プラスティック・ヴィーナス

時雨虚太郎

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村上の手記

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 ……今日は新しくサークルに入ってきた奴が数人いた。名前はまだちゃんと覚えていない。昔からどうにも人の名前を覚えるのが苦手だが、いい加減に直さなければいけないだろうか?

 ただ、その中でも一人、だいぶ印象に残ったやつがいた。あいつと話していて、初めて後輩がかわいいというやつの気持ちが分かった気がする。あいつは話を聞くのが上手だ。最初は緊張していたのか、幾分表情が固かったが、俺の話すことすべてに興味を持ってくれた。

 キラキラした目、明るめの声色。生まれたての子犬のような、あの態度で擦り寄られたら、誰でも気持ちよく話してしまうというものだ……


 ……あいつに告白されたとき、俺は、こいつはどうしたんだろうと思った。
 一種のそういう異常者だとは思っていなかったし、ただ、真面目でかわいい後輩だと思っていたのだ。告白されたときには気持ち悪さしかなかった。
 あいつの心情を考えると多少複雑な気分ではあるのだが、それでも無理なものは無理だ……


 ……俺自身も矛盾していることを書くのは分かっている。しかし、あいつと付き合うことにした。いや、何と書けばいいのか、前に書いたことを見返したりするのだが、少しも、少しもそこで言っていることが現状に当てはまりはしないんだ。きっとどこかおかしかったんだろう。なにかにとりつかれていたんだろう……
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