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始まりは唐突に

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 一体あと何年生き続けないといけないんだろう…。
 つまらない日常、つまらない人間関係、つまらない自分…。

 水野 嶺は学校の屋上に立っていた。

 立て続けに振られること17回目…。
 いや、今日で18回目になった。
 もうこれ以上敗戦記録を更新したくない…。

 しかし自分の惚れっぽさといったらもう…。
 今年に入って三か月だというのに一目惚れしまくること3回目…。

 今日この3回目も終わった。

 ああ、生きるのってしんどい。
 
 そうして決意してきたのがこの屋上だった。

 っとまあ、色々考えても仕方ない。

 さっさと飛び降りて終わりにするか。

 
 嶺は一歩踏み出した。

 人間って落ちる瞬間に意識が無くなるのか、それとも地面に叩きつけられてから意識が無くなるのか…。
 
 それが確かめられても誰かに伝える術はないんだな。

 屋上から飛び降りながらそんなことを考えていた。
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