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七十話 夏休みを終えて
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日が暮れて、シャワーを浴び終えた俺たちは、服を着て家から出たところだ。当然だが、繭奈と冬夏を家まで送らなければならないからね。
先週だか先々週のようにお泊まりをするには、さすがに親への根回しというか、許可が必要なのだ。
いつの間にかすっかり仲良くなってしまった冬夏は、繭奈よろしく俺と手をしっかり繋いで歩いている。美少女ともいえる二人を両手に侍らせた、端から見れば俺は完全に二股クソ野郎である。
そもそもこないだ貝崎ともワンナイトみたいなことをしたので、今更だろうと言われてしまえばそれまでではあるが。
それにしても、妙に好感度の高い冬夏である。マジでそんなに好かれる要素なんてないと思うのだが、少なくともそれだけの信用があるということだろう。多分というか、十中八九 繭奈のおかげである。
すっかりゼロ距離になってしまった冬夏だが、彼女だって繭奈と同じくモテるんだよね。ただ他人には冷たいだけだ。
夏休みが始まった頃の、俺に対する物言いや態度を見ればわざわざ言うことでもないかもしれないが。
あれから夏休みを過ごし、繭奈に加えて冬夏も俺の部屋に入り浸るようになることは、言うまではもないことだった。
俺もすっかり冬夏の虜になっているのか、彼女のことが可愛くて仕方がない。いつもは強気なのに、ベッドに連れ込むと途端に弱気になっていく。
そりゃあもうグッとくるというものだ。
そんな魅力的な女の子と過ごしていたことで、夏休みはあっという間に過ぎていった。ちなみに課題は、海から帰ってきてから一週間のうちに終わらせたので、もうずっと遊んでばかりであった。
繭奈のおかげで課題に追われずに済んだよ。去年の夏休みはちょっと危うかったのでね。
そんな楽しい夏休みも終わりを控えて、残り僅かとなった期間も、繭奈と冬夏の魅力にどっぷり浸かっていた。やべぇぞこれ、爛れちまってる。
そんな状態のまま夏休みはすぐに終わり、ついに学校が再開してしまったのだった。
──────────
長い休みが終わり、やっと戻ってきた学校生活だ。俺はずっとこの日を待っていた。この一ヶ月と半月ほどの期間を!
その間ずっと、俺の好きな人の顔を見れないままだった。いつもいつも素っ気なく、でもキリッとして自分を持っている人だ。
何度か告白をしたものの、その一度も頷いてくれなかった彼女は、きっとその純潔を守っている筈だ。それは俺も同じ。
素敵な彼女に見合う男になるために、運動も勉強と欠かすことはなかった。それは身嗜みだって同じこと。
自分で言うのもアレだが、俺は割と告白をされたことがある。スバリモテるのだ。街を歩けば逆ナンだってされるくらいには、ルックスにも自信がある。
「おはよう」
「あっ、おはよう♪」
久しぶりに校門をくぐり、近くにいたクラスメイトの女の子に声をかければ、彼女は顔を赤くして嬉しそうに返す。それはあくまでいつものことだ。
同級生も先輩も後輩も関係なく、皆が俺を見てキャイキャイと盛り上がる。
教室に入ればいつもの男子連中からも気の良い挨拶をかけられて、愛想良くそれを返す。同じ部活のメンバーだ。
そして彼も、俺がとある人物をずっと好きであることを知っている。
「なぁ、今日また告るんだろ?アイツに」
「もちろんだ」
前の席に座っている彼が、椅子の背もたれに肘を掛けこちらを向いて言った言葉に、俺は頷いて返す。もしかしたらという期待を胸に、その時を待つ。
すると、その人物が入ってくるのにそう時間は掛からなかった。
「あらおはよう、冬夏」
「おはよー」
来たっ!久しぶりその姿を見ることができた。友人以外の誰にも笑いかけることのない、その素っ気なさが魅力的な彼女だ。
教室に入ってきたその姿を目で追うと、夏休みを越えてより美人になった彼女が目に映った。
どことなく色気が増したように見えるのは、もしかして長いこと会ってなかったからだろうか?なにせ、なんとか街中で会えないかと思って外に出ても、一度もその顔を拝めなかったからな。
しかし、良い……!
彼女こそ俺が付き合うべき女性だと、そう思った俺は声をかけようと席を立つ。放課後に話があると、告白の時間を作ってもらうために。
先週だか先々週のようにお泊まりをするには、さすがに親への根回しというか、許可が必要なのだ。
いつの間にかすっかり仲良くなってしまった冬夏は、繭奈よろしく俺と手をしっかり繋いで歩いている。美少女ともいえる二人を両手に侍らせた、端から見れば俺は完全に二股クソ野郎である。
そもそもこないだ貝崎ともワンナイトみたいなことをしたので、今更だろうと言われてしまえばそれまでではあるが。
それにしても、妙に好感度の高い冬夏である。マジでそんなに好かれる要素なんてないと思うのだが、少なくともそれだけの信用があるということだろう。多分というか、十中八九 繭奈のおかげである。
すっかりゼロ距離になってしまった冬夏だが、彼女だって繭奈と同じくモテるんだよね。ただ他人には冷たいだけだ。
夏休みが始まった頃の、俺に対する物言いや態度を見ればわざわざ言うことでもないかもしれないが。
あれから夏休みを過ごし、繭奈に加えて冬夏も俺の部屋に入り浸るようになることは、言うまではもないことだった。
俺もすっかり冬夏の虜になっているのか、彼女のことが可愛くて仕方がない。いつもは強気なのに、ベッドに連れ込むと途端に弱気になっていく。
そりゃあもうグッとくるというものだ。
そんな魅力的な女の子と過ごしていたことで、夏休みはあっという間に過ぎていった。ちなみに課題は、海から帰ってきてから一週間のうちに終わらせたので、もうずっと遊んでばかりであった。
繭奈のおかげで課題に追われずに済んだよ。去年の夏休みはちょっと危うかったのでね。
そんな楽しい夏休みも終わりを控えて、残り僅かとなった期間も、繭奈と冬夏の魅力にどっぷり浸かっていた。やべぇぞこれ、爛れちまってる。
そんな状態のまま夏休みはすぐに終わり、ついに学校が再開してしまったのだった。
──────────
長い休みが終わり、やっと戻ってきた学校生活だ。俺はずっとこの日を待っていた。この一ヶ月と半月ほどの期間を!
その間ずっと、俺の好きな人の顔を見れないままだった。いつもいつも素っ気なく、でもキリッとして自分を持っている人だ。
何度か告白をしたものの、その一度も頷いてくれなかった彼女は、きっとその純潔を守っている筈だ。それは俺も同じ。
素敵な彼女に見合う男になるために、運動も勉強と欠かすことはなかった。それは身嗜みだって同じこと。
自分で言うのもアレだが、俺は割と告白をされたことがある。スバリモテるのだ。街を歩けば逆ナンだってされるくらいには、ルックスにも自信がある。
「おはよう」
「あっ、おはよう♪」
久しぶりに校門をくぐり、近くにいたクラスメイトの女の子に声をかければ、彼女は顔を赤くして嬉しそうに返す。それはあくまでいつものことだ。
同級生も先輩も後輩も関係なく、皆が俺を見てキャイキャイと盛り上がる。
教室に入ればいつもの男子連中からも気の良い挨拶をかけられて、愛想良くそれを返す。同じ部活のメンバーだ。
そして彼も、俺がとある人物をずっと好きであることを知っている。
「なぁ、今日また告るんだろ?アイツに」
「もちろんだ」
前の席に座っている彼が、椅子の背もたれに肘を掛けこちらを向いて言った言葉に、俺は頷いて返す。もしかしたらという期待を胸に、その時を待つ。
すると、その人物が入ってくるのにそう時間は掛からなかった。
「あらおはよう、冬夏」
「おはよー」
来たっ!久しぶりその姿を見ることができた。友人以外の誰にも笑いかけることのない、その素っ気なさが魅力的な彼女だ。
教室に入ってきたその姿を目で追うと、夏休みを越えてより美人になった彼女が目に映った。
どことなく色気が増したように見えるのは、もしかして長いこと会ってなかったからだろうか?なにせ、なんとか街中で会えないかと思って外に出ても、一度もその顔を拝めなかったからな。
しかし、良い……!
彼女こそ俺が付き合うべき女性だと、そう思った俺は声をかけようと席を立つ。放課後に話があると、告白の時間を作ってもらうために。
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