「「「「「「「「わぁわぁわぁわぁぁい♪」」」」」」」」
 大食らいビステッカ先頭せんとうに、テーブルむらがる子供こどもたち。
 おまえらはこれまでに散々さんざん、食っただろうが!
 ふぉん♪
『>>狐の顔型の〝名代饅頭〟は、基本的に猪蟹屋二号店での販売しかしていませんので、子供たちにも目新しいかと』

゛も゛も゛ぉぉぉ!」「も゛ぉー!?」「も゛っ!?」
 うわ!? なにその鳴きこえ!?
 子供こどもらに椅子いすを押されても、一度いちどおこらなかった森の主ファローモ
 その両目りょうめが――『『『(Θ_Θモ゛ッ)』』』
 いかん饅頭箱まんじゅうばこ子供こどもらに取られた、森の主ファローモ男の姿になったら・・・・・・・・――
 おれのあたまが、念話で割れる・・・・・・

 迅雷ジンライが、ヴヴヴとふるえ――ぼとぼとぼとぼとととっ♪
 山積やまづみになる、追加ついか名代饅頭みょうだいまんじゅう

「さぁさぁ、みなさん。ココは手狭てぜまですし、うえもどりましょう。じつは新作しんさくの、お菓子かしをこれからつくるのですけれど、手伝てつだっていただけませんか
 そう言って階段前かいだんまえで振りかえる、茅野姫かやのひめ

「「「「新作しんさくの、お菓子かし!?」」」」
素敵すてきですわね、いただきますわ♪」
「「面白おもしろそう♪」」
「「手伝てつだうっ♪」」
 わいわいがやがやと、もどっていく子供こどもたち。

 ふぉん♪
『ホシガミー>>クスクスプー♪ 子供たちのことは、おまかせ下さい♪』
 ふぉん♪
『シガミー>>悪い、助かる』
 まったくよぉ。
 おれの視界がめんすみ
 一行表示ティッカーしたうつし出された、『変異種出現よりの経過時間』。
 そのあか数字すうじは――『10:45』
 もう10っぷんも過ぎたぞ、こら――どーすんだぜ、迅雷ジンライ迅雷ジンライ五百乃大角いおのはらぁ!?

 ふぉん♪
『イオノ>そぅわね、由由しき事態わねん!』
 もぐもぐもぐもぐと、饅頭箱まんじゅうばこおさまる御神体ごしんたい
 ふぉん♪
『>>しかし、大人や関係者が全員集まってくれたのは、丁度良いのでは?』
 そうだな、もうこまかい戦法せんぽう段取だんどりを詰めていかんと――惑星わくせいヒースが終わる。

「おまえら、ちょっと待て」
 一緒いっしょうえもどろうとする、第四師団長ミラカルカ猫の魔物ロォグと――
 少女しょうじょタターを呼び止めた。
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