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王家筋でルゥグホン侯爵家とも血縁であらせられる、リューフワ侯爵家の舞踏会にお呼ばれしたのは数日前の事。
ティーシル様のエスコートで私は広間に入り、リューフワ侯爵夫妻に挨拶をさせていただきました。
しばらくすると黙ってティーシル様は私から離れていかれました。
不思議に思いながら、友人たちと歓談用に用意されているソファで楽しく話をしておりました。
「結婚の準備は順調ですの?」
とっても仲の良い友達のポーレットが期待を込めた目で尋ねてきました。
いつもは砕けた話し方なのに、今日は余所行きの言葉遣いですね。
舞踏会なんて壁に耳有りですものね。
「そうね…周りがすべて準備をして下さるから、私は特に…」
私たちの場合、周りが盛り上がっていますから…。
「そんな事ではダメよ。一生に一度の事じゃない。自分のなさりたいようにちゃんと伝えなきゃ!」
お手にある扇をぴしゃりと力を込めて閉じたポーレットに驚いて身を縮めてしまいました。
そこは貴族の親同士が決めた結婚ですから、こんな感じじゃないかしら。
私の結婚話や皆様の近況報告を猫をかぶりながら楽しくおしゃべりをしておりました。
「お話中、失礼。」
そこへティーシル様がご友人何名かと現れて私たちの会話を断ち切り、静かにでもキッパリと宣言したのです。
「エミリエンヌのご友人たちも聞いてくれ。…私、ティーシル・ルゥグホンは本日この場でエミリエンヌ・フォンテーナとの婚約を破棄する。そして、こちらにいらっしゃるルミア・ジュブワ男爵令嬢と婚約する事を宣言する。」
一瞬何を言われているのか理解できませんでした。
ティーシル様のエスコートで私は広間に入り、リューフワ侯爵夫妻に挨拶をさせていただきました。
しばらくすると黙ってティーシル様は私から離れていかれました。
不思議に思いながら、友人たちと歓談用に用意されているソファで楽しく話をしておりました。
「結婚の準備は順調ですの?」
とっても仲の良い友達のポーレットが期待を込めた目で尋ねてきました。
いつもは砕けた話し方なのに、今日は余所行きの言葉遣いですね。
舞踏会なんて壁に耳有りですものね。
「そうね…周りがすべて準備をして下さるから、私は特に…」
私たちの場合、周りが盛り上がっていますから…。
「そんな事ではダメよ。一生に一度の事じゃない。自分のなさりたいようにちゃんと伝えなきゃ!」
お手にある扇をぴしゃりと力を込めて閉じたポーレットに驚いて身を縮めてしまいました。
そこは貴族の親同士が決めた結婚ですから、こんな感じじゃないかしら。
私の結婚話や皆様の近況報告を猫をかぶりながら楽しくおしゃべりをしておりました。
「お話中、失礼。」
そこへティーシル様がご友人何名かと現れて私たちの会話を断ち切り、静かにでもキッパリと宣言したのです。
「エミリエンヌのご友人たちも聞いてくれ。…私、ティーシル・ルゥグホンは本日この場でエミリエンヌ・フォンテーナとの婚約を破棄する。そして、こちらにいらっしゃるルミア・ジュブワ男爵令嬢と婚約する事を宣言する。」
一瞬何を言われているのか理解できませんでした。
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