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「こちらへは休暇で?狩でもされるのですか?」
自然豊かなウエインターナーは、年に1度、王家主催の大規模な狩が催されます。
今はその時期ではないのですが、その日の為に練習にここを訪れる貴族はいらっしゃるので、ひょっとして…。
「違うんだ、エミリ。実は…。」
お兄様が話し始めると、それを遮るようにグレン様が口を開かれました。
「アル、私から言うよ。」
愛称でお兄様を呼ぶなんて、グレン様は本当にお兄様と仲がよろしいのね。
グレン様は少々私の方に身体の向きをなおされました。
「私がお願いしてここに連れて来てもらったのです。私があなたに会いたくて。エミリエンヌ嬢。」
どういうことなのでしょうか?
見かけた事しかない私に、会いたい?
きっと、私は、おっしゃっている意味がわからない、そんな顔をしていることでしょう。
そんな私の様子を見て、すまなそうに話を続けられるグレン様。
「噂で聞きました。婚約を破棄された、と。お辛い事を思い出させてしまって申し訳ありません。」
当然、ご存知ですよね。
お気遣いありがとうございます。
恥ずかしさも有り視線を下げてしまいました。
「すぐにでも、お会いしたと思いました。さすがに今は時期が良くないと思い遠慮しました。それができないのなら、お花やお菓子などを毎日でも送り、少しでもお慰めしたいと。ですが、事が起こったばかりで心の整理もついていないから、そっとしておいてほしいとアルに止められました。」
お兄様を見れば、私を見て静かに頷いていらっしゃいました。
「私の気持ちが本気なら、周りを納得させて来いと。その時は会わせてくれると、アルは約束してくれました。そして、すべて整えて、ここに…あなたに結婚を申し込みに来ました。」
その言葉に、はしたなく目を見開いてしまったのは仕方が無い事。
グレン様はまっすぐ私を見つめています。
強い視線に目が外せない。
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