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しおりを挟む「私の家族はもちろん、あなたの家族にも許可していただいています。すぐに返事が欲しいとは申しません。ですが、私との結婚を考えてはくれませんか?」
息が詰まる感じがします。
何度か呼吸を整えて、自分を落ち着かせ、ゆっくりと言葉を選びました。
「お気持ちはとても嬉しいのですが、申し訳ありません。私は、もう、どなたにも嫁ぐつもりはありません。」
婚約破棄をされたからとかではなく、私はあの方以外には…。
「あんな事があって、今は考えられないのはわかります。ですが、どなたも選ばないのなら…婚約や結婚をしばらく考えなくていいので、とりあえず、私の側にいてくれませんか?」
真剣な表情も眼差しも言葉もひしひしと伝わってくる。
私もこんな風に頑張れたのならベルナルダンお兄様との関係が今と変わった物になっていたのかしら。
私が何も返さず黙り込んでいると、一言も話さず見守っていたお兄様が。
「グレン。君の気持ちはエミリには伝わったと思う。まだ、しばらくここにいるのだから、今日のところは、エミリをそんなに追い詰めないでくれないか。…ほぼ初対面の君たちがお互いを知る為に楽しい夕食でも囲もう。その為には、まず着替えだな。部屋に案内するよ。」
そう言って、お兄様はグレン様の腕を掴んで立たせ、そのまま部屋を出て行ってしまわれました。
王都の喧騒から逃れて、静かに過ごしていたのに、また、考えなければいけないことができてしまいました。
思い出さなくていいベルナルダンお兄様の事もなんだか思い出してしてしまいます。
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