滅せよ! ジリ貧クエスト~悪鬼羅刹と恐れられた僧兵のおれが、ハラペコ女神の料理番(金髪幼女)に!?~

スサノワ

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6:拡張DLCと、栽培バグ

737:女神像ネットワークちゃん、報告する

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「うぬぅ? 手伝てつだいと言われてもなぁ。それなら――〝女神像おまえさま如何どうしてこわれたのか〟を、教えて欲しい・・・・・・もんだがぁ?」
 うでを組みくびひねる、おれに――

「そうデすね。現在げんザい、イオノファラーハ超女神像ちょうめがみゾうへ、茅野姫かやノひめ神域しんイき御神体像ごシんたいぞう出向でムいてオります――」
 浮かぶ棒ジンライ一回転いっかいてんして、同意どういする。

 ちなみに、お猫さまロォグの〝猫扉ねことびら〟は女神像めがみぞうこわれる直前ちょくぜん使つかっていた、最寄もよりのとおみちしか使つかえなくなった。
 つまり、大森林だいしんりん中央ちゅうおうのロットリンデがたギルド支部屋舎内しぶおくしゃない女神像めがみぞうに取り付けられた猫扉とびらから――
 ここ王都にある・・・・・・・魔導騎士団まどうきしだん宿泊施設内しゅくはくしせつない大講堂だいこうどうにしかつながらない。

 女神めがみ星神ほしがみである、あいつらは自分じぶんたちだけなら猫扉ねことびら細工さいくすりゃぁ、超女神像ガムランちょう御神体像しんいき出入ではい出来できる――と言って、すっ飛んで行っちまった。
 そしておれたちはこうして王都おうとのこされ、大女神像だいめがみぞうばんをするためにのこされているわけだ。

「まだなに連絡れんらくが来ませんので、状況じょうきょうはまるでわかりません……ふぅー」
 有能なメイドリオレイニアも、溜息ためいきくばかりで――
 猪蟹屋一味おれたち視線は、自然しぜんとニゲルの青板スマホへと向く。

『(I_I)』『(>_<)』『(I_I)』『(>_<)』
 注目の的あおいのが目を2かいしばたたかせ――『( ̄ㅅ ̄)』
 ちゃぶだいかこむ、おれたちを見上みあげた。

了解りょうかいいたしました。それでは、ご説明せつめいさせていただきます――よいしょ
 空中ちゅうただよ羽虫はむし何か・・をペチリとつかまえる、あお映像ひかり

 そのちいさな手を、よく見たがなにもない。
 おれたちが身をかがめ、青板スマホうえ凝視ぎょうしするなか
 つかまえた見えない何かそれを、口元くちもとに持って行く――
 ちいさなねこ魔物風まものふうで、強化服自律型うごくシシガニャンふう其奴そいつ

「むにゃわ――ごくん
 女神像めがみぞうなかから出てきた、言わば〝御使みつかいさま(しょう)〟が――
 なにかを丸呑み・・・にした。

 ヴォヴォヴォヴゥゥウンッ――――『(☆_☆ピカッ!)』
 りょうの目をまたたかせ、うなりを上げる小さき御使いひかるもの

「ぐわぁっ!?」「まぶしっ!?」
 ヴォヴォンッ――!?
 強力きょうりょくひかりおののく、猪蟹屋一味おれたちかみたちとレイダのぞく)。

 ゴワッ――――キュゥウゥウゥゥウゥウウゥゥォッ!!
 ちゃぶだいうえひかまるたまが、ぼっごぉんとあらわれた。
 その直径おおきさは、女神像の中身ちいさなおにぎり二匹分にひきぶんくらい。

 漬物石つけものいしほどのひかたまは、はなつぼみのようにひらき――ポポポポポォォン♪
 うす剥がれたはがれたはなびらは、轟雷ゴウライ積層せきそうモニタ同様どうよう奥行おくゆきのある画面がめんと化した。

 ヴォヴォキュルルッ――ササササッ、パタンパタタン!
 画面それは目にも留まらぬはやさで、重なって消えたり・・・・・・・・二枚に分かれたり・・・・・・・・している。
 うむ、超忙ちょうせわしねぇぜっ!
 迅雷ジンライ、こいつぁなんだ?

 ふぉん♪
『>>まだわかりません。詳細に解析しますか?』
 やめろ。いま迅雷おまえにまで、居なくなられたら・・・・・・・――
 すべてが、立ち行かなくなるぞ。

 ブワワワワァァァァッ――やがて花弁はなびらすべてがひらかれた。
 さらされたたま最奥なかには……なにもなくて。
 奇っ怪極かいきわまりない画面がめんたばは、まるで〝鬼怨おにおん〟という――
 剥けば無くなっちまう・・・・・・・・・・野菜やさいのようだった。

 ふぉん♪
『ヒント>玉葱/語源は〝玉のように大きくなる葱〟。刺激のある臭気を持つ、葉菜類。火を通すと甘みが生じ、生食では辛みがあるため、薬味にも使える万能食材。オニオン。』
 そういや大食らいの童ビステッカが、「食いたい」と言っていたな。

 ブー、ブー、ブブブー!
「うわっ!?」「きゃっ!?」
 ヴォヴォンッ――!?
 きゅう物音ものおとおどろき、こしを浮かす猪蟹屋一味おれたちかみたちとレイダのぞく)。

 ゥワ゜ッ、キャチャキャチャッ――ブブブブブブウブブッ!!!
 芯のない葉菜せきそうモニタが、はげしくあばれ――血色あか染まっていく・・・・・・

 ちいさな御使いさまあおいのが、真っ赤な鬼怨あかいひかりに照らされる。
 蘇生薬エリクサーいろ揺蕩たゆたう、そのさまは――
 この惑星ヒースうつしよよるに、二つの月光かさなるひかりが満ちたようで、不吉極ふきつきわまりねぇ。

 満月の夜には・・・・・・――おれが死んだり、変異種バリアントが出たりと――
 ろくなことが起こりゃしねぇ……わけで。
 日の本ぜんせでだって、つきが満ちるよるにわぁ――
 出かけるのをひかえたもんだ。

 何が起きているのか・・・・・・・・・は、まだわからんが――ブブブブブブブブブブブブブウブブッ♪
 厄介ごとなにかが起きている・・・・・・ことだけは、よーくわかった。

   §

「ひょっとしたらコレは女神像めがみぞう、ひいてはぜんギルド支部しぶの……収支しゅうし図案化ずあんかしたものでは?」
「はイ。概略がいりャくではありまスが、コこ一週間いっシゅうかんほドの合算がっサん推移すイいト、合致がっチしマ
 血に染まった葉野菜はやさいのような積層表示せきそうひょうじを、一枚一枚剥いちまいいちまいはがしていく――
 美の女神の眷属ジンライと、事実上の美の化身リオレイニア

「ふむ?」
 どうやらこの血ぬれの玉はやさいは、女神像めがみぞう仕事しごと――
 ひいてはギルドの金勘定・・・を、あらわしているようだ……ょな?

「こちらを参照さんしょうしてくださ
 おれを見上みあげ、ちいさな手を突き出す、ちいさいやつ
 ふぉん♪
『女神像カスタマーサービスアシスタント>[こちら]』
 女神像めがみぞう中身なかみである、このあおくてちいさいのは――
 詰まるところつくりとしちゃぁ――御神体いおのはら迅雷ジンライおなもの出来できている。
 一行表示ティッカー個別こべつ画面表示がめんひょうじも、お手のものだ。

 押せというなら押してやる――ポコォーン♪
 おれは一行表示ティッカーの『[こちら]』を、人差ひとさゆびで突いてやった。
 すると、折りかさなった画面はっぱ一枚いちまいから、ブブブブウ-と騒々そうぞうしいおとを立てて――
 あかぼうが伸びてきた。

「きゃっ!? シガミー、なにをしましたか!?」
「シガミー、まダ検分中けンぶんちゅうデす。表示項目ひょウじこうもくヲ切り替えルのは、ヒかえテくダ
 葉野菜ひょうじあたまを突っ込んでた連中ふたりが――グルリと振りかえった!

「知らんぞっ!? おれじゃねぇ、此奴こいつさまが、押せと言うから押しただけだぜっ!?!?」
 何処どこまでも伸びていくあかぼう
 そのたかさは、ひざかかえた大女神像だいめがみぞうあたまかるく超え――
 ググウググワ゜ッ、グググゥゥゥゥウ-ン♪
 大女神像だいめがみぞうの間の、かなりたか天井てんじょうまでとどきそうないきおいだ。

「こちらを参照さんしょうしてくださ
 おれたちを見上みあげ、もう一度いちどちいさな手を突き出す、ちいさいやつ

 あかぼう出所でどころである項目こうもくに、目を凝らす猪蟹屋一味おれたちかみたちとレイダのぞく)。

 ヒュパッ♪
『大森林バウト投票金額一位/50737412パケタ』
 飛び出してきた、一枚いちまい画面がめん
 其処そこに書かれていたのは、とんでもなくおおきな金額すうじだった。

大森林だいしんりん大一番バウトォだぁとぉぅ? また、賭けてやがったのか!?」
 もう見慣みなれた、女神像めがみぞう胴元どうもととする賭け事の画面・・・・・・
 この賭け事こいつは、猪蟹屋おれたちはじめたことだが――

 いま猪蟹屋うちはこの賭けごとに、基本的きほんてきにはかかわっていない。
 おれたちは、女神像めがみぞう色々便利いろいろべんり使つかいはするが、この世の人の在り方・・・・・――
 殊更ことさら人一人ひとひとり幸不幸こうふこうには立ち入らぬよう、設定されこころがけているはずだ……たぶん。

 ひとえにし不思議ふしぎなもので、よこから手を加えたりしたら・・・・・・・・・――
 かなら後々のちのち面倒めんどうなことになるに決まってるからな。
 そいつぁ、日の本ぜんせ惑星ヒースこんせも変わらん。
 そういうわけで、女神像めがみぞう使つかった如何様いかさまだれにも出来できない。

なんだか知らんがぁ、女神像めがみぞうこわれちまったのわぁ――こんな大博打おおばくちを打ったやつのせいってことかぁ――――!?」
 賭けた奴・・・・ってぇのわぁ――「十中八九じゅっちゅうはっく王子殿下わかさまだろおがぁ!」
 いつものことだ。賭けごとかんする揉めごとは、大抵たいてい若殿わかさまわりぃ。
 だからといって、なんで女神像めがみぞうこわれるのかの説明せつめいにはなってねぇが――

 ヒュパッ♪
『大森林バウト投票金額一位/アリゲッタ辺境伯領当主:ポテリュチカ・アリゲッタ』
 もう一度いちどしつこく大写おおうつしになる、くだん項目こうもく
 そこに書き足されたのは――「ちがった!?」
 博打好ばくちずきの、中央都市ちゅうおうとしラスクトール自治領じちりょう第一王子だいいちおうじの名ではなかった。

「ひっ――――!?」
 その名を見るなりいきをのむ、美の化身リオレイニア
「どうしたぁ?」
 返事へんじは無ぇ。

 ぽっきゅぽっきゅらぽきゅららっ――――「ひっひひひぃぃぃんっ?」
 なんでか寄ってくる、おにぎり騎馬きば
「どぅしたぁ?」
 そのうしろには、ニゲルが引いてたのと似たような荷車にぐるまが取り付けられていて――
 なんでか、芋が詰まった・・・・・・木箱きばこが積まれてた。

「みゃにゃやーにゃぎゃぁー
 天ぷら号きみどりいろから飛び降り、駆け寄ってきた猫の魔物風きみどりいろが――ぽぎゅ♪
「うるせぇー、耳元みみもとで鳴くんじゃねぇやぃ……そのいもぉ、どっから持ってきやがった?」

 ふぉん♪
『おにぎり>お芋さんの町の、お芋姫さまだもの♪』
 〝おいもさんのまち〟っていう、うまそうなまちの名わぁ、まえにも聞いたが――
 この立て込んでるときに、おまえなにを言っとるんだぁ?

 黄緑色の猫手シシガニャンが――ぽきゅり♪
 今回こんかい大一番ばくちで、とんでもない大損おおぞんをしたらしいやつの名を、ゆびさした。
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