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3話
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ジェラルドが孤児となる前、彼はエルドレッドという名を両親から与えられていた。
ジェラルドことエルドレッドの生家であるターナー邸は小高い丘に建つ白亜の屋敷だった。三百年ほど前に建てられた年季の入ったものだが、柱や階段の手すりに至るまで細かい彫刻が施された美しい屋敷だ。
庭はガーデニング趣味の母の手により、年中花が咲き誇っている。そんな自慢の庭で遊ぶのが、エルドレッドと五つ年下の弟コンラッドの日課だった。
半年前に十二の誕生日を迎えてからターナー家の次期当主としての勉強が更に忙しくなり、以前よりは遊ぶ時間を取るのが難しくはなったが、エルドレッドは空いた時間をできるだけ弟のために使った。
たったひとりの兄弟に寂しい思いをさせたくはなかった。
「兄ちゃん、お勉強おわったの? じゃあ、かくれんぼしよ!」
庭のガゼボに姿を表したエルドレッドに気づいて目を輝かせるコンラッドに微笑ましい気持ちになる。深い紫色の髪も茶の瞳もエルドレッドと全く同じ色なのに、コンラッドのものは特別綺麗に思えるから不思議だ。
「いいよ。兄ちゃんが鬼をしよう。ただし、隠れるのは庭の中だけ。あと、今日は小屋の方でブライアンが作業をしているから、邪魔したらダメからな」
ブライアンは最近住み込みで働き始めた下働きの少年だ。母の友人が遺した子で、エルドレッドより二つ下だが、背格好はエルドレッドと同じくらいだった。
作業用の帽子を被って後ろを向けばエルドレッドとよく似ていたため、兄と勘違いしたコンラッドが飛びついたことがある。
「わかった! 三十数えたら、探してね!」
元気よく走り去る弟を転ばないかと不安になりながら見送り、エルドレッドは目をつむって数を数えた。そして三十を数え終え、コンラッドを探し始める。
最初はうろうろと時間をかけて庭を探し歩いて、やがてガーデンテーブルやトピアリーの裏などコンラッドのお気に入りの隠れ場所を確認する。すぐに見つかるかと思ったが、心当たりのある場所にはいなかった。
まさか屋敷の外に出てしまったのではないかとエルドレッドが焦った時、玄関扉が開き、聞き覚えのある声が耳に飛び込んでいた。
「大丈夫! 僕、いい子だからちゃんと約束守れるよ!」
「……! コンラッド!」
玄関から出てきた弟は無傷のようで、エルドレッドはほっと息を吐く。
一方、コンラッドは気まずそうな顔をして俯いた。隠れるのは庭だけというエルドレッドとの約束を破ったからだろう。
「良かった、家の中にいたんだな。探してもどこにもいないから、心配したんだぞ」
「コンラッド君は私の道案内をしてくれたんだよ。ここの庭は美しくて見応えがあるから、ついつい眺めているうちに迷子になってしまって」
そう声をかけられて、エルドレッドはようやくコンラッドの側にひとりの男がいることに気がついた。
「カールさん。いらっしゃっていたんですね」
慌てて挨拶をするエルドレッドに、カール・リントンは笑みを浮かべる。痩せ型でやや吊り目の神経質な顔立ちをしている男だが、笑うとキツイ印象が和らぐ。
「突然お邪魔してすまないね。お父さんに相談事があったんだ」
カールは父の故郷の友人で、数年前にこの街で再会してから親交が復活したそうだ。屋敷にも頻繁に訪れていたから、エルドレッドとも顔見知りだった。
「両親は孤児院の視察に行ってるんです。診療所の方にも顔を出すと言っていたから、おそらく夕方まで帰ってこないと思います。すみません、せっかく来ていただいたのに」
「いや、慈善事業に熱心なのはいいことだよ。そもそもアポもなく来てしまった私が悪いのだから。……お土産にお酒を持ってきたから、メイドに渡しておいたよ。寝酒に最適だから是非飲んでみてくれとお父さん達に伝えておいてくれ」
「はい。必ず伝えます」
「ありがとう。……そういえば聞いたよ、エルドレッド君。君、先日猫を追いかけて木に登った女の子を助けたんだって? 噂になってたよ」
エルドレッドは瞠目した。確かに助けた記憶はあるが、なぜ自分だとバレたのだろう。女の子はこの街の子ではなかったし、名乗ってもいない。ひと気のない場所で、目撃者もいなかったはずだ。
そんな疑問が顔に出ていたのだろう、カールはエルドレッドの頭を差した。
「その女の子が言っていた『黒みがかった紫の髪色の男の子』で私が知っている中ではこの街には君かコンラッド君しかいないからね」
コンラッドの年ではさすがに少女を助けるのは難しいため、消去法でエルドレッド一択になる。
エルドレッドは帽子を被ればよかったと後悔した。この髪の色は嫌いではないが、珍しい色なので人々の印象に残りやすい。
「ふふ。君とコンラッド君はお父さんにそっくりの見事な髪だからね。女の子は君のような髪の色に惹かれやすいんだし、印象に残るのは仕方がない。名前を聞いても明かしてくれなかったとその女の子は残念そうだったよ。感謝されるのは好きではないのかい?」
「人の役に立つのは嫌いじゃないですけど、お礼とかは面倒なことになるので……」
「あー、君を巡って女の子同士で揉めたそうだね。はは、そんなところもお父さんにそっくりだ。まったくモテる男ってのはつらいものだね」
この街の少年は活発で少女をからかう者が多いからか、穏やかな物腰のエルドレッドは好感を持たれやすかった。
自分を巡って少女達の争いに巻き込まれて以来、たいして親しくもないのに恋心を抱く異性が苦手になった。
「なら、女の子は苦手かい? いつか、うちの娘を紹介したかったんだけど」
「え。カールさん、娘さんいらしたんですか?」
「あれ、言ってなかったかな。ちょうどコンラッド君と同じ年でね。今は別の街で暮らしているんだけど、また一緒に暮らす予定なんだよ」
妻が亡くなった直後に娘が情緒が不安定になったため、保養地に預けているらしい。
「髪や目の色は妻にそっくりなんだが、中身は妻とは正反対の勝ち気な子なんだ」
いかに娘がお転婆であるのかを語るカールの目は優しい色を帯びていた。両親もエルドレッドやコンラッドの゙ことを語る時には慈愛に満ちた目をする。きっと彼も子煩悩な父親なのだろう。
どの程度勝ち気なのかはわからないが、コンラッドと同じ年ならば良い友達になってくれるのではないだろうか。
五つも下の子なら、異性であっても面倒な恋愛トラブルを起こさないのではないか。それならばカールの言うように会ってみたい気持ちになった。
エルドレッドがそう考えていると、カールがはっとしたように口を開いた。
「もうこんな時間だ。人と合う約束があるから、これで失礼するよ」
カールを見送ったエルドレッドは、ふとコンラッドが静かすぎることに気がついた。
お客さんが来たのなら、いつもはもっと話にはいってくるはずなのに。不安に思いコンラッドの顔色をうかがうと、彼は真一文字に口を引き結んでいた。
「どうしたんだ? 具合が悪いのか?」
エルドレッドの問いに、コンラッドは首を横に振る。
嘘はついていないようだし、顔色も悪くない。何かしら喋りたくない理由でもあるのだろうか。
先程、カールと約束がどうとか言っていたことを思い出す。もしかしたら、変に騒いでしまって静かにしているよう約束したのかもしれない。以前、父と似たような約束をしてこのような反応をしたことがあった。
それなら時間が経てばまた元気よく喋るだろうと、この時エルドレッドは深く考えずに流すことにした。
後に、強く悔いることになるとも知らずに。
ジェラルドことエルドレッドの生家であるターナー邸は小高い丘に建つ白亜の屋敷だった。三百年ほど前に建てられた年季の入ったものだが、柱や階段の手すりに至るまで細かい彫刻が施された美しい屋敷だ。
庭はガーデニング趣味の母の手により、年中花が咲き誇っている。そんな自慢の庭で遊ぶのが、エルドレッドと五つ年下の弟コンラッドの日課だった。
半年前に十二の誕生日を迎えてからターナー家の次期当主としての勉強が更に忙しくなり、以前よりは遊ぶ時間を取るのが難しくはなったが、エルドレッドは空いた時間をできるだけ弟のために使った。
たったひとりの兄弟に寂しい思いをさせたくはなかった。
「兄ちゃん、お勉強おわったの? じゃあ、かくれんぼしよ!」
庭のガゼボに姿を表したエルドレッドに気づいて目を輝かせるコンラッドに微笑ましい気持ちになる。深い紫色の髪も茶の瞳もエルドレッドと全く同じ色なのに、コンラッドのものは特別綺麗に思えるから不思議だ。
「いいよ。兄ちゃんが鬼をしよう。ただし、隠れるのは庭の中だけ。あと、今日は小屋の方でブライアンが作業をしているから、邪魔したらダメからな」
ブライアンは最近住み込みで働き始めた下働きの少年だ。母の友人が遺した子で、エルドレッドより二つ下だが、背格好はエルドレッドと同じくらいだった。
作業用の帽子を被って後ろを向けばエルドレッドとよく似ていたため、兄と勘違いしたコンラッドが飛びついたことがある。
「わかった! 三十数えたら、探してね!」
元気よく走り去る弟を転ばないかと不安になりながら見送り、エルドレッドは目をつむって数を数えた。そして三十を数え終え、コンラッドを探し始める。
最初はうろうろと時間をかけて庭を探し歩いて、やがてガーデンテーブルやトピアリーの裏などコンラッドのお気に入りの隠れ場所を確認する。すぐに見つかるかと思ったが、心当たりのある場所にはいなかった。
まさか屋敷の外に出てしまったのではないかとエルドレッドが焦った時、玄関扉が開き、聞き覚えのある声が耳に飛び込んでいた。
「大丈夫! 僕、いい子だからちゃんと約束守れるよ!」
「……! コンラッド!」
玄関から出てきた弟は無傷のようで、エルドレッドはほっと息を吐く。
一方、コンラッドは気まずそうな顔をして俯いた。隠れるのは庭だけというエルドレッドとの約束を破ったからだろう。
「良かった、家の中にいたんだな。探してもどこにもいないから、心配したんだぞ」
「コンラッド君は私の道案内をしてくれたんだよ。ここの庭は美しくて見応えがあるから、ついつい眺めているうちに迷子になってしまって」
そう声をかけられて、エルドレッドはようやくコンラッドの側にひとりの男がいることに気がついた。
「カールさん。いらっしゃっていたんですね」
慌てて挨拶をするエルドレッドに、カール・リントンは笑みを浮かべる。痩せ型でやや吊り目の神経質な顔立ちをしている男だが、笑うとキツイ印象が和らぐ。
「突然お邪魔してすまないね。お父さんに相談事があったんだ」
カールは父の故郷の友人で、数年前にこの街で再会してから親交が復活したそうだ。屋敷にも頻繁に訪れていたから、エルドレッドとも顔見知りだった。
「両親は孤児院の視察に行ってるんです。診療所の方にも顔を出すと言っていたから、おそらく夕方まで帰ってこないと思います。すみません、せっかく来ていただいたのに」
「いや、慈善事業に熱心なのはいいことだよ。そもそもアポもなく来てしまった私が悪いのだから。……お土産にお酒を持ってきたから、メイドに渡しておいたよ。寝酒に最適だから是非飲んでみてくれとお父さん達に伝えておいてくれ」
「はい。必ず伝えます」
「ありがとう。……そういえば聞いたよ、エルドレッド君。君、先日猫を追いかけて木に登った女の子を助けたんだって? 噂になってたよ」
エルドレッドは瞠目した。確かに助けた記憶はあるが、なぜ自分だとバレたのだろう。女の子はこの街の子ではなかったし、名乗ってもいない。ひと気のない場所で、目撃者もいなかったはずだ。
そんな疑問が顔に出ていたのだろう、カールはエルドレッドの頭を差した。
「その女の子が言っていた『黒みがかった紫の髪色の男の子』で私が知っている中ではこの街には君かコンラッド君しかいないからね」
コンラッドの年ではさすがに少女を助けるのは難しいため、消去法でエルドレッド一択になる。
エルドレッドは帽子を被ればよかったと後悔した。この髪の色は嫌いではないが、珍しい色なので人々の印象に残りやすい。
「ふふ。君とコンラッド君はお父さんにそっくりの見事な髪だからね。女の子は君のような髪の色に惹かれやすいんだし、印象に残るのは仕方がない。名前を聞いても明かしてくれなかったとその女の子は残念そうだったよ。感謝されるのは好きではないのかい?」
「人の役に立つのは嫌いじゃないですけど、お礼とかは面倒なことになるので……」
「あー、君を巡って女の子同士で揉めたそうだね。はは、そんなところもお父さんにそっくりだ。まったくモテる男ってのはつらいものだね」
この街の少年は活発で少女をからかう者が多いからか、穏やかな物腰のエルドレッドは好感を持たれやすかった。
自分を巡って少女達の争いに巻き込まれて以来、たいして親しくもないのに恋心を抱く異性が苦手になった。
「なら、女の子は苦手かい? いつか、うちの娘を紹介したかったんだけど」
「え。カールさん、娘さんいらしたんですか?」
「あれ、言ってなかったかな。ちょうどコンラッド君と同じ年でね。今は別の街で暮らしているんだけど、また一緒に暮らす予定なんだよ」
妻が亡くなった直後に娘が情緒が不安定になったため、保養地に預けているらしい。
「髪や目の色は妻にそっくりなんだが、中身は妻とは正反対の勝ち気な子なんだ」
いかに娘がお転婆であるのかを語るカールの目は優しい色を帯びていた。両親もエルドレッドやコンラッドの゙ことを語る時には慈愛に満ちた目をする。きっと彼も子煩悩な父親なのだろう。
どの程度勝ち気なのかはわからないが、コンラッドと同じ年ならば良い友達になってくれるのではないだろうか。
五つも下の子なら、異性であっても面倒な恋愛トラブルを起こさないのではないか。それならばカールの言うように会ってみたい気持ちになった。
エルドレッドがそう考えていると、カールがはっとしたように口を開いた。
「もうこんな時間だ。人と合う約束があるから、これで失礼するよ」
カールを見送ったエルドレッドは、ふとコンラッドが静かすぎることに気がついた。
お客さんが来たのなら、いつもはもっと話にはいってくるはずなのに。不安に思いコンラッドの顔色をうかがうと、彼は真一文字に口を引き結んでいた。
「どうしたんだ? 具合が悪いのか?」
エルドレッドの問いに、コンラッドは首を横に振る。
嘘はついていないようだし、顔色も悪くない。何かしら喋りたくない理由でもあるのだろうか。
先程、カールと約束がどうとか言っていたことを思い出す。もしかしたら、変に騒いでしまって静かにしているよう約束したのかもしれない。以前、父と似たような約束をしてこのような反応をしたことがあった。
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