婚約破棄、ありがとうございます

奈井

文字の大きさ
8 / 40

ポーレットがルミア嬢の事を調べて教えてくれました。

「3年前くらいにジュブワ男爵ってお嬢様を病気でなくされたじゃない。その時期に身寄りのないルミア嬢を引き取ったらしいのよ。」

元々はジュブワ男爵のお知り合いのお子様だとか。

「ティーシル様って舞踏会とかあまり行かないじゃない?でも、2人の出会いは、ルゥグホン侯爵とベルナルダン様の代わりに行かれた舞踏会なんですって。ティーシル様がルミア嬢と踊っているところを見たことがあるってみなさん噂していたわ。」

所在無さげに壁の花となっていたルミア嬢を可哀想に思ってダンスに誘ったのが始まりとか。

皆様よくご存知ね。

5年ほど前から他国に留学されているティーシル様に私がお会いするのは年に1度か2度でした。

当然、舞踏会だってお出にならなかった。

なのに、たまたま御名代で行かれた会で出会うなんて、他人事ながら運命かも。

それにしても、2人の親しげなご様子を見ると、ルミア嬢とは頻繁に会われていたのでしょうね。

親密な感じでした。

嫉妬と言う訳でもないのですが、なんだか寂しい感じがします。

まあ、仮にも婚約者だったわけだし。

仮じゃく、正式でしたけど。

結婚の儀式の打ち合わせなどでルゥグホン侯爵のお屋敷にお邪魔する事は頻繁にありました。

友達同士でもあるお父様たちがそれを口実にお集まりになっていただけかもしれませんが。

当然、書斎で領地の管理運営のお仕事をされているベルナルダンお兄様にお会いするのもたくさん機会がありました。

ティーシル様よりはるかに多く。


「兄と相談しろ。」

そうティーシル様が言ってた通り、ベルナルダンお兄様は事態を聞きつけてすぐにお手紙をくださいました。

ベルナルダンお兄様が悪いわけではないのに、お手紙の中で謝ってくださいました。

そして、私の体調などを気遣う文章。

今、すぐにでも慰めに行きたいが、これ以上、私に悪い噂が立たないようにしたいからしばらくは我慢する、と書いてありました。

いくら元婚約者の兄でも男の方ですものね。

火が無くても煙が立つかもしれません。


「大丈夫だよ。僕が側にいるから安心して。エミリ」

そう、いつも私が安心する魔法の言葉も手紙には添えてありました。





あなたにおすすめの小説

伯爵令嬢の婚約解消理由

七宮 ゆえ
恋愛
私には、小さい頃から親に決められていた婚約者がいます。 婚約者は容姿端麗、文武両道、金枝玉葉という世のご令嬢方が黄色い悲鳴をあげること間違い無しなお方です。 そんな彼と私の関係は、婚約者としても友人としても比較的良好でありました。 しかしある日、彼から婚約を解消しようという提案を受けました。勿論私達の仲が不仲になったとか、そういう話ではありません。それにはやむを得ない事情があったのです。主に、国とか国とか国とか。 一体何があったのかというと、それは…… これは、そんな私たちの少しだけ複雑な婚約についてのお話。 *本編は8話+番外編を載せる予定です。 *小説家になろうに同時掲載しております。 *なろうの方でも、アルファポリスの方でも色んな方に続編を読みたいとのお言葉を貰ったので、続きを只今執筆しております。

某国王家の結婚事情

小夏 礼
恋愛
ある国の王家三代の結婚にまつわるお話。 侯爵令嬢のエヴァリーナは幼い頃に王太子の婚約者に決まった。 王太子との仲は悪くなく、何も問題ないと思っていた。 しかし、ある日王太子から信じられない言葉を聞くことになる……。

必要とされなくても、私はここにいます

あう
恋愛
辺境公爵カーネル・クリスのもとへ嫁ぐことになったフィレ・バーナード。 けれど彼女は、理想の妻になろうとも、誰かの上に立とうともしなかった。 口出ししない。 判断を奪わない。 必要以上に関わらない。 ただ静かに、そこにいるだけ。 そんな彼女の在り方は、少しずつ屋敷の空気を変えていく。 張りつめていた人々の距離はやわらぎ、日々の営みは穏やかに整いはじめる。 何かを勝ち取る物語ではない。 誰かを打ち負かす物語でもない。 それでも確かに、彼女がいることで守られていくものがある。 これは、 声高に愛を叫ばなくても伝わる想いと、 何も奪わないからこそ育っていく信頼を描く、 静かでやさしい結婚生活の物語。

片思いの貴方に何度も告白したけど断られ続けてきた

来栖 蘭
恋愛
幼馴染で学生の頃から、ずっと好きだった人。 高校生くらいから何十回も告白した。 全て「好きなの」 「ごめん、断る」 その繰り返しだった。 だけど彼は優しいから、時々、ご飯を食べに行ったり、デートはしてくれる。 紛らわしいと思う。 彼に好きな人がいるわけではない。 まだそれなら諦めがつく。 彼はカイル=クレシア23歳 イケメンでモテる。 私はアリア=ナターシャ20歳 普通で人には可愛い方だと言われた。 そんなある日 私が20歳になった時だった。 両親が見合い話を持ってきた。 最後の告白をしようと思った。 ダメなら見合いをすると言った。 その見合い相手に溺愛される。

貴方の事なんて大嫌い!

柊 月
恋愛
ティリアーナには想い人がいる。 しかし彼が彼女に向けた言葉は残酷だった。 これは不器用で素直じゃない2人の物語。

オネエな幼馴染と男嫌いな私

麻竹
恋愛
男嫌いな侯爵家の御令嬢にはオネエの幼馴染がいました。しかし実は侯爵令嬢が男嫌いになったのは、この幼馴染のせいでした。物心つく頃から一緒にいた幼馴染は事ある毎に侯爵令嬢に嫌がらせをしてきます。その悪戯も洒落にならないような悪戯ばかりで毎日命がけ。そのせいで男嫌いになってしまった侯爵令嬢。「あいつのせいで男が苦手になったのに、なんであいつはオカマになってるのよ!!」と大人になって、あっさりオカマになってしまった幼馴染に憤慨する侯爵令嬢。そんな侯爵令嬢に今日も幼馴染はちょっかいをかけに来るのでした。

【完結】悪役令嬢の反撃の日々

ほーみ
恋愛
「ロゼリア、お茶会の準備はできていますか?」侍女のクラリスが部屋に入ってくる。 「ええ、ありがとう。今日も大勢の方々がいらっしゃるわね。」ロゼリアは微笑みながら答える。その微笑みは氷のように冷たく見えたが、心の中では別の計画を巡らせていた。 お茶会の席で、ロゼリアはいつものように優雅に振る舞い、貴族たちの陰口に耳を傾けた。その時、一人の男性が現れた。彼は王国の第一王子であり、ロゼリアの婚約者でもあるレオンハルトだった。 「ロゼリア、君の美しさは今日も輝いているね。」レオンハルトは優雅に頭を下げる。

[完結]離婚したいって泣くくらいなら、結婚する前に言ってくれ!

h.h
恋愛
「離婚させてくれぇ」「泣くな!」結婚してすぐにビルドは「離婚して」とフィーナに泣きついてきた。2人が生まれる前の母親同士の約束により結婚したけれど、好きな人ができたから別れたいって、それなら結婚する前に言え! あまりに情けなく自分勝手なビルドの姿に、とうとう堪忍袋の尾が切れた。「慰謝料を要求します」「それは困る!」「困るじゃねー!」