この世界では相当に無力な私を、誰か貰って下さい。

武林 茜

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4  絶望

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このまま、抵抗しなければ少しの体の痛みと心の傷で済むのかな。どうせ、売られるんだしね。

もし、私が助けてと叫んだら、誰か来てくれるのだろうか。いや、誰も来ないね。

どうして、こんなことになったのかな。私、普通に生きてただけなのに。それすら、許されないことなの?

体の倦怠感と心の絶望感が、私を襲う。

こんな状況になっても、私の目から涙は溢れない。反対に、この場には相応しくないことを私はしてしまった。

「フッ。」

「貴様、鼻でこの俺を笑ったな。」

男性は憤りながら、上半身だけ起き上がった状態の私の左頬を平手打ちする。

その衝撃に耐えるため、手を強く握った。すると、床に広がる、ガラスのような鋭い破片が手のひらを刺していく。

打たれた顔も手のひらも痛い。痛いからこそ、これが、夢で無いというのを嫌でも実感する。

そして、私の髪を誰かが強く引っ張り、その犯人と目が合った。

「人間風情が、兄さんのことを侮辱するなんて、許せない。********。」

青年が聞き取れない言葉を発した瞬間、彼の右手に燃え上がる炎の玉が現れた。

「よし、殺れ。こんな不細工な人間でも、少しは使えると思ったが、この俺を鼻で笑った。その代償は、死で償え。」

大声で怒り狂うように叫ぶ男性。

別に貴方のことを笑ったのではなく、この状況に笑うしかないと思っただけなんだが。今更、弁解の余地も無い。

「苦しく死んでいけ。」

青年が、口角を名一杯上げて笑った。彼の瞳の中に映った私は、恐怖で支配されていた。
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